2003/07/05

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江田五月の国会レポート 第27号

 国会は40日間延長 民主党はイラク支援法政府案に反対
 小泉「骨太の方針3」は骨なし 民主党はマニフェスト(政権公約)作成

政治 経済 永田町の今
 
解散総選挙は近い!!徳島・札幌・青森は1勝2敗
 長野県田中康夫知事の改革に注目!
 裁判迅速化法案と党首討論
 民主党憲法調査会・死刑廃止・性同一性障害
岡山トピックス
 衆院1区に菅源太郎さん決定
 30代カルテット、えだまめ会

◆国会は40日間延長 民主党はイラク支援法政府案に反対

通常国会は6月18日で150日間の会期を終了する予定でしたが、政府与党は7月28日まで40日間の会期延長を強行しました。積み残し法案処理のための短期間の延長なら理解できますが、会期未になって、イラク復興支援特別措置法案とテロ対策特措法改正案(2年間延長)を、新たに提案するというのですから、納得できません。どうしても必要な法案なら、一旦国会を閉じて、あらためて臨時国会を開くべきです。特にテロ特措法は、秋でも十分間に合うのに、今国会にこだわったのは、9月の自民党総裁選と衆議院の解散総選挙をめぐる駆け引きのためです。

7月2日、民主党はイラク支援特別措置法の政府案に対する修正案を提出しました。その主な内容は(1)イラク攻撃の正当性の根拠にされている国連安保理決議の削除、(2)米英軍などの占領下での自衛隊の活動部分を削除(文民による活動は認める)、(3)4年となっている法案の期限を2年に短縮、の3点。骨格部分の全面修正で、与党との修正協議は事実上不可能となりました。7月3日、与党はイラク特措法を、テロ特措法延長とは切り離して、採決することを決定。テロ特措法は秋の臨時国会に継続となります。

民主党は、イラクの復興支援に、日本が参加・協力することは当然だと考えています。しかし、自衛隊を派遣する場合は、大義のないイラク戦争を行った米英軍に協力するのではなく、イラク人の手で暫定統治機構ができた後に、国連のPKO活動か人道支援活動として行うべきです。世界の問題の解決は、国連を中心に行うべきです。

政策情報:イラク問題について


◆小泉「骨太の方針3」は骨なし 民主党はマニフェスト(政権公約)作成

6月26日、小泉内閣は経済財政諮問会議で「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(いわゆる「骨太の方針」第3弾)を決定しました。「経済活性化」(規制改革と構造改革特区)、「国民の『安心』の確保」(社会保障改革)、「将来世代に責任が持てる財政の確立」の「3つの宣言」と「7つの改革」を打ち出していますが、相も変わらぬ言葉だけの改革で、特に今回は、自民党族議員による修正が40ヶ所以上もあったと言われ、抵抗勢力との妥協が目立つものとなりました。目玉となった「三位一体の改革」(補助金・交付税・税源移譲を一体として地方分権をすすめる)は、補助金総額20兆円の約2割の4兆円の削減で規模が小さく、しかもその中味は来年度予算編成まで具体化しない、中途半端で不透明なものです。

民主党は、補助金15兆円を「一括交付金」として地方財源とすることを、次期総選挙のマニフェスト(数値目標・期限・財源を明らかにした検証可能な選挙公約、政権をとれば実行する)とすることを決定しています。小泉首相は、民主党菅代表との党首討論で、公約をマニフェストの形にすることに難色を示しましたが、小泉首相と自民党の考えはバラバラで、マニフェストにすることができないのです。

民主党は、この他にも、高速道路の無料化などの具体的な公約をマニフェストとして掲げ、次期総選挙をたたかう方針です。これに300小選挙区のよい候補者がそろえば、鬼に金棒。政権交代は実現できると確信しています。


政治 経済 永田町の今

◆解散総選挙は近い!!徳島・札幌・青森は1勝2敗

私が企画担当責任者をつとめる民主党総合選対本部は、衆議院の解散総選挙を9月の自民党総裁選後の今年秋と想定して、準備を進めてきました。7月3日に、テロ対策特別措置法改正(2年延長)が、秋の臨時国会に先送りされる方向となり、そのために秋の臨時国会が9月中旬にも開かれる可能性が高まりました。10月26日の統一補欠選挙に合わせて、衆議院の解散総選挙が行われる可能性も高まりました。準備を急ぎます。

4月の徳島知事選、6月の札幌市長選・青森知事選は、いずれも接戦でしたが、札幌市長選のみの勝利となりました。与党VS野党は基本的に互角ですが、終盤の頑張りがきくかどうかで、勝敗が決まります。各地域にすきまなく選対をつくって、接戦を競り勝てる体制を作ることが重要です。


◆長野県田中康夫知事の改革に注目!

6月20日、民主党は長野県の田中康夫知事を招き、地方分権改革の、国から地方への税財源移譲問題についての勉強会を開きました。田中知事は、「ダム建設は、国に72.5%負担してもらえるが、県外のゼネコンに財源の80%をとられて、公共事業で地元が潤うというのは幻想」 「小中学校の校舎を改築すると市町村は66.7%負担しなければならないが、建て替えで新築すると26.7%でよいことになっている」と具体的数字をあげて、地方分権の必要性を訴えました。

私は田中知事の改革に注目しています。先日もテレビで報道されましたが、談合防止のための郵便入札制度で、予定価格の7割くらいにコストが削減された成果も上がっています。住民基本台帳ネットワークヘの反対も明確です。田中知事の長野県での改革は、民主党がめざす改革の貴重なモデルになると思います。


◆裁判迅速化法案と党首討論

7月3日、参議院法務委員会で75分の質問をしました。6月3日の心神喪失者等医療観察法案の抜き打ち強行採決以来、ほぼ1ヶ月間、委員会が開かれなかったので、久しぶりの質問となりました。裁判迅速化法案は、小泉首相のお声がかりでできた法案で、反対ではありませんが、法律で鼓舞するより、新民訴改革のときに、その先取りとして、各地で裁判官や弁護士が取り組んで成果を上げた「福岡方式」や岡山の「桃太郎コート」のような取組みを、全国で展開することの方がずっと効果が上がり、重要であることを強調しました。

6月11日は、参議院の国家基本政策委員長である私が主宰する党首討論が開かれました。イラク戦争に議論が集中し、小泉首相が、イラクで大量破壊兵器が見つからないのは、フセインが見つからないのと同じで、見つからないから存在しなかったということにはならないと発言。とんでもない詭弁で、小泉弁舌の中味のなさが、明らかになりました。


◆民主党憲法調査会・死刑廃止・性同一性障害

6月10日の民主党憲法調査会の役員会で、会長を中野寛成さん、会長代理を仙谷由人さん、事務局長を私(これは従来通り)とし、枝野幸男政策調査会長直轄の特別調査機関として、第3次調査会をスタートさせることになりました。

6月5日、死刑廃止議連(亀井静香会長)の特別総会で、「重無期刑の創設及び死刑制度調査会の設置等に関する法律案(死刑臨調法案)」がまとまりました。内容は(1)仮出獄のない重無期刑の創設、(2)衆参両院の死刑制度調査会の設置、(3)調査会設置から4年間の死刑執行停止、です。各党の党内手続が進行しています。

7月2日の参議院本会議で「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律案」が全会一致で可決、衆議院に送付されました。心と体の性が一致しないという、WHOでも認められた障害者が、戸籍上の性別を変えられるようにする法案で、私も役割を果たしました。子どもがいない場合に限るのが問題ですが、大きな前進だと思います。


岡山トピックス

◆衆院1区に菅源太郎さん決定

6月27日午後4時から、岡山県庁で、衆議院岡山1区菅源太郎さんと、来年7月の参議院岡山選挙区江田五月の、出馬表明の記者会見を合同で行いました。

菅源太郎さんは、民主党菅直人代表の長男で、生まれは東京都武蔵野市ですが、本籍地は菅直人さんと同じく岡山県建部町(岡山1区内)で、本籍地での立候補となります。現在30才。高校中退後、大学入学資格検定に合格しましたが、大学へは行かずに、子どもの権利確立のための市民活動に参加。民主党衆議院議員(大阪10区)の公設第一秘書の経験もあります。

現在はNPO法人Rigbts(ライツ)の常務理事として、18才から選挙権を!と若者の政治参加をすすめる運動をしています。

1区に最適の候補者が決まり、岡山は30代が4人そろって、「30代カルテット」になります。残るは岡山3区のみ。7月中に決めるつもりです。


◆30代カルテット、えだまめ会

6月28日には、津村啓介さんが代表の2区総支部定期大会が行われ、総選挙の必勝体制が決定しました。6月21日には、4区の柚木みちよしさんと、倉敷市で5ヶ所の街頭演説と2ヶ所でミニ集会とホームミーティング。6月12日には、5区のはたともこさんと、県北阿哲郡の哲多町・神郷町・大佐町で「語る会」。3人とも元気です。

6月15目には、岡山県国際交流センターで16才から31才までの若い人たち40名参加で第1回「えだまめ会」が開かれました。企画も会の名前も、若い人たちの発案で、この日の講師は菅源太郎さん。私も10分間程話しました(この後、私が直接菅源太郎さんに立候補要請)。2回目は、7月20日午後5時から、やはり国際交流センターで行われます。若い人たちに呼びかけてください。


2003/07/05

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