2003年9月10日(水) >>菅直人代表の記者会見録 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○総裁選:利権温存を狙う青木氏が野中氏から小泉総理に乗り換えただけ
イラク:国連云々を言う前に単独行動を取ったことへの説明責任を果たすべき
マニフェスト:小児医療の救急体制の整備や医療費負担の軽減を盛り込む
テロ特措法:過去の活動内容とその評価、今後のニーズを十分議論すべき
民由合併の日:披露宴の日ではなく届出の日が結婚記念日というのと同じ
総裁選が進めば次第に矛盾が明らかになってくる、気にせず己が道を行く
自由党との選挙区調整は丁寧に進めているが現時点では順調
自由党の政策は合併後は民主党に合わせてもらうことで合意している

■自民党総裁選と野中元幹事長の引退表明

【幹事長】まず第1に、自民党の総裁選挙がスタートしました。私も、すべてきちんとフォローしているわけではありませんが、「茶番劇」だと冷ややかに見ている1人です。

 小泉総理以外の3人は全く迫力を欠いていますし、小泉さんご自身は青木参院幹事長と手を結んで改革を叫ぶという、非常に分かりにくい、ある意味で滑稽な姿になっているわけです。

 野中元幹事長もお辞めになるという表明もされましたが、私に言わせると、自民党で一番問題があるのが参議院橋本派で、最も自民党の利権構造を体現していると。その参議院橋本派を代表する青木さんが、野中さんから小泉さんに乗り換えたと、こういう構造だと思います。

 小泉さんからものを見るのではなくて、より本質からものを見ればそういうことでありまして、結局、青木さんからすれば、小泉さんという新しい顔を得て、従来の利権構造を温存していく体制がしっかりできたということに過ぎないと思っています。

 そういった本質のところをしっかり見すえて、これから国民の皆さんにしっかり理解していただくことを望みたいと思いますし、我々も野党としてそのことをしっかり訴えていかなければいけないと考えています。

■イラク復興問題

【幹事長】第2にイラク問題ですが、ブッシュ大統領の演説もあって、資金援助の問題あるいは国連決議に基づく多国籍軍の編成の問題等々あり、そういったことの是非を問われることが多いんですが、「日本も多国籍軍に参加するのかしないのか」とか「資金援助をどう考えるのか」と。

 そういうご質問を皆さんから受けることが多いんですが、やはり私はまず、スタートの問題をきちんとすべきだと考えます。

 つまり、ブッシュ大統領が今さら、国連決議とか多国籍軍と言うのであれば、自ら国連の議論を振り切って、単独でイラクを攻撃したことについての説明責任をブッシュ大統領は果たしているのか。

 あるいは日本国政府がそういったブッシュ大統領の方針に追随し、支持をしてきたということに対して、小泉総理はどういうふうに国民に対して説明責任を果たすのか。

 まずそのことが議論されるべきであって、そこがないままにお金を出せとか、あるいは多国籍軍に協力しろとか、それはとんでもない話だと思っています。

■マニフェスト:子どもの命を尊ぶ医療体制

【幹事長】第3に、ちょっと趣を変えますが、今いろいろとマニフェストの議論をしているところで、我が党は非常に中身のある政策を打ち出しているわけですが、今日は私から申し上げたいのは、「子どもの命を尊ぶ医療体制をつくる」ということで、1つは全国350箇所以上の小児救急センター病院を指定して、24時間、土日もなく子供を受け入れる体制を整備すると。

 そして、同時に子供の医療に関しては、3歳未満については現在2割の自己負担としているものを1割に引き下げる。3歳から小学校卒業年次までについても、現在3割自己負担のものを1割負担に引き下げる。こういったこと提案し、マニフェストに盛り込むということを考えているところです。

 子供には病気になったことへの責任はないわけですし、それからやはり子供の医療費の負担というのは少子化への重要な対応策だと考えます。金額的には国費ベースでは450億円ぐらいで対応可能ですから、そういった子供の医療についての自己負担の軽減ということをしっかり党として打ち出していきたいと考えています。

<質疑応答>

■自由党・藤井幹事長との安保論議

【記者】先ほど幹事長からもお話がありましたが、イラクの多国籍軍の問題について各政党いろいろ問われていると思うんですが、岡田幹事長も藤井さん(自由党幹事長)とその辺について、安保問題で意見を交わしたという話を聞いてますが、その点について詳しい状況を教えていただければと思いますが。

【幹事長】今の話、どういうことですか。

【記者】安保問題で意見交換をされたやに聞いているのですが……。

【幹事長】藤井幹事長と? それはいろんな場で話は出ますけども、個別の話の中身はあまり言う必要ないんじゃないかと思いますが。具体的なイラクへの多国籍軍の派遣とか、そういう議論をしているわけではありません。

■テロ特措法改正案への対応

【記者】次の臨時国会ではテロ特措法改正案の審議が中心になってくると思いますが、この対応について、現時点で幹事長はどのようにお考えになってるんでしょうか。

【幹事長】テロ特措法は2年で切れるという前提でできているわけですね。あのとき、いろんな議論があるなかで、「いや、これは2年間の時限立法だから」ということでかなり強引に審議を短縮したという経緯がありました。その法律が2年経ってまた延ばす必要があるのかどうかということについて、しっかり議論することが必要だと思います。

 これは従来から申し上げていることですが、まずこれまでの2年間の評価、どういった効果があったのかということ、その前提としてどういった活動を行ってきたのかという説明がまず必要ですが、その上での2年間の活動の意義、これが1つですね。

 それからもう1つは、それを延長するとして、延長する間どういった具体的なニーズがあるのかという問題。そういったことについて国会で徹底的に議論をすることが必要だと思います。

 ここは菅さんと全く同じ意見だと思います。一部の新聞に菅さんが「徹底的に反対していく」と報道したところもありますが、代表はそういうことはおっしゃってませんし、今、私が申し上げたことと基本的な考え方、方向性は同じだと理解しています。

■自由党との合併日

【記者】合併の期日についてお伺いしますが、期日としては、例えば合併協議書にサインをした日ですとか、もしくは総務省に届け出た日などいくつか想定できると思いますが、民主党として歴史上この日を合併の日とするというのはどういう日にしようというおつもりなんでしょうか。

【幹事長】いろんな考え方があるんだろうと思いますが、普通、商法などでも企業の合併というのは合併の届け出の日をもって合併とするのではないですか。そういう意味では届け出を総務省に対して提出をした日、その日付も書かれるわけですから、その日が合併ということになります。

 ただ、10月5日に少し落ち着いたところで、合併のセレモニーをやろうということも確認したわけで、そういう意味ではまず届け出をしたうえで披露宴をやるということですね。「結婚記念日はいつか」と聞かれて、「披露宴の日」という人は多分いないんじゃないでしょうかね。やはり届け出の日じゃないんでしょうか。

■自民党総裁選への対処

【記者】自民党総裁選がらみで、昨今各報道機関の世論調査によりますと、結構自民党の支持率がまた上昇傾向を示していると。そういう中で、近づく総選挙に向けてここのところにどういうふうにくさびを打ち込んでいくのか、戦略がいろいろあろうかと思いますが、幹事長はその辺りはどのように対応されるおつもりでしょうか。

【幹事長】あまり変わった手はないので地道にやっていくしかないと思いますね。もちろん国会も始まりますから、国会における対応というのも非常に重要だと思いますし、国会以外も含めてしっかりとした、いろいろな場面での露出といいますか、もちろん露出するという以上は前提としての中身がなければいけないわけですが、そういったことの中で国民の支持を高めていくということだと思います。

 たまたま今、総裁選挙があるなかで一時的に自民党の支持率が高まっていますが、これから総裁選挙をやっていけば、だんだんその矛盾が明らかになってくる。先ほど言いましたように、他の3人の魅力のなさ、もちろん小泉総理の青木さんと手を結んでいるといういい加減さというものが露わになってくれば、総裁選挙をやることがむしろマイナスになってくると私は考えています。

 あまり総裁選挙のことは気にせずに、己が道をしっかりと進んでいくことが大事ではないかと思います。

■自由党との選挙区調整

【記者】自由党との選挙協力についてですが、まだ若干調整が必要な積み残しの選挙区がありますが、現時点で順調に調整は進んでいるのか、それとも若干手間取っているのか、その認識と、最終的に対象選挙区が全部落ち着くその日程的な目途についてお伺いしたいと思います。

【幹事長】非常に丁寧に進めています。調整ができて候補者は決まったけれども他方の人が納得せずに結局支持者が1+1が2にならないということであっては意味がありませんので、そういう意味で丁寧に進めているつもりですが、現時点では順調に進んでいます。

 いつかということは今は申し上げるのは相手のある話ですから、率直に言ってですね、なるべく早くとは思っていますが、いつという期限を切っているわけではありません。

■自由党の安全保障政策

【記者】安保問題についてですが、自由党の研修会で小沢党首が安保問題について「自民党が曖昧にしているところを選挙前にクリアにしなければいけない」と言っていました。自由党の持っている安保政策を念頭に置いているのは当然だと思いますが、昨日の菅代表の会見で「合併に際して、スタート時は民主党の政策を継承することで合意している」とおっしゃってました。だからと言ってすれ違いということ話でもないと思いますが、その辺り、今後合併を進めていくなかで総選挙を前に、幹事長はどのように整理するおつもりなのかお伺いしたいんですが。

【幹事長】基本的には菅代表が言われたとおりで、両党間の合意の中で、民主党のマニフェストあるいは政策に合わせるということになっていますので、自由党さんのお考えはお考えとしてそれを自由党の議員がそういった考え方がよりよい政策だとお考えになるのは当然だと思いますが、民主党に入っていただくときはこれまで民主党が決めた政策の枠の中にまず入っていただくということが基本になると思います。

 その上で今後、党内論議の際に自らのご意見をおっしゃっていただき、それが党の中の議論に一石を投じるということは当然あると思います。

 先般、研修の場で小沢党首がおっしゃったことは、自由党の研修会ですから自由党の政策を述べるのは当然だと思います。

 しかし、それは合併後は必ずしもそういうことではない。自由党の政策というのは一旦は民主党に合わせていただくということで整理されると思います。


編集/民主党役員室


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