1992/09 五月会だより No.64 ホーム主張目次たより目次前へ次へ


参院選敗北 この教訓は衆院選で活かす
さらに連合+市民の結集を

社民連ははじめて比例区選挙に挑戦した。「市民パワーの総結集」を掲げて九名の候補者を擁立して闘ったが、結果は六七万余票で敗れた。一議席も取れず完敗である。社民連の存在を根本から問い直す勇気が必要である。

5つの反省点を確認

 岡山社民連は選挙対策委員会を開き、敗北の原因について、五つの反省点を確認した。

(1)昨年九月に比例区選挙を闘うことを正式決定したのに、取り組みは事実上保留され、運動が大きく遅れた。

(2)PKO法問題にこだわりすぎて、新党結成・政界再編成といった結党以来の主張が曖昧にされ、国民的願望がポスターチラシ、新聞広告などに表れていない。社民連のみが持つ特長が活かされていないのが問題である。

(3)牛歩、辞職願いなど、社会党とだけ行動を共にしたという印象を有権者に与え、特に「社会党、社民連は院内会派結成か」という報道は大きなダメージであった。

(4)江田代表の顔と社民連を結びつけるという、有権者にとって最もわかりやすい宣伝はほとんどされなかった。

(5)田顧問のとった行動も内部分裂とみなされ、イメージダウンであった。

 しかし、岡山県においては全国的傾向とは違い、得票率6.35%、特に岡山市内では共産党、日本新党、民社党よりも上位の9.65%を獲得することができた。これは高く評価してもよいと思う。

「辞職願」はダメージに

 これらの敗因の中でも特に大きなものは、「新しい政治、新しい政党の結成」という社民連本来の主張、言いかえれば他党に真似ができない、社民連のみが持つ独特の、味のある政治方針が、どういうわけか選挙中、影をひそめたことだ。江田五月と新党と社民連をワンセットでPRする努力に欠けていたことが、何をおいても反省すべきことであろう。

 もう一つは、PKO国会終盤の牛歩、議員辞職願が、有権者のイメージを大きくダウンさせたことだ。「衆議院の解散・総選挙により国民の信を問え」との主張は、確かに正論だったと思う。だが、なぜそれが辞職願に直結するのか、その点がなかなか国民には理解されなかった。むしろ国会議員の職務放棄、あるいは選挙向けのポーズとすら受けとられ、他党から集中砲火を受けてしまった。ここでも社民連らしい、特色のある、良識的な行動が欠けていたと思う。

「連合+市民」の選挙を

 今回、連合候補は全員落選した。この完敗を受け、連合型選挙そのものに否定的な見解が台頭している。しかし全国二六か所の一名区で、各党が勝手に公認候補を立てて闘ったら、恐らくもっと惨めな結果が待っていたであろう。そう考えると、各党が協力しあう連合型選挙を、これからも真剣に追求していく以外に勝利の道はないと思う。

 ただ、選挙方法としては「連合+市民」の形を取るなど、様々な工夫が必要となってこよう。

すでにタイムリミット

 今回の選挙の最大の特徴は、史上最低の投票率にある。岡山県でも約四八%。有権者の政治不信、既成政党不信は驚くほど厳しい。

 私たち社民連・江田五月グループも「国民の求める新しい政治・政党像は何か」を、今こそ真剣に考えなければならない。そして、そのために与えられた時間は、もうあまりない。


選挙結果 私はこう考える
江田五月グループの皆さんに聞く

「浮草」政党でよいか 岡山市・則俊 進

 参議院選挙で一名の比例代表も出せないとは! 社民連よりも江田五月に対する人気の方が高いことがわかった。いわゆる五月人気を社民連人気にどうしたら移行できるのか。みんなで考えたい。
 天下国家、政界再編を論じるのと同様に組織作りを考えなければ浮草政党になりかねない。

バラバラ野党に国民か嫌気 岡山市・江口俊平

 今回の選挙、自民党の圧勝という結末になり、まさに自民党の筋書き通り。我々としては残念を通りすぎ、いや情けないの一語であります。日本国民は、そんなに腐り切った、金に汚れた自民党を支持したのでしょうか? とすれば、もう政治は終焉です。
 私は違うと思う。自民党に対する野党(社・公・民)がバラバラになったことが敗因なのです。三年前、山岸(連合)会長と江田議員が「野党統一」をうたいあげた頃に比べ、今回は何たるザマか?そんな情けない野党への不満が投票率の低下を招き、組織力のある自民、公明が勝ったと思うのであります。

真の連合新党結成を 岡山市・篠原 新二

 江田議員がかねてから提唱していた「野党結集・新党結成」の考えも、細川新党にアイデアごと根こそぎ持っていかれ、歯がゆいばかりです。「新党結成」をメインスローガンにしなかった社民連の選挙戦略も、下手の限りです。
 しかし、ピンチのあとには必ずチャンスが来ます。次回の衆議院選挙までに、市民の新しい政治をめざし、社民連一党に固執することなく、社会党、民社党、連合をはじめ、幅広く同憂の士を結集し、真の連合政党の旗揚げを強く望むものであります。

有権者への説得力不足 吉井町 高原小太郎

 参院選は終った。力一杯の努力を傾けた。しかしながら、女神は我々の頭上を飛び越えはるかかなたへ飛びさってしまった。
 何がそうさせたのか。戦況は決して我々に有利な材料ばかりではなかった。とは言いながら、冷静に振り返ってみると、我々の、有権者に対する説得力の不足が最大の要因であったことを痛感する。
 この経験を大切にして、来るべき時には一大飛躍をしたいと考えるものである。

江田五月への期待は高い 岡山市・森脇 栄

 先の参議院選、私はポスターの裏貼り、名簿を頼りに政談演説会への出席依頼や投票依頼の電話かけなどのお手伝いをさせていただきました。
 電話をかけていて改めて感じたのは、市民の皆さんの江田議員に対する期待の大きさです。この熱い思いが江田議員個人に留まることなく、社民連への支持に発展してくれたら、と何度も思ったものでした。今回、社民連の蒔いた種が、次回は必ず花開くと信じています。頑張れ、社民連。

低投票率は失望感の表れ 津山市・松田 健

 今回の参議院選挙は、社民連にとって初めての試みであったが、残念な結果に終ってしまった。
 しかし、問題は、約五〇%という過去最低の投票率の選挙であったことだ。国民の間で政治に対する失望感が、頂点に達していることを表す結果である。この責任は、政権政党である自民党より、むしろ自民党に替わり得る、きちんとした政策の提示ができなかった野党の側にあると、私は思う。
 国民は、自民党に替わって新しい時代にふさわしい選択肢を示せる「新党」を待ち望んでいる。
 江田さんには、よりいっそう頑張ってもらいたい。


県知事選挙は自主投票と決定

 岡山社民連は八月二十三日に第六五回運営委員会を開き、県知事選挙に対する態度について協議した。その結果、水谷、西岡両候補一本化のためにさらに努力することを確認。もし一本化が不成立の時は、特定候補を推薦することは困難とのことで意見の一致をみた。そして、次の「岡山社民連の取り組みの経過と結論について」を正式に決定した。(『※第一回会議は』云々の箇所は、その後の状況の変化により追加した)

一、岡山社民連は、十月に予定されている岡山県知事選挙について、一年半ほど前から、あらゆる機会をとらえて、長野長期県政の弊害とその権力的・独善的傾向に警鐘を鳴らし、長野県政の終焉を訴えてきた。

二、具体的には、連合岡山の主張に応えるかたちで、候補者の具体的な掘り起こしと四党の共同推薦の可能性をさぐってきた。

三、しかしながら、周知のごとく、長野現知事の早々の出馬声明(平成四年三月)以後、公明、民社のいち早くの長野支持決定などに影響され、四党・連合連絡会での話し合いのチャンスは薄まり、我々の候補者捜しにも決定打のないまま、過日の参議院選挙後にこの問題は持ち越された。

四、社民連はこの問題につき、唯一積極的に候補者選びをした政党であるが、具体的には、弁護士一名、中央官僚三名に江田五月を含めて話し合ったが、残念ながら実現するまで に至らなかった。

五、「独自候補翌断念でもし社民連は引き下がるべきではない」との会内での強い意見が大勢を占め、反長野二候補の一本化に努力すべしとの決定をみたのが八月一日。以後両候補への働きかけを続け、第一回会議は九月一日と決ったが、その後、水谷陣営から参加拒台の回答があり、統一は難しい状況になった。

六、このような状況下においては、西岡憲康、水谷賢のいずれか一方を推薦することは難しいので、すでに確認しているように「反長野」の旗は掲げつつも、無念の自主投票とならざるを得ない。

岡山県社会民主連合 代表 江田五月


衆院選、来年二月が有力?
岡山二区では石田美栄さんを推薦

 衆議院選挙がいつ行われるか、それは誰にもわからないことですが、来春二月か、秋が有力と言われています。
 岡山一区からは有力新人として熊代昭彦氏(東大卒)が立候補しますので、江田五月も大きな影響を受けることは確実、今から万一に備えて準備することが大切です。
 岡山二区では、これも有力新人として、石田美栄さん(大学教授)が出馬します。石田さんは社民連、民社党、連合岡山、友愛会議の四団体が推薦団体となり、無所属連合推薦候補として立候補します。
 労働組合に「おんぶにだっこ」の選挙でなく、女性グループ、市民グループ、文化人グループなど、さまざまな分野の人々が自由に参加・協力しあう、新しいタイプの選挙運動をすすめることがよいと思います。社民連・江田グループも全力で応援します。

 四団体合意事項

一 かねて、民社党・社民連・連合・友愛会議の四団体が衆議院岡山県二区候補として出馬要請していた、石田美栄さんから本日、正式に私どもの要請に応えて出馬していただく回答をいただきました。

二 前回出馬に当たって合意した通り、候補者は四団体推薦による、無所属で出馬し、当選後の所属については、選挙後四団体と候補者が協議して決定する。
 当面は、四団体を中心に幅広く支持していただく人達を含めた後援会活動を展開する。

三 候補者のかかげる政策等については、早急に候補者の考え方や四団体の政策を調整してまとめる。

   平成4年6月17日 
民社党岡山県連合会
 岡山県社会民主連合
連 合 岡 山
岡山県友愛会議


1992/09 五月会だより No.64 ホーム主張目次たより目次前へ次へ