2001/05/08

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江田五月の国会レポート 第12号

小泉新内閣が誕生!!本気で「改革断行」なら協力する
小泉新内閣に提案する 不良債権処理と特殊法人改革

政治 経済 永田町の今
 鳩山代表団で韓国訪問
 高比良正司さん・参議院比例選挙について
 最高裁の情報公開が一歩前進
 ハンセン病議懇とNPO支援税制法案
岡山トピックス
 たぶち雅子さん・はたともこさん
 石田みえさん事務所開き

◆小泉新内閣が誕生!!本気で「改革断行」なら協力する

4月26日、小泉新内閣が誕生しました。自民党の党員・党友のみなさんが、国民と危機感を共有して、小泉さんを大勝させたことは高く評価します。問題先送りの橋本さんやバラマキ利権政治の亀井さんは、完全に否定されました。

新内閣に女性閣僚を5名登用したことや、民盟人・若手の登用も英断でした。しかし森内閣から継続して再任された閣僚が7名と多く、その中には参議院自民党の青木幹事長の強い要請によって、改革派ではない現状維持型の閣僚(片山総務大臣)を再任させた例もあります。閣僚に比べて副大臣と政務官の人事は、旧来型の派閥均衡そのもので、これはいけません。

民主党は、小泉さんが本気で「改革断行」をするのなら協力します。まず不良債権処理と特殊法人改革に与野党共同でとりくむことを提案します。与野党をこえた「改革断行」勢力をつくって、現状維持勢力とたたかわなければ、真の構造改革は実現できません。

小泉さんの政治姿勢でダメなところも目につきます。憲法9条改正や集団的自衛権についての発言は単純すぎます。言っていることは現行憲法下ですべて解決できます。靖国神社の公式参拝問題も、政教分離や国際協調主義に反しない方法を考えるべきです。小泉さん
は中曽根元総理の言いなりになってはいけません。首相公選制は、国会で大いに議論しましょう。

民主党は小泉新内閣とどちらが真の構造改革を断行する政策と能力を持っているか、国民のみなさんの前で競い合っていかなければならないと思います。

◆小泉新内閣に提案する 不良債権処理と特殊法人改革

4月3日、民主党は「不良債権問題の一気解決とセーフティ・ネットの整備」と題する経済対策を発表しました。日本の金融と産業を強く再生させるために、雇用のセーフティ・ネット(雇用保険の充実と3年間の職業訓練と生活支援)をしっかりと張った上で、不良債権の抜本処理を一気に行う、というものです。私が94年の住専問題以来、一貫して主張してきた債務超過企業の「法的整理」も中心にすえられ、安易な債権放棄は否定されました(政府の緊急経済対策は「法的整理」よりも債権放棄が中心になっている)。

小泉新内閣は構造改革の第一弾として不良債権処理をあげていますが、森内閣(亀井政調会長)と同じ債権放棄と株価対策を採用したのでは、問題先送りで構造改革とは言えません。ぜひ与野党共同で、「法的整理」を中心とした不良債権処理を行うことを提案します。

もう一つ、特殊法人・認可法人(77+86=163法人ある)の全廃法案(2年以内に廃止・民営・NPO・独立行政法人のいずれかとし、その検討は主務官庁から切り離し、内閣府・行政改革担当大臣に一元化)と天下り禁止法案(許認可・補助金の対象企業と特殊法人・認可法人・公益法人等への天下り禁止)を与野党共同で成立させることを提案します。この法案を提出すれば、誰が改革推進派で、誰が改革反対派なのかがはっきりします。国民のみなさんに、それぞれの政党の中の改革派を応援し、現状維持派は落選させる判断をしていただくことによって、真の構造改革が実現できます。


政治 経済 永田町の今

◆鳩山代表団で韓国訪問

5月1目から4日まで、民主党鳩山代表団の一員として韓国を訪問しました。私は今までに何度も訪問していますが、今回の訪問は野党第一党の正式代表団であり、小泉新政権発足直後ということと、国粋主義的な「新しい教科書をつくる会」がつくった教科書が検定に合格した問題の真只中ということで、特別の意味をもった訪問となりました。

韓国では金大中大統領、韓昇珠外交通商部長官(外務大臣)をはじめ、千年民主党代表、ハンナラ党総裁など数多くの政治家と対話し、さらに安山市で、戦前日本がサハリンに連行し、戦後も長くとり残された残留朝鮮・韓国人で永住帰国したみなさんの「故郷の村」を訪問しました。

教科書問題については、「つくる会」の教科書は日本政府の歴史認識に反するもので、民主党として教科書の採択に反対していくことを表明し、「日韓歴史教科書対話」の提案をしました。少なくとも民主党の誠意と、歴史認識は理解されたと思います。

◆高比良正司さん・参議院比例選挙について

4月5日、民主党公認の参議院比例代表選挙予定候補、高比良正司(たかひらしょうじ)さんを支援する国会「国会議員夢ネット」が発足しました。高比良さんは「こども劇場」とNPO支援センターの代表選手。NPO委員長の私と小宮山洋子参議院議員が呼びかけ人です。「NPO支援税制法案」と「芸術文化基本法案」の実現を掲げ、民主党の市民候補の顔として頑張ります(私が実質的な責任者です)。

千葉県知事選挙の敗北以来、民主党が労組中心の政党ではないか、とのイメージがひろがり、民主党の大問題となっています。問題は市民候補がまだまだ強力でないことです。私はNPO委員長という役職でもあり、鳩山代表や菅幹事長と相談して、市民候補の強力な支援体制をつくっていくことにしました。名実ともに「市民が主役」の民主党にしていくために、みなさんのご協力をお願いします。

◆最高裁の情報公開が一歩前進

検事が高裁判事の妻の犯罪を特別扱いして、事件の情報を漏えいした「福岡事件」は、高裁判事は戒告処分の後に辞職、次席検事と検事正が停職と減給処分の後に辞職、で一応の決着となりました。

真相の解明はまだ不十分で、今後の課題ですが、それでも一つだけ成果がありました。それは最高裁の情報公開が一歩進んだことです。当初最高裁は3月14日の「調査報告書」をマスコミと法務委員会の国会議員には配布しても、自らのホームページには公開しませんでした。それどころか、私が自分のホームページに掲載することにも反対していたのです。私は、最高裁当局とのかなり緊張したやりとりの後、3月24日に私自身の判断でホームページに掲載しました。その後4月2日になって、最高裁も自らのホームページに掲載すると言ってきました。3月29日付の事務総長通達で司法行政の情報公開もすすめました。一歩前進です。

◆ハンセン病議懇とNPO支援税制法案

4月5日、「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の設立総会が開かれました。らい予防法は廃止されましたが、今なお4,400人の人たちが療養所生活をしています。失われた人権は回復していません。

現在、国家賠償請求訴訟が行われていますが、訴訟だけでは解決できません。政治が役割を果たさなければなりません。この問題は私の議員活動の原点の一つです。超党派101名の国会議員の会の会長を引き受けました。事務局長に民主党若手の川内博史さん、顧問には、野中広務さん、白保台一さん、野田毅さん、菅直人さん、藤井裕久さん、市田忠義さん、渕上貞雄さんと、各党の幹事長クラスの重鎮がそろいました。

NPO支援税制法案は、衆議院では民主・共産・社民の3党共同提案でしたが、参議院では自由党も加わった4党共同提案にすることができました。内容は政府案より圧倒的にすぐれています。


岡山トピックス

◆2区たぶち雅子さん・5区はたともこさん

4月28日(土)、民主党岡山県第2区総支部大会が300名余の参加で開かれ、たぶち雅子さんが総支部代表に選出されました。たぶち雅子さんは29歳の産婦人科医。民主党本部から次期総選挙の岡山県第2区公認の内定も決まっています。「産婦人科医として、母と子の、いのちと未来を考えます。」と訴えて、きれいな政治、男女共同参画と市民参加の「新しい政治」をめざします。たぶち雅子さんは、記者会見でも、答えにくい質問にもはきはきと応じ、初々しさで笑いが溢れました。その後のティーパーティーでは、一人ずつに丁寧に挨拶していました。良いスタートだったと思います。

4月14目(土)には、高梁市文化交流館で民主党の農業・農村政策の確立をめざす「中山問地フォーラムin岡山」が開かれました。5区のはたともこさんの大奮闘で200名余の参加で、内容的にもすばらしかったと思います。2区のたぶち雅子さんと5区のはたともこさん。岡山は女性パワーでリベンジです。

◆石田みえさん事務所開き

4月21日(土)午前10時から、石田みえさんの後援会事務所開きが、350人以上のみなさんの参加で元気よく行われました。民主党本郡から小宮山洋子参議院議員(広報委員長)、山田敏雅衆議院議員が応援にかけつけてくれました。小宮山さんは「女性の元気で日本を変え隊」の隊長です。事務所開きの最後は、県議の姫井由美子さんの音頭で、人差し指を突き上げ、「石田!、一位!、エンパワー!」と従来の“ガンバロー”、に変わる新しいコールで気勢を上げました。石田みえ選対には、姫丼さんをはじめ多くの女性を中心に(男性もいます)、NON(Non・Organized-Network)という非組織的ネットワークがあります。

NONの活動が全県にひろがれば、相手候補の組織動員型の運動に十分対抗できると思います。相手候補の大臣再任で岡山選挙区は大激戦となります。ぜひみなさんのご参加・ご協力をよろしくお願いします。


2001/05/08 第12号

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