江田五月 活動日誌 2000年5月(16〜20) >>日程表

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5月16日(火) 児童虐待、NC会議(18歳成人)、真珠の首飾り

今日は8時から、連合の担当者と商法改正等の参議院での扱いを協議。9時から小川敏夫さんと森内閣疑惑につき打ち合わせ。

10時から法務委員会。「児童虐待防止法」の質疑と採決で、全会一致で可決、明日の本会議で成立です。内容の要約は、民主党のHPの「政策・ネクストキャビネット」と「ネクストキャビネット速報」を順次クリックして下さい。明日書き込んでおきます。

12時半、少年法の市民集会で挨拶。1時、商法改正の連合集会で挨拶。どちらも熱気むんむんでした。2時、北村哲夫さんと司法改革の打ち合わせ。

3時から、憲法運営検討委員会。明日の調査会の持ち方など。

4時半からNC会議。
日米間の協議で、「日米地位協定」を日本法適用を原則とするよう見直すことを決定。「18歳以上に成人の権利と責任を」として、民法(行為能力)、選挙法(選挙権、被選挙権)、少年法(審判前置)などの適用につき、成人年齢を18歳とする検討を始めます。災害弔慰金の引き上げを民主党の議員立法で目指します。自然エネルギー発電促進法は、前に述べた3案の内、C案の議員立法とします。金融商品販売法の民主党修正案を決めました。同意人事は、国家公安委員につき、委員会での説明を求め、不十分なら反対します。

「森内閣疑惑解明PT」を設置し、私が座長、小川敏夫さんが事務局長になりました。森首相は「神の国」発言、青木官房長官は「官職(首相臨時代理)詐称」、宮沢蔵相は「300万円疑惑」と、解明の種は尽きません。「食品安全PT」を設置。

6時半から、「参議院憲法調査会」の有志で、ジェームス三木さん作、青年劇場の「真珠の首飾り」を観劇。自民党から6人来ていました。GHQの憲法草案起草から政府原案決定までを、GHQ民政局の会議室を舞台に再現したものです。ものすごい情熱で、特に女性の権利確立に獅子奮迅の活躍をするベアテ・シロタ・ゴードンさんの印象は、先日ご本人の証言を憲法調査会で聞いたばかりなので、強烈でした。

日本政府の頑強な抵抗を、公職追放などあらゆる手段を使って押さえ、政府原案作成。国民は大歓迎。「日本国民という強力な味方ができたから、国内は大丈夫。心配は、極東委員会と米国政府だよ。政府は、いつでもどこでも頑固だから。」とケーディスさん。感激しました。

小渕恵三さんは外相時代にこの劇を観て、訪米の際にベアテさんに真珠の首飾りをプレゼントしたそうです。ゴードンご夫妻が舞台上で披露されました。

9時から、笹野貞子さん、石田美栄さんと夕食。


「児童虐待防止法」成立へ  司法ネクスト/江田五月

子どもが死亡するほどの虐待を受けているのに周りが手を出せないといった、悲惨なケースが後を絶ちません。児童相談所の相談件数は、統計を取り始めた平成2年度が1,101件なのに、平成10年度は6,932件と6.3倍。隠れたケースは数え切れません。

そこで各会派一致で、議員立法で「児童虐待防止法」を衆議院からスタートさせ、本日参議院法務委員会で可決、成立の運びとなりました。

虐待とは、(1)暴行、(2)わいせつ行為、(3)監護懈怠、(4)心理的外傷を与える言動とし、何人も児童虐待をしてはならないとします。その上で、国と地方公共団体の責任を明らかにし、早期発見、通告、確認、立ち入り調査、一時保護、面会等の制限、親権行使のあり方、民間団体との連携などについて規定し、3年後に見直すこととしています。

「子どもの権利条約」を踏まえたもので、社会も親も、関係者全員が、子どもたちのために、この制度を使いこなさなければなりません。

(5/16民主党ネクストキャビネット速報より)



5月17日(水) 森首相答弁拒否?で紛糾、憲法調査会

今日は、朝9時に阿部昭吾さんが来室。元社民連書記長、前衆議院議員。寒河江孝允さん(山形4区、民主党公認)の支援グループの長老格で、大号令を発してくれています。

9時半、議員総会、10時、本会議。代表質問で、民主党・足立良平さんの質問(森首相の「神の国」発言等)に対し、議長は森首相を答弁者に指名せず休憩を宣し、2時間以上紛糾しました。村上正邦自民党議員会長の指示のようです。質問が議題と無関係だというのですが、首相の資格が問われており、国民も注視しているのいるのですから、質問しない方がおかしいです。議長の処置は、議会の自殺に繋がります。

「神の国」発言については、民主党HP「デイリーニュース」欄の仙谷由人企画局長の書き込みが、正鵠を射ています。通常の大臣なら、直ちに更迭です。総理大臣なら、発言取り消しもせず、陳謝だけですむとは? 諸外国は、日本はまた「神風」だのみの国になると思いますよ。

12時から国対・理事合同会議。12時45分本会議再開。
「児童虐待防止法」が可決成立。「ストーカー法案」が参議院通過。いずれも全会一致。民主党HP「政策・ネクストキャビネット」欄の「ネクストキャビネット情報」をご覧下さい。

2時25分から憲法調査会。石毛直道さんと暉峻淑子さんから意見聴取。石毛さんは文化や宗教の研究者として、私たちが異文化を警戒し拒否する態度を変え、受容する心を教育によって養ない、多文化社会になることの必要を説かれました。暉峻さんは、ユーゴでの経験から、日本がなすべき国際貢献のかたちは、市民による人道援助活動に尽きると強調されました。民主党の質問者は石田美栄さん。

4時半から政務役員会。憲法調査会運営検討調査会のため遅れました。与野党党首会談の申し入れにどう対応するか。だんだん緊張してきます。

明日の法務委員会は私が質問。とぎれとぎれに準備しています。


児童虐待防止法ついに成立! (民主党ネクストキャビネット速報)

子どもが死亡するほどの虐待を受けているのに、周りが手を出せないといった、悲惨なケースが後を絶ちません。児童相談所の相談件数は、統計を取り始めた平成2年度が1,101件なのに、平成10年度は6,932件と6.3倍。隠れたケースは数え切れません。

そこで各会派一致で、議員立法で「児童虐待防止法」を衆議院からスタートさせ、昨日の参議院法務委員会に続き、本日の本会議で可決、成立しました。

虐待とは、(1)身体的暴行、(2)わいせつ行為、(3)保護の怠慢・拒否、(4)心理的虐待とし、「何人も児童(18歳未満)に対し虐待をしてはならない」とします。その上で、国と地方公共団体の責務として民間団体との連携などを定め、保護の措置として、(1)早期発見・通告、(2)安全確認・一時保護・立ち入り調査、(3)親権行使の指導、(4)面会等の制限について規定し、3年後に見直すこととしています。公布後6ヶ月以内に施行になります。

「子どもの権利条約」を踏まえ、子どもの命を守るルールを作ろうという民主党の努力が、実ったものです。社会も親も、関係者全員が、子どもたちのために、この制度を使いこなさなければなりません。


ストーカー法案、参議院通過、明日成立へ(民主党ネクストキャビネット速報)

5月10日、成案を得たストーカー法案は、16日参議院地方行政・警察委員会で草案のとおり委員長提案とすることが決まり、17日の本会議で、和田洋子委員長(民主党・新緑風会)の提案を全会一致で可決した。明18日の衆議院地方行政委員会で審議、可決され、同日の本会議に緊急上程されて可決、成立する見込み。

民主党は衆議院にストーカー法案を提出していたが、法案成立を優先させるため、与党案を軸にした協議に応じた。与党案は、直罰のほか、警察による規制の手続きを設けた。民主党案は、恋愛感情以外も対象にし、職場の人間関係に由来するものなども入れたが、合意案では対象が狭くなった。5年後の見直し規程を入れた。



5月18日(木) 疑惑追及アイデア募集、青木官房長官告発へ、商法改正

今日は、8時から質問打ち合わせ。9時から「森内閣疑惑解明PT」の初会合。私は座長として、疑惑を次のとおりまとめてみました。

(1)、 森内閣成立疑惑。小渕さんが4月2日午後7時頃、青木官房長官を首相臨時代理に指定していないことは、明らかです。そこで明日、青木官房長官を、a.有印公文書偽造(臨時代理に指定されているとして、総理大臣の公印を押した指定通知書を偽造した)、b.同行使(これを衆議院議長に交付した)、c.官名詐称(その際、臨時代理の官名を詐称した)で、東京地検に告発します。

憲法70条や内閣法9条関係につき、憲法学者にアンケートを出すのはどうでしょうか。アイデア募集します。

(2)、 森首相自身の、a.利権や金、b.言動、c.周辺関係(変な噂など)。もし、こんなことを言ってたとか、あんなことを聞いたとか、あったら教えて下さい。

(3)、 森内閣の閣僚の疑惑。例えば、宮沢蔵相の300万円疑惑とか。

10時から、法務委員会で商法改正案につき25分間質問。特に、労働組合が労働者を代理して会社と分割につき協議できる場合について。私の前に角田義一さんが、「神の国」発言で、臼井法相を追及。「平の大臣の発言なら更迭なのに、首相は任命権者だから、更迭されません。それなら平の大臣は、首相に発言取り消しを迫り、だめなら自ら辞任すべきです。そうしないならその大臣も、首相と同じ考えだと見なされます。どうなんですか。」

11時半から行政監視理事懇談会。22日の持ち方について。12時から弁当つき会合。1時半憲法調査会の与党側幹事と31日の調査会の打ち合わせ。2時から法務委員会で参考人質疑。

5時、羽場頼三郎岡山市議。6時来客、夕食を取りながら、立候補関係の相談。この間電話などで断続的に、岡山5区問題の協議。

05/18 法務委員会会議録



5月19日(金) 本会議、福山哲郎質問に拍手!

今日の本会議での福山哲郎さん(民主党・京都府)の質問は、良かったです。特に森首相の「神の国」発言に関する部分を、紹介します。

 森総理のいわゆる「神の国」発言は、我が国の根幹にかかわる問題であり、一昨日の参議院本会議での答弁は、国民には到底納得できるものではありません。

 総理は一昨日の答弁の中で、「誤解を生じたとすれば、申し訳ないことであり、お詫びを申し上げたい」と述べられました。一体、誰が誤解をしたとお考えなのでしょうか?国民は総理の発言をそのまま受け取り、そして素直に総理の資質、適格性に疑問を感じているのです。

 又、総理は、誰に対して陳謝をされたのでしょうか?もし、総理が国民に対して陳謝をしたと言われるなら、それでは何故、発言を撤回されないのですか?一国の総理が明らかに憲法違反の発言をされ、国民に陳謝をされたにもかかわらず、発言を撤回されないとすれば、総理の胸の内にある思想、信条は、あの発言の通りである、と判断せざるを得ません。撤回をされない真意についても、明快にご答弁下さい。もし国民に対してではなく、ある特定の方々に陳謝をしたとすれば、それは一体誰に対してなのでしょうか?

 さらに総理は、「神の国という表現は、特定の宗教について述べたものではない」と言われましたが、本当にそうなのでしょうか。かの神道政治連盟の会合での挨拶の、後段の部分で、総理は、「神社を中心にして地域社会が栄えていくということを、みんなでもういっぺん、そのことを勇気を持ってしっかりとやることが、21世紀がまた輝ける時代になることではないかなと思うんです」と、はっきり述べられています。「神社を中心」、「もういっぺん勇気を持ってしっかりとやる」という言葉が、特定の宗教について述べたものではないといくら言い張っても、誰が納得するのでしょうか?

 日本の地域社会には、仏教を信じる者、キリスト教を信じる者、無神論の者、もちろん神道を信じる者を含め、あらゆる人が地域を構成し、生活を営んでいます。それを総理は、国家権力で、神社を中心にしたものに戻そうというのでしょうか?

 まさにこの発言は、憲法第20条に抵触するものと断ぜざるを得ません。神社の方々こそ迷惑な話です。総理の見解を求めます。

 私は戦後世代で戦後教育を受けてきた人間です。このたびの森総理の発言には耳を疑うばかりでした。私達の受けた教育の中には、一度も「天皇を中心とした神の国」という文言は出てきません。

 総理の発言は、戦後教育を受けてきた私達の生き様を否定しているばかりか、我が国の戦後の歩みをも否定されているのです。そのような権限や資格など、総理には断じてありません。国民主権を標榜し、民主主義国家である我が国が、このような発言をされる人物を総理にいただいていることに、強い憤りと悔しさすら覚えます。

 各国でも、総理の一連の発言に対し、次々と報道がなされ、不快感の表明や、総理の資質に対し疑問視する声が上がっています。国際社会における我が国の信用を失墜させたという点でも、総理の責任はきわめて重大であります。


神道政治連盟国会議員懇談会結成三十周年祝賀会(5/15)での森首相発言の一部

 最近、村上(正邦参院議員)会長はじめとする努力で「昭和の日」を制定した。天皇在位十年のお祝いをしたり、先帝陛下の六十年だとか、ややもすれば政府側が及び腰になることをしっかりと前面に出してきた。日本の国、まさに天皇を中心にしている神の国であるぞ、ということを国民の皆さんにしっかりと承知をしていただく、その思いでわれわれが活動して三十年になったわけでありまして。

 人の命はどこから来たのか考えよう。お父様お母様からいただいたことは間違いない。しかし、こんな人間の体のような神秘的なものはない、やっぱり人の命は神様からいただいたものということしかない。そうみんなで信じようじゃないか。神様であれ仏様であれ、それこそ天照大神であれ、神武天皇であれ、親鸞上人さんであれ、日蓮さんであれ、宗教は心に宿る文化なんですから、そのことをみんな大事にしようという事を教育の現場でなぜ言えないのか。信教の自由だから教えられない、いやそうじゃない。信教の自由だからこそ、その神も仏も大事にしようと学校でも社会でも教えることがもっと大事なことでないか。



5月19日(金) 循環社会、児童手当、告発、岡山へ

今日は、9時40分から議員総会。10時から本会議。

まず、「循環型社会形成推進基本法案」の質疑。福山哲郎さんの質問のうち、「神の国」発言に関する部分は、既述のとおりです。この法案は、基本法とは名ばかり。ドイツの「循環経済法」と比べると、理念もあいまいで具体性もなく、かえって循環型社会の構築の障害となるもの。反対の方向です。

次に「児童手当改正法案」。岡崎トミ子さん(民主党・宮城県)が反対討論。300万人は新たに児童手当支給の恩恵を受けますが、1600万人の義務教育就学児童を抱える家庭に増税を強いるもので、何のための改正かわかりません。委員会では可否同数となり、委員長の決裁で可決となりました。公明党抱き込みのバラマキ政策なのでしょうか。残念ながら、可決されました。

1時半からフジテレビのインタビュー。ストーカー法をきっかけに、議員立法を考える番組で、明日昼放映されます。見てください。

2時半から、菅政調会長らと東京地検に青木官房長官を告発。簡明直裁に、一番はっきりして分かりやすいところだけを取り上げました。のち記者会見。

3時半から、憲法調査会のことについて、野党幹事と久世公尭議員に面会。

夕方岡山へ。8時半から2時間、民主党県連の候補者選考委員会。5区問題です。



青木官房長官を告発!
 (民主党ネクストキャビネット速報)

昨日の森内閣疑惑解明PTの決定のとおり、本日2時30分、青木官房長官を東京地検に告発した。告発人は、菅政調会長と江田PT座長ほかPTメンバー。

告発内容は、記述のとおり、(1)有印公文書偽造(臨時代理に指定されているとして、総理大臣の公印を押した指定通知書を偽造した)、(2)同行使(これを衆議院議長に交付した)、(3)官名詐称(その際、臨時代理の官名を詐称した)というもの。簡明直裁に最もはっきりして分かりやすい部分だけに絞った。

その後、司法記者会で記者会見。菅政調会長は、民主主義のために、事案を解明し起訴を求めたと、強調した。

告発状 偽造文書



5月20日(土) 総選挙(熊谷さん、樽井さん)、弁護士会、告発

今日は、10時から倉敷市で、熊谷裕人さん(岡山4区)の事務所開きで挨拶。ここは「畏れ多くも」、橋本元首相に挑戦するのです。

1時から岡山弁護士会主催で、「叙勲・法曹在職30年表彰祝賀会」。岡本貴夫弁護士が勲4等瑞宝章を叙勲。河原昭文弁護士ほか5人が、弁護士在職30年表彰。河原さんは、私と中学から大学まで同期生で「竹馬の友」。「江田五月会」の会長です。

4時半岡山市発、津山市へ。7時から樽井良和さん(岡山3区)の時局演説会。菅直人さんが来てくれたのに、夕方雹(ひょう)交じりの豪雨となり、心配しましたが、500人ほど集まってくれ、ひとまずホッとしました。「雹は票に通じる」などと、軽口も出ました。これからです。

昨日の「告発」について、倉敷では「えげつない」との批判を聞きました。弁護士会では、「政治の世界で片を付けろ」と言われました。しかし津山では、「胸がすっとした」との評価も聞きました。世の中、いろいろですね。私は、もともとはこういう手段は好きではありません。しかし黙っていられず、ほかに良い手がないのです。

菅さんの話、抜粋。

きんさんがお祝い金を頂いた時のこと。「何に使いますか」と聞かれ、「老後に備えます。」と答えたそうです。将来の不安をなくさないと、お金は消費にまわらず、景気は良くなりません。

中央集権の国を改め、「江戸から明治へ」を逆にし、分権国家に作り変えます。

「神の国」の森首相にやめてもらうのが、今度の総選挙です。


江田五月 活動日誌 2000年5月(16〜20) >>日程表

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