2001/03/19

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江田五月の国会レポート 第11号

退陣するのか、しないのか 一刻も早い内閣総辞職を
予算委員会で質問  NPO税制・KSD・機密費

政治 経済 永田町の今
 村上正邦前参議院議員を証人喚問
 NPO支援税制法案を国会へ提出
 法務委員会で福岡事件を質問
 国のかたち研究会/久和ひとみさん
岡山トピックス
 石田みえ選対本部事務所開き
 総社市の採石場で崩落事故

◆退陣するのか、しないのか 一刻も早い内閣総辞職を

3月10日夜、森首相は自民党五役(幹事長・政調会長・総務会長・参院議員会長・参院幹事長)を公邸に呼んで、9月の自民党総裁選を「繰り上げ実施」すると述べ、事実上の「退陣表明」をした、と翌日の新聞各紙が一斉に報道しました。ところが12日のテレビ中継された参議院予算委員会では、辞意を否定し、総裁選再出馬の可能性もあると言明しました。何ともわかりにくい、国民や世界に全く通用しない「二枚舌」の密室政治です。

また自公保の与党3党は、裏では「森降ろし」の策謀をすすめながら、表では3月5日の衆議院での内閣不信任決議案と3月14日の参議院での問責決議案には反対して森内閣を「信任」するという、「二枚舌」の政治をしています。国民を代表する国会の議決を軽く見る「永田町政治」です。

その後自民党幹部の発言も迷走し、繰り上げ総裁選は5月か6月との説もとび出して、一時は政治空白がいつまで続くか解らないほどでした。

日本経済の「3月危機」が現実のものとなり、一刻の政治空白も許されません。雇用のセーフティネットを確保した上で、不良債権の処理を先送りせずに断行して、金融と産業を再生させることが急務です。そのためには一刻も早く森内閣を総辞職させ、自民党が後継を決められないのなら、野党の暫定政権を樹立して、与野党を超えて緊急経済対策を実施し、衆参ダブル選挙で本格改革政権をつくることがベストの選択だと思います。みなさんのご意見も聞かせて下さい。

◆予算委員会で質問 NPO税制・KSD・機密費

3月8日の参議院予算委員会で、片道(質問時間のみ)22分で約60分、NPO税制・KSD・機密費問題について質問しました。

NPO支援税制については、認定される法人数は、やってみなければわからないという無責任。そのくせ細目は全て政省令ですから、NPO側でも認定の判断は困難です。「NPO側は認定は1%くらいと見ている」と言うと、麻生経済財政担当相は目を丸くしていました。宮沢財務相が、見直しの可能性を明確に肯定しました。

KSD関係では、なぜKSDの財団法人の許可を取り消さないのかと質問。坂口厚生労働相は、今後取り消しの可能性もあると答弁。またKSDが自民党の議席を金で買った民の不正選挙であるのに対し、官の不正選挙である公務員の地位利用罪につき、関係大臣(総務相・国土交通相・農水相・厚生労働相)から、改めて文書で禁止を徹底するとの言質を得ました。

機密費は、官房長官も外相も、上納システムを全否定。毎日新聞はこれを「国家のウソ」と断定しました。

最後に私は、「今の与党政権が続く限り、機密費は闇の中で、国民が納得できるはずはありません。政権交代が不可欠。私たちなら、KSDは解散、上納システムも福岡事件も徹底解明。NPOは精一杯支援します」と言い切りました。自公保政権は真実解明の努力をしないだけではなく、「国家のウソ」をつき通しています。政権交代しかありません。


政治 経済 永田町の今

◆村上正邦前参議院議員を証人喚問

2月28日、参議院予算委員会で村上正邦前参議院議員(3月1日逮捕)の証人喚問が行われました。私も予算委員ですし、そのうえ参議院民主党のKSD疑惑解明プロジェクトチームの座長として、質問者と一緒に証人喚問の準備をしてきたので、緊張して証人喚問にのぞみました。

結果は危惧したとおり、肝心な点はことごとく証言拒否でした。「身の潔白」と言い、「犯罪者ではない」と言うなら、その通り証言すればよいのです。それが事実なら、そのことで刑事訴追を受けることはありません。しかし真実は逆。「潔白だ」「犯罪者ではない」というのが嘘なのでしょう。

幽霊党員の件は認めたと言えます。村上証人の「もみがら党員」という表現を使えば、自民党は「もみがら政党」です。民主党の簗瀬・桜井両質問者はよくやったし、私の座長としての責任も果せたと思います。

◆NPO支援税制法案を国会へ提出

私は民主党のNPO委員長として、NPO(特定非営利活動法人)支援税制法案の民主党案をまとめました。そしてこれを野党4党(民主・自由・共産・社民)の共同提案として国会に提出する努力をしました。衆議院の段階では自由党の合意が間に合わず、3党提案で法案を提出しましたが、参議院ではなんとかして4党の共同提案にできるように頑張っています。展望は開けつつあると思います。

政府の法案は、 認証されたNPO法人のわずか数%しか税制支援の認定を受けられないと言われている内容 で、とてもNPO活動を促進するものとは言えません。21世紀の社会の重要な役割を担い、新しい雇用の場ともなるNPOの活動を促進させるためには、野党の法案が必要不可欠です。この野党共同提案の法案にさらに磨きをかけて、必ず成立させたいと思います。

◆法務委員会で福岡事件を質問

3月15日、参議院法務委員会で90分、福岡事件について質問しました。相手は法相、官房長、刑事局長、最高裁事務総長、人事局長、警察庁長官、司法制度改革審議会事務局長。法務省の報告については、 山下次席検事にいかなる捜査権があったのか?  主任検事も警察もとびこし、被害者への配慮もないまま、古川判事に接触した理由は、捜査権の行使ではなく、「事件つぶし」だったからではないかと質問。

最高裁の報告については、 フロッピーが1枚だけ警察に押収されず、後に検察に任意提出されている理由は?  最高裁関係者だけがひとりも事情聴取されていない理由はと質問。さらに、司法制度改革審議会に、この事件は陪審の必要性を示しているのではないかと質問しました。この事件は内部調査と処分だけですませることはできません。司法に対する国民の信頼を回復するために、さらに真実の解明をすすめます。

◆国のかたち研究会/久和ひとみさん

毎週木曜の昼、「国のかたち研究会」(菅グループ)は弁当を食べながら、菅直人幹事長を中心に意見交換会をしています。もともとは99年秋の民主党代表選挙で菅さんを応援した国会議員を中心につくった集まりで、菅選対の本部長をつとめたことで、私が会長役を引き受けています。最近は、昨年の衆議院選挙で初当選した議員も加わってにぎやかになりました。弁当つき意見交換会だけでなく、勉強会や参議院選挙対策などにも取りくんでいきたいと思います。

ニュースキャスターの久和ひとみさんの訃報が3月1日にとびこんできました。本当にびっくりしました。早稲田の学生時代に菅さんの選挙をボランティアで手伝ってくれて以来の知り合いで、バイオリンを一緒に弾いたこともあります。日本テレビの取材で、思い出を語りました。自宅へ弔問にも行きました。


岡山トピックス

◆石田みえ選対本部事務所開き

7月12日公示・7月29日投票予定の参議院選挙へ向けて、3月10日の民主党岡山県連常任幹事会では役割分担も決まり、19日には本格準備のための企画会議を開きます。また、石田みえの選対本部の事務所開きが、4月21日(土)午前10時より行われます。

すでにみなさんご承知のように、岡山県は定数が1名となり、全国最大の小選挙区となりました。しかも相手は現職の総務大臣。文字通り、岡山で勝てば全国の勝利に直結する重要な選挙です。

先日の江田国会質問で明らかになりましたが、国や地方の公務員や公団職員が、その地位を利用して、たとえば上司が部下に、あるいは出入業者に、候補者の後援会の名簿を書かせたら、選挙違反で犯罪となります。実例があったら知らせてください。その役所に厳重注意をし、悪質な場合は告発します。

◆総社市の採石場で崩落事故

3月12日午前10時すぎ、総社市下倉の採石場で大規模な崩落事故が起こり、3名の従業員が生き埋め(16日現在までに2人目の遺体が発見された)になりました。山の半分が崩れたような大崩落で、巨大な岩石が落ち、土砂は高梁川にまで流出しました。

民主党岡山県連はただちに対策本部を設置し、第5区総支部代表のはたともこ副本部長と石田みえ参議院議員の戸田秘書が現場にかけつけました。

事故1日目の夜から2日目・3日目には、大阪のレスキュー協会から災害救助犬3頭と5名のスタッフがボランティア出動してくれました。大阪のレスキュー協会は民主党とも交流があり、岡山県連としても感謝の意を表しました。捜索と復旧作業は大変ですが、その後も姫井ゆみ子・森本徹磨両県議が現場にうかがい民主党岡山県連としてもできる限りの対策を講じていきたいと思います。


2001/03/19 第11号

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