2003年8月20日(水) 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○国連爆破テロ:国連の復興支援に支障が出ないよう政府はサポートすべき
民由合併:本日は地方組織の方向性を決定、合併作業は順調に進んでいる
自民党総裁選は日本国総理大臣を選ぶ選挙というには程遠い現状
フィクションに基づいてイラクに自衛隊を派遣しようとしている政府の責任は重い
米英軍ではなく国連を全面に出してイラク国民の支持を得ていくしかない
イラク問題を戦争という手段で解決してきた1つの結果が今回の事件

■バグダッド国連事務所爆破テロ

【幹事長】まず、イラク・バグダッドの国連事務所への爆弾テロにつきまして、お亡くなりになった皆さん、あるいは怪我をされた皆さんに対し、心から哀悼の意を表したいと思います。

 デメロ特別代表始めイラクの復興のために頑張ってこられた皆さんに対して、このような卑劣なテロが行われたことに大きな怒りをもって抗議をしたいと思いますし、同時に今回のテロによって、国連を中心としたイラクの復興支援活動が影響を受けることのないように、そして日本政府としても国連をしっかりサポートして、イラク国民のための復興支援活動に支障が出ないように全力で支援すべきだと考えています。

 国連がイラクの復興にしっかりと関与していくこと、そしてその下でイラク国民の手によって政府が樹立されていくという道筋に水を差すような今回のテロは極めて残念なことだと思います。影響を受けないで敢然として、イラク復興に向けて努力が必要だと考えています。

■自由党との合併問題

【幹事長】次に、自由党との合併問題ですが、今日も合併準備委員会を開催しました。今日は地方組織の問題を中心に方向性を決めたわけですが、現在までのところ、合併に向けたいろいろな段取りは順調に進んでいると考えています。

 最終的な合併の期日まで、あと1ヵ月プラスアルファぐらいになってきましたので、しっかりとした対応をしていきたいと考えています。

■自民党総裁選

【幹事長】それから、自民党総裁選挙がいよいよあと1ヵ月ということになってきました。まだ、どういう構図になるのか分かりませんが、いずれにしても最大政党の総裁を決める選挙ですから、国民に分かりやすい形で、政策論議も含めて、議論をしてもらいたいと思います。

 今のところ、我々の目に見えているのは派閥間の合従連衡といいますか、権力闘争そのものでありまして、少なくとも今の時点でいえば、自民党総裁は日本国総理大臣ですから、日本国総理大臣を選ぶための選挙というには程遠い現状ではないかと考えています。

 これはいつものことですが、しっかりとこの国のリーダーを選ぶという責任感を持って、リーダー選びに努めていただきたいと考えています。

<質疑応答>

■京都4区の候補者への応援

【記者】22日に幹事長は京都4区の民主党新人候補者の応援に入ると聞いていますが、京都4区は(自由党との候補者調整のための)世論調査の対象になっていると思いますが、まだ結果が出ていない段階で片方の民主党の候補者を応援するというのは少し公平性に欠けるようにも思えるんですが、その辺りを幹事長はどのように整理して今回応援に行かれるんでしょうか。

【幹事長】この件は選挙対策委員会を通じて自由党とも相談をしていると思いますが、現時点では自由党の候補者・豊田さんと民主党の候補者・北神さんと2人いるわけで、私は民主党の幹事長として北神さんの応援に行くということです。

 敵はもちろん野中さんですから、そういう意味で何か問題があるとは認識していません。

■政権交代に向けての自民党総裁選の位置付け

【記者】自民党総裁選の件ですが、民主党が次期衆院選での政権交代に向けての戦略の中に、自民党の今回の総裁選はどのように位置付けていらっしゃるんでしょうか。

【幹事長】まともにお答えすべき話かどうかというのはありますが、少なくともこの総裁選を通じて国民の皆さんにはより小泉総理の実態というのがよく見えるきっかけにはなると思いますね。

 自民党の中でもこれだけの批判が出るということであれば、それはもちろん権力闘争としての側面はあるにしても一面の真理はあるわけで、そういったことを国民の皆さんが見る中で1つの評価の基準になるのではないでしょうか。

■亀井静香議員へのヤミ金業者の献金

【記者】総裁選に絡んでなんですが、自民党の亀井静香衆議院議員がヤミ金関係者から献金をもらっていたという報道があり、また事務所もそれを認めていますが、それについてどのように見ていらっしゃいますか。

【幹事長】そのこと自身は非常に問題だと考えますが、こういうときにどう答えるべきかというのはなかなか難しい問題です。

 全ての献金について事前にチェックをするのは限界があることも事実ですから、表に出ていることだけで済むのであれば、それは問題ですが、そのことを私の立場であげつらって強く批判をしようという気には私自身はなれません。擁護するわけではもちろんありませんが。

 しかし、問題は表に出ていることだけなのかどうかということだと思います。確たる証拠は何もありませんのでそれ以上のことは申し上げられませんが、つながりがそれだけの、確か10万でしたか20万でしたか記憶にありませんが、そういった献金だけだったのか、それとも他にもいろいろな意味でのつながりがあるのかというところが最大の問題で、今の時点ではそれは具体的なことは何もありませんから、それ以上のことは申し上げられません。

■バグダッド自爆テロの自衛隊派遣への影響

【記者】冒頭、幹事長が触れられたバグダッドの自爆テロについてですが、これに関連して自衛隊派遣が影響を受けるという見方が強まっていますが、自衛隊派遣に対して民主党が取ってきた立場・見解について、その辺りのご所見をお伺いしたいんですが。

【幹事長】我が党は自衛隊派遣に反対をしたわけですが、まだ戦闘行為が行われているということで、自衛隊派遣ができる状況ではないということを申し上げたわけです。そのことが今回の残念な事件によっても立証されたということですね。

 こういう不安定な状況の中で戦闘地域と非戦闘地域が区別可能だというフィクションに立って、自衛隊を送り出すことを決定した政府の責任は重いと思います。

■イラク復興支援のために取り組むべきこと

【記者】今のお答えに関連してですが、「ならばどうするか」ということが非常に重要になってくると思いますが、米兵が60名以上死亡して国連にも攻撃が向かったと。国連安保理も協議を再開するようですが、幹事長として今後政府の国際社会の中での取組みについてどのような手があると思いますか。

【幹事長】私はやはり国連をもっと前面に出してイラクの国民の支持を勝ち得ていくしかないと思います。

 今回のテロはイラク国民の支持を得る行為だとは私は決して思いません。しかし、占領軍の形で米英軍が駐留していると、その存在感が非常に大きいということがイラク国民のいろんな意味での反発を招いていることは事実ですので、早い機会に国連主体に切り換えていくということがイラク国民の理解を得るためには重要なことだと思います。そして、イラク国民の支持があれば、こういったテロ活動にも自ずと制限が加わると考えています。

 もう少し言えば、力で、戦争という行為を通じてこのイラクの大量破壊兵器の問題、あるいはそれすら疑わしいわけですが、そういった解決をしてきたことの1つの結果が今回の事件であると言えると思います。

■新決議が出た場合の自衛隊派遣へのスタンス

【記者】仮定になりますが、もし国連安保理で新たな決議等が出た場合、自衛隊派遣に反対だという民主党のスタンスが変わる可能性というのはありますか。

【幹事長】どういう意味ですか。

【記者】例えば、PKOの派遣とか国連主導で軍隊というか、兵力を派遣して安定化させるというような決議が出た場合、国連主導のイラク復興・統治というような話になったときに、これまでのイラク復興支援法案の枠組みで考えてきた民主党のスタンスが変わる可能性はあるのでしょうか。

【幹事長】まずPKO活動が成立するためには、イラク国民の手によって政府が樹立されないとPKO法あるいは国連PKO活動の枠に乗っからないと思います。従って、それは直ちにという話ではないと思います。

 もう1つは、イラク国民の手による政府が樹立される前の段階で、国連が多国籍軍を出して、そして多国籍軍が中心になって今の米英軍に取って代わるということは考えられないわけではありません。

 そのときに日本としてどうすべきかということですが、基本的には多国籍軍に日本が参加をして、それが武力行使につながるということであれば憲法の禁ずるところだと思います。

 武力行使に当らないということであれば憲法上は可能ですが、そのための立法が要りますね。今回の法律(イラク復興支援特措法)ではそれはできませんから、新たな立法あるいは法律の大幅な修正が必要になってくると思います。

 それをすべきかどうかというのは、今の段階ではあまり軽々に言うべきじゃないと思いますので保留にしておきます。


編集/民主党役員室


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