江田五月 活動日誌 2000年7月(01〜10) >>日程表

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7月1日(土) 選挙総括、写真展、飲み会、中尾元建設相逮捕

只今7月2日午前2時。この書き込みを始めて、初めて帰宅後バタンキュウでした。

昨日は、午前9時半から法律相談。10時から江田グループの選対総括会議。聞いてみると、本当にいろいろ問題があります。負けた選挙だけに、それぞれの陣営ごとに問題は深刻。

午後は、緑川洋一先生の写真館で、藤原増幸さんの写真展。倉敷市児島在住で面白い文化活動をしておられます。緑川先生は、昨年胃の切除をされたので、心配していましたが、お元気そう。ホッとしました。

3時から、民主党岡山県連の三役会議に各候補者にも来てもらい、2時間会議。選挙の実情や意見を聞きました。

夜、7時からスカイポートの20周年パーティー。といっても若者のざっくばらんな飲み会です。スカイポートは、新谷雄二君の始めた貸しレコードの会社で、今はCDレンタル。若者の音楽文化の新しい展開を担っています。

その後、オックスフォード大学から岡山大学への留学生、サラ・ハイドさんの仲間のパーティー。つい飲み過ぎました。

中尾栄一元建設相が逮捕。公共事業の受託収賄。これも、選挙が終わったから安心してうみを出そうというものか。やったこともひどいが、タイミングも政治的。有権者は、健忘症になってはいけません。



7月2日(日) 県教組大会、岡本委員長、展覧会、姫井後援会

昨夜チョンボをしたので、今日は早めに書き込みます。
朝9時から、岡山県教職員組合(県教組)の定期大会に出席。3分の挨拶が、5分ぐらいになり、ご迷惑をかけました。新たに委員長になられた岡本和子さんは、北房町の中学校の先生。なかなかの人物で、私は大いに注目、期待しています。組合幹部は、申し訳無いけどやっぱり男社会。風穴を開けて欲しいです。

挨拶の中心は、やはり総選挙の総括。全国での民主党の伸びをよそに、岡山では完敗。特に2区で、足並みの乱れ(社民党の出馬とは言いませんでした。)もあって、チェックオフ禁止の首謀者である自民党候補に比例区でさえ一矢も報いられなかったのは、誠に申し訳無い。しかし、岡山も含め、民主党が政権交代のチャレンジャーとして認められたことは、成果です。自公保政権は、選挙がすめば直ちに「そごう救済」や「中尾逮捕」ですから、打倒あるのみ。教育基本法見直しも、神の国や教育勅語の森首相では、危なくてしかたありません。30人学級法案も自民党に潰されたのです。少年法もヒステリックな金切り声ではだめ。頑張りましょう。

昼、新福町内会のバザーへ。場外馬券売り場反対で頑張っている皆さんです。次いで、写真展、書道展、木彫り展、吹きガラス展。

2時から、民主党県会議員「姫井由美子後援会総会」で後援会長として挨拶。県政報告を聞き、4時から懇親会。盛会でした。

夜は、選挙で頑張ってくれた女性有志数人からご意見やお叱りを頂く会。



7月3日(月) 駅前演説、両院議員総会、祝賀会、和洋会

今日は、特別国会召集前日。朝7時半から、恒例の駅前演説。一井淳治前参議院議員の担当で、石田美栄参議院議員、5区のはたともこさんも参加しました。私は、総選挙の総括、そごう救済、中尾元建設相逮捕など、石田さんは、30人学級、1.34となった出生率などを話しました。そのあと上京。

昼から議員会館。山内功さん(鳥取2区比例)、石毛えい子さん(東京23区比例)、科学技術庁の倉持隆雄さんなどが、挨拶に見えました。

3時から民主党の両院議員総会。衆参で民主党所属議員が182名。会派にすると187名。こんな大きなグループは初めてで、壮観です。あちこちで握手握手。93年総選挙に挑戦以来苦節7年とか、わずか2ヶ月ほどで栄冠とか、いろいろです。それにつけても、岡山は残念無念。掲示板の相澤真君のお叱りは、もっともです。

5時半から祝賀会。平岡秀夫さん(山口2区)、山内さん(前述)、山田敏雅さん(広島7区比例)らに、中国ブロック建て直しの協力をお願い。明日からの特別国会は、まだ副議長問題などが解決ついておらず、緊張気味です。当たり前です。そごうも中尾もあるのに、わずか3日の会期で議論なしとは、国民を馬鹿にした話ですから。

6時半、和洋会。31年前の7月1日、2年間の留学のためアメリカ、イギリス、フランス、ドイツに向けて羽田空港(成田空港はまだありませんでした。)を飛び発った仲間の会です。私は、イギリス・オックスフォードでした。小田実さんの「何でも見てやろう」が読まれた頃です。みな良い歳になりました。

7時半からエネルギー政策を考える会。



7月4日(火) 国会召集、平湯さん、江橋さん、談話発表、女性議員

今日は、いよいよ特別国会召集。9時半議員総会、10時本会議。行財政改革特別委員会。国対・理事合同会議。すべて型どおりです。

12時、平湯真人弁護士。私と同期で、しばらく裁判官をしていました。選挙総括や少年法について、意見交換。

1時、地元テレビのインタビュー。選挙総括、加藤六月さんのこと、秋の知事選について。

2時、江橋崇法政大教授。私と大学同期で、私の後援会長です。今度の選挙は、麻雀で言うと「流れ1本場」だそうです。「チョンボがいっぱいあって、場に罰金棒がたくさん。民主は、鳥(多分、鳩!)の単騎待ちにしたのが失敗。何しろもう一牌(邦夫?)は、親の手の(野)中に、握られてたからなー。間(菅)ちゃん待ちにすれば良かったのに」。私は、「手品で言えば、最後に箱から鳩が飛び立つところが、弱って飛ばない。あれは困った」。なんて、冗談言ってる場合じゃありません。

衆議院本会議が緊迫。6月29日の活動報告のとおり、副議長選挙が「がちんこ」に。こんなことに屈服すると、今後野党は、歯の浮くような八百長質問しかできなくなります。

参議院本会議も遅れて4時から。首班指名。組閣。民主党岡山県連会長談話として、私の見解を発表しました。

4時半、民主党男女共同参画委員会。衆議院で民主党女性議員は、3人が6人に倍増。新たに当選された水島広子さん(栃木1区)、大石尚子さん(神奈川4区)、鎌田さゆりさん(宮城2区)、山谷えり子さん(東海比例区)も出席。賑やかになりました。しかしもっともっと必要です。

4時45分、NC会議。今後の進め方を協議。



7月5日(水) 岡山市政、新福馬券売場、菅グループ

今日は、とことん酔っぱらって帰宅。手抜きの書き込みで、ご免なさい。
朝8時から、岡山市の市政懇談会。市の国への要望を聞く会ですが、国に対する助成のお願いばかり。片山虎之助さんが、何でも国に頼ろうとする市の姿勢に注文を付けていました。私も同感です。

昼前後、次々と来客。1時から、岡山県教組の代表の陳情。その後も次々と挨拶など。

夕方、石井一さんが岡山市新福にある場外馬券売場を進めている業者の方々を連れて、ご挨拶にお見えになったのには、びっくりしました。地元の空気を、率直にお伝えしました。

夜、まず楢崎欣弥さん(福岡4区比例)の祝賀会。次いで、菅、河村、私の連名で呼びかけた当選祝賀会。もともと菅グループは、派閥で言えば幼稚園にも達していないのですが、「それでいいのだ」と思っています。大いに盛り上がり、カラオケまで繰り出しました。

合間を縫って、パソコンに向かって司法制度改革の民主党案を起草。



7月6日(木) 菅勉強会、国会閉会、弾劾裁判、選挙総括、高校生逮捕

今日は、朝8時半から、昨夜と同じ趣旨で、今度は菅さん、枝野さん、前原さんを呼びかけ人として、山口二郎北大教授から選挙総括の話を聞きました。参加議員は50人を超えました。

10時から、参議院憲法調査会幹事懇談会。運営検討委員長の久世さんが入閣されたため、鴻池祥肇さんに交代されました。10時10分、NC人権男女総務の部門会議。

11時、開会式に、いつも出席するわけではないのですが、今日は都合で出席。衆参の議員が参議院の本会議場に集まって、天皇陛下の「おことば」を聞くのですが、全員出ると席が足りません。しかも不思議なことに、国会は今日で閉会。そごうも中尾も、議論なし。怒り心頭です。

11時15分、議員総会。会派の運営規則と役員選出規定を決定。

12時半、法務委員会。1時、行財政改革特別委員会。1時10分、行政監視の理事会(建設相汚職につき、閉会中審査をすべきと発言)、20分、委員会。2時、本会議。

2時15分、裁判官弾劾裁判所の裁判長職務代行を受諾。裁判長の吉川芳男さんも入閣で、自民党の後任が決まらないので、私に。今、裁判官の不祥事が起きて訴追されれば、私が裁判長です。

3時から、民主党の役員全員で、2時間半かけて選挙総括会議。浮かれた話はひとつもなく、いろいろな観点からの問題点の指摘が続きました。

リーダーシップの弱さ(加藤紘一首班説など)、力量のなさ(組織的な運動が足りない)、政策の問題(遅い、ややこしい、こなれていない)など。候補者の問題も出ました。

私は、岡山県と中国ブロックの代表として、候補者擁立は「力量に応じてささやかに」ではだめで、やはり最大限の努力をすべきであったこと、岡山は結果的には完敗だが、全区擁立を果たしたことは評価して欲しい旨を発言しました。

ただし、岡山県だけが特に、投票率が、男2.70、女3.75、計3.25ポイント下がっています。全国で、他に投票率の下がったところは、青森2.38、長野1.87、奈良0.31、和歌山1.88、愛媛0.72、熊本1.92だけです。あとは全部上がって、全国平均2.83ポイント上がったのですから、よく考えてみなければいけません。

夜、金属バット事件の高校生逮捕の報。17歳で母親を自分で殺してしまったのです(もちろん、無罪の推定はあり、断定してはいけませんが)。非をなじるのはたやすいことですが、この子の心の中を思いやってみると、可哀想で胸が締めつけられる思いです。妻から電話。地元の人たちは、よーく事情を知っているようです。「彼をからかって殴ったりした下級生は、本当に悪いやつなんです。江田さん、彼の弁護をしてやってくれ。」と、電話がかかって来たそうです。下級生も、実は可哀想なのだと思います。温かい血の通った人間が作る社会なのに、なんでこんなに冷たいのでしょう。週刊誌の書きぶりを見ていると、心臓が苦しくなります。



7月7日(金) 東チモール、雪印牛乳、司法改革、山岸章さん

今日は、9時から外務省の担当官に来てもらい、竹村泰子さん、岡崎トミ子さんたちと、サミット外相会議で東チモール問題をどう扱おうとしているか、説明を聞き、併せて議員懇談会の要望を河野外相に託しました。西チモールには、未だ10万人以上の難民が残っており、残存する民兵らの圧力で、自由な意志決定ができないらしいのです。残虐行為を働いた者に対する裁判も進んでいません。マルク州の虐殺も民族浄化的な様相。インドネシアの悩みは尽きません。

10時半、NC外交安保部門会議で、サミット準備状況などのヒアリング。

11時半、雪印低脂肪乳事件のヒアリング。1万2000人以上の中毒で、今も29人が入院中。とにかくずさんです。汚染された製品は、岡山にも出回ったようです。判明後、汚染された牛乳を安売りした可能性があり、もし本当なら薬害エイズと同じケースです。しっかりした調査が必要です。但し、大阪工場の低脂肪乳だけですから、他の工場のものや、まして牛乳全部まで、買い控えが進むといった過剰反応は、これはこれで困ったことです。

パソコンに向かい、司法制度改革の民主党案の仕上げ。「法曹一元」と「陪・参審」の導入を柱として、「市民が主役の司法」を実現しよういう、意欲的な取り組みです。弁護士スタッフ連中と打ち合わせ。結構時間がかかります。

夜、久しぶりに元連合会長の山岸章さんを囲み、岡山から森本徹磨県議も加わり一献傾けました。今春、勲1等瑞宝章を受けられたお祝いです。大変お元気そうで、楽しい会でした。官なら旭日章でしょうか。勲章の官民格差です。勲章なしにするか、少なくとも格付けは廃止するか、何らかの改革が必要ですね。

訂正 7月8日(土)00時38分

今、「最新時事情報」を見ていると、朝日新聞の12時前の配信で、雪印「のむヨーグルト毎日骨太」からも、毒素検出。これまでの製造工程とは違うラインのよう。警戒すべき商品が増えました。大変ですね。



7月8日(土) 河田(岡山1区)選対会議、コスモス会、お見舞い、組織作り

今日は、8時前の新幹線で帰岡。11時半、岡山1区、河田英正さんの選対総括会議。70人ほどで10時から議論が進んでいるところに、最後に駆けつけました。民主党岡山県連の課題は、前回の参議院選挙の2人擁立の後遺症をどう乗り越えるか。

みんなが精一杯頑張ってくれたお陰で、2陣営の結束もでき、さらに教会の皆さんや市民運動系の市会議員の皆さんにも輪が広がり、これが約6万の票となり、次回に向けた基盤は見えてきたと思います。

私は、選対本部長として、河田さん夫妻とお集まりの皆さんのご努力をねぎらい、民主党中央の議論を紹介し、チャレンジャーとしての民主党の責任と役割を説明しました。

1時から、コスモス会(河田さんを支える女性の会)。50人ほどの女性グループが2時間半、それぞれの言葉で自分の思いを語られ、最後まで和やかで緊張した話し合いでした。全員ボランティアです。民主主義を支える市民が、こうして育ってくるのだと痛感しました。皆、河田さんの捲土重来を心から願い、精一杯応援する気でいます。

その後、入院中の知人3人を順次お見舞い。暑い時ご病気、早く良くなって下さい。さらに金重晃介さんの陶器展。話が弾みました。夜は、親族の通夜。

地域組織作りの貴重なご提案を頂きました。有難うございます。問題は、支持者リスト(名簿)にあります。この扱いの難しさは、理屈(正論)ではなかなか割り切れません。組織論だけではダメで、運動論と組み合わせる必要があります。多様な運動をどうネットワーク化するかです。「魔法の杖」はありません。頑張りましょう。



7月9日(日) 母子寡婦集会、県連常幹、羽場市議

今日は、朝9時半から佐伯町で、岡山県母子寡福祉研究集会。8時半自宅発。会場は、「学びの館サエスタ」。立派な公共施設ができましたが、立派過ぎるのではとの声もあります。「母子寡婦」という概念も、さてこれで良いのかなとの意見もあります。挨拶を求められ、「これまでは母子寡婦を強いられた皆さんの福祉という考えでしたが、これからは母子や寡婦を選択しても大丈夫という政策が大切かな。」といったことを言いました。

午後3時から民主党県連の常任幹事会。総選挙の反省につき、幹事の皆さんの自由討議。本部に対する注文が相次ぎました。地方組織を激励、援助しようという発想が弱いとの指摘に、どう応えるか、これからの課題です。県連としては、8月下旬に大会を開き、それまでに各総支部の総括会議を持ってもらい、県連としてのけじめを着けることになりました。

県知事選挙への対応も協議。総与党化は好ましくないとの考えで一致。但し、対立候補を出すかとなると、悩みは深いです。8月下旬の大会で、結論を出すこととし、今日は方向の確認に留めました。

夜、羽場市議の地元で、1、2、5区の反省会。和気あいあいで、ついカラオケまで。今、いささか酩酊状態です。



7月10日(月) おはよう730、司法改革案仕上げ

今日は朝7時半、恒例の駅前街頭演説「おはよう7時半です。民主党です!」。中桐伸五さんの当番でしたが、総選挙落選のショックをはね除けて、元気に再出発です。私も25分ほど、特別国会の報告など。そごう救済、中尾事件など、絶対質さなければいけないテーマがあるのに、「開いたと思ったら、もう閉じた」といった有様です。何しろ開会式を行ったその日が、もう最終日なのですから。有権者は、忘れてはいけません。

9時過ぎ上京。昼から、民主党の司法制度改革案の最終案を仕上げ、各方面に連絡、調整。「市民が主役の司法へ」と題し、副題を「新・民主主義時代の司法改革」としました。

コンパクトに内容を示せば、

  1. 法曹人口を10年後には、5万人とし国民に対し法的サービスが行き渡るようにする。

  2. 民主的な推薦委員会の選任手続きにより、法曹経験の豊かなものから裁判官を選ぶ法曹一元制度を、21世紀初頭の遅くない時期までに実現する。

  3. 市民の司法参加である陪審制・参審制を実現する。

  4. 行政訴訟手続を改革し、行政に対する国民の権利保障を行いやすい制度を実現する。 

  5. 少年の健全育成、家事紛争の解決や豊かな後見制度のために、家庭裁判所の機能を飛躍的に充実させる。

  6. 法律扶助制度を充実させ、犯罪被害者基本法を成立させ、実効ある支援制度を実現する。

  7. 裁判の迅速化と証拠開示や証拠の早期提出等の適正化をはかる。

  8. 仲裁制度等裁判外紛争処理制度(ADR)を充実させ、隣接士業を活用する。

  9. 最高裁判所のジェンダ−バランスを実現する。
といったことになります。

これを明日、司法部門会議を経てNC会議まで、一気に決定できれば、民主党としても、現在進んでいる司法改革論議に、一定の影響を与えることができます。自民党は既に、選挙前に提案をまとめていますが、微温的で、到底大改革とはいえません。国民が司法に対して抱いている強い不満や疑問に応え、21世紀の司法を作るには、私たちの提案の方がずっとインパクトの強いものになっています。

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