2-14 選挙会計(1)・資金管理の留意点

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お金をかけようと思えば,際限なくかかってしまうのが選挙。カンパ中心に運営される市民選挙では,有効な予算計画をたて,誰にでもわかるように会計情報をオープン化する必要がある。会計責任者を必ずひとり決めておくこと。借りられるものは借り,自分たちでつくれるものはつくるなど,常に倹約する努力を惜しまないことだ。


●会計責任者を明確に

会計を常に明確にしておくには,会計責任者をひとり決めておくことだ。全ての収支と支出の管理をひとりの人間が担当して,お金の全体像を把握しておこう。候補者と事務局長,そして会計責任者が,常に強い信頼関係て結ばれ,緊密に連絡を取り合うことが大切。

●予算計画と管理

一般市民にとって,自分のサイフから500円なり1,000円なりを選挙にカンパするというのは,大変な行為だ。それゆえ,カンパを受け取り,使う側には,無駄に使わない,不正に使わないという,大きな責任が生じる。あらかじめ,きちんとした予算計画をたて,その時点で無駄な出費のないよう,チェックしておこう。具体的な予算計画は,地域の状況や運動の展開のしかたによって大きく変わる。一般的には,事務所諸経費と印刷費,および人件費が支出の大きな割り合いをしめる。

収支の管理は,収支が一件あるごとに出金伝票を書いておくと便利。入金伝票にはカンパ者の氏名,住所,電話番号,人間関係をメモし,出金伝票には,いつ何をいくつ何の目的て買ったかをメモし,裏面にレシートや領収証をのり付けしておくこと。一日ごとにまとめておけば,後日,整理がしやすくなる。

忘れてならないのは,常に予算計画と実際のお金の動きを照らし合わせ,全体のバランスをチェックすること。ときには予算全体の見直しも必要だ。

●会計およびカンパ情報のオープン化

簡単な収支状況は,内部情報紙や掲示板を利用して,運動の参加者に伝えよう。カンパに対しては,きちんと領収証を発行すること。カンパの集まり状況を内部ばかりでなく外部に向けても,掲示という形で毎日報告するのも,ガラス張り会計のイメージが増すひとつの手段。


●選挙にかかる費用の項目

  1. 人件費
  2. 事務所
  3. 駐車場
  4. 宿舎(運動員が泊る必要があれば)
  5. 選挙用自動車作成費
    ・スピーカー ・アンプ ・マイク ・バッテリー ・お立台 ・看板 ・取付手数料
    (自動車を買ったり借りたりする費用、ガソリン代、運転手の人件費は選挙費用に入らない)
  6. 交通費
  7. ガソリン代(運動員の使用する車だけ)
  8. 食費
  9. 事務所用看板作成費
  10. 選挙ポスター印刷費
  11. ポスター用ペニヤ板,垂木代
  12. 両面テープ又はのり代
  13. 公選ハガキ印刷費
  14. 切手代
  15. 電話料
  16. 文具費
  17. 雑費

☆選挙費用とはみなされないが供託金

注1.
ただで借りた事務所や電話、スピーカー・アンプなどは,金額に換算して,寄付として収入とし,同額を支出したものとみなして計算する。

注2.
選挙にたずさわる人を以下の3つに分け,それぞれ支給できる額や手当に制限がある。
1.運動員
2.労務員
3.事務員及び車上運動員
この区別と支給の可・不可,額の制限等を良く理解して,会計をまとめることが必要である。



予算計画の3ポイント

  事務所経費
  印刷費
  人件費


●カンパ資金の収支管理は明確に

●情報板を使って、簡単な収支状況を伝える

■万が一、選管や警察から警告を受けた場合はあわてずにその主旨をはっきり問い、対応できる事はすぐ対処しよう。内容に疑問がある場合は選管や自治省選挙課などに問い合わせたり弁護士に相談するとよい。問題処理には冷静さが一番大切。[関連法律資料I参照]


市民選挙の実践 14

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