1983年 ’83参議院選挙

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参議院選挙活動ガイド

 社民連と新自由クラブは、今画の参議院選挙で、一致協力して闘うことを合意し、新自由クラブ民主連合を結成し合同選対本部を設置した(本部長=山口敏夫、副委員長=阿部昭吾)。

 今回の参院選は周知の通り、「比例代表選挙」が採用され、従来の選挙運動とは大幅に変わった点が非常に多い。新しい選挙運動のノウ・ハウとして「参議院選挙活動ガイド」を作成したので、これを参考にして、さらに英知を結集して有効かつ適切な選挙運動を展開、新自由クラブ民主連合の全面勝利をかちとっていただきたい。

 一章 確認団体としてできる政治活動

 参議院の「比例代表選挙」で候補者名簿を提出した政党は確認団体として扱われます。公示後ただちに候補者名簿を提出すると、その時点で『新自由クラブ民主連合』は確認団体となります。確認団体になると、選挙期間中に確認団体だけができる次のような「政治活動」ができます。


1、選挙事務所の設置
(a) 新自由クラブ民主連合は、各都道府県ごとに一カ所選挙事務所を設けることができます。政治活動のための電話による選挙活動や幕間演説、個々面接の手配その他、情勢分析、選対本部との連絡などすることができます。

(b) 選挙事務所には、看板(大きさ、縦三五〇センチ、横一〇〇センチ以内)がだせます。また、提灯は一個に限り、(規格、高さ八五センチ、直径四五センチ以内)使用が可能です。立て札などの掲示場所は選挙事務所の建物、または敷地に限られ、露地の入り口などに掲示し、あるいは、遠方に案内状を掲示することはできません。

(c) 設置および廃止は、中央選管と各都道府県選管および当該市町村選管に届け出を出す必要があります。中央選管については、選対本部で一括して届け出する予定です。

(d) 一事務所ごとに一日一回を超えて移動することはできません。

(e) 中央選管が交付した標札の掲示が必要です。
 (1)中央選管が交付した標札は、告示後ただちに選対本部より届けます(届ける方法は各地域によって異なります。後日追って連絡します)。事務所設置届け出用紙は、告示後に送付します。

 (2)比例代表選挙は選挙活動が大幅に規制されており、新自由クラブと社民連の組織のある都道府県は、政治活動の拠点として、できるだけ選挙事務所を設置してください。

 (3)新自由クラブと社民連の組織が重複している場合は、選対本部と各都道府県の両組織で協議のうえ調整をはかります。現在実施中。

2、政談演説会
(1) 回数
 確認団体となった政党は、衆議院の選挙区ごとに二回に限って政談演説会を開催できます。これには「比例代表」の候補者、「選挙区」の候補者も、どちらも出席でき、政談演説のほか、「比例代表選挙には新自由クラブ民主連合とお書きください」「新自由クラブ民主連合に一票を!」など、政党や候補者への投票依頼ができます。

(2) 開催の手続き
 開催については、会場所在地の都道府県選管に届け出なければなりません。届け出用紙は告示後、本部よりただちに送付します。

(3) 宣伝方法
(a) 看 板
 政談演説会場には、告知用看板として、一会場ごとに五個の看板(大きさに制限はない)が使用できます。看板には、候補者や政党への投票依頼を書くことはできません。大きく『新自由クラブ民主連合政談演説会場』と書いてください。また、その看板には都道府県選管が定める「表示」をつけなければなりません。

 新自由クラブ民主連合は選挙区選挙(地方区)の候補者が少ないため、党名をアピールするためにも政談演説会を有効に活用してください。政談演説会の告知板については、選挙本部で一括して制作するか、検討中です。

(b) 政治活動用ポスターの利用
 新自由クラブ民主連合の掲示する政治活動用のポスターに書き込みができます。

(c) 宣車の利用
 政治活動用自動車、選挙用自動車による呼び込みができます。

(d) 会 場
 会場は屋内でも屋外でもよいのですが、屋外の場合は一定の広さのある場所で、交通が頻繁でなく、演説会ができるようなところでなければなりません。
 会場では、候補者が弁士として出る場合には、タスキをはずし、メクリなどには「新自由クラブ民主連合○○県連幹事長」など役職名で表示し、候補者本人の氏名を出さないようにしなければなりません。

(e) 演説内容
 政策宣伝普及のほか、「選挙区選挙では〇〇候補に一票を!」「比例代表選挙には新自由クラブ民主連合を!」ということはできます。
 演説会場内では、候補者の氏名は掲示できませんが、そのほかは文書・図画の掲示の制限はありません。自由に掲示できます。

3、街頭政談演説会
(a) 政党は政治活動用自動卓(宣車)の停止している車上およびその周辺で、街頭政談演説会を回数に限りなくできます。その際「比例代表」の候補者も「選挙区」の候補者もこれに出席でき、党や候補者への投票依頼をすることができます。

(b) 比例代表選挙で候補者としての「タスキ」は使用できませんが、政党名タスキであれば使用できます。比例代表区候補〇〇は認められませんが、『新自由クラブ民主連合』というタスキであれば政治活動用として使用できます。

(c) 開催の予告をして聴衆を集めた場合は、政談演説会としての規則をうけるので注意する必要があります。

(d) 時間の制限は午前七時から午後八時までのあいだに限られます。

(e) また、選挙区選挙の宣車に比例代表区の候補者が乗って、応援演説することはもちろんのこと、比例代表区候補者の氏名を書いた垂れ幕をかけることもできます。この点に留意してください。

 例・比例代表選挙の確認車(六台)
 候補者本人が演説する場合……。「私は新自由クラブ民主連合の〇〇です。昨年の夏参議院の選挙制度が改められ、全国区は比例代表制となりました。投票はいままでのように候補者名を書きますと無効になり、政党名を書く制度にかわりました。従来から参議院が衆議院のカーボン・コピーといわれるなど参議院のあり方がとわれてきました。参議院のあり方を見直し、参議院の活性化を図るさまざまな改革の一つとして、今回の選挙の制度の改正がおこなわれたのです。しかし、今回の比例代表選挙は、自民党や社会党などの大政党に有利な制度で、小政党には不利な制度となってしまいました。わたしたち新自由クラブと社会民主連合は、政権を担う能力をもつ勢力の先がけとして、小異を捨てて大同につき、一致して今回の参議院選挙を『新自由クラブ民主連合』という政治集団で闘うことになりました。『新自由クラブ民主連合』の基本政策は政治倫理の確立、憲法擁護、緑の環境の創造と平和、軍縮です。わたしたち『新自由クラブ民主連合』の政策を支持される方は『新自由クラブ民主連合』とお書きください」

4、政策連呼
(a) 政党は宣車で午前七時から午後八時までに限って党の政策を連呼できます。

(b) 連呼の内容
 政策の普及宣伝または政談演説会や街頭政談演一説の告知のための、いわゆる政治活動のためのものであって、選挙運動にわたるものは許されません。「こちらは、新自由クラブ民主連合です。新自由クラブ民主連合は政治倫理の確立に努めます」などは政治活動として認められます。
 ただし、政談演説会場で、司会者が候補者を弁士として紹介するための氏名の連呼程度はさしつかえありません。

(c) 連呼行為の制限
 公営立会演説会開催の予定時刻の二時間前から終了予定時刻の二時間後までの間、その会場から三百メートル以内では禁止されています。また、学校、病院などでは静穏を保たなければなりません。

5、ポスター貼付
(a) わが党は、全国に七万枚の政党ポスター(証紙貼付したもの)を貼れます。証紙は告示後ただちに送付します。

(b) ポスターの種類は、二種類予定しています。一号ポスターは新自由クラブ民主連合国会議員十四名の顔写真入りポスターで、現職議員のいる地域は、積極的に街頭に貼付してください。二号ポスターは政党名を大書し、「緑・軍縮・政治倫理」のコピーが入っているポスターです。

(c) 選対本部よりベニヤ貼りしたポスターを枚数割り当てで送付します。街頭の効果的場所に掲示してください(針金は地元で用意)。

6、政党ビラ
(a) ポスター同様に枚数を割り当て、送付します。ビラは三種類を用意し、一号ビラは一号ポスターを縮小して表とし、裏には六つの選挙公約が印刷されています。これは主に遊説の際に配布してください。二号ビラは名刺型サイズです。三号ビラは検討中です。

(b) ビラの配布については、ヘリコプターや車を使ってバラ巻く以外はどのように使ってもよいことになっています。街頭で、また、戸別に郵便ポストなどへ配布してもかまいません。

7、遊 説
(a) わが党は、法定選挙宣車(以下宣車)は六台で、うち三台は関東地方、他の三台は各地域ブロックに配車予定です。遊説は、標旗と宣車を各地域の組織に委託する方式を採る予定です。

(b) 運転手とうぐいす嬢について本部選対からは派遣しません。運転手・うぐいす嬢、ビラ配布要員はあらかじめ手配しておいてください。

8、資 金
(a) 選挙にかかる必要最小限度の資材費・事務費は、組織対策費として選対本部で確保するよう検討中です。


  二章 選挙期間中誰でもできる選挙運動

 選挙期間中は、誰でもが以下のような選挙運動ができます。職場で、家庭で積極的に選挙運動を展開してください。

1、個々面獲で積極的に投票を依頼する。
(1) 友人、知人などに、電車やバス・街頭で会ったときに「選挙区選挙は〇〇さんに、比例代表選挙は『新自由クラブ民主連合』にお願いします」「選挙区選挙には〇〇さんが当選するように是非応援してください。比例代表選挙で〇〇さんを当選させるため、新自由クラブ民主連合に投票してください」と依頼することは自由です。

(2) 自宅や会社など仕事上、社交上の用事で訪ねてきた人などに、選挙の話をして、新自由クラブ民主連合の政策、候補者の応援・投票の依頼をすることは自由です。
 これらの相手に直接会って投票依頼をすることは、公職選拳法で禁止されている戸別訪問にはなりません。戸別訪問とは、投票を得る目的で、連続して個々の家庭を訪問することで、上記のような個々面接は許されています。
 また、選挙運動員になってもらう、パンフレット類の購読依頼はそれが投票の依頼をともなわなければ、戸別訪問とはなりません。

 よい例・「ごめんください。わたしは、新自由クラブ民主連合の政治活動をしています。新自由クラブ民主連合は、政治倫理の確立、教育立国、緑の環境と平和・軍縮を基本政策として活動しております。新自由クラブ民主連合を支持してください」
 悪い例・「ごめんください。わたしは、新自由クラブ民主連合の選挙の運動員です。今回の参議院選挙は制度がかわり政党名で投票することになりました。投票には新自由クラブ民主連合とお書きください」

2、電話で積極的に投票を依頼する。
 電話による選挙運動はまったく自由です。電話帳による不特定多数にたいする無差別な電話による働きかけも、違反ではありませんがかえって反感を買うことにもなりかねません。友人、知人をはじめ同級生、仕事の取引先や県人会、各種業界、団体など、自分が少しでも関係しているものの名簿で積極的に電話をしてください。
 効果的な方法として、電話の相手にも他の人に電話で依頼してもらうように依頼することも考えられます。
 投票依頼のほかにも、電話で選挙事務所や県連などに連絡をとり、政談演説会、政見放送の日時の案内、代表や役員・候補者などの遊説コースでの応援などを聞くことも効率的な選挙運動になります。

3、幕間を利用して選挙演説をする。
 選挙と関係のない町内会、同窓会、青年・婦人会、商工団体などの会合や、映画・演劇の幕間などで、司会者の承諾を得て、自分の支持する候補者のために、「〇〇選挙区には〇〇候補を当選させてください。また『比例代表選挙』では、『新自由クラブ民主連合』に投票してください」などとたのむことは自由です。大いに活用してください。

4、自分の職場で支持する候補者をすすんで応援する
 職場の責任者の承諾を得て、休憩時間中、たまたまそこに居合わせた人に、自分の支持する候補者のためにあいさつすることは自由です。このような機会をとらえ、すすんで支持する政党・候補者の支援をしてください。

5、政見放送を見る。
 新自由クラブ民主連合のテレビ・ラジオの政見放送や、党代表の出るテレビ討論などは、新聞などで事前に知ることができます。隣近所の人と一緒に視聴し、意見の交換などをして支持をもとめてください。


1983年

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