2003年6月20日(金) 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○三位一体改革論議:自治体間の格差をどこまで認めるかという本質論がない
規制改革:国の視点ではなく生活者の視点から見れば答えは簡単に出る
会期延長が決まった以上、構造改革、経済、イラク問題等議論を尽くしていく
共産党との連立は今のところ視野に入っていないというのが個人的な考え
イラク新法:問題点を整理することが先決で、修正協議の是非はその後の話
ルールの変更がない限り、比例に関する常幹決定は原則通り粛々と進める
自民党総裁選後に補正予算を組んで解散・総選挙という可能性が最も高い

■本質論なき三位一体改革論議

【幹事長】まず、「骨太の基本方針」とその前提としての三位一体改革、あるいは規制改革についてですが、大分混乱しているように見えます。

 来週月曜日の23日には予算委員会での集中審議が予定されていますが、私に言わせれば、例えば三位一体改革、また今日も財務・総務両大臣の間で舌戦があったようですが、一番基本的な議論が忘れられているように思います。

 それは、個別に補助金をどれだけカットするかとか、どれだけの割合の税源移譲をするかという以前の問題として、そもそも自治体間の格差をどういうふうに考えていくのかのという議論がないままに、補助金や税源移譲の話をしてもほとんど意味がないということです。

 どういうことかと言うと、例えば、所得税の税源移譲をするとした場合に、義務的経費であるということで仮に全額移譲するとしても、所得税4兆円を税源移譲したとして、そして、補助金4兆円をその分カットしたというときに、トータルでは金額は一致してるんですが、あるいはいは8割ということであればその8掛けを移譲するということで、数字としてはつじつまが合うわけですが、しかし個々に自治体にとってはそれぞれ違うわけですね。

 税源移譲された所得税がどれだけその自治体にとって収入増になるのか、そしてそのとき補助金がカットされた分がそのくらい収入減になるのかというのは、それぞれの自治体ごとに、所得税の税収がどのくらいあるか、補助金をどのくらいもらっているかによって変わってくるわけですから、これは1対1に絶対対応しないわけです。

 そういうことについて、マクロの話だけじゃなくて、個々の自治体から見たときの議論というのが本来不可欠です。そこのところのより根本的な問題としてあるのが、どこまで自治体間の格差を認めるかという一番本質的な議論、そこがないとこの議論は堂堂巡りになってしまうといいますか、具体論になった途端に非常に混乱するだろうと思います。

 個々の格差の議論をするということであれば、地方交付税をどうするかという話も同時にしていかないと結局議論は完結しないので、そういう意味で「三位一体」ということで当初議論が始まったはずです。

 それが本質論を置き去りにして金額だけの問題になっている、あるいは交付税以外の税源移譲と補助金の話に特化しているというのは、本質的な議論を見失っていると言われても仕方がないと思います。

 そういう意味では、非常に底の浅い議論で閣僚が口から泡を飛ばして本質的でない議論をしていると感じがします。

■規制改革の視点

【幹事長】規制改革の問題も、結局視点の問題です。つまり、国から見下ろしているのか、それとも実際に規制改革に関連する人たち、もっと言えば生活者の視点で見るかということで、全く変わってきます。

 幼保一元化なども、一番大事なのは小さな子供を持った親、あるいは小さな子供たち自身の目で見たときにどうかということであって、そういう視点で見れば、基本的には国は大枠のところだけ決めておいて、あとは自治体ごとにその子供を預かる施設の中身が変わっても、私は全く構わないと思います。

 幼稚園も保育園も従来のお役所が勝手に作った定義で、そういう意味で、子供の立場から見れば、一定の安全が確保され、子供たちの交流がきちんとできるそういった最低限の基準さえ国が決めれば、あとは自治体の判断でいろんな多様な施設を造っていけばいい。そしてその費用も税源移譲されたお金のなかで自治体がまかなっていけばいい。こういうことだと思うんですね。

 なかなかそういう姿にならないのは、国の目から、上からものを見ているからだと思います。子供の視点から見れば、答えは極めて簡単ではないかと思っています。

 こういうつまらないことで延々と議論している姿というのはまことにエネルギーの無駄ですし、総理のリーダーシップのかけらも感じられない。そんな感じがします。

 国会も来週から動き出すということですので、そういった小泉改革あるいは小泉経済政策についての議論を一方でしっかりとやりながら、同時にイラク支援の法制について議論するということだと思います。

 会期延長になったことはある意味で非常に残念なことですが、延長が決まった以上、その期間のなかで議論を尽くしていくというのも、我々国会議員としては大事なことではないかと思っています。

<質疑応答>

■会期末解散の可能性

【記者】会期延長を絡んで、イラク新法の今後の出口が混乱した場合に会期末の解散もあり得るんじゃないかという発言が自民党から出てきて、それをまた山崎幹事長が否定したりしていますが、民主党は秋の解散を想定にして準備を進められていると思うのですが、会期末解散の可能性についてどのようにお考えでしょうか。

【幹事長】あらゆる可能性はあると思います。それは総理が解散と言えば解散になるわけですから。ただ、今回のことは自民党の某議員が発言したと思いますが、明らかに意図が見え見えでコメントをする必要はないと思います。

■共産党との連立

【記者】民主党は政権交代を目指して野党間で選挙協力を進めたりして、いずれ今の自民党中心の政権が倒れたときに連立を組むというイメージがあるのかと思いますが、そのなかに共産党は入っているのでしょうか。仮に入っていないとすれば、なぜ共産党とは組めないのでしょうか。

【幹事長】難しいご質問ですね。我々は今、選挙協力は社民党そして自由党との間で進めつつあります。そのなかに、選挙協力という意味では共産党は入っていません。

 連立の相手としてどう考えているのかというご質問だと思いますが、基本的には今我々の視野には入っていません。あくまでも選挙協力をしている社民党、自由党との間で連立政権を作っていこうということです。

 それはやはり政策の幅といいますか、政権を取ってそして我々の視点から見て重要な、国民の立場からの政治をやっていこうという場合に、やはり共産党さんの抱える政策はやや我々から見ると違和感がある。特に安全保障の問題ではかなり開きがありますので、今のところ相手として想定はしていないということです。

 ただ、党として何らかの決定を正式にしているわけではありません。するともしないとも決定をしていませんので、あくまでも私の意見ということで受け取っていただきたいと思います。

 国会のなかでの協力などは今もやっていますし、それは野党として強大なる与党に対抗していくために、是々非々で必要に応じてやっていくということだと思います。

【記者】今、その共産党が党の綱領改正をやろうとしていますが、向こうは民主連合政府という言い方をして、連立内閣の可能性を全く否定しているわけではないんですが、今おっしゃったのは政策が違うからということでしょうか。社会主義革命を志向する政党とはやれないという非常にアバウトな議論もあるんですが、確認しますが政策が違うから連立できないということで宜しいんでしょうか。

【幹事長】そこでいう社会主義革命の中身がどういう中身かということによると思います。共産党さんの目指す社会主義というものは恐らく我々が目指している社会とは違うと思うんですね。それは理念的なものであるとともに、政策的なことでもありますのでそういう意味で私は申し上げました。

 是非共産党のなかでも多様な議論があり、そしてそれが国民から見えれば、より理解が進むのではないかと思います。それ以上のことは、他の政党に対する、ある意味で中身に関わることですので、私からあまり申し上げるべきことではないと思います。

■イラク新法の修正協議に対するスタンス

【記者】イラク新法についてですが、自民党の山崎さんが今日の会見でも改めて修正点が見出されてくれば民主党との間で修正協議もあり得るということをおっしゃっていましたが、改めて賛否は別にして、修正協議に対するスタンスをお聞かせください。

【幹事長】修正協議の前にですね、何が問題かということをきちんとですね固めなきゃいけないと思うんです。これは今、党内で作業もしています。それから委員会審議が始まれば、そういうなかで指摘もあり、そしてそれに対する総理なり関係大臣の答弁も出てきますから、問題点がよく明確になってくると思うんですね。

 そういう形で何が問題かということが明確になるということが、まず先に来るべきだと思います。有事法制のときにも、10数項目に渡って、そういう指摘をまず昨年通常国会の終わりにしたわけですね。それをもとに修正の議論というのが出てきたわけで、我々がそういう問題点を固めたときにこれじゃとても歩み寄りができないというふうに双方が思えば修正協議には入らないし、かなりのところでお互いが妥協できるということであれば協議に入っていくと。

 それはまさしくこれからの議論次第だと思いますね。今のまだ問題点もまだ確定していない段階で、修正協議をやるとかやらないとか、そういうことは言えないと思います。

■比例に関する常幹決定

【記者】総選挙の話に戻るんですが、先週末の全国幹事長会議でも7月末までには空白区の解消をしていきたいということでしたが、一方で先週の会見でもありましたが、比例単独については原則は変えないということでしたが、現実的に考えてもこれは最後まで変わらないということなのか、あるいは特例ということが出てくるのであれば、それも7月末までに何らかの方針が見えてくるのか、その辺りはどうなんでしょうか。

【幹事長】私は比例単独について、何かお答えしたことはないと思います。私が申し上げたのは「比例に関して常任幹事会で決めた原則は守ります」と、そういうふうにお答えをしたと思います。そのことは常幹で新たな決定がなされて、そのルールを変えるということにならない限り執行部としては粛々として、その原則を貫いていくということになります。

■最も可能性の高い解散・総選挙の時期

【記者】最初の質問にちょっと関連するのですが、一応選挙体制としては秋の選挙の可能性を想定してということですが、自民党側では同日選挙ではないとかいろいろ取り沙汰されてるんですけれども、改めて秋なら秋でいいんですが一番可能性の高いのはいつとお考えなのか、またその理由は何なのかということをお聞かせください。

【幹事長】これは議論し出すと誰も分からないわけで、総理が最後はエイヤッと決めればそのときが解散のときだということになりますが、総裁選挙がそう大混乱にならずに行われるとして次の国会の召集があり、そしてそのなかで、これは分かりませんが、恐らく自民党ですから補正予算を組んでそれが通ったところで解散ということになる可能性が高いのではないかと。

 そのときに丁度秋の補選の問題もあります。補選をやってまた1ヵ月や2カ月で本選というのも、なかなか考えにくいもんですから、そういう意味で10月解散11月投票ということが一番あり得るのではないかと思っています。

 もちろんそれがややずれ込んで、12月解散とかあるいは通常国会冒頭1月解散ということはあるかもしれません。しかしそれは誤差の範囲ですから、やはり想定されるなかで早いタイミングを具体的なXデーにして、いろんな準備をしていくというのは政党としては当然のことだと思います。

 同日選挙というのは、可能性がないなんていうのは私は断定はできません。しかし与党である公明党党首の発言などを見ていると、その可能性は少ないのかなというふうに思っております。


編集/民主党役員室


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