2005年1月1日 年頭の辞

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地元の期待に応え全力投球を

明けましておめでとうございます。輝かしい酉年の新年をお迎えのことと思います。

昨年は、天変地異の続発で、大変な年でした。台風が次々と襲来し、県北では、台風23号による森林被害の惨状は、目を覆うばかりです。心からお見舞い申し上げます。

私も何回か、現地を拝見しました。莫大な量の風倒木は、利用価値が極端に下がっており、その上切り出す作業は危険が一杯。誰がこれを山から降ろすのでしょうか。後継者難の林業です。裸の山肌に、次に誰が木を植えるでしょうか。

放置すれば、いずれは植林前の混交樹林帯に戻るのでしょうが、その間に起きる土砂崩れなどにより、県下三大河川の受ける影響を考えれば、自然回復を待つことは出来ません。

私たちの先輩が、子孫に美林を残そうと、急傾斜地を開墾して杉やヒノキを植えました。まさか、こんな負担を後世に付け回すとは、夢にも思っていなかったはずです。ところが現実は、父祖の夢を完全に裏切ることになりました。人間の知恵や力によって、自然はどうにでも変えられるものだと思ったところが、間違いだったのでしょう。もう少し昔の私たちの先祖は、自然の懐にやさしく抱かれた生活を、大切にしていました。もちろん時に猛威を振るう自然と、たたかう必要もありましたが、要は謙虚だったということです。

このあたりで、戦後60年の私たちの歩みを貫いていた考え方を、見直さなければなりません。日本はいま、人口減少社会になろうとしています。人間なら何でも出来るという傲慢さを素直に反省し、自然や人間の原点に立ち返る必要があります。地方の元気を、根っこのところから取り戻すことが必要です。

そのような時、昨夏の参院選で、さらに6年間、参議院議員を務めることとなりました。皆さんのご支援に、心から感謝いたします。岡山県も、決して「保守王国」ではないことが示されました。全国的にも、民主党が自民党を上回り、野党合計も与党合計を上回りました。私は、過去最大の野党会派となった参議院民主党の議員会長に就任し、秋の臨時国会では永年在職議員表彰を受けました。いつの間にか、国会議員25年となっています。これも皆さんのご支援のおかげです。

今年も、政治課題は山積です。地元選出の国会議員として、地元の皆さんの期待に応えることが一番大切。全力投球します。変わらぬご支援をお願いします。

津山朝日新聞平成17年1月1日掲載


2005年1月1日

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