江田五月 活動日誌 2001年10月(6〜10) >>日程表 ホーム総目次10月目次前へ次へ


10月6日(土) 葬儀、雲魚さん、労組大会、県連常幹、テロ新法

今日は、10時から友人のご母堂の葬儀。享年88歳でした。合掌。次いで、書家の阿部雲魚さんの卒壽記念展。19歳の時のかなの作品から最近の絵画の作品まで、自由自在、縦横無尽。「無刀」という力のこもった書につき、「自衛隊の海外派遣に腹が立って書いたんだよ」と解説。楽しみましたが、時間切れとなりました。

11時半から、労組の定期大会で挨拶。新しい労組で、代議員大会はパーティー方式です。来賓挨拶が短くなります。細かな議案審議は小さな単位で行うそうです。

14時から、市民オンブズマンおかやまの総会。情報公開の請求や訴訟について、皆さんの議論を聞かせてもらいました。

15時から2時間近く、民主党岡山県連の常任幹事会。ほぼ月1回で、この間の国会、本部、県・市議会、県連の活動報告から、懸案や企画の決定などを行います。参院選総括の県連全党員集会、全国集会、同時多発テロ以来の政治の動き、臨時国会など、報告事項も盛りだくさんです。玉野市長選、船穂町長選などの地方選挙対応、7、8両日の中国ブロック研修会、組織強化策、役員任務分担などを協議。地方議員候補の発掘に取り組むチームを作りました。

今月21日、市民ネットワーク委員会主催で東京選挙区で今回当選された鈴木寛さんの講演会を開きます。来月23日、新見、高梁、笠岡で、菅直人幹事長の演説会を開きます。

テロ支援法案につき、テレビで大討論。問題の多い法案です。今のままでは、賛成するのは困難です。

テロに対する国際社会の毅然たる対処に、日本も加わらなければなりません。しかし、憲法解釈を変えて、集団的自衛権の行使を認めてはなりません。小泉首相は、アメリカの武力行使を後方地域支援するだけで、日本は武力行使しないから、国際協力だといいますが、武力行使の支援には違いないのですから、一般の国際協力とは違います。ODA4原則を忘れてはいけません。アメリカにとっては個別的自衛権の行使(これも事態によっては怪しい)、NATOにとっては集団的自衛権の行使でも、日本は集団安全保障措置として参加できる範囲に留めるべきです。その位置付けが不完全な場合には、それだけ参加の範囲や程度も狭くせざるを得ません。今回は、今のところ国連決議も武力行使を明示的には認めておらず、アメリカのとる行動も不明確です。この段階で、政府に全面授権するのは危険です。国会の事前承認は不可欠です。



10月7日(日) 玉野市長選、運動会s、ブロック研修会、街宣、テロ

今日は、玉野市長選挙の公示。8時半から、民主党推薦の現職候補の出陣式に出席し、党を代表して激励の挨拶をしました。自民、公明も推薦し、相乗りになりましたが、民主党が最初に推薦を決めたら、他党が乗ってきたのです。あらかじめ決まっていたシナリオではありません。

10時から午前中かけて、地元旭操学区を初め4学区の運動会に顔を出しました。空は雲ひとつなく、スポーツの秋です。しかし世界は、一触即発です。

13時から、民主党中国ブロック協議会の研修会。柳田、山田、平岡、山内、私と、現職国会議員5人が勢揃いし、島根から石橋さん、広島から菅川さんと、前議員も参加。私の挨拶で始まり、本部の堀込征雄選対委員長代理を中心に4時間、組織作り、女性候補の発掘、地方議員のネットワーク、労組との関係などにつき議論をしました。立候補休暇制度をぜひ実現しようということになりました。

17時過ぎから1時間、岡山駅前で街頭演説。国会議員のほか、岡山県の衆議院内定候補のたぶち雅子さん、はたともこさん、姫井由美子県議もマイクを握り、テロ問題、雇用と景気、狂牛病、外務省問題、高祖問題などにつき、元気いっぱいに訴えました。

18時過ぎから参加者で懇親会。和気藹々で、結束を固めました。明日も続けます。

私は、テロに対する国際社会の共同対処に、日本も加わるべきだと思いますが、集団安全保障措置を越えた自衛権行使や報復攻撃に加わってはならないと思っています。また、テロ根絶には、当然、その原因の解決を図らなければなりません。それは中東問題であり、もっと根源的には、南北問題です。国際社会での法と正義の実現のためのシステム作りもあります。これらの場面で日本が果たすべき役割を、減殺させるのは愚策です。



10月8日(月) 空爆開始、研修会、農業、リンゴ祭り、上京

今日は、6時過ぎにテレビで、米英によるアフガン空爆開始を知りました。21世紀がどういう時代になるのか、重大事態です。日本ももちろん埒外ではありえません。

自衛権の行使に至った事情は、理解をせざるをえません。日本も、国際社会の共同対処、つまり集団安全保障措置として、可能な後方地域支援をしなければなりません。それにしても、武力行使は危険な賭けであり、一般市民に類が及ばぬよう、また泥沼化を避けるよう、限度を弁えた行動を祈るのみです。

テロ新法への民主党の対応が問われます。既に明らかにした対処方針を譲ってはなりません。詳細な審議をする時間がないと言うなら、物品輸送とか最小限の部分のみに限って緊急に成立させることも考えられます。

9時から12時まで、昨日に続き、民主党中国ブロック研修会。筒井信隆NC農水大臣を講師に、テロ問題、狂牛病問題、党の理念、農業政策等につき議論しました。筒井さんの考え方は、農業を再生させることが、日本と地球を救う道だというもの。バイオマスに着目し、農業の持つ資源供給機能、水資源涵養機能、環境保全機能などを重視し、これらの機能の見返りとして所得補償制度を確立し、その上で、市場原理を生かし、減反は止めるというもの。米の国際備蓄、農地移転の自由化と転用規制の厳守など、アイデアもたくさんあります。

14時半、佐伯町の第21回りんご祭りへ。長い道のりでしたが、やっと安定し、売上が1000万円を優に超えるようになったとのこと。大賑わいでした。

16時、知人の病気見舞い。19時過ぎの新幹線で上京。テロは地球上のどこが標的になるか分かりません。脆弱な現代社会では、高速の移動も危険と背中合わせです。



10月9日(火) 予算委、役員会、NC、弾劾、空爆被害

今日は、9時から参議院予算委員会。「予算の執行状況に関する調査」で、全大臣出席です。民主党は、平田健二さん、大橋巨泉さん、浅尾慶一郎さんが、昼休みを挟んで15時前まで、それぞれ素晴らしい質問をしました。私は予算委員ですが、今日は平田さんと交代で、応援に徹しました。

平田さんの質問中、国連安保理決議1267、1333、1373は、資金洗浄(マネーロンダリング)に関するものですが、日本は対応が遅れています。自衛隊の海外派遣には素早い措置を取り、資金の流れは後手後手では、本音がどこにあるかが疑われます。それにしても、田中外相の答弁は酷いですね。狂牛病の答弁も、かなり粗雑です。

巨泉さんの質問に対する小泉首相の答弁は、徹底したはぐらかし。浅尾さんの高祖事件についての質問は、公選法違反(禁固2年)は同時に国公法違反(懲役3年)にも当たるのに、なぜ前者のみで処理するのかというもの。面白い論点です。

12時から1時間、常任役員会。空爆開始により、国会審議の日程を巡り綱引きが続いています。ご都合主義の審議省略はいけません。

15時から、NC会議。今国会提出予定の20法案のヒアリングとランク付け。途中、鳩山代表の挨拶。「憲法とテロ新法の関連についての小泉首相の『すきま』発言は、看過できません。慎重に対応する必要があります。」

17時半から、弾劾裁判所事務局と協議。明日の公判は、衆議院の本会議のため延期となりましたが、詰めておかなければならない課題がまだまだあります。19時から、有志議員数名と一杯。

空爆が、地雷除去活動のNGO事務所を直撃し、4人が死亡。アフガンからの民間人被害の報道も、ためにする宣伝だと片づける訳にはいきません。ハイテクのピンポイント空爆だといっても、誤差も間違いもあります。自信過剰になってはいけません。



10月10日(水) 予算委、合同会議、法務、テロ新法、40年

今日は、9時から参議院予算委員会の傍聴。昨日、与党が時間を縮めて質問を済ませたため、今日は野党のみ。小泉首相はどう攻めてものらりくらりで、論争にならず、11時過ぎには終わってしまいました。

12時から、国対・理事合同会議。13時から、弾劾裁判所の公判期日が、衆議院本会議のために延期となり、テレビで本会議の様子を見ながら、メールの整理など。14時過ぎから、法務関係や憲法関係の打ち合わせや電話連絡など。

17時から、外務・安保部門合同会議。テロ新法等につき、政府の担当者からのヒアリングで、私もひとつ質問しました。

Q:「政府の憲法解釈では、わが国の支援が、被支援国の武力行使と一体とならなければ、わが国にとって自衛権の行使はないから、憲法違反は生じないというものですね。」
A:「はい。」
Q:「その場合の支援は、国際協力ですか。」
A:「…(うなずいた模様)。」
Q:「それでは、被支援国の武力行使が自衛権の行使を越えて、例えば侵略になっていたら、それでも憲法違反にならないのですか。」
A:「違法な武力行使であれば、それへの支援は憲法違反になります。」

被支援国の武力行使の性格によっては、これと一体とならない支援でも、憲法違反になりうるというのです。論理に破綻がありそうです。

私は、武力行使への日本の支援が許容されるかどうかは、その支援が日本にとって集団安全保障措置の一環といいうるかどうかで決まると思います。その判断は、国際社会の共同対処がどう組み立てられているかによります。理論をしっかり組み立て、目指すべき国際秩序との関係をはっきりさせておかないと、なし崩しを防げません。テロとの報復合戦になってしまいます。

18時半から、親子2代で家族付き合いの知人の、会社創業40周年パーティーへ。会長はまもなく90歳。祝意を表しました。


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