2004年5月26日

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■「民主党 岡田執行部に聞く!」 2004
  副代表 江田五月


○民主党の副代表でいらっしゃいます、江田五月さんにお話をお伺いします。よろしくお願いいたします。

江田五月 よろしくお願いします。

就任の抱負を一言

民主党、この一ヶ月ぐらいになりますかね、ちょっともたもたしてね。下手なゴルフみたいなもので、こっちのバンカー上げたら向こうのバンカー入っちゃって、せっかくグリーンに乗ってもパター行ったり来たりとかね、やりました。本当に申し訳なかったと思います。

しかしまあ、雨降って地固まるで。岡田克也さんというのは、火中の栗を拾うというわけですけど、なかなかいい決断をしてくれたと思います。50歳で、大変能力がある。それと、おもしろいのが、これまでの政治家とかなり違って、もう融通無碍にとかいうのが全然ないんですよ。原理主義者と僕らは言ってるんだけどね、ほんとうに融通のきかない。しかしやっぱりトップに立つと、笑顔も随分よくなってきたし、冗談もいろいろあるし、そういう岡田さんの体制の元で、本当に雨降って地固まるということにする。そういう役目が僕の役目かと思うんですね。

引き続きというお話でしたが、そうなんです。副代表になったのは、去年、菅前代表の決断で自由党と合併しましたよね。あの時にいろんな議論があったんだけど、僕たち、自由党の小沢さんたちと一緒になって、これで野党がとにかくひとつになっていく、そして自民党に対して、政権交代を担当するのはこの政党ですよと、そう言えるものを作る、そういう意味ではひとつになるのはいいのですが、ただ、小沢さんには心配もあったのです。なにしろ壊し屋ですからね、壊す方はもう大変な豪腕を振るわれますから。で、僕も菅さんから相談を受けて、自由党との合併は賛成だ。賛成だけど、かき混ぜられないようにしなきゃいけないねと、そんなことを言っていたのです。

菅さんが、そこのところを心配をしたのか、小沢さんが壊す方で豪腕をもし振るうと、それは僕が出ていって、「ちょっと小沢さん、そこはやめよう」と、そんな役目を期待されていたのかな。菅さんに去年の暮れに副代表をお願いされまして、党のまとめ役として入った。ということなので、今回も引き続きというのはやっぱり岡田さんの元でね、まあそうは言ったって岡田さんも政治経歴がそんなに大変長いってわけでもないんで、やはり、必要なまとめ役をきっちりやりなさい、ということだと思いますね。ですから、それだけ一層、雨降って地固まるという、固める役をしなくてはいけないと思っています。

民主党の今後の課題

やっぱり今も申し上げた、その雨降って地固まる、党の結束、これが一番大事だと思います。しょっちゅう言われるじゃないですか、もう民主党はバラバラって。確かにバラバラ感が有権者の皆さんには目に付くと思うんですね。

これは、自民党というのは、本当はもっとバラバラなんですよ。しょっちゅうケンカしてね。ところがあの党はいざという時にはまとまるんです。野党は今までね、いろんな野党がこれまでありましたけれども、野党は団結しなきゃいけないとしょっちゅう言うんですよ。ところが、いざという時にバラバラになっちゃうんですよね。

だから民主党一番大事なのは、何はともあれひとつになりましたから。去年の総選挙では自民党の2000万票に対して、2200万票という、自民党より多い票をいただいて、これは共産党や社民党の票を取ったんじゃないかと、そういう見方もありますが。それも当たってないわけではないけど、いずれにせよ、国民の気持ちからすると、野党は民主党に結集しようと。そして、まだ自民党に取って代わるほど民主党を勝たせるわけにはいかない。だけど比例区では民主党に、自民党よりもたくさん票を渡して。そして、自民党に代われる、そういう政党になれと言ってくれてるわけですから。

そのいちばん大きな乗り越えなきゃならん課題というのは、やっぱり民主党が、いろんな問題があっても、そして、中でいろんな議論があっても、最後はぴしっとまとまっていくという、そういう体質を民主党の中にちゃんと作り上げる。これが今、いちばん大きな課題だと思います。

参議院選挙について

いやまあ、副代表の立場も何の立場も、とにかく勝たなきゃいかんというのが一番でね。このあいだも誰かに言われたんですよ「江田さんあなたは現職だから、現職は強いから大丈夫ですよね。」と言われるからね、「違う!」ってね。相手も現職なんですよ。相手も現職で両方2つのバッジが1つになるという、3年前から岡山が、熊本とか鹿児島とかと一緒ですが、それまで2議席だったのが1議席になった。これはどうしても勝たなきゃいかんと。岡山県というのは全国一の小選挙区になっているわけですから。

副代表としてこれは自分の選挙は勝たなきゃいけないのですが、自分のことだけではなくてね、やっぱりそういう今まで2つだったのが1つになるという、そういう選挙区できっちり勝つことが、民主党全体が勝つことに繋がるんですよ。

今度の参議院選挙の一番の課題は、この、去年の総選挙で、一定のこの政権にチャレンジする政党は民主党ですよと、そこまで持っていっていただいた。そこで、次の総選挙でこれは政権交代まで行かなきゃならん。そのちょうど中間で、いわばホップ・ステップのステップですから、ジャンプにいくね。ですから今度の参議院選挙で民主党は勝たなきゃいけないんです。

今、あの小泉さんがまた北朝鮮で点数を上げたとか、民主党はこの間もたもたしたとか、大変なんですが、それでも勝たなきゃいけない。勝つにはどこで勝つのか、複数区はこれは当然もう民主党はいままで議席を取っているわけですから、だからそれは取りこぼしをしないというのが大切です。だけれども、勝つには1名区で勝つ、だから1名区が大切なんでね。

全部で27でしたかね、1名区。このうちのやっぱり、そうですね、10や11やぐらいは勝たなきゃいけない。欲を言えば、27中半分の14は勝たなきゃいけない。その1名区で勝つのにどこで勝つんですか、それはどこでも勝てばいいです、勝てるとこは全部勝ちます。だけどここは負けちゃいけないっていうところがある。一番ここは負けちゃいけないっていうのが、僕のところなんですよ。

これはだから民主党にとっても副代表としても、私自身の選挙を勝つ。これが今、私自身の当面の最大のターゲットだと思っています。

国民へのメッセージ

私は、この参議院の任期が終わると25年国会議員をやってる。父の後を引き継いだのですが、父が25年やっていたのです。親子で50年、50年何やってたのかなあ。

今ね、とにかく世界もね、イラク戦争の泥沼化で、もうテロの世紀になろうとしていますよね。日本の国内も、もう本当に、皆の社会の連帯とかそういうものがなくなって、大変な事態だと思います。こんなことを残すために50年やってきたんじゃない、これを変えるためにやってきた。変えるには道具がいる、その道具が民主党なんです。

ですからね、国民の皆さん、民主党はまだまだ足りないところも多いし、私たちもお叱りをいただかなきゃならんところがいっぱいありますけれど、だけど、民主党をぜひ、国民共有の財産なんだと、この国民共有の財産をちゃんと仕上げる事で今の状態を変えていくしか、なかなか良い道ないですから。そういう意味で民主党を育ててほしい。これは、甘えるようですが、ぜひお願いをしたいですね。

国内のこと、年金のね、この国会議員の不始末で、もう国会議員なんてのは本当にもう信用できないと、あんな議員を選ぶのに選挙なんか行くかって、怒っています、国民のみなさん。よくわかります、わかりますけれど、そうやって政治を見捨てたらそのツケは必ず国民のほうへ返ってきますから。やっぱりそれでもなおこの事態に、誰が、あるいはどの党が、どうしようか、どうしようとしているかというのを見てほしい。

民主党は、86年に制度が変わって、国会議員もみな国民年金に入れということになって以来の不始末を全部公表しました。処分もちゃんとしました。私はきっちり全部払って終わってますから、そこはご安心いただきたいのですが、そういうことをちゃんとやってる。与党はほうっかむりでしょう、自民党なんて公表もしないでしょう。ですから、そこはやっぱり、正直にやった民主党が馬鹿を見たねっていうんじゃ、それは世の中ないですよね。今の与党にげんこつをくらわしてほしい。これはもうぜひお願いしたい。

それからもうひとつ、世界の泥沼化。そんなこと言われたって自分たちは世界のことまで言われても困るよと、有権者の皆さんおっしゃるかもしれません。だけどそれは違います。だってそうでしょう。スペインで、有権者の一票でスペインの政権が代わった。そしてイラクから手を引いた。これでブッシュさんが今もうメロメロになってきているわけですから。だからここでもう一発、日本の新しい政権がブッシュさん無茶苦茶やめなさいよと、もっと国連の出番をみんなで作ってやりましょうよと。こうなったら、テロの世紀に向かいつつある世界の流れを変える事ができるわけです。やっぱり有権者なんですよ。

有権者が世界の動きも決める、そういう時代ですから、ここは、ぜひ、今度の選挙は、イラクの泥沼化を防いで、本当にもう一度平和な流れに世界の動きを変えるためにも。あるいは年金その他の問題で日本の政治をちゃんと意味のあるものに変えていくためにも、有権者がまず一票を行使してほしい。そして、民主党をひとつ育てるという気持ちで、民主党に協力してほしい。ぜひお願いいたします。

○どうもありがとうございました。


2004年5月26日

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