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 戸籍法の一部を改正する法律案の概要

1 立法の経緯

虚偽の届出等によって不実の記載がされ、かつ、その記載につき訂正がされた戸籍等について、戸籍における身分関係の登録及び公証の機能をより十全なものとするとともに、不実の記載等の痕跡のない戸籍の再製を求める国民の要請にこたえるため、申出による 戸籍の再製の制度を創設することとした。

2 法律案の概要

(1) 不実の記載等及びその訂正がされた戸籍の再製

虚偽の届出等(届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判をいう。以下同じ。)若しくは錯誤による届出等又は市町村長の過誤によって記載がされ、かつ、その記載につき第24条第2項、第113条、第114条又は第116条の規定によって訂正がされた戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正に係る事項の記載にない戸籍の再製の申出があったときは、法務大臣は、その再製について必要な処分を指示するものとする。

(2) 文字の訂正、追加又は削除がされた戸籍の再製

市町村長が記載をするに当たって文字の訂正、追加又は削除をした戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正、追加又は削除に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときも、法務大臣は、その再製について必要な処分を指示するものとする。


 戸籍法の一部を改正する法律案要綱

第一 申出による再製
一 申出による戸籍の再製
1 不実の記載等及びその訂正がされた戸籍の再製
虚偽の届出等(届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判をいう。以下同じ。)若しくは錯誤による届出等又は市町村長の過誤によって記載がされ、かつ、その記載につき第二十四条第二項、第百十三条、第百十四条又は第百十六条の規定によって訂正がされた戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときは、法務大臣は、その再製について必要な処分を指示するものとする。ただし、再製によって記載に錯誤又は遺漏がある戸籍となるときは、この限りでないものとする。(第十一条の二第一項関係)

2 文字の訂正、追加又は削除がされた戸籍の再製
市町村長が記載をするに当たって文字の訂正、追加又は削除をした戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正、追加又は削除に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときも、法務大臣は、その再製について必要な処分を指示するものとする。(第十一条の二第二項関係)

二 除かれた戸籍への準用
一は、除かれた戸籍について準用するものとする。(第十二条第二項関係)

第二 施行期日等
一 施行期日
この法律は、公布の日から施行するものとする。(附則第一条関係)

二 経過措置
1 この法律による改正後の第十一条の二第一項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に虚偽の届出等若しくは錯誤による届出等又は市町村長の過誤による記載がされた戸籍又は除かれた戸籍であって、その記載につき第二十四条第二項、第百十三条、第百十四条又は第百十六条の規定によって訂正がされたものについても、適用するものとする。ただし、当該除かれた戸籍が第百二十八条第一項ただし書の規定による改製によって除かれたもの又は当該改製前に除かれたものであるときは、この限りでないものとする。(附則第二条第一項関係)

2 この法律による改正後の第十一条の二第二項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に市町村長が記載をするに当たって文字の訂正、追加又は削除をした戸籍又は除かれた戸籍についても、適用するものとする。ただし、当該除かれた戸籍が1のただし書に規定するものであるときは、この限りでないものとする。(附則第二条第二項関係)


  戸籍法の一部を改正する法律案

 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の一部を次のように改正する。

 目次を次のように改める。
目次
 第一章 総則(第一条―第五条)
 第二章 戸籍簿(第六条―第十二条の二)
 第三章 戸籍の記載(第十三条―第二十四条)
 第四章 届出
  第一節 通則(第二十五条―第四十八条)
  第二節 出生(第四十九条―第五十九条)
  第三節 認知(第六十条―第六十五条)
  第四節 養子縁組(第六十六条―第六十九条の二)
  第五節 養子離縁(第七十条―第七十三条の二)
  第六節 婚姻(第七十四条―第七十五条の二)
  第七節 離婚(第七十六条―第七十七条の二)
  第八節 親権及び未成年者の後見(第七十八条―第八十五条)
  第九節 死亡及び失踪(第八十六条―第九十四条)
  第十節 生存配偶者の復氏及び姻族関係の終了(第九十五条・第九十六条)
  第十一節 推定相続人の廃除(第九十七条)
  第十二節 入籍(第九十八条・第九十九条)
  第十三節 分籍(第百条・第百一条)
  第十四節 国籍の得喪(第百二条―第百六条)
  第十五節 氏名の変更(第百七条・第百七条の二)
  第十六節 転籍及び就籍(第百八条―第百十二条)
 第五章 戸籍の訂正(第百十三条―第百十七条)
 第五章の二 電子情報処理組織による戸籍事務の取扱いに関する特例(第百十七条の二―第百十七条の四)
 第六章 雑則(第百十七条の五―第百二十五条)
 附則

 第十一条の次に次の一条を加える。
第十一条の二 虚偽の届出等(届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判をいう。以下この項において同じ。)若しくは錯誤による届出等又は市町村長の過誤によつて記載がされ、かつ、その記載につき第二十四条第二項、第百十三条、第百十四条又は第百十六条の規定によつて訂正がされた戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があつたときは、法務大臣は、その再製について必要な処分を指示する。ただし、再製によつて記載に錯誤又は遺漏がある戸籍となるときは、この限りでない。

 市町村長が記載をするに当たつて文字の訂正、追加又は削除をした戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正、追加又は削除に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があつたときも、前項本文と同様とする。

 第十二条第二項中「第九条」の下に「、第十一条」を加え、「これを」を「ついて」に改める。

   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (経過措置)
第二条 この法律による改正後の第十一条の二第一項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に虚偽の届出等(届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判をいう。以下同じ。)若しくは錯誤による届出等又は市町村長の過誤による記載がされた戸籍又は除かれた戸籍であって、その記載につき第二十四条第二項、第百十三条、第百十四条又は第百十六条の規定によって訂正がされたものについても、適用する。ただし、当該除かれた戸籍が第百二十八条第一項ただし書の規定による改製によって除かれたもの又は当該改製前に除かれたものであるときは、この限りでない。

2 この法律による改正後の第十一条の二第二項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に市町村長が記載をするに当たって文字の訂正、追加又は削除をした戸籍又は除かれた戸籍についても、適用する。ただし、当該除かれた戸籍が前項ただし書に規定するものであるときは、この限りでない。

     理 由
 虚偽の届出等によって不実の記載がされ、かつ、その記載につき訂正がされた戸籍等について、戸籍における身分関係の登録及び公証の機能をより十全なものとするとともに、不実の記載等の痕跡のない戸籍の再製を求める国民の要請にこたえるため、申出による戸籍の再製の制度を創設する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


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