江田五月活動日誌 2006年6月 >>日程表 ホーム総目次6月目次前へ次へ

6月1日(木) 法務委(代監)、国の…、衆院本会議(憲法)、危機管理、鈴木さん。共謀罪修正

今日は10時から、法務委員会に出席。刑事施設受刑者処遇法改正案で、警察署に設置されている留置場を勾留場所とする「代用監獄」制度を漸減するかどうかが、最大の焦点です。千葉景子さんが総括的な質疑をし、他会派の質疑も終わって、討論の後、民主党提出の修正案が採決され、野党全員が賛成したのですが少数で否決。次いで原案が採決され、与党だけの賛成ですが多数で可決となりました。さらに全員一致で付帯決議が付されました。

民主党修正案は、原案の疑問点を網羅的に取り上げており、これが可決されれば、刑事司法の分野での戦後改革からの後退に歯止めをかけ、改革を実現する道筋が描けるのですが、残念です。杉浦法相は弁護士で、問題のありかを熟知している人で、答弁に際して、常に苦悩に満ちた表情だったのが印象的でした。

12時20分、遅れて国のかたち研究会に出席。西川りゅうじんさんの講演を最後だけ聞きました。その後、衆議院本会議を傍聴しに行きました。「参議院の自殺」と批判された与党の公選法改正案につき、大串博志さんが討論で民主党の立場を明確に示したのですが、残念ながら間に合わず、憲法改正国民投票法案の与党案と民主党案の質疑を傍聴。枝野幸男さん、鈴木克昌さん、園田康博さん、小川淳也さんが答弁席で熱弁を振るいました。民主党の質疑者は古川元久さんです。その後、デスクワークなど。

17時、遅れて危機管理都市推進議員連盟の勉強会に出席。内閣府の担当者から現状を聞きました。中座。18時から、鈴木陽悦さんと夕食をご一緒しながら意見交換。途中、黒岩宇洋さんも加わり、大いに意気が上がりました。


共謀罪を新設する刑法等改正案につき、与党が民主党修正案を全面的に容認すると、方針転換をしてきました。これまで不可能と言ってきたのに、豹変です。その意図は、サミット土産なのか野党分断なのか、よく分かりませんが、意図が何であれ、民主党の主張に全面屈服したのですから、受け入れることになると思います。

民主党は、国際的組織犯罪防止条約には賛成しており、条約が意図する方向に沿った国内法整備には依存ありません。しかし条約の文言には、その意図の実現を越えた部分があります。例えば、選挙違反まで条約が視野に入れているとは、到底考えられません。そこで民主党は、条約の意図を踏まえて、条約が実現しようとする内容を、日本の刑事法体系に沿って整備すべきだと考え、民主党修正案を提出しました。

政府や与党は、民主党修正案は条約に抵触するとの理由で、拒否していたのです。民主党は、国会の判断が文言上は条約と抵触することになれば、政府が留保などの措置を取ればよく、条約と抵触するからといって国会の判断を拘束することは出来ないとの立場です。国会が批准を承認した条約は、憲法にも優先するとの考え方はありますが、政府が条約を締結したら国会は承認する義務があるなどという法理はありません。私は、民主党修正案どおりの立法になっても、外交上何の問題も起きないと思っています。

しかし与党は、政府の行為に責任を負う立場ですから、条約との抵触を承認することは、与党の立場の放棄です。政党として、官僚の判断を排除して、民主党修正案を容認したことは、多としますが、ここでもまた、政府と与党は無責任集団と化したことになります。一日も早く、このような政府に終止符を打たなければなりません。


2006年6月1日(木) >>日程表 ホーム総目次6月目次前へ次へ