活動日誌 1999/08

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第145国会に提出された主な法案と民主党の対応



東ティモール住民投票 民主党国会議員監視団報告(報告書全文

 当監視団は、8月29日から31日まで東ティモールに滞在し、ベロ司教、ジェムシード・マーカー国連事務総長特使との会見、日本人文民警察官ヒアリング他、30日の投票日には国連東ティモール支援団(UNAMET)の認証を受けた、「東ティモールのための国際議員団(PET:Parliamentariants for East Timor)1988年に設立。国際事務局はカナダ。江田五月は設立呼びかけ人の1人。会員数は約400名」で、国際オブザーバー(投票監視員)としてディリ地区、リキサ地区、マウバラ地区の投票監視作業を行いました。

       監視団構成議員

         竹村泰子  参議院議員(団長)
         江田五月  参議院議員
         岡崎トミ子  参議院議員
         笹野貞子  参議院議員
         和田洋子  参議院議員
         山本譲司  衆議院議員

東ティモール住民投票民主党国会議員監視団日程

8月28日(土)10:55 成田発(JL-725)
         20:10 デンパサール着
         20:30 蓮香スラバヤ領事
          (デンパサール泊)

8月29日(日)09:00 ジェムシード・マーカー 東チモール国連事務総長特使
         10:30 デンパサール発(MZ-642)
         12:40 ディリ着
         12:50 堀江総理府PKO事務局参事官
               清水外務省ディリ駐在員
         13:00 ディリ派遣特派員と懇談
         14:00 マル・カイロスCNRT選挙キャンペーン調整企画委員長
               松野UN投票管理要員
         15:00 UNAMET本部
               折田文民警察官 三方文民警察官
         16:00 植木政務官兼副報道官 野村政務官
         16:40 デビッド・アンドリュー アイルランド外務大臣他
               EU議員団

8月30日(月)06:30 投票監視開始
            ディリ (ビラベルデ投票所・コルメラ投票所他)
         09:00〜16:00過ぎ 

(1)ディリ班 (竹村・岡崎・笹野)
  モタエロ地区1カ所
  コモロ地区 4カ所
  ボリバ地区 1カ所
  ダレ地区  1カ所
  他にザビエル協会、ダレ神学校、モタエロ・クリニック
  ラモス・ホルタ親族宅等訪問

(2)リキサ・マウバラ班(江田・和田・山本)
  バザラテテ地区(マウメタ投票所・ラウハタ投票所)
  コタ地区(ダト1投票所・ダト2投票所)
  マウバラ地区(バビキニア1・バビキニア2投票所)
  コタ地区(ハトケシ投票所)
  ディリ(ボリバ投票所) 他にインドネシア警察本部

8月31日(火)09:00 ベロ司教
         09:30 PET派遣議員たちと意見交換
         11:00 イアン・マーティンUNAMET代表
               各国議員団
         12:25 ディリ発(Mz-643)
         14:20 デンパサール着

         日本へ


江田五月からの報告 亜細亜の道(番町文庫20周年記念文集「いのちとうとし」掲載)


1999年9月3日

日本政府の東ティモール支援についての要請書

高村 正彦 外務大臣殿

民主党国会議員監視団

  1.  私たちは、8月30日に行われた国連東ティモール支援団による住民投票を視察し、これが当日の同地域における住民の自決権の行使として、十分支持しうるものであったことを確認してきました。

  2.  しかし、当日までと当日のさまざまな威迫行為などについての情報にも接して おり、そのような事態を遺憾に思っています。

  3.  さらに、開票と投票結果判明後の手続きの過程においても、さまざまな非違行為が行われることが憂慮されます。

  4.  そこで、日本政府として、この住民投票が、国際社会の納得を得られる経過を経て、その結果が実現されるよう、インドネシア政府と国連に対し働きかけ、日本政府自体としての役割を果たすよう要請します。

  5.  特に、私たちの観測では、投票結果は独立を求めることになると思われますが、その場合にはさまざまな憂慮すべき事態が想定されます。そこで日本政府として、国連の枠組みの中で、文民警察官や政務官を増員し、また日本の独自の外交使節を増強し、さらに同地域の社会システムの構築のための人的、物的支援につき、積極的な措置をとるよう要請します。

  以上


1999年9月6日

日本政府の東ティモール支援についての要請書

内閣総理大臣 小渕恵三 殿

民主党国会議員監視団

  1.  私たちは、8月30日に行われた国連東ティモール支援団による住民投票を視察し、これが当日の同地域における住民の自決権の行使として、十分支持しうるものであったことを確認してきました。また、開票作業もきわめて順調で、投票結果は住民が圧倒的多数で独立を求めていることを、国際社会に明確に示すものとなりました。

  2.  しかし、さまざまな威迫行為などについての情報にも接して おり、さらに、投票結果判明後のさまざまな違法行為が極めて憂慮される事態になっています。その結果民族自決の過程が中途で挫折することになると、国際社会の正義と信頼が崩壊することになります。

  3.  そこで、日本政府として、そのような違法行為を許さず、この住民投票が、国際社会の協力で現実のものとなるよう、インドネシア政府と国連に対し強く働きかけ、日本政府自体としても役割を果たすよう要請します。

  4.  特に、日本政府として、国連の枠組みの中で、治安の回復と維持のために協力し、また日本の独自の外交使節を設置し、さらにその後の同地域の社会システムの構築のための積極的な人的、物的支援措置をとるよう要請します。 

 以上


1999年9月13日

東ティモール情勢について(談話)

民主党幹事長 羽田 孜

 ハビビ・インドネシア大統領が、騒乱状態にある東ティモールに対する国際的な平和維持部隊の投入を受け入れることを決定した。

 9月4日の開票結果発表から1週間以上経過し、国際社会の一致した注意喚起にも関わらず、インドネシア政府は状況を好転できず今日に至っている。

 その間、民兵のみにとどまらない併合派武装勢力の暴走により多数の住民が死亡し、ディリが「死の街」と化していることを考えればハビビ大統領の決定は遅きに失したというべきであるが、東ティモールの治安回復と住民投票の結果に示された民意の実現のために、国際社会が必要な努力を果たす道筋がついたことを歓迎する。

 日本とインドネシアとは同じアジアの友邦であり、歴史的にも人的交流の面でも、その密接な関係はアジアおよび世界各国と比べても勝とも劣らない。欧米各国が東ティモールの現状を憂慮し、経済援助の凍結を含む強い警告を発しているのに比し、日本政府の対応はあまりにもあいまいである。

 東ティモールに関わるインドネシア政府の姿勢は、日本政府のODA4原則に抵触するものと断ぜざるを得ず、大統領が国際的な平和維持部隊の受け入れを表明したとはいえ、その実行については、まだ不確実な要素が多い。

 民主党は日本政府に対し、積極的に国際社会、国連をはじめとする関係機関、各国と協力し、東ティモール問題の平和的な解決に向け、最大援助国としての影響力を行使するよう強く求める。

以上


1999年10月8日

東ティモール難民についての要請書

インドネシア国内の東ティモール難民の国外避難について、以下の通り申し入れます。

外務大臣 河野洋平 様

 私たちは、住民投票後の殺りくと破壊の中で難民となった東ティモール住民のために、食糧などの緊急援助を行っている市民のグループです。すでにダーウィンを拠点に活動をはじめた各国のNGOとともに、東ティモールへの援助の第一便を行いました。

 さて、今、東ティモールからの難民は、ジャカルタなどインドネシア各地にも避難していますが、彼らのおかれている状況が命にかかわるきわめて重大なものとなっており、それについて日本政府のお力添えをいただきたく、ここに以下のような申し入れをさせていただきたいと思います。

 私たちが連絡を受け取っている限りでも、ジャカルタ、ジョクジャカルタ、デンパサル、クパンなどには、東ティモールから避難してきた、より正確には、民兵たちによって無理やり東ティモールを追い出されてきた人々がいます。彼らはインドネシアまで追いかけてきた東ティモールの統合派民兵とそれを支援するインドネシア兵によって脅迫を受け、命を狙われています。とくに東ティモールで独立運動や人権活動に携わっていた若者のリストをインドネシア軍がつくっており、彼らの出国を許さない構えだと聞いています。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、彼らのすみやかな出国をインドネシア政府と協議していますが、インドネシア軍が難色を示しているため、交渉は難航しているもようです。難民たちはUNHCRからの連絡をまちつつも、避難場所から出ることもできず、食糧も資金もなくなって、危機的な状況におかれています。一刻も早く出国をしなければ、いつ犠牲者が出るとも限りません。

 今、インドネシア政府を説得し、インドネシア国内で迫害の対象となっているこうした東ティモール人難民のすみやかな出国を実現することが必要です。

 また、20万人もの難民が避難している西ティモールでは、難民キャンプを統合派民兵とインドネシア兵が管理しており、難民の中から独立派を見つけては処刑しているとの報道までなされています。インドネシア政府はこうした状況を黙認し、何ら手を打とうとしません。

 わが国は、住民投票後の人権侵害についてインドネシアに対する国際的な非難が高まる中、インドネシア政府が自主的にとる施策が重要だとしてインドネシアを弁護しました。しかし、日本政府の期待に反して、インドネシア政府は東ティモール人難民を保護しようとはせず、彼らの命が狙われるのをそのままに放置しています。

 そのようなインドネシア政府に対し、以下のことをはたらきかけていだくよう、ここに申し入れたいと思います。

一、インドネシア国内にいる東ティモール人のすみやかな出国を国連難民高等弁務官事務所の要請にしたがって実現すること。

一、西ティモールにある難民キャンプにいる統合派民兵を武装解除し、インドネシア軍兵士の民兵への支援を止めさせ、難民のすみやかな帰還を、国連難民高等弁務官事務所の要請にしたがって、実現すること。

以上。 

申し入れ団体:東ティモール市民平和救援プロジェクト
所在地:〒101-0052 千代田区神田小川町2-1 檜ビル3F
     アジア太平洋資料センター(PARC=パルク)内
tel 03-3291-5901  fax 03-3292-2437 e-mail:parc@jca.apc.org


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