2008年 江田五月のショートコメント 戻るホーム主張目次

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2008/12/29 《良い「変」へ》

今年最後のメルマガとなり、改めて1年間のご愛顧に感謝する。「戦争とテロ」の世紀にしてはいけないと言い続けて来たが、残念ながらガザの空爆でかつてない死者が出ている。世界金融危機はわが国にも深刻な影を落としている。今年の漢字「変」の向きは、明らかに逆方向だった。年末は例年どおり、地元の皆さんの声に耳を傾けている。来年こそ力を合わせて、順方向の良い変化を実現したい。よいお年をお迎え下さい。


2008/12/25 《第170回国会閉幕》

臨時国会が本日閉会となった。麻生政権になり、早期解散に備えて政府は新規提出法案を15本に絞り込んだが、10本しか成立せず、議員立法については、参議院から数多く衆議院に送付したが、成立は衆議院からの1本に留まった。衆議院での解散要求決議案は否決され、参議院の審議権尊重決議案は与党欠席の中で可決された。本日は、相馬雪香さんの追悼会が開かれ、寛仁親王らの追悼の言葉を聞きながら、民主主義の根本精神に思いを馳せた。


2008/12/22 《たばこ、税収、健康》

たばこ税の増税が見送られた。増税になれば喫煙人口が減少するから、税収効果が不明だという。一方で、たばこが原因で死亡する人が、年間20万人近くにのぼるとの調査結果が出た。喫煙者の死亡リスクは、非喫煙者と比べると、男性では消化性潰瘍7.1倍、喉頭がん5.5倍など、女性では肺がん3.9倍、心筋梗塞3倍などで、極めて高い。歩きたばこの禁止や公共の場所での禁煙推進も広がっており、受動喫煙の被害もある。増税が喫煙人口減少に直結するというなら、健康対策としての総合的たばこ対策に本気で取り組もう。


2008/12/18 《雇い止め、放り出し》

米国発の金融危機は、年の瀬を迎えたわが国の国民生活にも深刻な影響を及ぼしている。非正規雇用の雇い止めで、寒空の中に寮を追い出され、自殺者急増も懸念される今、政治は何ができるか。政府は大規模な景気対策を発表したが、具体策は通常国会に先送りで、間に合わない。もう待てないと、先行して雇用対策を打つ自治体も出てきた。そんな中、野党3党が緊急の雇用対策法案を参議院に提出し、与党に採決を迫っている。会期も残り少ない。面子を捨てた思い切った合意ができるのか、政治の決断が問われている。


2008/12/15 《改正少年法施行》

少年法22条によりこれまで非公開であった少年審判が、改正法施行で本日から、一定の重大事件につき、被害者側の傍聴が認められることとなった。裁判官として少年審判を主宰した私の経験からいうと、現実の審判運営は大変だと思う。「懇切を旨として、和やかに行う」という規定は、単なるお題目でなく、少年保護の精神だ。少年の置かれた状況についての深い洞察に基づき、被害者と少年の双方に配慮した運用をし、事実の中に更生の糸口があるとの観点から、ケーススタディーを重視して欲しい。


2008/12/11 《57年ぶりの複数再議決か?》

今臨時国会の最重要案件は、新テロ対策特措法改正案と金融機能強化法改正案の2法案だが、ともに本日の関係各委員会で採決され、明日の参院本会議を経て、同日の衆議院本会議で再議決され成立する見通しとなった。金融法案の参院での採決は否決ではなく、衆院修正案の再修正議決となるのに、衆院ではこれを排して元のままで採決され、両院協議会を求める気配は今のところない。違う種類の複数の法案が同日に再議決される例は、昭和26年以来57年ぶりだ。まだ会期末まで2週間あり、冬眠に入るわけにはいかない。


2008/12/08 《裁判所書記官逮捕》

今年だけで約2万件、被害総額約250億円に達している「振り込め詐欺」の救済策を逆手に取った偽造文書容疑で、あろうことか家裁書記官が逮捕された。制度的にも私の経験から言っても、書記官は、裁判の進行や強制執行などの場面で、裁判官とは独立した権限を有し、高い専門性に応じた高度な研修によって養成される職種であり、それを悪用した犯行は言語道断だ。裁判員制度も開始まであと半年という重要な時期に、先に裁判官弾劾事案が起きた矢先だ。信頼回復のために、竹崎新長官の辣腕に期待する。


2008/12/04 《クラスター爆弾禁止条約》

今年4月15日に参議院議長公邸で、グラニスラブ・カペタノビッチ君と面会し、クラスター爆弾禁止条約の早期批准を要請された。軍の技術者として不発弾処理中に、被弾して両手両足を失った好青年だ。昨日、オスロで開かれたクラスター爆弾禁止条約の署名式で、日本をはじめ約100カ国が署名した。製造・保有国の米・中・露はまだ署名していない。被害者の98%は市民で、日常生活の中での被害が続出している。対人地雷廃絶にリーダーシップを発揮した日本こそが、この問題でも汗をかいて欲しい。


2008/12/01 《政治は敬遠?》

本日から師走に突入。例年ならてんてこ舞いだが、今年はちょっと勝手が違う。国会は、もともと早期解散予定のため案件が少ないのに、会期が12月25日まで延長され、それに見合う案件提出は先送り、給油法案などの審議は膠着状態という始末だ。参議院宿舎問題は暫時待機。そんな政治は敬遠なのか、今年の流行語大賞は、「アラフォー」と「グー」に決定。「あなたとは違うんです」は、受賞辞退だとか。「居酒屋タクシー」は惜しかった。充満したマグマが、年末年始に大爆発を迎えるのではないか。


2008/11/27 《臨時国会延長》

11月30日の会期末を前に、動きが出てきた。開会当初は解散総選挙が想定され、10月末には第2次補正予算提出は必至と見られていたが、いずれも先送り。この間、リーマン発の世界金融危機のただ中で、震源地のアメリカ国民は次期大統領にオバマ氏を選び、大胆な人材登用で経済再建に向けた政権移行準備を進めている。日本では本日、与党から12月25日までの会期延長の申し入れがあった。明日は7ヶ月ぶりに党首討論が開催される。彼我の差に国民が失望しないよう、白熱した討論を期待したい。


2008/11/24 《ロボコン大会》

23日東京で開催された高等専門学校ロボットコンテスト全国大会で、地元の津山高専Bチームが「ロボコン大賞」を受賞した。独創的なアイデアと高い技術力が評価された。高専ロボコンは、全国の61校62キャンパスが参加する教育イベントで、20年の歴史を有する。私も、テレビ放映が目にとまるたびに、つい見入ってしまう。若い皆さんの努力とアイデアに、大きな期待が膨らむ。


2008/11/20 《三権の長》

日本国は、権力分立の原則に基づき、権力を司法権、立法権、行政権の三権に分け、それぞれの長を三権の長と呼んで抑制と均衡を図っている。内閣総理大臣と最高裁判所長官は天皇の親任式により任命されるが、衆・参の議長は各議院の選挙で選任され、任命行為は一切ない。最高裁には70歳の定年があり、明日、現在の島田仁郎長官は裁判官生活を終える。永年のご苦労を讃える。本日、河野洋平議長は衆議院開設以来の在任最長となった。健康に留意され、ますます高い見識でご活躍されることを祈る。


2008/11/17 《Changeと自治体》

平成の大合併以来、地方自治体が揺れ動いている。私の地元の岡山県は合併優等県で、78団体が27になった。ところが合併後の首長選挙では、主要部の側の候補者が、周辺部の立場を代表する候補者に破れ、または苦戦する例が多く見られた。住民が合併に疑問符を付けている格好だ。それから4年が経過し、今度は新人の挑戦を受けた現(前)職市長が、2006年5月の倉敷市から昨日の瀬戸内市まで、8連敗という惨状だ。Changeの激震は、海の向こうからだけでなく、地方からも始まっている。


2008/11/13 《迷走と困惑》

衆議院の「解散風」は凪いだが、残任期が10ヶ月を切ったのに、先行きは超不透明となり、政策は迷走だ。最優先という追加経済対策は、詰めが甘かった。目玉の「定額給付金」は、所得制限や給付の方法を、相談もなく丸投げされた市町村は困惑。道路財源の一般財源化による1兆円の地方移管もあやふやのまま。一般財源化自体も、さらに地方出先機関の廃止も、誠に覚束ない。国民は困惑している。


2008/11/10 《土俵際》

初日から横綱白鵬が負け、朝青龍が3場所連続休場するなど、大相撲九州場所は波乱の幕開けとなった。大麻汚染や八百長などの報道も喧しい。若い力士の傷害致死事件での懲役3年6月の求刑は、検察官が実刑を求めていると言える。私もおつきあいの中で、ちゃんこ場を訪ねることもあり、時間があればテレビ桟敷で観戦もする。観戦者には座布団投げを出来なくさせたのだから、相撲協会関係者には、土俵際で棒立ちになっているとの認識で、武蔵川理事長以下一丸となって、国技の名誉挽回と人気回復に本気で取り組んで欲しい。


2008/11/06 《米大統領選挙》

圧勝したバラク・オバマ氏の、言葉の力に感嘆した。「米国の真の強さは、軍事力や経済力ではなく、その理想の持つ力なのだ」と、建国の父たちに触れリンカーンの言葉を引き、民主主義の原点を協調した。白と黒、富者と貧者など全ての違いを乗り越えた合衆国と世界を作ろうと、国外の厳しい環境の中で小さな音量のラジオに耳をそばだてているものにまで、語り掛けた。この結果は全ての人々の勝利だと、参加民主主義を謳い上げた。課題山積だが、選挙で実現した政権交代には、圧倒的な迫力がある。


2008/11/03 《マグサイサイ賞》

今日は文化の日。文化勲章などの親授などが行われる。受賞者の益々のご活躍をお祈りする。石井昭男さんが8月31日に、アジアのノーベル賞といわれる「マグサイサイ賞」を受賞した。私の学生運動仲間で、波乱万丈の青春時代の後に「明石書店」を起し、一貫して人権問題の出版活動を続けたことが評価された。今日、私が発起人代表として祝賀会を開催し、元気いっぱいの仲間たちと、もうひと踏ん張りを誓い合った。


2008/10/30 《公邸》

国家公務員宿舎法第10条各号に規定する職員に、公邸が無償で貸与される。麻生首相は、公邸への引っ越しを「選挙後だ」と宣言し、主じ不在記録を更新するそうだ。参議院議長公邸は国会に近接しており、1961年使用開始で敷地総面積は広い駐車スペースを含め約6000坪。本館、事務棟のほか和洋折衷の居住棟があるが、私も宿泊したのはまだ1日だけだ。地元の私邸のほかに居住し慣れた議員宿舎があり、さらに居住条件を整えた本拠地を作るのは煩わしい。専ら内外要人との面談や、主催する会合、勉強会に利用し、有効利用に努めている。


2008/10/27 《岡山県知事選》

4選目の石井氏が、政治的には無名の新人で8月に出馬表明したばかりの住宅氏に、8.4ポイント差まで迫られ、岡山市と倉敷市では敗れた。3期目に民主党が石井氏を推薦したときの責任者は私で、4年間で総仕上げをするよう求めたこともあり、今回は自主投票だった。知事は批判と正面から向き合い、これからの4年間をいわばボーナスと受け止め、必ず総仕上げをして欲しい。次期総選挙と来春に政令市に移行する岡山市長選挙が、今後の重要選挙となる。投票率43%ではいけない。住宅氏にとっても、31万票はかなり重いはずだ。


2008/10/23 《オックスフォード》

裁判官時代、公務員の在外研究制度の第4期生として2年間、英国オックスフォード大学に留学し、行政法でディプロマ・イン・ローを修了した。三笠宮寛仁殿下や新最高裁判事の竹内行夫さんも同時期に留学しており、津村啓介代議士は後輩だ。本日、フッド総長主催のイベントが開催され、妻とともにレセプションと記念夕食会に参加した。青春時代に触れたルール・オブ・ローなどの基本的価値が、今こそ問われる。


2008/10/20 《秋の選挙》

麻生首相が解散カードを切るかどうか、緊迫した月末に入った。12年前の10月総選挙では、橋本自民党に破れた新進党は解党に向かった。その1週間後の岡山県知事選では、私は0.6ポイント差で苦杯をなめた。今年は国政統一補選はないが、各地で知事選が行われており、新潟と富山では現職再選。私の地元では、26日の投票日に向けて、4期目となる現職石井と新人住宅の両候補が一騎打ちだが、有権者の反応は鈍い。国の補助金をめぐる自治体の不正経理が、続々と発覚しているときだ。投票に行こう。


2008/10/16 《公邸の庭にも秋》

厳しい残暑から、一気に中秋。参議院議長公邸の庭には、今日はオナガが十数羽も飛び交い、フユザクラにも数輪の可憐な花が開いた。隣の衆議院議長公邸の巨大な銀杏からは、無数のぎんなんが降ってきて足の踏み場もない。秋の薔薇も見事だ。「むべ」の実を数個取って、ほのかな甘さを楽しんだ。天智天皇が味わい、無病長寿の霊果を「むべなるかな」と称えたといわれる。「天行健、君子以自彊不息」というが、自然の健やさに比して、人の世の喧噪と混乱をどうするか。


2008/10/13 《テロ指定解除の衝撃》

6カ国協議の枠組みは、どこに行ったのか。まず、麻生首相への通告は発表30分前だった。それに先立ち、中曽根外相はライス長官との電話会談後、「この週末はない」と言明していた。ブッシュ現大統領は結論を急ぎ、マケイン候補は懸念を示し、オバマ候補は評価した。「1つの方法」(麻生首相)であることは確かだが、日本の歴代政権が重要課題とした「拉致問題」は置き去りの格好だ。さあ、どうする。


2008/10/09 《ノーベル賞と科学技術》

3人のノーベル物理学賞に続いて、化学賞でも日本人研究者の受賞が決まった。真に喜ばしいことで、議長として早速祝電の手配をした。いずれも基礎研究で、「わが国の研究水準の高さが国内外に示された」と喜ぶ向きもあるが、過去の受賞者も含め、海外での研究が評価された例も多い。今回の受賞により、日本の基礎研究の水準が国際的に評価されたとは、到底言えない。国立大学の独立行政法人化が基礎研究に及ぼす影響も含め、現状への反省と未来への真摯な取り組みが、今こそ必要だ。


2008/10/06 《父母の法要》

昨日、親族だけで、父・江田三郎33回忌と母・光子13回忌の法要を営んだ。父は、新しい政治の旗を掲げてスタートを切った直後、私の誕生日に急死し、私がその旗を引き継いだ。「議員二十五年 政権もとれず 恥ずかしや」。「政戦五十年 余命幾ばくぞ 政権交代成らずして 入るべき墓場なし」。残された言葉が重い。母は、破天荒な父と私を穏やかに支え、晩年は趣味の短歌や絵画を楽しみ、葬儀の翌日が私の知事選出陣式だった。二人に感謝している。


2008/10/02 《金融も政治も「猫の目」》

米国発の金融不安が世界中に波及し、各国とも、株価は乱高下し対応に追われている。米国議会の金融安定化法案への対応は、下院は税金投入への国民の反発を恐れて否決、上院はこれに配慮した修正案を可決という慌てぶりで、カウントダウンに入った大統領選にも影を落とす。日本の国会論戦では、総選挙を意識してか、与野党トップが攻守ところを変えた趣だった。両国とも、国民の信任を得た政権が、一刻も早く国際社会と協調して、本格的な対応に取り組むことが必要だ。


2008/09/29 《異例と波乱の「麻生流」》

首班指名選挙の最中に閣僚名簿の完成版が報道され、その読みあげは首相自らが行うなど、麻生内閣は異例のスタートとなった。報道各社の世論調査では、支持率は概ね50%前後で、やや低めというのが大方の見方だ。国土交通大臣が暴言三点セットで、在任5日で辞任。政治とカネの問題に関する報道も、複数件ある。本日の所信表明演説は野次怒号に包まれ、首相自ら民主党を名指しで「質問」するなど、言葉遣いも含めてまさに「麻生流」だ。雰囲気は解散、総選挙にむけてまっしぐら。代表質問は波乱必至だ。


2008/09/25 《首班指名と議長》

昨日の首班指名選挙を細かく見ると、衆参での違いが見えてくる。衆議院は河野議長も投票し、第1回投票で麻生太郎氏圧勝だった。参議院は議長の私と海外出張中の一人が投票しておらず、投票総数は240票。第1回投票では小沢一郎氏が120票で、ちょうど半数のため過半数に達せず、決選投票では125票で指名された。議長席にいるものは投票しないというのが、参議院創立時からの先例で、先例録にも明記されており、参議院はそれだけ議長の超然性を重視している。自重自戒に努める。


2008/09/22 《トップは決まった!》

昨日、民主党の代表は小沢氏の3選で決まり、本日、自民党総裁は麻生氏の圧勝で決まった。この2人をトップに冠して、初めての本格的政権選択総選挙を迎えることとなる。リーマン破綻に端を発する国際経済混乱、年金記録改ざんや事故米流出、高齢者医療をめぐる政府・与党の大揺れなど、政治の課題は待ったなしだ。選挙後、どちらが第1党になるかによって、政権交代や政界再編など大激動の可能性もある。24日からは臨時国会で、歴史的な政治ドラマの開幕のベルが鳴る。


2008/09/18 《閉会中審査》

日本の国会は会期制度をとっているため、会期が終了し閉会となると審査が出来ない。しかし通常、本会議の議決により、閉会中も各委員会で審査を行うよう措置しており、先国会でも会期末にこの手続きをとった。そこで本日と明日、現下の最重要課題につき、民主党の開催要求により、いずれも参院で民主党が委員長を務める3委員会で質疑を行うことになった。今日の汚染米と年金記録改ざんの質疑も、明日の米国の経営破綻の質疑も、一刻も早く国会で取り上げるべき課題で、政治空白は許されない。


2008/09/15 《敬老》

本日は「敬老の日」だ。祝日法によれば「老人を敬愛し、長寿を祝う」日であり、日本固有の祝日だ。私は先日、展覧会で一般の料金を払おうとして、「失礼ですが、シルバーが有りますよ」と教えられ、有資格者であることに気付いた。戦後の辛さや厳しさは、今では懐かしい思い出であり、大切で得難い経験なのかも知れない。「世代交代の加速!」という意気込みは大切にしたいが、高齢者の扱いを見れば、その社会の品格が分かるという。品格ある日本にしたいものだ。


2008/09/11 《自民党総裁選》

本日は「9・11」。あの米国同時多発テロから、ちょうど7年だ。日本ではこの時期に2年連続して、首相が政権を投げ出した。「テロとの戦い」のあり方をめぐって与野党間に鋭い対立があり、安易な法延長が困難視される状況に立ち往生した形だ。自民党総裁選は昨日告示されたばかりだが、すでに本命独走と報道されており、若手2人はスタートラインにも立たせてもらえなかった。初日の5人の論戦は、政策の深掘り論議はなく、総選挙を意識してか、民主党批判になると熱がこもった。国民はどう見るだろうか。


2008/09/08 《米印原子力協力》

原子力供給国グループ(NSG)はインドを核輸出規制の「例外扱い」と決めたが、これに日本が賛成したことに異議を唱えたい。インドは核実験を行った核兵器国で、NSGはこれを機に発足し、インドは核拡散防止条約(NPT)にも加盟していない。世界の核拡散防止秩序はNPTと国際原子力機関(IAEA)によりかろうじて保たれており、国際社会はこの維持と強化に最大限の努力を傾注すべきであって、今回の決定はこれに逆行する。核廃絶を国是とする日本こそが、インドの核兵器放棄など、厳しい主張をすべきだった。


2008/09/04 《首相退陣》

1日の福田首相の退陣表明には驚いた。参議院は、通常国会最終盤の6月11日、本会議で問責決議を可決した。これを「柳に風」と受け流し、「ねじれ国会」運営に不可欠な真摯な話し合いとは逆に、3分の2ルールを乱発したり切り崩しを試みたりしたが、遂に82日目で行き詰まった。臨時国会召集目前で、国会日程に影響がないとの首相の見立てにかかわらず、2週間近く召集先送りとなった。あまりにも唐突で、無責任との謗りは免れない。国民の洗礼を受けない首相が続くのは、もう止めにしたい。


2008/09/01 《下院議長》

G8下院議長会議が明日、河野衆院議長の下、広島で開催される。日本で初めてのことで、上院は国により制度が大きく異なるので開催しない。議題は「平和と軍縮に向けた議会の役割」、「二院制議会における意思決定」の二つだ。ペロシ議長の広島入りは、米国最高位の政治家の初訪問で、注目される。米国でも、「核兵器のない世界」への期待が高まりつつある。ロシアのグリズロフ議長も出席する。グルジア問題の扱いが微妙だ。会議の大成功を心からお祈りする。


2008/08/28 《国際協力の志と武力》

「ペシャワール会」の伊藤和也さんの横死は、痛恨の極みだ。会でも、最近のアフガニスタンの治安悪化を受け、日本人スタッフの退避を検討していたようだが、間に合わなかった。しかし、中村現地代表が言うとおり、治安の悪化は武力では解決しない。過去にも、国際協力の最前線で命を落とした若者が、私の友人にも少なくない。今ここで、彼らが目指した住民との信頼構築よりも、武力の方を重視する選択をすると、彼らの志は烏有に帰してしまう。改めてPKOをはじめ国際協力の崇高な理念に立ち返ることが、今こそ必要だ。


2008/08/25 《日米のチェンジは?》

北京五輪とともに夏が去り、秋の気配の中で政治の季節が始まる。日本の民主党は、野田氏の代表戦不出馬で小沢代表続投が固まり、臨時国会を前に総選挙準備を急ぐ。米国では、民主党のオバマ氏が外交・安保の論客バイデン上院議員をペアに選び、本日からの党大会で、11月の大統領選の正副候補に選出される。日米両国にチェンジが来るのか、正念場が目前だ。


2008/08/21 《司法制度改革と市民》

戦後改革の中で最も不徹底だったお任せ型の官僚司法を根底から変えて、刑事裁判に市民参加を導入するのが、裁判員制度だ。来年5月の開始を見据えて、捜査や公判の在り方にも裁判官の意識改革にも、大きな動きが出てきた。捜査の可視化をはじめ、一層の改革のテーマも見えてきた。市民の司法に対する意識改革が大切だが、この時期になって、導入自体に躊躇の声が聞こえるのは、残念だ。12月1日から「被害者参加制度」が施行されるが、裁判員制度の導入と重なるので、関係者の過重負担が心配される。


2008/08/18 《離島へ》

首長まわり、初盆まわり、盆踊り、同期会を無事にこなした。北京五輪も終盤、夏の甲子園も決勝戦。しかし、若者の熱戦の後に来る臨時国会は、召集日がまだ決まらない。昨年は、参院選、議長就任で休暇がとれなかったので、今年こそはと、妻と壱岐・対馬へ束の間の小旅行に出た。三年前のGWの五島訪問に引き続き、テーマは「離島」だ。島の人々の生活に触れて、充電できれば幸いだ。


2008/08/14 《地元活動》

今年も、恒例の初盆まわりをしている。昨年は、議長就任直後でほとんどまわれず、1年遅れになったところもある。警護官にもご苦労を掛けるが、日ごろの地元日程が減った分、重要性が増した。初当選以来31年が経ち、長年お世話になった方が随分亡くなられた。寂しい限りだが、その分若い皆さんが集まり、新しい活力を与えてくれる。地元がエネルギーの源泉だ。


2008/08/11 《五輪の夢と現実》

北京五輪の開会式は想像を絶するスケールで、祝賀ムード満点だ。しかし、「ONE WORLD, ONE DREAM」に反し、新疆ウィグル自治区での襲撃事件やグルジアでの大規模な戦闘など、夢を打ち砕く悲惨な現実が続発している。暴力では何も解決しない。その中で、五輪女子エアピストル競技で、ロシアとグルジアの銀銅両選手が、表彰台上で抱き合い友情を称えた。「人が戦争を始めたのではない。政治家が始めたのです」は、重い言葉だ。


2008/08/07 《就任1年・平和》

本日で、参議院議長に就任して満1年となる。いろいろ苦労も多く、果たして合格点を得られたかどうか、不安が残るというのが正直な本音だ。皆さんの叱咤激励に、ただ感謝するばかりだ。この1年の最初の公務が「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」へ、最後が昨日の「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」への参列だった。感慨深いものがある。核兵器をめぐる情勢は緊張を増し、軍縮の必要性はますます高まっている。広島の平和資料館で記帳を求められ、「二度と繰り返しません」と記した。


2008/08/04 《内閣改造》

福田改造内閣は、経験豊富な実力者を集めた重厚堅実内閣で、小泉時代とは完全に絶縁だ。これが「福田流」だとも言えるが、旧来の派閥均衡で新鮮味はなく、重点の在処が分からないとの評もある。内閣支持率もさほど上がっていない。次は臨時国会と解散総選挙だが、9月召集・冒頭解散との声も聞こえる。私の地元体制も、2年後に備えて早急に補強することとした。油断したら涙を呑むのは、いつも同じだ。


2008/07/31 《私学の苦悩》

今春の入学者が定員割れとなった四年制私立大学の割合は、前年度比7.4ポイント増の47.1%で過去最悪となった。短大は5.3ポイント増の67.5%と、さらに苦戦だ。「入学定員充足率」は、全体は107%だが、東京の116%に対し中国地方は89%で、大都市や大規模校と地方との二極化が進んでいる。私の地元では、都市経営に大学を組み込んでいる小都市で、少子化に加え現場の厳しさも重なり、応募が激減し、介護コースの募集を停止したところもある。多様化するニーズに応え、地方を元気にするためにも、総合的施策が急がれる。


2008/07/28 《倫理研修》

日弁連規則の改正により、弁護士登録満30年以降も定期的に研修参加の義務が課され、私も義務年に当たり参加した。2時間の研修で、2名の研修委員とベテランや少壮の合計6名の弁護士によるパネルディスカッションと質疑応答だ。民事は記事により名誉毀損された市会議員の損害賠償に、刑事は電車内の痴漢行為で逮捕された否認事件に関するもので、弁護士職務基本規定の解釈など緻密な議論が行われ、私も指名されて質問した。どの仕事でも、職業倫理の維持・向上は、プロに課せられた社会的責務だ。


2008/07/24 《北京五輪と人権》

昨日、中国大使館で北京五輪写真展を見て、成功に向けた最大限の努力をお願いした。早速その夜、嬉しいニュースが届いた。気になっていたハンセン病患者の入国禁止措置が、撤廃された。15日に開かれた外務省審議官級の「日中人権対話」で、日本からの要請を受け、中国が、患者の差別撤廃を求めた国連人権理事会の決議を支持しているとし、これを行動で示すため、国外の患者と家族の入国を許可すると決めた。関係する多くの皆さんの努力が実ったことを喜び、一層の改善を期待する。


2008/07/21 《海の季節が来た!》

本日は「海の日」。「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日だ。私は、1995年の祝日法改正を扱った衆院内閣委の野党筆頭理事で、明治天皇の巡幸に由来する「海の記念日」との連想や祝日が過多になり「平和の日」が困難になるなどの懸念も出され、調整に苦労した。今、海洋汚染や温暖化も深刻化する一方だ。夏休みで海に親しむとき、改めて家族中で海の大切さに思いを馳せたいものだ。


2008/07/17 《若者の国際交流》

昨日、地元私立大学の国際交流企画に参加した。毎年、外国の姉妹校のの学生を理事長の私邸に招き、地元の有力者を交えて懇親し国際理解を深めている。私と話した米国の若者たちは、やはりチェィンジを強く求めていた。海外を回ってみると、日本の若者が国際機関やNGOで活動し、信頼関係を築いている。若い世代の国際連帯は確実に進んでおり、頼もしい未来の宝だ。


2008/07/14 《首長さんまわり》

2年ぶりに、岡山県内の首長さんたちの率直なご意見を聞こうと、玉野市を皮切りに「御用聞き」を始めた。全員まわるつもりだ。昨年の議長就任以来、多くの皆さんが院内と公邸の両議長執務室に要望に来られたが、私から訪ねるのは少なくなった。やはり現場で聞く声には、生々しさが伴う。県は6月2日に突然、「財政危機宣言」を発し、平成の大合併の成果が現れていない市町村は、先行きを心配している。国の対応も、厳しく問われる。


2008/07/10 《納豆の日》

本日7月10日は「納豆の日」。1981年に関西納豆工業協同組合が、関西での消費拡大のため、語呂合わせで制定し、1992年に全国に広がった。植物性の高たんぱくで動脈硬化防止や血栓溶解効果もあり、O157にも強い。子どもの頃、弁当箱をこたつに入れて作った。英国でもトライしたが、難しかった。納豆うどんも美味いし、国際線機内のドライ納豆は逸品だ。偽装ばやりの昨今だが、納豆の産地偽装は想像し難い。大豆を煮るだけで、後は納豆菌が仕上げる省エネタイプだ。心配は、食料価格の世界的高騰だけ。


2008/07/07 《充電開始》

懸案だった海外派遣議長班の旅は、東ティモール国民議会での演説、タイ国王への拝謁、インドでのシン首相との会見など、内容も濃く充実した日程だった。日本がアジア各国との友情を深め、国際社会の重要課題につき積極的に関わるとのメッセージとなったと思う。昨日から久々に地元岡山に戻り、足元固めに入った。昨年の参院選からの時の流れは早く、国会情勢も私の立場も大きく変わった。この夏の充電期間をどう充実させるか、原点に立ち帰って汗をかきたい。


2008/06/23 《初の海外訪問》

明後日25日から来月4日まで10日間、参議院議長として初の海外視察にでかける。民・自・公の議員会長さんにご同行いただいて東ティモールとタイを訪れ、その後インドまで足を伸ばす。物見遊山とは程遠く、東ティモールでは、旧知の国会議長・大統領・首相等と会見し、国会での演説も行い議員間交流を始める。タイは、上院の招待によるもの。インドは、熱気の現実を見る。可能な限りリアルタイムで、ホームページで報告するので、乞うご期待。


2008/06/19 《通常国会終了へ》

参議院議長に就任して最初の通常国会が、21日をもって終了する。ASEANとの経済連携協定等の条約2本が自然承認されるのを待ち、そのため恒例の会期末の議長挨拶も行わないという異例の形になりそうだ。昨年9月10日に召集された第168回臨時国会は、2回の延長で128日間。2日空けた1月18日に召集された第169回通常国会も、延長されて156日間。あわせると284日間という長丁場で、1クールが終わることになる。反省も多々ある。閉会中に諸課題をじっくり検討したい。


2008/06/16 《イラン誘拐邦人解放》

横浜国大生の中村さんが、無事解放された。昨年、イランの麻薬密輸組織の武装集団に誘拐され、8ヶ月ぶりだ。私も昨年12月に、モーセン・タライ前大使が離任挨拶に来られた際、保護への協力を要請しており、喜びも一入だ。しかし、個人渡航は自己責任が大原則だ。中村さんの場合も、イラン政府も手を焼いている集団の仕業で、外交交渉で邦人保護が図られるケースではない。それだけに、イラン政府の大変な努力は、感謝のほかない。外国では、地域事情がさまざまであることを、忘れないようにしたい。


2008/06/12 《問責決議と信任決議》

昨日の参議院本会議で、福田首相の問責決議を131対105で可決した。大差といえる。今回が28本目だが、可決は史上初のことだ。憲法66条3項で、内閣は「国会に対し連帯して責任を負ふ」ので、国会を構成する一院である参議院が首相の責任を問うたものだ。衆議院は本日の本会議で、内閣信任決議を可決した。こちらは16年ぶり、2度目だ。どちらも法的効果についての規定はないが、国民の政治選択に一石を投じようとするものであり、拙速な評価でなく、今後の世論の動向を見守りたい。


2008/06/09 《沖縄県議会、知事とねじれへ》

昨日投開票された沖縄県議選で、与党系が選挙前の27から22に議席を減らして半数の24を下回り、仲井真県政は少数与党で議会運営に臨むこととなった。首長と議会とのねじれは、首長が国政野党に与する場合はよくあるが、その反対は珍しく、政権と参議院との関係と同じだ。後期高齢者医療制度への対応、米軍普天間飛行場移設問題など、知事の舵取りが注目される。通常国会も最終盤の直線コースに入った。参議院を通過した医療制度廃止法案の取り扱いによっては、緊張した事態を迎える。


2008/06/05 《国籍法違憲判決》

最高裁大法廷は、国籍法3条1項の一部を違憲と判断した。父のみが日本国民である子が、出生後に認知された場合に、届け出により日本国籍を取得するために、両親の婚姻を要件とする部分であり、本日の議院運営委員会理事会で報告された。親子関係等に関する意識の変化、実態の多様化、諸外国での立法の変化、わが国が批准した条約など多くの要素を総合勘案し、国籍取得は人権保障に重大な意味があるとして、「チルドレン・ファースト」に立脚して憲法14条1項を適用した判決であり、立法府としても早急な対応が必要だ。


2008/06/02 《食料自給率》

物価上昇が世界的規模で深刻化している。とりわけ食料価格の高騰が大問題になってきた。先週のアフリカ開発会議(TICADW)でも、途上国の農業支援への理解が広がった。EUでは農業規制の大幅撤廃が検討されている。もともと食糧危機は人類史的趨勢であり、先進国が金の力で食料を買い漁ることは、もう出来ない。しかしわが国では、米の減反政策についてさえ意見が錯綜している。「食糧の安全保障」や「国際社会への責務」という視点から、農家支援により自給率の向上や地域社会の活性化を急ごう。


2008/05/29 《シートベルトともみじマーク》

改正道交法の6月1日施行に伴い、後部座席でもシートベルトの着用が義務付けられる。参議院では議院運営委員会で、議員が公用車を利用する際に、高速道だけでなく一般道でも、後部座席のシートベルト着用を、各会派で所属議員に徹底するよう申し合わせた。会派に所属しない私も、「まず隗より始めよ」で、率先して守りたい。あわせて義務付けられた高齢者マーク(もみじマーク)は、後期高齢者医療制度とも絡み、異論が続出している。人の気持ちにそぐわない安全対策は、うまくいかない。


2008/05/26 《大災害》

先週、中国とミャンマーの大使館に赴き、四川大地震とサイクロン大水害のお見舞い記帳をし、いずれも駐日大使と懇談の機会を得た。中国には阪神淡路大震災でのボランティア活動の役割を説明し、ミャンマーでは外国の人的支援を受け入れるよう要請した。どちらも地球規模の大災害であり、被災者の救援はもちろんの事、復興作業でも国際社会の共同対処が不可欠だ。人の命が主権の壁で危殆に瀕する時代は、もう終わりにしたい。


2008/05/22 《自重自戒》

本日は私の誕生日。恥ずかしながら、67歳。参議院議長に就任して初めてで各方面から祝意を頂き、感謝するばかりだ。来月に入れば、国会議員在職年数は満29年となる。初当選の時は「社会市民連合」で、ただ1人で国会に乗り込んだが、やっと政治の大転換を目前にするまでになった。ここからが大変で、慢心が敵だ。福田首相も河野議長も71歳で、バリバリ頑張っておられる。父の命日であることも忘れず、精進につとめる覚悟だ。


2008/05/19 《「大樹」から「郵政研」へ》

郵政民営化に伴い、全国特定郵便局長会は全国郵便局長会に名称変更し、関連の政治団体「大樹全国会議」は新たに現職の局長や社員が加わって「郵政政策研究会」に名称変更された。長く対立関係にあった労働組合も、組織統合してJP労組となった。統合は外にも広がり、日本通運の「ペリカン便」が郵便事業会社との事業統合で、「ゆうパック」に一本化するとのことだ。一連の動きが、地域の隅々まで血の通ったネットワークを劣化させることなく、国民の利便性向上につながるよう、注意をしていきたい。


2008/05/15 《大地震・大水害》

中国・四川省の大地震もミャンマーの大水害も、未曾有の死者を出している。被災者の皆さんに心よりお見舞い申し上げる。日本は災害多発国であり、とても他人事ではすまされない。直下型地震の経済被害は、近畿圏では最悪年間74兆円、中部圏では同33兆円と推計された。地球規模の災害には、国際社会共同の救援が必要だが、そのためには当該国が、国際社会の一員になっている必要がある。議会召集さえ拒否するミャンマーの軍政が、国際社会の支援に門戸を閉ざすのは、何としても改めて欲しい。


2008/05/12 《緑と鳥》

緊迫した国会情勢の中だが、自然環境と関わりの深いイベントへの参加が続いた。土曜日は「みどりの感謝祭」で、植樹祭や育樹祭を営む国土緑化推進機構などの主催。日曜日は「全国野鳥保護の集い」で、私も理事を務める鳥類保護連盟などの主催。いずれも主役は子供たちで、「緑の少年団」活動が顕彰され、小学生の愛鳥活動が報告された。サミットの主要テーマは環境で、世界的にも自然保護に注目が集まる今、現実に具体的に取り組んでいる子どもたちの真剣な眼差しを、もっと大切にしたい。


2008/05/08 《活動フルスロットル》

ゴールデンウィークが明けるや否や、超過密スケジュールとなった。来日中の中国の胡錦濤国家主席関連の諸行事への出席、アフリカ・中東の駐日大使の皆さんとの懇談会の主催、EU関連や皇室関連の諸行事なども目白押しだ。国会審議もフル回転で、特に道路整備費財源特例法の審議が大詰めを迎えた。明日が委員会、週明けが本会議で、参議院としての結論を出す。一般財源化の流れの中で、特定財源制度をどうするのかが参議院に問われている。


2008/05/05 《こどもの日》

本日は「こどもの日」だ。2002年に国連が子ども特別総会で「チルドレン・ファースト」を高く掲げてから、6年が経過するのに、なお道は遠い。総務省によると、わが国の15歳未満の子どもは、昨年より13万人少ない1725万人で27年連続減少し、総人口に占める割合も13.5%で34年連続下落。米国(20.3%)、中国(19.4%)、韓国(18.0%)、イタリア(14.1%)などより低く、世界最低水準だ。「子ども家庭省」が欲しい。


2008/05/01 《国会図書館》

本日、国立国会図書館の東京本館を訪れ、館長から活動報告を聞き、隅々までご案内いただいた。国会に出て来て30年余なのに、議員閲覧室以外は初めてだ。帝国図書館と帝国議会の貴族院・衆議院図書館を統合し、1948年に設立。収蔵能力は1200万冊で、2017年には満杯になるそうだ。他に関西館と国際子ども図書館がある。古典籍資料には貴重なものが多く、正岡子規の絶筆や足利尊氏の自筆署名などを拝見した。国民本位の「利用」と「保存」のため、「納本」への協力をお願いする。


2008/04/28 《今年のGW》

昨年のGWは、地元岡山県内の中山間部の街頭演説三昧だった。今年は一転し、国会情勢は緊迫の度を増すばかりで、議員はみな東京を留守に出来ない。当初は議長就任以来の懸案となっている東ティモール・インドネシア訪問を予定していたが、すべて取り止めた。注目された昨日の衆院補選を経て、今月末から来月半ばまで、与党は法案の衆院再可決を目指し、野党は首相問責決議案提出の機をうかがう。私は特に予定を入れず、「ねじれ」に臨む気力と胆力を蓄えたい。


2008/04/24 《ハンセン病基本法》

旧法廃止から10年、熊本判決から5年を経て、ハンセン病問題の真の解決をはかる「ハンセン病問題基本法」の制定作業が大詰めに来ている。療養所入所者の平均年齢は、まもなく80歳になる。差別・隔離政策からの被害回復については、国は最後の一人まで責任を持つことを約束しており、その現実的解決のためには、療養施設等が広く地域住民の医療・介護施設等として開かれ、発展することが必要だ。隔離された島を本土と繋いだ邑久長島大橋も、開通二十周年を迎える。「人間回復」のため、最終解決を急ぎたい。


2008/04/21 《聖火リレー》

北京五輪聖火リレーが、世界各地で騒動の的となっており、わが国にも飛び火した。当初の出発地点は長野五輪ゆかりの善光寺であったが、「文化財と一般信者を守る安全上の責任」との理由で変更された。チベット問題が主たる原因なのは明らかだ。私も人権状況に心を痛めており、これを理由に北京五輪開催の意義を減殺することの無いよう、努力が求められる。聖火リレーを楽しみ、北京五輪を成功させ、この地球に生を受けたものがすべて、あらゆる違いを乗り越えて平等に、生の讃歌を歌いたい。


2008/04/17 《春の皇室行事》

議長は皇室会議の議員で、関係行事も多い。14日は拝謁賜茶(はいえつしちゃ)に招かれた。イギリスのハイティーのようなもので、衆参の役員が天皇陛下と一緒に、お茶と盛りだくさんの食べ物で会話を楽しんだ。本日はあいにくの雨の中を、春の園遊会に夫婦で参加した。気がかりなのは、オックスフォード大学で共に学んだ寛仁親王のご容態だ。お見舞いの記帳もし、早いご回復をお祈りしている。


2008/04/14 《貴島さん・楢崎さん》

貴島正道さんが、享年90才で眠るように亡くなった。父・江田三郎の懐刀として構造改革論の論陣を張り、「現代総合研究集団」を率いた。シンクタンクの嚆矢のひとつだ。戦時中に東ティモール占領に加わった反省から、その自決権支援運動を主導されたが、念願の独立後の再訪問を果たせなかった。楢崎弥之助さんは、米寿を迎えてますますお元気だ。お祝いの会に伺い、「最後の公式の場での挨拶」ということで演説の要諦などをご教示頂いた。先達の教えがどう実るか、これからが正念場だ。


2008/04/10 《司法への参加意識》

「裁判員制度」の施行日が、来年の5月21日と決まった。日本の司法は、戦後改革から取り残され、未だに官僚司法を脱していない。そこで私は、民主党の責任者であった当時、「市民が主役の司法」のため法曹一元と陪審制度の実現を掲げた。裁判員制度は、陪審制に代わる司法改革の目玉のひとつだ。最高裁の意識調査では、「義務でも参加したくない」が38%などと、まだまだ参加意識は高まっていない。市民が主役の社会の実現のためには、政治だけでなく、司法についても意識改革が強く求められる。


2008/04/07 《交通安全運動》

春の交通安全運動が、昨6日から始まった。10日は、交通事故死ゼロを目指す日だ。今年の最重点目標は「子どもと高齢者」の事故防止で、(1)シートベルトやチャイルドシートの徹底、(2)自転車の事故防止、(3)飲酒運転の根絶の3点が重点項目だ。私が1970年代前半に裁判官として交通事犯に関わった頃には、年間死亡者は16000人を超え「交通戦争」と言われていた。その後、状況はずいぶん改善されたが、子どもや高齢者など「交通弱者」対策の徹底が求められる。自動車が相手では、歩行者に勝ち目はない。


2008/04/03 《ODA世界5位転落》

わが国の07年のODA総額は、前年比30.1%減の約7800億円で、世界第3位から独・仏に抜かれ第5位になった。財政難などが理由だが、ODAの増額は、先進国の国際公約のひとつだ。7月の洞爺湖サミットでも、途上国の貧困の削減を目的とする「ミレニアム開発目標」も主要議題となる。参議院はこれまで、決算審議と並んでODA改革を重視しており、特別委員会も設けている。実効性のある新たな方針を、真剣に議論していきたい。


2008/3/31 《年度末》

1月30日の両院議長斡旋を受けた各党合意から2ヶ月が過ぎ、年度末を迎えた。合意にある「年度内に一定の結論を得る」との文言で想定された結論どおりではないが、本日の衆参本会議で、道路特定財源部分を除いた租税特別措置を5月末まで延長する法律が成立した。その結果、明日から暫定税率が失効し、いずれガソリン代が値下げになり、さらに参議院での審議と修正協議などの話し合いが続く。福田首相の道路諸税一般財源化の決意は、憲法59条2項の再可決では達成できない。国民のための議論となるよう期待する。


2008/03/27 《刑罰の抑止力》

茨城県での8人殺傷事件に引き続き、私の地元でも恐るべき「殺人事件」が発生した。私もよく利用するJR岡山駅のホームで、列の先頭にいた乗客が、少年により電車の直前に突き落とされた。身勝手な凶行に同情の余地はなく、被害者のご冥福を心よりお祈りする。慄然とするのは、そのような犯罪に対し、死刑を含む刑罰が犯罪抑止の機能を失いつつあることだ。そこに現代社会の本質的問題を見て、厳罰化などの法整備に止まらず、社会のあり方を変えなければならない。


2008/03/24 《台湾でも政権交代》

つい先日、韓国の大統領選挙で政権交代が起き、続いて先週末、台湾の総統選挙で国民党の馬英九氏が、200万票を超える大差で民進党の謝氏を破り、8年ぶりに政権交代した。国民党は、過去の独裁統治と圧政のイメージからの脱却に成功した。中台関係の融和により経済発展を目指そうという国民党政権を選択したことは、緊張緩和によるこの地域の安定を国民が期待したものだ。経済発展で大変貌を遂げつつある東アジアが、政治的にも大きな舵の切り替えを始めた。日本の選択が問われる。


2008/03/20 《若者に期待する》

岡山理科大の卒業式で、祝辞を述べた。私の大学卒業は1966年、42年前だ。当時の日本は拡大の一途で、誰にとっても未来はばら色だった。今、人口減少は既に始まり、自然破壊は止まらない。卒業生が私の年齢になる2050年の未来予測は、限りなく赤に近い。過去半世紀の私たち世代の成果の上に、環境科学技術の取組みをさらに進め、ワークライフバランスなど新しい人生設計で、未来を見据えて翔いて欲しい。


2008/03/17 《国営公園》

昨日、「昭和記念公園」を訪ねた。返還された米軍立川基地の広大な跡地で、国営公園のひとつだ。東京地裁支部の移転など若干の施設の予定はあるが、大部分はだだっ広い芝生で、子ども連れの若夫婦が春の陽光を浴びていた。園内の「昭和天皇記念館」の屋根は、地面からなだらかに繋がった芝生で、周囲の景観と調和が取れている。オーストラリアの国会議事堂も、議員より国民が上だと、同じ作りだった。土地があればことごとく高層建築で高度利用に走る時代は、終わりにしたいものだ。


2008/03/13 《参議院OB会》

参議院協会は、32年前の河野謙三議長時代に、超党派の議員OBにより作られた社団法人で、現在は会員218名を擁し、勉強会や機関誌「参風」発行で政策研究も行っている。本日、先輩の皆さん43名のご出席で通常総会が開かれ、赤桐操さん、谷川寛三さん、降矢敬義さんらが米寿の表彰を受けられ、私も議長として祝辞を述べた。皆さんお元気で、現役当時の会派の違いを超えて、参議院の存在が大きくなったことを評価し激励いただいた。参議院ならではの、素晴らしいOB会だ。先輩たちの実績に恥じない参議院としていきたい。


2008/03/10 《五輪女子マラソン》

北京五輪の女子マラソン日本代表が決定した。過去4回、連続でメダルを獲得している種目だ。実績のある土佐礼子と野口みずきに加え、私の地元企業「天満屋」所属の21歳の新星、中村友梨香が選ばれた。シドニーの山口衛里、アテネの坂本直子に続き、3大会連続で出場選手を出した天満屋チームの武冨豊監督の手腕には、驚嘆と賞賛を惜しまない。選手はみな、サービス流通連合の組合員だ。メダル2つ獲得の有森裕子さんとともに、郷土岡山の誇りだ。


2008/03/06 《自動操舵》

イージス艦「あたご」をはじめとして、海難死亡事故が続いている。いずれも船舶の多い海域での自動操舵が、気になる。私は、40年以上前ではあるが、外洋航路を1ヶ月半ほど1万トン級の貨物船で旅した経験がある。大海原では自動操舵だったが、近海での自動操舵は見たことがない。当然に手動に切り替え、接岸前には専門のパイロットが操舵しタグボートに牽引されていた。荷役の方式はコンテナの出現で大きく変わったが、船舶の操舵性能にも革命的変化があったのだろうか。それとも単なるたがの緩みか。


2008/03/03 《舞台は参議院に》

2月29日夜遅く、2008年度予算と税制改正関連法案が衆議院を通過し、舞台は参議院に移った。野党が退席した状態で採決が行われたことは誠に残念だ。参議院には直前に、民主党から租税特別法改正案などが提出されている。衆議院での審議で内容が深まった部分もあるが、参議院でも「徹底した審議」で一層の深掘りをするため、まず審議環境の整備が必要だ。19日には国会同意人事の山場も来る。参議院の存在が国政上意味あるものにするため、緊張感を持って対処していきたい。


2008/02/28 《イージス艦事故の本質》

イージス艦「あたご」事故で、防衛省の説明が二転三転し、海上自衛隊や海上保安庁の説明とも食い違っている。「あたご」は延縄漁船団の存在を、事故後の防衛省の対応は国内法秩序を、いずれも軽視していた。国の守りという崇高な使命に従事しているから、その行動は何ものにも制約されず、漁船など「木の葉」同然で、捜査も入国管理も無視してよいというのでは、戦前の「統帥権」意識そのものだ。文民統制のためには、この意識改革から始めなければならない。


2008/02/25 《宇宙開発》

JAXAは2月23日、H-IIAロケット14号機により、超高速インターネット衛星「きずな」の打ち上げに成功した。H-IIAの打ち上げ成功は13回目だ。次は「温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)」を搭載予定だが、完成が遅れている。H-IIロケットの初フライトは14年前の1994年2月で、科技庁長官だった私が所掌しており、種子島まで行った当時の緊張を思い出す。衛星のトラブル、高性能エンジンの開発の遅れ、巨額の費用等、なお課題山積だ。宇宙開発利用における国際協力のあるべき姿も、重要な課題だ。


2008/02/21 《老朋友との再会》

唐家璇(トウカセン)中国国務委員が昨夜、7年4ヶ月ぶりに来日した。私の設定で早速、参議院の各会派代表との朝食会を開き、議長公邸にも表敬いただいた。大使館在任当時から親交があるが、2002年5月の東ティモール独立記念式典以来の再会となる。話題は、私が戦時中に過ごした石家荘のことから、同地にある天洋食品の餃子に及び、率直な意見交換をした。折しも参議院の議員団が、公式に訪中している。春には胡錦濤国家主席の訪日もあり、日中両国の協力で、21世紀の「井戸を掘る」人たちを育てることも大切だ。


2008/02/18 《巣箱架けin公邸》

“Today Birds,Tomorrow Men”をテーマに活動している日本鳥類保護連盟は、毎年3月初旬に憲政記念館の庭で、子どもたちと国会議員とで巣箱架けをしている。衆参の議長公邸も緑が豊富で、小鳥が寄ってくる。先日はムクドリを見かけた。そこで、河野衆院議長にならって私も、日鳥連にご協力いただき、公邸に巣箱を10個架けた。製作は、福祉作業所みずきの利用者の皆さんだ。水苔が豊富に自生しているので、シジュウカラが営巣する可能性が高いという。身近なところから、環境保全に取り組みたい。


2008/02/14 《東ティモール大統領襲撃》

東ティモールのホルタ大統領とグスマン首相が、武装グループにより襲撃された。重傷を負った大統領の早期の回復を祈る。私は長く自決権運動を応援し、日本も国として独立時から建国を支援してきた。先日も、警察官2人が任務を終えて帰国し、さらに海上保安庁の派遣も検討される。国内的には暴発への共感はなく、国際的にも非難の声が一気に広がった。私も参院議長として、お見舞いの電報を打った。明治維新を振り返るまでもなく、建国には大変な困難が伴う。日本の役割は重大だ。


2008/02/11 《貴族院発足》

本日は建国記念日だが、1889年の本日は、大日本帝国憲法に合わせて貴族院令・衆議院議員選挙法が公布された日だ。貴族院と貴族制度は、翌年の帝国議会開設から1947年の日本国憲法施行まで存続し、貴族院の議場は新設された参議院が引き継いだ。院内にはあちこちに、例えば備品の刻印などに、その跡が見える。しかし参議院は、国民主権の戦後改革そのものであり、旧憲法の残滓を引きずってはならない。国民の思いをしっかり受け止める責任を、改めて感じている。


2008/02/07 《アメリカ大統領選挙》

米国大統領選挙の民主・共和両党内での予備選が進んでいる。5日の「スーパーチューズデー」で、共和党はマケイン候補が大きく前進し、民主党は、クリントン、オバマの両候補が譲らない。初の女性大統領か黒人大統領かで注目を集め、民主党の党員集会は参加人数も激増していると聞く。米国の民主主義の真髄をみる思いだ。2001年1月、ブッシュ、ゴアで大接戦直後の米国を訪ねたときを、思い出している。制度の違いはあるが、成熟した参加民主主義の熱気を、日本の政治文化の中で実現したい。


2008/02/04 《憲法と民主主義》

若いタレント弁護士が、憲法上、外交案件は住民投票の対象に出来ないと断定し、反論する学者を「曲学阿世の徒」とばかりに論難した。「今どきの若い者は…」と言いたくなる。冷たい生兵法の法律知識では、いかに受験技術や弁論術に長けても、人間の営みは律せない。憲法と民主主義や人権の歴史は、多くの先達の血と汗の結晶だ。この理解を欠いた憲法論では、説得力はない。


2008/01/31 《両院議長斡旋》

崖っぷちで、未曾有の混乱が回避された。与党は暫定税率延長に際し、「つなぎ法案」で時間的な隙間を埋めようとした。野党は、参議院の審議権を無力化するとして猛反対した。法案は衆議院の関係委員会で強行可決され、本会議開会のベルを待つばかりとなった。最後の瞬間に、河野・江田の両院議長斡旋により、徹底審議と修正を含む年度内決着の合意により、法案は取り下げることとなった。議会の神髄は、真剣勝負の審議だ。これからが、立法府が「ねじれ」を生かす正念場となる。


2008/01/28 《横綱の品格》

何かと「世間を騒がせた」横綱の朝青龍が土俵に戻り、千秋楽では5年4ヵ月ぶりの横綱相星決戦となった。両者が全力で立ち向かう見応えのある力相撲で、白鵬が先輩横綱を上手投げで下した。両横綱に対しては、各力士が全力で立ち向かうガチンコ相撲が続き、2年ぶりに「大入り」も7日記録した。勝負の品格とはこういうもので、ファンもついてくる。小手先細工や目くらましや嘘を繰り返していると、人心は離れる。国会論戦は、特にそうだ。


2008/01/24 《両院議長会談》

衆参両院はそれぞれ独立しており、憲法の優劣規定は例外的で、両院は原則対等だ。しかしあくまで国会の機能の分有であって、バラバラではいけない。民主主義の根本原則は、話し合いだ。そこで22日に、河野衆院議長の呼びかけで、両副議長も同席して両院議長会談を行った。先の臨時国会の轍を踏むことなく、両院がともに議論を通して合意形成に努力すべきだというのが、共通認識だった。対立と緊張は重要で不可避でもあるが、それ自体が自己目的ではない。国民本位の議論を心がけたい。もとより議長の出番はない方がよい。


2008/01/21 《常会召集》

議長就任以来、初めての経験が続き、遂に最重要の通常国会召集を迎えた。議席の指定は議長の責任で行うもので、召集日の本会議冒頭で、懸案だった議席の総入れ替えを行い、第一党となった民主党会派と自民党とが、初めて席を交代した。参議院の様変わりを象徴する形だ。本格論戦の最大の焦点は、ガソリン税の暫定税率などを定める歳入関連法案の扱いだ。利権型財政構造にメスが入るかどうかが問われる。民間の政策活動として、「せんたく」も生まれた。国会内外での実のある議論を期待する。


2008/01/17 《議長の面談》

私の参議院議長としての面談が、週刊誌で取り上げられた。「歓待」したというが、お茶の一杯も出していない。私は、自ら雲上人になるという選択肢は取らない。公務関係、正式な外交ルート、政府や政党関係者でなくても、党派を問わず同僚議員が連れて来る場合で時間が許せば、特段の事情のない限り、直接ご意見を伺うよう努める。意見が違っても、そのことで面談を躊躇しない。その際、議長の立場と抵触する回答は、理由を説明して控える。国を代表する立場で発言することも、怠らない。ご理解を乞う。


2008/01/14 《新成人に訴える》

139万人の新成人に祝意を表する。総人口比は1.09%で過去最低。少子高齢社会で社会保障が限界となり、さまざまな格差が拡大するなど、難問山積だ。過去の大人たちの責任も重いが、人任せでは問題解決は出来ない。これからは有権者だ。憲法13条は、個人の幸福追求権を最重要視している。誰もみな、「世界に一つだけの花」だ。刹那的に奇をてらったり厭世気分に浸るのでなく、主権者の自覚を持ち、自分の意思を示して地域や国作りに積極的に参加して欲しい。自分のことなのだ。


2008/01/10 《57年ぶりの再可決》

新テロ法案の参議院審議は、本日の外交防衛委員会で否決され、明日の本会議でも否決の見通しとなった。そこで直ちに衆議院に返付されるが、衆議院は憲法59条3項の両院協議会を求めず、2項の規定により、返付案を本会議の議題とする動議を可決した後、3分の2以上の多数で再可決する見込みだ。1951年以来、実に57年ぶり2回目となる。今国会は、この法案のために2度の延長をし、越年した。紆余曲折はあったが、参議院が、衆議院と異なる意思をはっきり示すことは、意義深い。


2008/01/07 《国会活動始まる》

国会での2008年の活動を、本日より開始した。まず参議院の職員らと新年挨拶をし、各種の新年会に出席し、ルクセンブルグ大使の表敬を受けた。福田首相は経済3団体の新年祝賀のパーティーで、「日本の企業は外国で評判がよい」と持ち上げて見せたが、国内の株価は初日から下がり続けている。「消費者・生活者」という言葉はなかった。まずは国民の生活最優先が政治の課題だ。臨時国会の会期末の15日に向けて、緊張感を高めている。


2008/01/03 《新しい年》

明けましておめでとうございます。参議院議長の年頭所感で、改めて「ねじれの効用」を訴え、宮中での新年祝賀の儀で挨拶したほかは、例年どおり地元で動きまわっている。2日は出身高校3年時のクラス会で来し方を振り返った。本日は書道部の書き初めで、現役生に希望について話し、全紙に「大夢」と大きく書いた。私ひとりが力んでも何もできない。本年も変わらぬご指導とご鞭撻をお願いする。


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〜2001/06/14 政策秘書のショートコメント


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