江田五月 活動日誌 2000年10月(11〜20) >>日程表

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10月11日(水) 連合議懇、選挙権法、議員総会、間接差別、NPO税制

今日は、8時から「連合推薦議員懇談会」。私は非推薦ですが、まあいらっしゃいと言われ、押し掛け風に参加。連合の政策・制度要求の説明を聞き、意見交換もして相互理解を深めようというものです。両者の間に秋風が立っているとの噂をうち消す狙いもあります。120人が出席で、狙い達成と思います。少年法につき質問が出て、笹森事務局長が率直に、多様な意見があり苦労している状況を説明されたのが、印象的でした。

10時から民主党提出の永住外国人地方選挙権法案の説明会。正式に党議決定されているのですが、新人議員で議論に加わっていない人たちのために、開きました。やはりいろいろな意見があります。私は、地球市民の自己決定システムを多層的に構築するという観点から、地方政府の運営に参加する権利は、すべての地域住民に保障されるべきものと思っています。

11時から議員総会。議長に対する野党5会派の統一要求につき説明があり、了承されました。2月25日まで9回行われた各派協議会を再開し、そこで選挙制度改革の議論を続けよう、協議の間は委員会審議は凍結しようというもの。来夏の選挙は現行制度でという2月の合意に固執しないのですから、野党としては十分歩み寄っているはずです。与党は初めから聞く耳持たずの態度で、混迷の非は挙げて与党です。今朝の朝日新聞の社説を見て下さい。

1時から、税制調査会。昨日のNPO税制の扱いを決めました。第三者機関については、調査会の峰崎会長とNPO委員長の私に、扱いが委ねられました。

2時から、男女共同参画調査会の均等処遇WT。間接性差別をどうなくすか。形式的には差別がないように見えても、実体としては差別になっている仕組みがたくさんあります。例えば、特定の手当を世帯主のみに支給するなど。女性を世帯主に住民登録すると、会社は所得の多い方を世帯主と扱うのです。間接差別を禁止しないと、男性優位の社会の実態の中で、女性差別は温存されてしまいます。

3時から、市民政策円卓会議。今日のテーマはNPO税制で、私はコーディネーター。厚生省と経企庁は来てくれましたが、大蔵省と自治省は、出席も拒否。あらかじめ書面で質問事項を渡してあるのですが、それへの書面による回答も拒否。拒否理由を書面で貰いたいと言っても拒否。来てくれた両課長補佐さん、有り難うございました。議論は5時前まで盛り上がりました。

6時過ぎ、有楽町の4党街頭演説に向かったのですが、終わった後でした。



10月12日(木) 法務部会、少年法質疑、司法改革PT、ビラ配り

今日は、8時半から法務部会。18歳成年制法案と盗聴法廃止法案を決定。但し、提出時期は慎重に見極めることにしました。

衆議院の法務委員会で、与党提出の少年法改正案の質疑が、与党だけで着々と進んでいます。来週は参考人質疑と少年院視察が予定されているとか。与党は、強引に進めても世論の支持は得られると踏んでいるのでしょう。民主党の修正案作りは着実に進んでいますが、委員会質疑がこの調子で進むと、少なくとも衆議院では、修正案の出番はなくなります。質疑を通じて、少年保護の現場の実状と苦労を国民の皆さんにも知って貰い、正すべきは正すが、大切なものは堅持するようにしたいのに、それが出来ません。与党の過度の政治主導は、決して少年保護の改革にとってプラスはなりません。切歯扼腕です。

9時から、司法制度改革PT。審議会事務局長から、法科大学院構想について説明聴取と質疑。司法改革は多方面にわたるため、再度、全体を5分野に分けて、精力的に検討を進めることにしました。

昼は、昼食付き会議。国会状況につき、仲間内の情報交換と議論です。その後知人来訪で、2時からの仕事と家庭の両立支援PTに間に合いませんでした。

NPO税制案につき、仕上げの打ち合わせで走り回って、夕方、渋谷駅頭で4党若手の街頭演説のビラ配りのお手伝い。若手議員と夕食。

最近、活動日誌が長文になりすぎる傾向があるので、短くします。



10月13日(金) 非拘束法案、委員会採決

非拘束名簿方式法案が、2時半過ぎに委員会で採決されました。1時半頃、野党代表者が議長に面会した際、議長は「民主主義の土俵に関する法案を、片肺審議で採決することは、良くない。職を賭して、乾坤一擲の努力をする。」と言ったそうです。どう努力したのでしょうか。これからするのでしょうか。議長の言葉がかんな屑のように軽くないことを期待します。

審議拒否の是非の議論は、古くて新しいものです。多数派に度量があればいいのですが、青木参議院自民党幹事長は「決めたことだからやらせて貰う」という態度です。これに対抗するには、まず民主党が衆参一致結束すること、そして野党が協力することしかありません。また国民へのメッセージは、明解で分かりやすくなければなりません。言葉や頭だけでなく、態度や体で示すこともあります。ご理解下さい。



10月13日(金) 予算勉強会、議員総会、憲法役員会、抗議集会

今日は、8時から拡大予算・大蔵合同部会の勉強会。講師は日本総研調査部長の高橋進さん、テーマは景気の現状と補正予算の問題点です。

「景気は回復局面が続くが、これはIT産業の設備投資が順調なため。まだ他の産業がIT化の設備投資に取り組むところまで至っていない。この分野が本格化すれば、その雇用創出で、失業を吸収できるから、職業訓練やセイフティーネットの整備があれば大丈夫だが、ここが伸びなければ、失業が恒常化するので、要注意。」

「従来型公共事業中心の景気対策は、もう限界。これで景気を支えても、止めれば元の木阿弥。財政赤字の膨らみで、身動き取れなくなるだけ。これを削減して、構造改革に振り向けるべき。」

「これからの心配事は、世界不況で輸出が落ちること、長期金利の上昇、IT化の失速。当面の急務は、通信コストの引き下げ、規制緩和、電子政府化。中東紛争のようなイベントリスクはあるが、政策を間違えなければ、2・2%成長が達成可能。」

9時半から議員総会。選挙制度特別委員会の採決があるのかないのか、不透明の中、禁足です。図書室で国会レポートの校正。12時から両院議員総会で、衆参の結束を固めました。

1時半から、委員会の傍聴へ。2時、民主党憲法調査会の役員会。先日の総会のとおり、国のあり方、統治制度、人権、地方自治、国際関係の5項目につき、チームを作って検討を進めることになりました。2時半、委員会に戻ったら、採決。呆れた暴挙です。

3時から、野党4党と無所属の会の5会派で、抗議集会。テレビのぶら下がりインタビューに、「議長がご自身の言葉どおりのことを実行すべきです。もしこれ以上、議長が与党よりになって自ら権威を失墜させると、そんな議長の下での審議には参加できないのではないか」と述べました。放映されたかな。

夜、友人と会食。最終新幹線で帰岡。



10月14日(土) 県議補選、閑谷学校、ツィター(河野さん)、三笠宮さま

今日は、8時前から選挙応援。岡山県議補欠選挙の玉野市・灘崎町選挙区で、住吉良久候補(民主党推薦)の応援です。県知事選挙と同時選挙で、22日の投票。今日は8時から10時45分までと、3時過ぎから5時半まで、選挙カーに乗り込み、街頭演説9箇所。演説内容など報告したいのですが、公職選挙法に触れそうなので、止めておきます。

12時から、閑谷(しずたに)学校創学330周年記念式典に出席。閑谷学校は、岡山藩主の池田光政公の命を受けた津田永忠らによって、1670年に創立された、全国で最も早い庶民教育施設のひとつです。私は1960年、高校3年生の正月、受験勉強の遅れが気になりながら、私の高校の生徒会代表者として、当時の「県立和気高校閑谷校舎」で開催された「岡山県高等学校生徒会連合会」の総会に出席したのが、閑谷学校を訪ねた最初です。今は県立高校の施設もなくなり、ここには史跡と県青少年教育センターがあるだけです。秋のソフトな日よりと、教育や文化の施設とには、ちょっと不似合いな、わりと硬い式典でした。

6時半から、河野保人さんのツィターコンサート。ツィターというのは、「第3の男」で知られる南独やオーストリアの民族楽器で、河野さんは日本唯一のプロ奏者です。河野さんの岡山後援会(会長はペリネイト病院の田淵和久院長)5周年のコンサートで、全国後援会会長の三笠宮寛仁親王殿下が、第1回の時の約束どおり、来てくれました。殿下とはオックスフォード大学の同期生で、30年を超える友人付き合いです。N響の弦楽カルテットとの共演もありました。

9時前から懇親会。殿下もカルテットも参加してくれ、楽しいひと時でした。



10月15日(日) 国会新戦術・自衛権と憲法・県議補選(住吉さん)

今日は、朝から県議補選の住吉良久候補の応援で、選挙カーに乗り込むことになっていましたが、地元町長さんが乗ってくれるというので、私は午後から。そこで午前中は久しぶりにゆっくりした日曜日となりました。

ところが、テレビ番組を見ていると、いらいらしたりビックリしたり。確かに野党の欠席戦術は、以前のような効果はなくなったようです。与党にゆとりがなくなったとも言えます。私は会議の民主主義には、5つの原則があると思います。(1)情報の共有、(2)充分な議論、(3)相互浸透(相手の意見に影響されるゆとり)、(4)多数決、(5)少数意見の尊重です。これらが確保されれば、会議の場で徹底的に議論でき、そうすれば実りある結論が得られると思います。そのためには、今のような「はい、時間です」といった運営を変えなければなりません。新しい会議のスタイルが生まれるには、もう少し時間がかかりそうです。それと、議長がリーダーシップを果たしてくれなければ。

鳩山代表の憲法9条関係の発言が物議をかもしそうです。「集団的自衛権」の定義をはっきりさせて使わないと、議論がおかしくなります。相手国が攻撃されても、それを自国への攻撃とみなすかどうかは、当方で判断させてもらうというのは、「集団的自衛権」とは違うでしょう。それと、自国の行動は自分たちで判断するというのは、聞こえはいいけれど、2つ条件があります。1つは、これからは各国とも国際社会の共同原則を守らなければならないということ、2つは、特に日本は、戦争についてはっきりした反省を前提にしなければならないということ。

午後から住吉さんの応援で、街頭演説10か所、個人演説会2か所。

21時すぎの新幹線とJRで大津へ。ホテルで田中新長野県知事当選にほくそえみながら1人で乾杯。

長野県知事選結果
田中 康夫 無所属・新
池田 典隆 無所属・新
中野 早苗 無所属・新
草間 重男 無所属・新
589324票
473717票
122615票
14770票


10月16日(月) 参院滋賀補選(のりくもさん)、議長斡旋案、話にならん

今日は、7時半から大津駅前で参議院補選滋賀県選挙区の法雲(のりくも)俊邑さんの応援。8時から演説、10時まで選挙カーで連呼。高校恩師の河田一臼先生のご近所を走ったので、呼びかけてみました。

11時過ぎの新幹線で、京都から上京。2時から議員総会。議長斡旋案につき報告。話にならんという雰囲気です。3時半から常任役員会で協議。

斡旋案は、「定数問題の結論が出てないのに、新たな問題で混乱しているのは遺憾。」「多数会派の提案は放置できない。」「選挙制度は最重要課題。円満で正常な審議が不可欠。」「今なお不正常。」「状況打開のため、斡旋案を提示する。」として、「T定数は鹿児島県のみ2削減。U比例区は、拘束・非拘束混合方式。すなわち、(1)政党名又は個人名で投票。(2)当選者は、@政党名得票と個人名得票の合算得票数で、ドント方式で各党の当選者数を出し、A個人名得票の上位25人はそのまま当選、残りは政党提出の名簿順位に従い当選。但し、超過議席は認めない。」というものです。最後のところは、政党毎の当選者数以上の当選者はない、つまりある党が25人中に5人入っていても、その党のドントで得られた当選者数が4なら、5番目の人は落選ということです。すっと判りますか。

手続きにつき与野党が対立しているのですから、議長は、手続きについての斡旋を図るべきです。ところがこちらはいわばゼロ回答。採決には何らの瑕疵もないといい、現状は不正常というのですから、悪いのはあげて野党ということになります。そして内容について唐突に新たな提案をしてきたのです。その内容は複雑。しかも「票の横流し」も「銭国区、残酷区」も改善なし。これをどういう手続きで扱うかもはっきりしません。定数減を鹿児島のみに止めることで、野党を釣ろうというのでしょうか。公正中立な議長の提案とは思えず、あらかじめ仕組まれた筋書きのようにも感じます。

6時過ぎから、野党各会派の意見も参考にしながら、さらに常任役員会で検討しましたが、結論は明日出すことにしました。



10月17日(火) ハ病PT、鳩山発言、常幹、地震対策、斡旋難航、集会

今日は、9時から金田、川内両衆議院議員とハンセン病訴訟弁護団の皆さんとの話し合い。党内にハンセン病対策PTを作ることになり、活動準備です。私の地元には2つ療養所があり、長く支援し、支援されてきました。以前は超党派の議員懇談会の事務局次長を務め、長島大橋にも取り組みました。この問題は「らい予防法」廃止で終わってはいません。処遇改善、社会復帰、謝罪と保障など、これからの課題に取り組みます。

9時半から、鳩山代表、鹿野憲法調査会長、仙谷事務局長代理と事務局長の私とで、「集団的自衛権」についての鳩山代表の発言を協議。個人の意見として述べたもので、党の憲法調査会に議論を委ねて貰うことにしました。

10時から、常任幹事会。来年の参議院選挙の選挙区に、11人の公認候補を決めました。岡山県の石田みえさんも含まれました。

11時、石田、山内、平岡、菅川議員たちと、鳥取県西部地震につき中川官房長官に党として緊急申し入れ。久しぶりに首相官邸に行きました。その後記者会見。

12時から常任役員会。議長斡旋案への対応を協議。1時過ぎ、東洋大学教授の森田明さんが来室。大学時代以来の友人で、久しぶりです。衆議院法務委員会に少年法の参考人として呼ばれたのだそうです。彼の専門で、ライフワークです。ゆっくり意見を聞きたいのですが、今日は時間切れ。

2時から議員総会。菅野副議長と村上自民党、久保民主党両会長の会談を見守るため、休憩。3時、法務省司法法制調査部の参事官が来室。サービサー法の施行状況と司法制度審議会の審議状況の報告です。

選挙法問題は硬直状態で、待機が続き、5時半から議員会館裏の星陵会館で野党5会派の緊急集会。超満員となり、参議院各会派の代表5人と政党代表4人が挨拶しました。みな力がこもっており、熱気むんむんでした。しかし議長斡旋の行方は混沌。形だけ整えて強引に参議院を通し、野党に責めを負わせて辞任で逃げることが心配されます。

夜、中東和平につき合意成立のニュース。インティファーダの時、訪問したところばかりで、成功を祈るばかりです。



10月18日(水) 日弁連、議長辞任、少年法、人権、公退連、緊急役員会

今日は、8時から日弁連執行部と民主党法務関係者との朝食懇談会。テーマは、主として司法制度改革と少年法で、私は司法改革の取り組みにつき、最近の動きを説明しました。今月から民事法律扶助法が施行になり、今日「財団法人法律扶助協会」が指定団体に指定されます。日弁連執行部は、11月の臨時大会を控えて、大変のようです。

9時半から議員総会。斉藤議長が各派代表者懇談会を招集しており、ここで斡旋不調が確認されれば、辞表提出となる模様。緊迫したまま休憩。結局議長は、11時半過ぎに辞表提出。1時半から議員総会再開。考えなければならない問題がたくさんあります。まず、許可の本会議をどう開くか。そこで許可するのか。後任は、第一党の自民党が候補者を決めなければなりませんが、誰にするか揉めるようです。野党はその人に賛成するのか。新議長が決まった後、直ちに動議を出して、法案採決ということはないか。

2時から、日弁連「子どもの権利委員会」主催の少年法院内学習会。家裁調査官OBの方や自立援助ホームの方から話を聞きました。3時過ぎに、民主党NC主催の「定住外国人の人権問題を考えるシンポジウム」。6時過ぎ、党本部広報委員会のスタッフ、幸本嘉代子さんのお通夜に参列。享年42歳でした。私は昨年、委員長代理として一緒に仕事をしました。

7時過ぎ、岡山県退職公務員連盟の皆さんの夕食懇親会に出席し、一杯やっている時に、電話の緊急招集で国会に戻り、8時半から常任役員会。明日の本会議の対応を協議しました。

議長が欠けたのですから、公職選挙法改正案が良いとか悪いとか以前の、先決問題です。そこで新議長を決める本会議には出席。あらかじめ自民党から、議長候補は井上裕さんとするとの連絡があったので、「議長は第一党から出す」との慣例に従うという趣旨で、井上さんに投票。しかし、今日の議運理事懇談会では、動議で法案採決ということはしないと確認されているので、その信義は守っていただくことになります。守らなければ、混乱が深まるだけで、その責任は与党にあることになりますが、そんな毒皿をするでしょうか。まさかこれを手引きする野党がいるとは思えないのですが。



10月19日(木) 緊急のお知らせ、議長不信任ぶっつけ討論

今日10時からの本会議で選ばれたばかりの井上議長が、就任の挨拶で述べた舌の根の渇かない内に、その言葉を裏切る行動を取ろうとしています。午後には、与党からの動議に基づき、非拘束名簿方式法案の本会議採決をしようとしているのです。

そこで、2時半から始まった野党4会派は一致して、議長不信任案を提出しました。ただいま休憩中。

これから始まる本会議で、久保亘議員会長が4会派を代表して提案理由を説明、私が、民主党・新緑風会を代表して、賛成討論をします。ぶっつけ、原稿なし、時間制限なしということで、どうなるか分かりませんが、精一杯頑張ります。



10月19日(木) 司法改革、議長選挙、少年法、不信任討論、自由な議論を、NPO

今日は、記念すべき日になりました。まず9時から、司法制度改革PTの定例会。裁判所職員の皆さんの労働組合(全司法)から意見聴取。組合員の労働条件改善が本来の使命ですが、国民のための司法改革にも、意見を言い行動を起こすとのこと。現場で働いている皆さんの声を大切にしたいと思います。

9時半から議員総会。動議を出して非拘束方式法案を採決しようとの不穏な動きが見られます。しかし民主党としては、事情はいろいろあっても、議長を第1党から出すという慣行は大切にしようとの思いから、10時半からの本会議に出席し、与党の井上裕候補に票を投じました。正常化のため努力して欲しいという願いを、1票に託したのです。そして井上議長が誕生し、立派な就任挨拶をされました。ところが…、情けないではありませんか、挨拶の舌の根も乾かない内に、与党から出された休憩動議を採択したのです。つまり休憩後に、動議により公職選挙法改正案を採決するということです。

10時40分から、少年犯罪総合対策PTの役員打ち合わせ。与党提案の少年法改正案につき、修正案をまとめました。大変な作業を、昼夜兼行で仕上げてくれた衆議院法制局の皆さんにお礼を申し上げます。刑事処分可能年齢を14歳まで引き下げることは、厳しい条件を付けて認めます。16歳以上の原則逆送については、殺人にまで故意がある場合に限り、保護処分が相当だと認められる場合を除き、裁判官の裁量で逆送が出来るとしました。原則性をなくしたのです。被害者保護関係は賛成。しかし事実認定については、予断排除の原則に基づく対審構造を導入することとし、きめ細かい規定を盛り込みました。なかなかの出来だと思います。明日の法務部会から党議決定の手続きに入ります。

12時から昼食付き会議。その途中で、12時半から議員総会との連絡が入り、大慌てで国会に戻りました。もたもたしたあげく、2時半から本会議再開。選挙法案採決に入る直前、議長不信任案を提出し、その扱いの協議のため休憩。その直前、私に不信任案賛成の賛成討論をするよう求められました。慌てましたが、精一杯のことをしなければなりません。原稿を書いている余裕はありません。腹をくくって、準備をしました。

いよいよ3時45分から議長不信任案処理の本会議です。久保会長が提案理由説明。自民党から反対討論。次いで私の番。井上議長の就任挨拶を引きながら、正常化のための何の努力もせず、逆に自民党執行部の指示に唯々諾々と従う井上議長の言葉の軽さを糾弾するところから、討論を始めました。35分間、思いの丈を述べましたが、冗漫になってもいけないので、自分の判断で討論を終えました。多くの人々から「よかった」と誉められましたが、それでどうなるの…と考えると、複雑な心境です。

不信任案否決で、野党議員は皆議場を出ました。付き合いきれないからです。テレビのぶら下がりインタビューが来ました。「なぜもっと、牛歩など徹底抗戦をしないのか」との質問。「古い抵抗戦術は、もう終わりにしたい」と答。「ならなぜ審議拒否か」との質問。「がんじがらめに決められた議事手続きの元で、審議に応ずれば、有無を言わさず採決まで持って行かれることが目に見えているのですよ」と答。「これからどうする」との質問。「選挙法についての攻防は、残念ながら終わりが来ます。次は別のテーマになるので、新しいテーマにつき、国会に籍を置くものとしての責任を果たさなければなりません」と答。「正常化に応ずるのか」との質問。「応ずるも応じないも、次はテーマが変わるのだから、起きあがるきっかけとか何とか考える必要はないと思う」と答。

今の国会の論戦は規制だらけで、市場原理が働いていません。厳重な議事規則を規制緩和し、自由な論戦を戦わせることにより有権者に十分な判断材料を示すやり方に変えるべきです。フィリバスター(言論による抵抗)を、もっとおおらかに認めれば、「スミス氏、都へ行く」の民主主義が復活します。論争民主主義を復活させるべきです。

7時半から、NPO活動の中心メンバーとの懇親会。つい酔余気勢を上げてしまいました。今日は、以上の次第で、重要な日程が潰れ、関係者のみなさまにご迷惑をおかけしました。

参院・本会議会議録



10月20日(金) 少年法修正案決定、方針大転換、クローン法、FM東京

今日は9時から拡大予算・大蔵合同部会の勉強会。井堀利宏東大教授の財政構造改革の話ですが、私は次の予定のため、頭だけで失礼。

9時半から法務部会。与党の少年法改正案に対し、民主党の修正案を決めました。主な内容は、(1)16歳未満の少年の逆送は、「罪が重大で、刑事処分以外の措置では矯正の目的を達することが著しく困難な場合」に限ります。逆送は極めて例外的な場合だけで、それでよいのだと思います。弁護士の付添人を付けます。(2)16歳以上の少年の逆送は、現行の20条本文による「必要的逆送」の他、「故意による殺人の場合は、刑事処分以外の措置を相当と認める場合を除き、逆送できる」と、「任意的逆送」を認めます。これは、「裁量逆送」であって、「原則逆送」ではありません。(3)非行事実が争われる場合、家裁に「事実認定手続」を設け、既に関与した裁判官とは別の裁判官が、予断排除原則の下、検察官と弁護士の付添人の立ち会いで、対審手続きで事実認定を行うこととします。これは非公開です。被害者保護は、与党案を認めます。

10時から両院議員総会。方針を「大転換」し、審議に参加して、全ての課題に付き徹底的に議論することとしました。与党が「論争民主主義」に乗るかどうかで、与党の民主主義度が試されますが、早速多数決で、「非拘束名簿方式」法案を本会議にかけずに委員会に付託しました。与党は、23日に委員会、24日に本会議で採決の方針とのこと。残念ですね。次いで10時45分から、参議院で議員総会。

昼は知人を訪ねたり、急ぎの揮毫をしたり、記者の取材に応じたり。3時からクローン法案の最終調整。やっと対案作成のめどが付きました。

4時からエフエム放送のウォッチングジャパン21の収録。5時から参議院民主党の役員懇親会。8時前の新幹線で帰岡。

少年法等の一部を改正する法律案に対する修正案概要


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