1992/11 五月会だより No.65 ホーム主張目次たより目次前へ次へ


政策集団“シリウス”発足

政党の枠超え若手議員27人が参加
政界再編・新党結成の「台風の目」に

 十一月三日、東海大学校友会館(霞が関ビル33階)において、政策研究会「シリウス」が発足し、代表幹事に江田五月が選出されました。

 「シリウス」とは大犬座のマイナス1.5等星で、冬空でひときわ明るい光を放つ星。新しい政策研究会が、凍てついた政界に輝く希望の星となることを期しての命名です。

 シリウスのメンバーは、社民連二名、社会党二十一名、連介参議院四名の若手国会議員計二十七名。政党の枠を越え、個人の決断と責任で行動を起こしたというところに大きな貴義があります。

 今後、政策研究で切磋琢磨に努めますが、具体的には(1)政治腐敗防止法の議員立法化、(2)「選挙制度」「国会改革」「地方分権」「国際化」「農業問題」「高齢化社会」「税制」「生活社会」などの課題に、タブーを設けず取り組み、議員立法化をめざす、(3)市民団体、業界団体などあらゆるグループと対話の機会を持つ、などを大枠の活動方針としています。また、研究成果をまとめ、「政策提言季刊誌・シリウス」として発表します。

 佐川疑惑で、いまや自民党支配の限界は誰の目にも明らかです。ところが肝心の野党も国民の皆さんの期待に添う打動を取れないのが実情。

 そんな中での、江田五月の今向の行動は、政界再編・新党結成への突破口を開くものとして注目を集めています。


 シリウスのメンバーは次の各氏

衆議院議員

池田 元久(神奈川4区・社会党)
伊東 秀子(北海道1区・社会党)
江田 五月(岡山1区・社民連)
小川 信 (山口1区・社会党)
川島 實 (愛知4区・社会党)
菅  直人(東京7区・社民連)
貴志 八郎(和歌山1区・社会党)
渋谷 修 (東京9区・社会党)
鈴木喜久子(東京1区・社会党)
仙谷 由人(徳島全県・社会党)
筒井 信隆(新潟4区・社会党)
土肥 隆一(兵庫1区・社会党)
はせゆり子(東京11区・社会党)
細川 律夫(埼玉4区・社会党)
堀込 征雄(長野2区・社会党)
松原 脩雄(奈良全県・社会党)

参議院議員

粟森 喬 (石川・連合参議院)
乾  晴美(徳島・連合参議院)
井上 哲夫(三重・連合参議院)
北村 哲男(比例代表・社会党)
小林 正 (神奈川・社会党)
高井 和伸(岐阜・連合参議院)
種田 誠 (茨城・社会党)
堀  利和(比例代表・社会党)
前畑 幸子(愛知・社会党)
三石 久江(比例代表・社会党)
村田 誠醇(比例代表・社会党)


社会党と社民連の統一会派は新党結成への一里塚
大亀社民連書記長にズバリ一問一答

 十月二十八日、田辺誠・社会党委員長と江田五月・社民連代表は党首会談を行い、院内統一会派(日本社会党・護憲民主連合)の発足を確認しました。

 統一会派についてはさまざまな賛否の声がありますので、大亀幸雄・岡山社民連書記長に、ズバリ問題点を質問してみました。

Q 統一会派の発足については、さまざまな批判がありますが…。

大亀 たしかに賛否両論があります。批判的意見は、一つには院内会派を「社会党と社民連の政党合同」というように理解するところから生じるのだと思います。また、社民連が社会党と同じように見られ、社民連の特色がなくなるとの心配も一因でしょう。

Q いま、社会党と院内統一会派を作る意義は?

大亀 国会では「数の力」が大きくモノをいいます。五名の議員では、率直にいって思うような議会活動はできません。大きな会派になれば、それだけ効果的な活動ができます。

 少し視点を変えてみると、社会党には酷ないいかたですが、野党第一党の社会党の体質改善がなければ、新しい政治勢力の結集は困難です。社会党の参加しない連合政権、新党結成は「夢物語」ですから。そこで院内統左石派の発足によって、社会党の改善・脱皮が進むなら、いや、進めることができるならば、今回の決定は、歴史的な意味があるといえます。

Q 社民連の立党の精神は、「政権担当能力のある新党の結成」にあると思うのですが、この基本的な政治路線との関連はどうなりますか?

大亀
 社民連が結成されて、早いものでもう十五年になります。この間一貫して新しい政治勢力の結集をめざして奮闘してきたわけですが、この十五年間の政治状況の変化・発展を見ると、我々の主張は色あせるどころかさらに重要性を増していると思います。

 世界は二百年に一度あるかどうかというような大激動の時代を迎えています。日本でも自氏党政治は崩壊過程に入っています。

 その一方で、新しい政党の実現を望む声は日増しに大きくなりつつあります。

 第一に、連合ユニオン参加の大手労組の全国大会では、既成政党批判が相次ぎ、新しい政治勢力の結集が声高に叫ばれています。

 第二に、参議院の「連合の会」はもちろんのこと、既成政党の内部にも「新党しか危機脱出の道はない」との声が次第に浸透しつつあります。

 第三に、最も大切なことですが、国民の中で「新党結成による政権交代」への期待が、一段と高まりつつあります。

 つまり、新党を巡る政治状況は、まさに我々のめざす方向へと展開しているのです。

 したがって、院内統一会派を単なる院内会派に終わらせてはなりません。これを出発点として、新しい政治理念、新しい政策、新しい行動スタイルを創りだし、新しい政党の結成につなげてゆかなければならないのです。


 党 声 明

     社会民主連合

 かつてない政治腐敗への国民の怒りの只中で、国会召集を明日に控え、本日、私たち社会民主連合は、日本社会党と衆議院において統一会派「日本社会党・護憲民主連合」を結成した。

一 私たち社民連は、結党以来一貫して、政権交代を担いうる政治勢力の構築を訴え、国会内外でもその努力を続けてきた「一九八九年・九〇年には、不十分ながら、野党結集で参議院の与野党逆転をはじめ新しい政治の流れをつくった。その後結集が困難な状況の中で、なお七月の参議院選挙前に、日本社会党と連合参議院との間でそれぞれ、選挙後野党の結集のために院内会派の結成を含めて協議をすすめることで合意をした。今回の統一会派はその第一歩である。

一 現在、国民の政治不信と批判は政権交代のできない私たち野党にも向けられている。私たち社民連は、この事態を重く受けとめ、敢えて自党のことを後まわしにしても、野党の分散化傾向に終止符を打ちたい。そして冷戦終決後、ポスト産業社会という新しい内外情勢の下で、新しい政治勢力をつくっていきたい。統一会派結成を契機に、私たち社民連は、野党の脱皮と再編成を大胆に推進し、市民とともにわが国の政治の大改革に全力をあげる決意である。


佐川疑惑 今国会で徹底解明を

 十月三十日召集の臨時国会の課題は、言うまでもなく佐川疑惑の真相究明と政治改革の実施、そして景気対策。金丸・自民党前副総裁の議員辞職は、国民世論の大きな力で実現しましたが、それは佐川疑惑解明の出発点。いよいよ国会の場で、疑惑解明と政治改革を実現しなければなりません。国民の皆さんから存在意義を問われている私たち野党にとっては、まさに正念場です。

検察当局の不公正な対応

 八月二十七日、自民党の金丸信・副総裁(当時)が、東京佐川急便からの九億円の政治献金の事実を認め、党副総裁を辞任する記者会見を行ないました。

 この日は、江田五月議員は神奈川県川崎市の帝京大学付属病院で右耳鼓膜再生手術の当日でした。麻酔からさめて、金丸記者会見の様子を聞いていた江田五月議員の第一声は、「金丸信氏は国会議員を辞職すべきである」という社民連代表談話でした(この日に「議員辞職すべき」と発言したのは江田議員だけ)。

 その後、金子新潟県知事の事情聴収、知事辞任、政治資金規正法違反による在宅起訴(公判請求)と比べて、金丸氏に対する東京地検特捜部の対応の不公正さが、大きな問題となりました。

 金丸氏に対する不公正な対応については、次の四点が指摘できると思います。

(1)金丸氏を特別扱いして、事情聴取を行なわず、上申書提出による略式起訴にした(法の下の平等という原則を破った)。

(2)五億円の違法献金に対して、略式命令による罰金二十万円のみ(政治資金規正法の量的制限違反の罰則が軽すぎるという法の不備の問題と、事情聴取も行なわずに、所得税法違反や、斡旋収賄、あるいは報告書の不記載や虚偽記載を不問にしたという問題がある)。

(3)五億円の六十数人への分配について捜査はしなかった(金丸氏と六十数人の政治家の量的制限違反や報告書不記載、あるいは所得税法違反の問題が未解決)。

(4)金丸氏の略式手続きが違法な手続きで行なわれた。

金丸略式手続は違法である

 特に四番めの略式手続きの違法性については、他に誰も指摘する人がいなかったので、現在の国会議員の中でただ一人裁判官の経歴を持つ江田五月議員は、九月二十五日、国会内で緊急記者会見を行い、金丸氏の略式手続きは、違法な手続きで進められており看過できない、と指摘しました。

 刑事訴訟法四六一条の二は略式手続さについて、「検察官は、略式命令の請求に対し、あらかじめ、略式手続きを理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続きによることについて異議がないかどうかを確かめなければならない」と規定しています。これは、略式手続きというものが、憲法に定められた基本的人権である「裁判を受ける権利」をいわば放棄してしまうことだからです。従って、略式手続きを取る場合、検察官があくまで直接被疑者と面会して略式手続きの告知・説明をし、被疑者の同意を得なければなりません。そうでないと、たとえば企業犯罪や暴力団の犯罪、選挙違反などで、身代わりの被疑者を立てられてもチェックできず、組織の力で重大な人権侵害が行なわれる恐れがあります。

 金丸氏の場合は、検察官が本人と面会することなく略式手続きが行なわれたわけで、違法と言わざるを得ません。江田五月議員の指摘の影響もあったのでしょうか、弁護士を介在させて、電話でこの手続きを行なったようですが、それでも違法性がなくなったわけではありません。

 さらに江田五月議員は、この違法な手続きに基づいて裁判所が略式命令を出した場合は、裁判官の責任も追求すると記者会見で言明しました。刑事訴訟法四六二条には「検察官が、第四六一条の二に定める手続きをせず、または前条第二項に違反して略式命令を請求したとき」は「通常の手続きに従い、審判をしなければならない」と規定されているからです。

 江田五月議員の指摘の後、地方議員三十二名が、国会に設けられている裁判官訴追委員会に、金丸氏に略式命令を出した東京簡易裁判所の裁判官の罷免申し立てを提出しました。この申し立ての扱いも臨時国会の課題の一つです。

竹下元首相と暴力団との黒いつながり

 佐川疑惑のもう一つの焦点は、竹下元首相が総理大臣就任に際し、暴力団の援助を受けたという問題です。昭和六十二年十月、自民党総裁選で、安倍氏、宮沢氏と競い合っていた竹下氏陣営は、右翼の「ほめ殺し」に悩まされ、東京佐川急便の渡辺社長(当時)に相談しました。渡辺社長は、「毒をもって毒を制す」しかないと、広域暴力団・稲川会の石井進会長(当時)に依頼し、右翼の活動を中止させました。この際、活動中止の条件として竹下氏は目白の田中角栄元首相宅を訪問(小沢一郎氏同行、門前払いされる)。これらのことは、九月二十二日の渡辺元社長の特別背任の裁判の第一回公判の検察側冒頭陳述で公式に明らかにされました。

 竹下氏本人がこのことにどの程度具体的に関与していたかは今後の疑惑解明の課程で明らかにすべきことですが、社会全体が暴力団壊滅に向け運動している時に、総理大臣が、総理大臣になるために、暴力団に頼みごとをして援助を受けたことの結果責任、政治責任は極めて重大です。

 日本の総理大臣とマフィアとのつながりのニュースは世界中に伝えられ、日本の国際社会での信用は大きく傷つけられました。この責任も含めて、竹下氏は証人喚問に応じ、真相を明らかにした上で議員辞職すべきです。

佐川疑惑の全容を解明すべき

 佐川疑惑は金丸・竹下だけにとどまりません。
(1)金丸氏への五億円の献金が六十数人の政治家に配られた疑惑
(2)二十億円以上の違法献金が金丸・竹下氏を含む十二名(三名は故人)の有力政治家に渡された疑惑
(3)総計一千億円近い献金が、与野党を問わず百数十名の政治家に配られたという疑惑
(4)佐川急便の事業に関して監督官庁の運輸省をめぐる贈収賄事件(二名の元運輸大臣と一名の野党国会議員が関与)
(5)運輸省以外の建設省、国税庁、検察庁、地方自治体関係機関での違法行為と政治家の関わり、
など数多くの疑惑があり、その全容を解明しなければなりません。

政治改革の緊急課題は何か

 秋の臨時国会では、佐川疑惑の解明とともに、政治腐敗の再発防止を実現しなければなりません。すでに与野党間で合意した、違法な寄付金の没収や国会議員の資産公開などの十八項目を緊急改革として行なうことになっていましたが、この合意は今年六月のもので、今回の佐川疑惑で新たに指摘された問題点が含まれていません。野党側では、十八項目にさらに八項目をつけ加えて、政治席敗防止と政治資金規正法の強化改正を提案しました。その八項目とは左記のとおりです。
(1)企業・団体献金の禁止
(2)指定団体(献金の受皿)の数の制限
(3)寄付の公開基準の引下げ
(4)政治家個人に対する寄付の禁止
(5)政治資金規正法の罰則の強化
(6)税額控除方式の導入
(7)寄付およびパーティー券販売に関する公務員関与の制限
(8)連座制および公民権停止規定の強化

 これらの緊急改革に、選挙制度改革も含め、待ったなしの政治改革を実現しなければなりません。江田五月議員はNHKの党首インタビューの中で、政党が当事者能力を失いつつある今は、議員一人ひとりが個人の決断と責任において行動しなければらない、とのべました。さらに江田議員は、政党間協議が進まない時は、与野党若手改革派の議員グループで議員立法を提案することも検討しています。

政権交代構造をどう作るか

 政・官・財・暴の構造的癒着が行き着くところまできてしまった日本の政治を真に改革するには、本格的な政権交代を実現するしかありません。しかし今の野党の状態では、それは困難です。国民の皆さんの政治不信と批判は、政権交代のできない野党にも向けられています。

 江田五月議員はこの事態を重く受けとめ、あえて社民連のことを後回しにしても、野党の分散化傾向に終止符を打ちたい、そして冷戦終決後の新しい内外情勢の下で、何としても新しい政治勢力を作っていきたい、という強い信念を持って、社会党との院内会派統一、さらには政策研究集団「シリウス」の結成に踏み切りました。

 自民党に代わる、政権担当能力のある新しい政治勢力を作り上げるために、江田五月議員は今、勝負を賭けています。

 皆さんのご支持とご協力を心からお願いいたします。


市民パワーで「金丸氏と60数人」に正当な裁きを!

 国民の怒りが、ついに金丸氏を議員辞職に追い込みました。さらに先日、検察は世論に後押しされる形で金丸氏の再事情聴取に踏み切りました。

 しかしことはこれで終ったわけではありません。自民党の一部には、「議員をやめたのだから、武士の情けを」という時代がかった声も聞かれますが、国民の大多数は、検察当局が金丸氏から五億円を受け取ったと言われる六十数名の自民党議員の氏名を明らかにし、所得税法、政治資金規正法に照らし、金丸氏を含む全員に対し適正な訴追手続きを取ることを望んでいます。

 そこで私たち岡山社民連は、十月の末から「告発状」を送る運動を展開しています。これは、東京地方検察庁に対し、金丸氏及び彼からお金を受け取った六十数名の国会議員を告発するための書類(正式な文書)と宛先(東京地検)を記入した封筒のセット一式を百円(切手代を含む)で買ってもらい、市民の皆さん一人ひとりに金丸氏と六十数人を告発してもらおうというもの。書類の記入欄に自分の住所・氏名を書き印鑑を押すだけで正式の告発状ができあがるという「アイデア商品」です。

 この「告発状セット」はマスコミでも大きく報道され、県内外から問い合わせ・申し込みが相次ぎ、現在までに約千セットが売れました。

 しかし真相究明はこれからが本番です。市民の手で不透明な金の流れに司直のメスを入れさせるために、引き続き運動へのご協力をよろしくお願いします。


批判票の重みを考えた県政運営を

 県知事選挙は長野士郎氏の当選で終わった。
 だが長野さんの得票率は43.7%にすぎない。批判票のほうが過半数を占めている。特に岡山市においては、長野さんの得票は全体の三分の一程度である。あれほどチボリ誘致を宣伝した倉敷市においてすら、半数を割る票しか得ていない。深刻な結果と認識すべきだ。
 社民連はさっそく、江田代表談話を発表した。「批判票の重みを考えた県政運営を」というくだりに注目していただきたい。


 談 話

 県民の選択を厳粛に受けとめ、批判票(56.3%)の重みを考えて、県政運営にあたってもらいたい。

 おそらく、長野知事にとっては最後の任期になると思うので、有終の美を飾ることを心から望みたい。

 開かれた対話と参加の県政、教育・福祉優先の県政、平和・人権・環境を大切にする県政、そして均衡のとれた活力ある県政の発展が県民の願いだと思う。ご健闘を祈りたい。

 岡山県社会民主連合 代表 江田五月


めざすは「ぶどう作り日本一」
岡山市一宮五月会・板野日出男さん

 今日ご紹介するのは、一宮五月会の板野日出男さん。
 トラックの運転手だった板野さんが、十年前、脱サラで六百坪の土地に十一棟の温室を建てて作りはじめたのが、ぶどうのコールマン。

 コールマンは他のぶどうと比べて寒さに強いのが特徴で、十一月から翌一月にかけて出荷される。

 板野さんいわく「決めては着色・糖度・粒の大ささ」とか。色は深ければ深いほどいいそうで、なるほど板野さんのぶどうは、まだ十月というのにもう濃紺に近い。ぶどう作りをはじめて三年目に、市主催の共進会で三等に入賞。以後一等賞、県知事貰、・中四国農政局長貰と、着々と実績をあげている。その秘訣は? 本当は「企業秘密」だそうだが特別に教えてもらったところによると、一番大切なのは苗木の選抜。少しでも質のいい苗木を選び、交配。板野さんの木は、普通三〜四年かかるところ、二年で初成りだそうだ。

 数々の受賞が励みになって、「ぶどう作りがおもしろくてしようがない。今は自分が思った通りに生産できる」と板野さん。日焼けした顔から白い歯がこぼれた。

 しかし、ぶとう栽培は最初から最後まで気が休まらないとかで、苦労も多い。こんな時、奥様の細やかな気配りが欠かせないそうである。板野さんの隣で微笑む絹江さん。やはりぶどう作りも「夫唱婦随」、これが一番の秘訣かも?

 江田五月議員とは、何年か前、彼が桃を食べに来てくれたのがきっかけで知り合ったとか。「とても気さくで、国会議員がすべて江田さんみたいな人だったらいいのに」と絹江さん。

 見渡す限り桃の木とぶどうの温室。まるで板野ご夫妻のようにさわやかな馬場尾の山のふもとで、今日も園芸鋏を手に張り切る板野さん。今度は日本一のコールマン作りをめざしてほしい。


赤坂町の畑地、無料で貸します
あなたも自然に親しんでみませんか?

 現代の日本は余暇の時代といわれています。ゆとり、豊かさはまさに時代のキーワードです。そこで、ゆとり、豊かさを追求される方々にとっておきの情報があります。
 岡山から北東方向に車で約三十分のところに赤坂町があります。赤坂町は、あの有名なサッポロワイナリーの里としても知られる、緑が豊富で水の清らかな町です。この赤坂町の西窪田に、故・越宗清太郎さん所有の畑地(約四五〇坪)があるのです。
 越宗さんは戦前から江田三郎と深い交流があり、中国・北京時代には江田家と家族ぐるみのおつきあいをしていたそうです。その越宗さんは昨年亡くなり、奥様の英子さんが一人で畑地の面倒をみておられたのですが、一人では維持管理が大変ということで、この度この紙面を通じて比んにこの畑地の利用をお勧めすることになりました。
 四季を通じてさまざまな野菜や花が栽培できます。余暇利用と健康増進をかねて、畑仕事はいかがですか。地代は一切不要、応募者の数によって畑地を分割してお貸しします。


労組大会で「新党」発言が続出

 さる七月の参議院選挙において、野党が大惨敗したことを受け、今年の大手労組の全国大会では、政界再編成・新党結成が大きな話題となった。岡山県下においても、その傾向が一段と強まりつつあると思う。

 全逓労組岡山地区本部第43回大会は、九月二十一日に開かれたが、活動方針の中で、「社会民主主義勢力の総結集による国民連合政権をめざす」とのべている。

 全電通労組岡山県本部第40回大会は、九月二十日に開かれたが、森本徹磨委員長は、委員長挨拶の中で「産業優先の政治から、消費者、生活者重視の政策スタンスに立った、自民党とは別の政権をめざす、国民的な幅広い改革勢力の最大限の結集を図る」「より幅広い新党への発展も視野に入れることが必要」と、新しい政治の方向を示した。

 自治労岡山県本部第21回大会は、十月二日に開かれたが、運動方針の中で「自民党にかわり政権を担当できる、新しい政治勢力の形成が重要」とのべている。

 川鉄水島労組第28回大会は、十月三日に開かれたが、村上格委員長は挨拶の中で、「生活者重視の政治を実現するための、新たな政治勢力の形成に努力する」と、のべている。

 既成政党に対する不満、抗議の声が渦巻いている。

 新しい政党、新しい政治勢力の結集が、今、国民的な声となって発展しつつある。我々は、この動きを注目し、歓迎し、新党結成をめざして奮闘したい。


私たちの怒りを国政に! 10.17岡山集会

 十月十七日、全逓会館で「私たちの怒りを国政に10・17岡山集会」が開かれた。

 これは、今回の佐川急便事件に村する怒りを表すため、宮沢喜一首相の来岡にあわせ、「女性による五月フォーラム」の有志が急きょ企画したもので、江田五月議員もゲストとして駆けつけた。

 集まった約六十人の人たちは、「五億円をもらった六十数名の名前は本当に明らかにできるのか?」「(金丸氏を上申書提出による略式起訴処分にした)検察官を証人喚問すべき」などの質問や意見を次々とのべた。

 これに応えて江田議員も、「宮沢内閣は、早急に総辞職する必要がある」と熱弁をふるった。

 そしてこの怒りを持続・発展させてゆくため、関係当事者に送付する決議を採択し、閉会した。


岡輝学区五月会発足

 九月二十二日、岡輝学区五月会の発会式が天瀬の佐藤さん宅で行われました。

 岡輝学区は、いわゆる「ドーナツ化現象」の影響を受けている地域。かつては舟つき場として賑わった天瀬地区や、一大商業ゾーンだった清輝橋商店街などでは過疎化と高齢化が目立つ一方、中国デザイン学校に通うファッショナブルな若者たちの姿も目につき、高層マンションやアパートが建ち並ぶなど、新旧が入り組んで併存しています。

 発会式当日はあいにくの雨でしたが、三十人が参加。

 明石・岡輝五月会事務局長、羽場頼三郎・岡山市議、橘民義県議、大亀幸雄・五月会事務局長、そして江田五月議員のあいさつの後、佐藤さんお手製のぜんざいで乾杯。

 家庭的な雰囲気の中、岡輝五月会の発会を祝いあいました。


倉敷市議選で金谷光夫さん公認

 来年一月の倉敷市議会議員選挙に、県社民連副代表で現職の金谷光夫さんが公認で立候補する予定です。

 金谷さんは故・江田三郎とともに社会党を離党して以来、倉敷市で社民連の灯を守り続け、市議七期を経験している大ベテラン。「市民参加の市政をめざして」を合言葉に、市民派議員としての決意を新たにしています。今回、倉敷市議選には多数の新人が立候補の動きを見せており、金谷さんにとって大変厳しい選挙となることが予想されています。倉敷市在住の方、倉敷にご親戚やご友人がおいでの方は、どうかご協力をお願いたします。



ご心配をおかけしました

 皆さんにご心配をおかけしましたが、私の右耳は順調に回復しています。

 水泳と中耳炎は緑が深いようで、長い間鼓膜に穴が開いたままにしていましたが、そろそろ何かしないと聞こえなくなると脅され、手術の決意をしました。

 八月二十五日、帝京大学医学部付属病院に入院。二十七日、加我君孝教授執刀で右鼓室形成術(右の鼓膜の張りかえ)を受け、九月十二日退院。

 全身麻酔で二時間。マイクロサージャリーと言って、顕微鏡下で0.1ミリの鼓膜を二枚にはがし、間に頭蓋骨の骨膜をはさみこむ(インレイ法)という大手術でした。

 妻・京子が耳許で何か言っているので、麻酔から醒めました。それは愛のささやきとはほど遠く、「金丸さん副総裁辞任」というもので、たちまち現実に引き戻され、「議員辞職を求める」との談話を出しました。

 入院中は読書やビデオ三昧。三食規則正しく食べ、人間らしい生活を楽しみました。

 困るのは飲めないこと。忘年会のころには飲めるようになるのかなと、毎日酒席をうらめしくこなしています。

 まだ、他人の耳のような感じが残っていますが、国民のささやきも逃さず聞さ分け、激動の政局に臨むつもりです。

     江田 五月


 編集後記

 目まぐるしく局面がかわる佐川疑惑。そのたびに紙面さしかえで発行がのびのびになり、本当に申し訳ありません。この号が皆様のお手元に届くころには、いったいどんな展開になっていることやら…。

 来年秋ごろかと思われていた解散・総選挙も、八方ふさがりの政治状況の中、早まりそうな雲行きです。「シリウス」を旗揚げし、新しい政治状況を作ろうと頑張っている江田五月ですが、様々な事情から次の総選挙は相当厳しいものになるのは確実。

 江田議員が安心して活躍できるように、次の選挙に向け、今から心の準備をしておく必要がありそうです。K


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