江田五月 活動日誌 2001年4月(1〜5) >>日程表

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4月1日(日) 政策協定、選挙情勢、労組色、庭、青山教授

今日は10時から、参院選岡山選挙区の民主党公認候補予定者、石田美栄さんと、連合岡山との政策協定の調印式です。石田さんのほか、連合岡山から真鍋会長ら、民主党県連から代表の私、副代表の一井さん、河田さん、幹事長代行の森本さんが出席し、調印後は記者会見。

私は、「自民党政治は、あらゆる面で行き詰まり、ご自身たちも、自信喪失しています。参院選で私たちが勝つしか、この国の未来展望を開く道はありません。国民も、自公保政権を見限っています。県内でも、互角との見方が増えています。後は、私たちがいかに頑張るかだけ。連合の全面支援は、最大の味方です。」と述べました。

連合幹部とコーヒーで懇談。幹部の皆さんは、民主党が「労組依存」色を払拭するのは、理解できるが、一般組合員には、それが労組嫌いと映るので、困るとのこと。難問です。

久し振りに、自宅の庭に出ると、すっかり春です。こぶし、れんぎょう、さんざしが満開。まもなくどうだんつつじ。地面にはすみれ。よく見ると、雑草の芽がいっせいに吹き出しています。草取りに夢中になっていたら、夕方になりました。

18時から、岡大名誉教授の青山英康先生をご自宅に訪問。兵庫看護大学の学生さんが5人、先客で来られておられ、先生の話を、目を輝かせて聴いていました。やる気の若者は、いいですね。

森本徹磨さんらと、「常の山」のちゃんこをつつきながら、打ち合わせ。最終新幹線で上京。(食事の書き込みが多いとのご指摘を頂きました。I am sorry.)



4月2日(月) 本会議質問(犯給法)、花見、最高裁情報公開、アエラ

今日は、11時半から議員総会。12時から本会議。「犯罪被害者等給付金支給法改正案」につき、私が15分間代表質問をしました。(会議録

この法律は、私が1977年、参議院に初当選した直後から問題意識を持ち、1978年3月2日の法務委員会の一般質疑で制定を提案したものです。当時まだ36歳でした。その2年後に内閣提出で法律が出来、今回の改正となったもので、感慨深いものがあります。しかし、まだここまでしか育っておらず、忸怩たるものもあります。

本会議場は、出席議員188名。ただでも衆議院の半数の議員数で、議場はがらんとしているのに、これだけ欠席が多いと、入りの悪い演説会のようで、ちょっと問題です。

世は春。「はなの下にて春死なめ」と詠ったのは、西行でしたか。ちょっと時間が空いたので、千鳥が渕から靖国神社へと、小川敏夫さん、内藤正光さんと一緒に花見に行きました。不況も何のその、すごい人出でした。ところどころで、「江田さん、頼むよ」と激励されました。

夕方、最高裁から朗報。福岡事件の調査報告書については、国民的議論になっており、そのための資料としての価値も高いので、仮名処理をせず、原文のまま最高裁のHPでも公表することにしたというのです。古川判事の分限裁判については、最高裁判決と同じ扱いとし、仮名処理だけでこれもHPに載ります。

さらに、司法行政の情報公開については、3月29日付の事務総長による依命通達で、その制度を整えました。将来は、最高裁規則を検討されるでしょう。

アエラで、1月の憲法調査の訪米が、「華麗なる予算消化出張」と批判されました。記事の内容は、そうでもないのですが、見出しと図表は強烈です。私は団長として、意味ある視察にするため、最大限の努力をしたつもりですし、報告書もなかなかのものが出来ています。(必要な方は、お申し出でいただければ、若干の余部はあるので、お分けできます。)私たちと同行された2人の朝日新聞の記者も、アエラの小野智美さんと同じ印象を持っておられたとしたら、かなり人間不信に陥ります。

夜は、議長公邸で、議長と民主党幹部で会食。



4月3日(火) 常幹、府中刑務所、東京入管、憲法、鳩山会館

今日は、10時から常任幹事会。田中甲さんは、除籍処分と決定。残念ですが、彼の主張の是非でなく、行動が、政党幹部としては特異過ぎます。

中座して、車で法務委員会視察の一行を追いかけ、府中刑務所で合流。1790年設置の古い刑務所ですが、最近立て替え、最も新しい施設です。収容定員は2,598人ですが、現員2,717人、収容率105%で、6人部屋に7人詰め込んでいます。刑務所であっても、これでは居住環境が悪すぎると思います。

ここの特徴は、外国人受刑者が多いこと。44か国、503人で、収容者の18%。通訳、食事など、苦労も多いようです。また、ほぼ半分が暴力団関係者で、更生は困難だそうです。高齢者も多く、社会復帰が困難なようです。内部の規律は、ずいぶん緩やかになってきたようです。最近は、介護具をつけて懲罰室に入れるようなことはなく、篤志面接員の心を込めた説諭などが功を奏しているそうです。受刑者の昼食のサンプルを頂きました。結構いけます。

次いで、東京入国管理局第2庁舎。入管行政の内、退去強制手続きを行っています。平成11年中の退去強制手続きは、全国で55,167人、その内東京入管が41,092人。管内不法残留者約25万人の削減が基本方針だということ。集団居住・雇用事案、特定地域蝟集事案、売春事案のほか、偽装日系不法入国事案、偽変造文書行使事案等ブローカーが介在する悪質事案を重点に摘発しているそうです。

調査場面を見ましたが、大部屋で混雑しており、プライバシーの面からも相当問題があると思いました。収容者は、年間46,615人。大部屋に雑居で、運動場もなく、環境は劣悪です。来年暮れの新庁舎完成が待たれます。

16時過ぎに国会に戻り、16時50分、参議院憲法調査会運営検討委員会。4日と18日の調査会の持ち方を決定。5月連休中に、憲法記念日行事として党首討論の提案がありましたが、議論の熟度がそこまで至っていないとの判断で、採用しないこととし、HPの改善策を検討することになりました。

18時、鳩山会館で、桜を見る会。鳩山代表のお招きに、小沢自由党党首、志位共産党委員長、土井社民党代表も集まり、4党協力の絵になりました。18時40分、民主党予算委員懇親会。



最高裁の情報公開

福岡事件の古川判事に対し申し立てられていた分限裁判につき、最高裁は3月30日、大法廷決定を下しました。平成13年(分)第3号 裁判官に対する懲戒申立て事件です。

今日17時頃アクセスすると、最高裁のHPの「最近の最高裁判決」欄に、これが仮名処理の上掲載されていました。

ところが22時頃アクセスすると、例の「調査報告書」が「等」付きで掲載されており、開いてみると、福岡高裁長官(第1号)、同事務局長(第2号)に続いて第3号が、掲載されていました。いずれも仮名処理されないままです。

多分、担当した局の処理方針の違いとか、理屈はあるのでしょうが、次第に情報公開が進んでいるようです。



4月4日(水) 電力、本会議、憲法(江橋さん)、代表訴訟(末永さん)、取材

今日は、8時からエネルギー・環境問題研究会の勉強会。アメリカの西海岸と東海岸の電力供給体制の違いなど。

9時半、議員総会。10時から1時間半、本会議。福山哲郎さんが、自動車排ガス法案につき、歯切れ良い質問をしました。

12時から、国対・理事合同会議。森内閣が「死に体」になり、自民党が後継選びの猿芝居にうつつを抜かしているのに、与党から法案審議促進と迫られても、誰にどうやって質問すればいいと言うのでしょうか。戸惑うばかりです。

12時40分、参議院憲法調査会幹事会。50分から15時まで、調査会。渡部昇一教授と江橋崇教授に来ていただき、参考人質疑をしました。江橋さんは、私とは大学時代以来の老朋友。思い切った陳述をしてくれました。「君主主権の対抗概念としての国民主権は、歴史の役割を終わりました。1945年8月15日のポツダム宣言受諾により、天皇主権は終わり、占領権力主権に変わりました。その下で、国民主権を目標とする現憲法が出来、サンフランシスコ平和条約により、国民主権が制度として成立したと考えるのが、最も自然です。その後、市民の不断の努力により、市民が主人公となる政治、すなわち国民主権が確立してきましたが、まだ十分ではありません。これからの課題です。」

さらに、地方分権、官僚統制、女性、障害者、子ども、外国籍市民などの課題に触れ、市民の政治実践を足場にした憲法改革を唱え、プラス改憲、すなわち原文に修正条項を加えていく「増憲」の方式を提唱されました。

15時からクエスチョンタイムを傍聴。
13時20分から、ハンセン病議懇につきインタビュー。
16時から、NC法務部門・コーポレート・ガバナンス・合同会議で、私が司会役で末永阪大教授からヒアリング。「取締役会の強化などを放置して、株主代表訴訟の弱体化だけを急ぐのは、日本企業が国際市場で信用を失いこそすれ、競争力強化にならず、取締役の責任を報酬の2年分とかに制限するのは、支持できない。」とのご意見です。説得的でした。

17時から、明日の「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の世話人打ち合わせ。進行要領などを決めました。既に超党派で95人が参加を申し込んでおり、無事スタート出来そうです。

18時から、中国新聞が民主党の「労組色」などにつきインタビュー。



4月5日(木) 法務・司法、ハン議懇、国のかたち、一井さん、憲法、高比良さん

今日は、8時からNC法務部門・NPO委員会等の合同会議。中間法人法案につき、担当の山花郁夫さんの報告をたたき台に、疑問点を洗い出し、審議によってこれらが解消されれば、賛成することとしました。

8時半から、NC法務部門会議。各報告と、民訴法改正案(公文書提出命令)の賛否と民法改正案(夫婦別姓、非嫡出子の相続分)の提出について協議。

9時から、司法制度改革WT。私が座長です。隣接士業の権限拡大、行政訴訟改革などにつき協議。検討を急ぎます。

10時から、河村たかしさん。10時半、JRの労組の皆さんが要請に。

11時から、「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の設立総会。超党派の101名の加入で、元患者や弁護士の皆さん、取材の記者さんたちも含め、盛り上がりました。私が世話人代表として、最初の挨拶と経過報告を行い、川内博史さんの司会で、規約と役員を決定。会長に私、事務局長に川内さん、顧問には、野中広務さん(自)、白保台一さん(公)、野田毅さん(保)、菅直人さん(民)、藤井裕久さん(由)、市田忠義さん(共)、渕上貞雄さん(社)が就任。全療協事務局長の神美知宏さん、原告代表の曽我野一美さん、弁護団代表の徳田靖之さんが話をし、私の挨拶で会を閉じました。

今なお4,400人が療養所生活をしています。平均年齢は74歳。「人間を返せ」と訴えています。全国の療養所で、開設以来23,700人が亡くなり、小さな壺に入った遺骨が慰霊塔に安置されています。「ふるさとを返せ」と訴えています。強制隔離政策で、ふるさとに刻み込まれた偏見は、今も遺骨の帰郷さえも阻んでいるのです。最終解決は、難しい課題です。訴訟では解決できません。だからこそ、政治が役割を果たさなければなりません。

12時から、国のかたち研究会。菅幹事長を中心に、情報と意見の交換。

14時、一井淳治さん。
14時半、民主党憲法調査会の第1、2作業部会で、西修教授の各国憲法比較。
16時、イギリス大使館のマーラ・マイヤーさん。

17時から、比例区の高比良正司予定候補を支援する国会議員「夢ネット」の発足会。私と小宮山洋子さんが呼びかけ人です。「NPO促進税制法案」と「芸術文化基本法案」の実現を掲げ、民主党の市民候補の顔として頑張ります。

参考:「ハンセン問題議員懇談会設立総会報告」 神谷誠人弁護士


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