江田五月 活動日誌 2000年5月(11〜15) >>日程表

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5月11日(木) 今日は強行軍

10時から法務委員会で犯罪被害者関係の参考人質疑。
中央大学の宮澤浩一教授、高原勝哉弁護士、武蔵野女子大学の小西聖子教授で、私も15分質問をさせてもらいました。3人とも、民主党提案のような基本法が必要だというご意見でした。

昼は弁当食べながら会議。夕刊フジの記者が、加藤勝信氏関係の記事を載せた紙面を持って来て取材。

3時の便で空路大阪・伊丹。乗り継いで但馬まで。乗客10人の小型機で、天候が悪くよく揺れました。豊岡市と和田山町内で吉岡賢二さん(兵庫5区、民主党公認)の集会で応援演説。吉岡さんは平成4年に「シリウス」を立ち上げたときの同志で、温厚篤実。しかも兵庫5区は、伊賀実盛さん、佐々木良作さんという先輩のところで、民主党の源流です。ぜひ当選してもらいたいです。移動はタクシーで50分。広い選挙区です。その後、タクシー3時間半で関空のホテルへやっと11時半に到着です。

23年前、1977年の今日は、父・江田三郎が最後に遊説した日です。
右手で秘書の肩に、左手で手すりにつかまり、階段を上って新幹線で名古屋へ。演説中は張り切っていましたが、体はボロボロ。翌12日、検査入院。11日後に死亡。転移癌で肝臓がやられていたのです。

理想主義に殉した政治家の壮絶なたたかいの最後の日でした。

05/11 法務委員会会議録



5月12日(金) 論憲、社会福祉、財投、広島・呉

今日も強行軍。6時40分のフライトで関空から羽田へ。9時15分から民主党本部で、憲法についての打ち合わせ。総選挙に備えて、幹部の話しぶりを調整しました。主題は、9条関係、分権連邦国家、首相公選制ですが、いずれもタブーを設けず積極的に21世紀のこの国のあり方を議論し、そのうえで憲法をどうするかを考えます。「積極的論憲」です。あらかじめ次の政権の任務を、憲法を改正することにあるとする、「改憲政権」との考えはとりません。

10時から本会議。質疑はまず社会福祉基礎構造改革。社会福祉事業法等の改正で、「措置から契約へ」です。心配はいっぱいありますが、大改革をみんなの協力でやり遂げるために賛成の方向です。

つぎに財政投融資改革。400兆円という郵貯資金をはじめとする財投が、闇の中で不良債権となっており、改革は急務。しかし政府案は財投機関債は展望なく、財投債は今と大差ありません。特殊法人改革も微温的。これでは改革と言えず、反対せざるをえません。

政府の犯罪被害者関係2法が成立しました。私たちの基本法は残念ながら、与党の理解を得られず棚上げです。「昭和の日」は、賛成137、反対93で可決、衆議院へ。「神武の日から全部作れ…」とか、怒号が飛びました。民主党はこぞって反対です。

本会議場での協議で、ストーカー法案は自民党の松村さんだけが草案を提案し、質疑のうえ全会派一致でこれを委員会提出とし、民主党の和田洋子さんが委員長として法案の提出に当たることになりました。

1時前の新幹線に飛び乗って広島へ。5時から市内で、西尾まさえいさん(広島1区)の街頭演説。6時半から呉市で、佐々木修一さん(広島5区)の決起集会で30分講演。若い公認の仲間が頑張っています。呉市では森井忠良大先輩も出て来てくれました。

そのあと徳山(山口県)へ。10時前ホテル入りです。


犯罪被害者保護2法案成立。基本法は審議未了へ。

5月12日の参議院本会議で、内閣提出の犯罪被害者保護2法案が全会一致で可決、成立した。内容は、被害者が証言する際、被告人と顔を合わせなくてすむ措置、性犯罪の告訴期間の撤廃、被害者の傍聴の配慮、加害者と被告人の間で示談が成立したときの強制執行の措置など。被害者保護としては、部分的なものに過ぎない。民主党提出の基本法案は、被害者の権利を認め、必要な対策の全体像を示すものだが、審議未了の方向。

(民主党ネクストキャビネット速報より)



5月13日(土) 平岡秀夫さん(山口2区)、民主党県連常幹

今日は、徳山からスタート。
10時から下松市で、平岡秀夫さん(山口2区、公認)の決起集会で30分間挨拶。平岡さんは岩国、奥さんは下松の出身ですから、全く地元の人です。大学は私の後輩で、大蔵省入省。内閣法制局にも勤め、法律作りの専門家です。勇を鼓して政治家を志した好漢で、当選すれば、議員立法に積極的に取組む民主党の、強力メンバーになること間違いなしです。

昼は市内2個所で街頭演説も。山口県は4選挙区中2人公認候補が決まり、もう1人決まるかもしれません。

新幹線で岡山へ。3時半から候補者選考委員会。5区の候補者を、どうしても決めなければなりません。

4時から2時間、民主党県連の常任幹事会。5区問題を含め経過報告。反省とけじめが必要との意見も出ましたが、今必要な事は、5区にも候補者を立て、全県で立派に選挙を戦って結論を出すことだと、意見が一致しました。その後記者ブリーフ。歯切れが悪くてすみません。

さらに選考委員会。私にという意見も出ましたが、昨日3人も自民党の参議院議員が総選挙出馬のため辞職し、私たちもこれを批判しているので、許されません。

この窮地を乗り越えたら、新たな展望が開けてくると思うのですが。



5月14日(日) 小渕前首相死去

小渕前首相が本日午後4時7分逝去されました。62歳でした。心からお悔やみ申し上げます。

4月2日の発病から43日間、必死の看病にあたられたご家族や医療関係者のご努力を思うと、お気のどくでなりません。

小渕前首相の発病から森内閣の成立までの経過、とりわけ2日午後7時から3日午前9時までのことにつき、小渕前首相から直接うかがうことは、永久に不可能となりました。もし小渕前首相がご自分の意思を表明することが出来ていれば、森内閣は誕生していなかったのではないかと、私は思います。小渕前首相の無念さはいかばかりかと思われてなりません。

私の父・江田三郎の急死もちょうどこの時期のことでした。立場は異なっていても、鮮やかな新緑の下で、中道に倒れた政治家が残した鮮烈な志を、みんなで受け継ぎ、さらに全力を尽くすことを、改めて決意します。



5月14日(日) 旭操学区、街頭演説、小渕さん逝去

今日は早朝の雨も7時過ぎには上がり、8時から地元・旭操学区のソフトボール大会で、中桐伸五さん(岡山2区公認・現職)と一緒に挨拶。学区の大人たちの親睦行事で、怪我のないことが一番です。

この学区は岡山市の東にあり、戦前私の父が、藁グロに隠れながら警察の目を盗んで、農民運動をしていた地域です。今ではすっかり新興住宅地で、小学校も新設校です。私たちは昭和55年にローンで新築し、越してきました。まだローンは残っています。地元の皆さん、親切にしてくれます。

8時45分から、古都学区の体育大会でやはり中桐さんと挨拶。10時から、中桐さん、河田英正さん(岡山1区公認・弁護士)と、岡山駅前で街頭演説。1時から倉敷市内5カ所で、熊谷裕人さん(岡山4区公認・石田みえ参議院議員の政策秘書)と街頭演説。

終わって帰宅途中に、小渕前首相のご逝去を知りました。朝刊に容態悪化が報じられていましたから、予期されたことですが、やはり痛ましいことです。早速談話を作って発表。中国、山陽、朝日の各紙から問い合わせがありました。小渕さんの悲報で、すべてを水に流してしまってはいけません。

最終の新幹線で上京。大勢の国会議員と一緒でした。



5月15日(月) 少年犯罪PTと團藤先生、商法改正、行政監視

團藤重光先生今日は、まず11時から少年犯罪総合対策PTの初会合。元最高裁判事の團藤重光先生が講演、少年法の基本思想や今の風潮への批判、特に自民党政治の底の浅さを批判され、21世紀への指針を述べられました。

團藤先生は、私が大学に戻って法学部に進学したときの学部長で、刑事法を担当。(私自身は平野刑法で単位取得。)緑会(法学部の自治会)のころ、個人的にもご指導いただきました。また最近は、「死刑廃止論」第6版を出され、私も署名入りのご著書をいただきました。第1版につき1992年3月、有斐閣の「書斎の窓」に書評を書かせて貰いました。日本でも平安時代に350年間、死刑の執行がなかったことを、この本で知りました。

12時40分議員総会。1時から本会議で、商法改正案と労働契約承継法案が審議入り。民主党と連合の努力で、衆議院で修正協議がまとまったものです。不十分ですが、議員数で負けているので、これが限度です。

2時過ぎから行政監視委員会。私も約50分、小渕内閣総辞職のこと、公明党入閣のこと(相手が続総務庁長官だから)、財政投融資の情報公開、警察問題などを質問しました。続長官は、首相臨時代理の指名は「以心伝心」でも「目と目が合って」でもいいとの認識。また閣議は秘密との認識。全国の警察の交通違反揉み消しは国の行政ではないから、総務庁の行政監察は及ばないとの認識。いずれも大間違いです。白川代議士秘書による揉み消しは、警察庁(中央官庁)のホストコンピュータがいじられたことをどう思っているのでしょうか。

夜は岡山5区問題協議。

5/15 行政監視委員会会議録


少年犯罪総合対策PT設置、5月15日團藤重光氏が講演。

民主党は、最近の少年犯罪の激化傾向に対し、5月9日少年犯罪総合対策PTを設置。家庭裁判所の抜本的活性化、家裁調査官を軸とする少年警察、学校、病院、保護観察官、保護司、児童委員などのネットワーク、教育、家庭、社会の役割、成年年齢の総合的見直しなどを検討する。自民党は、提出済みの改正案を審議入りさせて、世論を取り繕おうとするが、これは審判に検察官を関与させようというもので、効果のない猫だましの難問先送り。

5月15日、第1回会合で、元最高裁判事の團藤重光氏が講演。米寿の情熱を傾けて、21世紀への警告を述べられた。

商法改正案、衆院で修正、参院で審議開始

懸案の商法改正案が、衆議院で修正のうえ可決、5月15日参議院本会議で審議が始まった。修正点は、分割計画に労働契約関係を盛ること、分割の前に労動者と協議することなど。労働契約承継法も、労働者の理解と協力を得ることなどを修正し、その方法は労働省令で労働組合と行うこととし、衆議院を通過、参議院で併せ審議された。今国会で可決成立の見込み。民主党提出の基本法は、衆議院で審議未了へ。

民主党は数が足りない中、法務部会、労働部会、PTなど全党一丸となって、この結果を勝ち取った。

(5/15民主党ネクストキャビネット速報より)


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