2003年8月27日(水) 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○埼玉知事選:上田さんらしいいい演説、予想は好調だが楽観はしていない
6カ国協議:中国と会談をできない状況をつくっている総理の責任は重い
10月解散・11月総選挙という想定を今変える必要はない
上田さんを応援しているのは、それが埼玉県民にとって最も望ましいから
○RDF事故:発電一般についてはコメントしないが、事故処理には問題あった

社民党は自らの勢力維持が目的なのか政権交代が目的なのか明確にすべき
自由党との選挙調整:軽々にコメントしないが週末にはある程度結論を出したい

■埼玉県知事選挙

【幹事長】まず、埼玉県知事選挙についてですが、今朝、私としては初めて埼玉に入りまして、上田候補と一緒に朝の街頭演説をしてきました。

 上田さんの話は、上田さんらしい道路公団とか官僚の天下りの問題とか、そういった官に対する怒り、そして税金の無駄遣いに対して、自分の信念を蕩々と述べられて、そして埼玉においても知事としてそういったことをきちんとやっていきたいという決意を述べられたと思います。

 あれだけの事件のあったあとの知事選挙ですから、まさしく上田清司さんが知事になって、そういった県民の立場からの改革、そしてそういった税金の無駄遣いに大きな鋭いメスを入れて直していくということは非常に意義深いことだと思います。

 私も演説の中で、「上田さんとはもう10年という長い間、政治家としての行動をともにしてきましたが、上田さんの正義感、そして今まで国会で一貫して税金の無駄遣い、官のいろいろな問題を指摘・追及してきたこと、そういったことが埼玉県においてもしっかり行われて、日本で一番情報公開度の高い、そして本当の意味で、県民の立場に立った県政が実現するチャンスである」というような趣旨のことを述べてきました。

 マスコミの見通しは必ずしも悪くありません。しかし、多くの人がまだ誰に投票するか決めていないという状況を見るときに、私は全く楽観していません。これから、最終日には菅代表にも入っていただく予定ですし、私も金曜日にもう一度入って、少しでも役に立てればと考えています。

■北朝鮮問題6カ国協議

【幹事長】次に、北朝鮮問題についてですが、6カ国協議が始まりました。私もまだあまり具体的にどういう議論が行われたのか承知していませんが、非常に重要な機会であると思います。

 とにかく、北朝鮮に対して、拉致の問題、核の問題、そういったものをきちんと解決して、周辺の国々との信頼関係を築き、あるいは経済面でそういった国々の協力を仰ぎながら、経済的に国を開いていくということしか北朝鮮の生き残る道はない、今の体制が残る道はないんだということをしっかり理解させることが最も重要なことで、日本政府としてもしっかり努力をしていただきたいと思います。

 しかし、それにつけても非常に重要なプレーヤーは中国です。その中国とトップ会談が自由に開けない状況をつくり出している小泉総理の靖国参拝、あるいは中国との信頼関係をきちんと築き得ていない総理のこれまでの2年半、やはりそういったことが日本の安全、北朝鮮との関係はまさしく日本の安全でもありますから、そういった問題に直結してきていると。

 小泉総理のあの調子の良さ、国民の人気を得るような迎合的ないろんな姿勢、しかし結果的にはそれが国民の生命を危うくすることにつながっているということは指摘しておきたいと思います。

 もし、総理が中国との間にもう少ししっかりした信頼関係を築けていれば、北朝鮮の問題も別の展開があったかもしれません。そういったことがあまり表には出てきませんが、しっかり認識をしておく必要があると思います。

■総選挙の準備態勢

【幹事長】それから、総選挙が10月解散だと言われています。いろいろ議論はあるようですが、私は基本的にその日程を今、変える必要はないと思っています。10月解散・11月選挙という前提で、それに向けて諸般の準備を今進めているところです。

 特に、今私がかなり時間を割いているのは、1つは選挙の具体的な戦い方についてのスケジュールをどういうふうに作っていくかということであり、同時に自由党との合併の諸般の手続きを進めるというのが、私の幹事長としての最も重要な仕事であると考えて、今そういった問題に取り組んでいるところです。

 国会議員がなかなか、皆さん当然のことながら地元に帰っておられますので、やや事務の進み方がいかがなものかなという感じもしますが、 もちろん私も地元に帰ったりしていますのであまり言えませんが、ここは9月いっぱい非常に重要な時期で、合併の問題についても選挙の問題についても、この1カ月を最大限活かし切っていい形で合併そして総選挙とつなげていきたいと考えています。

<質疑応答>

■埼玉県知事選の国政への影響、RDF発電所事故

【記者】埼玉県知事選についてですが、総選挙に向けての影響なり、どういうふうにつなげていきたいかというのがまず1点お聞かせ願いたいのと、もう1つは国政とは違うんですが、先日三重県のRDF(ごみ固形燃料)発電所の事故がありましたが、RDFについてはいろいろ、税制の問題とか、あるいはそもそもゴミを減らすという視点からどうかという指摘もありますが、民主党としてRDFについて今後どのように考えておられるのか教えてください。

【幹事長】まずは埼玉県知事選の国政への影響というご主旨のご質問ですが、私は埼玉の知事選は知事選でしっかり取り組んでいかなければいけないと思うんです。それが国政に対して結果的に、例えば上田さんが勝てば民主党にとっていい影響を及ぼすということは事実だと思いますが、だから我々は上田さんを応援しているわけではありません。

 埼玉にとって上田知事が誕生することは最も望ましい、そういった信念・確信に基づいてやっていることで、当選したらどういう結果が出るという議論をするのは早すぎると思います。

 ただ、もちろん上田さんは民主党でずっとおられた方ですし、上田さんが現に知事選挙で主張されていることは民主党がかねがね主張していることと重なり合いますので、そういう意味では上田さんが当選することになれば、それは民主党の主張が県民の皆さんから受け入れられたと、結果的にはそういうことを意味することになると思います。

 RDFの問題についてですが、私も先般地元に戻った折に現地に行きまして、総務省からも参事官が現地に派遣され、そして県の出納長も本部長代理として現地にいますので話を聞いてきました。

 いろいろな問題があると感じました。その場では私は、現地は現地としてまず火を消し止めること、そしてダイオキシンなどが周辺に撒き散らされないことが最大の課題ですので、そこに専念してもらいたいと思いましたので、あまりその場では申し上げませんでしたが、いろんな問題があると感じました。それはこれから県庁の中で、あるいは県議会の中で大いに議論をする必要があると思っています。

 一例を挙げれば、桑名市の消防署員の皆さんが貯蔵庫の上に乗ってホースで水を注入して消していたところ、それが200メートル飛んでお2人が亡くなっているわけですが、なぜそういうことになったのか。四日市市や名古屋市にはコンビナート用の梯子車があって、別に上に乗らなくても放水は可能だったわけですから、どうして県が近隣の市町村に早く協力を求められなかったのか。そういったことは返す返すも残念だし、かなり反省を要する問題だと思います。

 RDFそのものの問題については、今回の事件がRDF発電そのものの問題なのか、それとも三重県の今回の事件を起こした発電所固有の問題なのか、そのこともきちんと検証する必要があると思いますので、RDF一般について今、私がこの場で述べることは特にありません。

■社民党との選挙協力

【記者】社民党との選挙協力についてですが、選挙協力を今進めていると言いながら、社民党側がすでに民主党の候補者が立っているところにも候補者を擁立してきています。こういう社民党の候補者擁立の姿勢についてどのように考えておられるのか、それから今後どういうふうに進めていかれるお考えなのかお聞かせください。

【幹事長】いろいろ仕掛品もありますので、今、社民党が民主党や自由党の候補者がいるところに立ててきていること全てを批判するわけではありません。現に、都道府県ごとのギブ・アンド・テイクの原則で、かなりの整理ができつつあるわけですから、そのことは評価すべきだと思います。

 ただ、一方でそういった形でやりながら、そうでない都道府県について新たに候補者を「どんどん」立ててくるということになりますと、これはやはり我々から見ると問題だということになります。

 つまり、社民党さんには本当に今度の選挙で政権交代を成し遂げて、我々と連立を組んで菅総理の下でこの国を改革していくおつもりがあるのか、それとも自分たちの勢力を維持していくことが目的なのか。そこはやはり明確にしていただく必要があるのではないかと。

 私たちは当然、自分たちの勢力を維持することも政党ですからもちろん重要ですが、何より大きな国民に向かっての政党がなすべきこと、それは政権交代を成し遂げることだと思いますので、そこできちっと党を集約していただきたいなという希望は持っています。

■自由党との競合選挙区調査

【記者】自由党との競合選挙区の調整の関係でお伺いたいんですが、まず世論調査結果の報告を幹事長は受けられたのか、あるいはその結果について対応を党内あるいは幹部間で協議をされたのか、あともう1点、31日に調査結果に基づいて候補者全てを発表できる目途はどの程度なのか、その3点についてお伺いしたいんですが。

【幹事長】この調査のプロセスについて私から申し上げることはあまりありません。別に隠すわけではありませんが、しかし途中でいろいろなことが漏れたりすると、やはり候補者にとっては自らの政治生命をかけて数年間、あるいはそれ以上必死にやってきたその結果がかかっている話なんですね。

 そういったことをあまり途中の段階で軽々にコメントすべきではないと私は考えていますし、関係者にも同じようにこの問題では軽々にコメントしないようにということを幹事長として求めています。従って、私から言うことは特にありません。

 ただ、前から申し上げているように、月内になるべく結論を出したいと。31日の合併準備委員会の場である程度結論を出したいということを申し上げていますので、そこは変わっていません。全てかどうかは分かりません。しかし、12小選挙区の中のある程度の部分については結論を出したいと考えています。

 しかし、最終的に決まるのは常任幹事会の決定ですから、翌週の火曜日ということになります。そこまではなかなか表に出せないかもしれませんが、調査結果がかなり明確なものについては早く結論を出していったらいいと。

 そうでないようなものが出てきたような場合に、見方によって微妙な評価が分かれるようなものはどうするかということは、もう少し時間をかける必要があるかもしれません。


編集/民主党役員室


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