江田五月 活動日誌 2000年11月(21〜30) >>日程表

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11月21日(火) 幻のコメント、少年院s、鑑別所、修正協議、NPO議連

今日は、未明に森内閣不信任決議案が否決されました。昨夕、民主党岡山県連代表として、可決に備えて次のとおりのコメントを用意しましたが、幻に終わりました。

ついに森内閣不信任案が可決された

森内閣は、本年4月に小渕前首相が倒れた後、密室での談合により成立した。理念・政策・ビジョンのない政権たらい回しである。首相は「神の国」など失言を繰り返し、連立与党は「非拘束名簿方式」など重要法案を数で押し切り続けた。当初から低い支持率は、さらに落ちていった。国民は既に森内閣を見放している。野党の提案した不信任案は、民意そのものであり、可決は当然である。

自公保の与党体制のもとでは、自民党の利権政治を打破し、21世紀を目指した改革をすることは不可能だ。この際改めて、与党体制の信を問うため、森首相は、解散総選挙に踏み切るべきだ。これにより初めて、与党内のたらい回しでなく、国民参加の改革の道程が始まる。国民の声を聞くことを強く要求する。

民主党岡山県連は、「市民の政治」のため県内全選挙区に候補者を擁立する作業に、大至急着手する。県民の皆さまに、『リベンジ岡山!』の挑戦に参加されるよう、心から訴える。 

明けて9時半、議員会館発で少年保護施設の視察に。法務委員会の少年法改正案審査の一環です。10時20分、愛光女子学園着。短期処遇と初等で、非行傾向のあまり進んでいない年少少年を収容しています。(1)20数年前に来たときより、随分個別処遇化が進み、目が行き届いているようです。昭和52年の処遇方針改革以来の変化だそうですが、例えば独房の中のトイレはカーテンで仕切られただけで、ストレスは強い生活です。(2)性依存はまだ、満たされない親子関係のはけ口が主で、年長少年とは全然違うとのこと。(3)半数は、親が離婚経験者だそうです。少年の昼食を試食。おいしかったです。

1時過ぎ、関東医療少年院着。(1)ここはどうも昔のまま。薄暗い独房で読書しているのは、どう見ても少年にふさわしくはありません。(2)病院として承認されているにしては、看護婦もパラメディカル・スタッフも、決定的に足りません。(3)少年たちは、疾病を有しているというのが唯一の共通点。非行傾向など多様な少年たちです。処遇は大変です。

3時過ぎ、東京少年鑑別所着。(1)鑑別期間は、平均3週間。特に必要が有れば、鑑定留置でかなり長期の収容も可能です。監護措置期間を8週間に延長する必要は、どこにあるのでしょうか。(2)面会は、親などは閉鎖区域外の施設で遮蔽がなく、立ち会い付き。弁護士との接見は、閉鎖区域内で遮蔽がなく、立会人なし。(3)一般相談を閉鎖区域外の別棟で、「ねりま青少年心理相談室」と言う名前で行っています。

5時過ぎ会館着。直ちに与党と少年法修正協議。2回目ですが、水面下の努力がありました。(1)「5年後、国会報告と見直し」との規定を、附則で追加すること、(2)24日に最終の質疑と採決を行うこと、(3)付帯決議を付することなどで、概略合意が出来ました。明日、理事懇談会で最終のつめを行います。

7時から2時間、NPO議員連盟主催の東京フォーラム。加藤紘一会長、自、民、公、社、由、保の代表が出席し、私は民主党を代表して党の支援税制案を報告。400人くらい集まってくれたでしょうか。日本NPOセンター事務局長の山岡義典さんの報告の後、会場から16人が発言。活発な議論でした。加藤さんが最後の挨拶。「あまり期待され過ぎて、後で失望させても…、最近もそんなことがありましたが…」で、みんなドッと笑いました。複雑な思いで…。

不信任案採決欠席議員リスト



11月22日(水) 予算委員会、あっせん利得、少年法大詰め、ハンガリー、西君急逝

今日は、10時から昼休みを挟んで7時まで、予算委員会。テレビで中継されました。私は質問はしませんが、委員なので、終日座っていなければなりません。民主党は、簗瀬進さんが政局問題と「第3国」発言問題、木俣佳丈さんがKSD問題を中心に鋭く質問。森首相は、不信任案否決のせいか、明るい笑顔で口もなめらか。国民の深刻な閉塞感などお構いなしの様子です。

12時から本会議。まず大阪オリンピック招致決議。次に船舶検査法案の質疑を吉田之久さん。さらにあっせん利得処罰法案を、与党案を賛成136、反対95で可決、成立させました。野党は修正を求めましたが、ゼロ回答でした。しかしやはり、ないよりあった方がいいという選択をしたのです。

午後の予算委員会の最中に、私は2時から法務委員会理事懇談会。昨日の修正合意を受けて、24日に4時間強の日程で、少年法改正案の質疑、修正案提案、討論、採決、付帯決議採決まで行い、さらに人権教育啓発法案の趣旨説明を行うことを決めました。民主党は、竹村泰子さん、小川敏夫さんが質問します。大詰めです。

5時から法務部会で、少年法改正案の処理につき報告、了承されました。委員会の手続きにつき細かなつめが、なお残っており、24日に協議します。これらの会議の際は、予算委員会を抜けることになり、良いことではないのですが、日程が立て込んでくると、やむを得なくなります。お許し下さい。

7時に予算委員会の採決を終わり、7時20分から本会議。高島良充さんの反対討論の後、賛成127、反対103で可決、今年度補正予算3案が成立しました。票差の小ささにご注目下さい。

その後、ハンガリー大使館で行われるラカトシュ・アンサンブルのサロンコンサ−トに招かれていたので、駆けつけたのですが、ちょうど終わったところ。楽しみにしていたのですが、レセプションだけで残念でした。

11時、活動日誌を書き込む寸前、洋一秘書から電話。私の地元秘書だった西信男君が、急逝とのこと。連絡がないので知人が自宅兼事務所を訪ねたところ、倒れていたそうです。四谷警察署に駆けつけ、岡山から最終新幹線で上京されたお兄さんとお会いし、集まった彼の仕事仲間と霊安室で焼香。享年39歳。気持ちのいいナイスガイでした。犯罪や事故ではなさそうです。合掌。



11月23日(木) 和文化を楽しむ会(邦楽コンサート)、番町文庫五月会(大元鍋)

今日は、7時間強の新幹線にはくたびれましたが、文化的で楽しい「勤労感謝の日」でした。

10時過ぎの新幹線で帰岡。2時半、岡山駅から直行で、「和文化を楽しむ会」へ。毎年この時期に、女性の有志が面白い企画をします。今年は、磁器などの作品展示のほか、目玉は邦楽コンサート。「邦楽アンサンブル和愛」の皆さんが、尺八と横笛のほか、普通と低音の2台の琴で、和楽器クウァルテットを聞かせてくれました。アルトサックスならぬアルト琴は初めてで、聞くと、宮城道雄さんが開発されたのだそうです。間に合ったのは最後の曲「TSUNAMI」だけでしたが、なかなか素敵でした。手作りカップで、おいしいハーブティーをいただきました、手作りケーキと。

4時に、お好み焼きの「番町文庫」に集う仲間20人ほどで、市内西部の神道山にある黒住教本部に参拝。私の小学校時代以来の友人、大下隆章さんが、修業を積んで「教師」となり、案内してくれたのです。黒住宗晴教主は高校の先輩です。晩秋の夕暮れの紅葉はムード満点。大教殿でお祓いを受け祝詞を上げ、ご来光を拝む高台から夕闇に霞む市内を眺望すると、「下界」を忘れた心境になります。歴代教主の書の展示や横尾忠則さんのすばらしいタペストリーを拝見する内、すっかり夜。境内のお茶屋で、みんなで「大元鍋」で一杯やりました。かつおの出汁と塩味だけの、淡泊で豪快な鍋です。

最終新幹線で上京。



11月24日(金) 法務委(少年法修正、5年後国会報告と見直し)、人権教育、ふなめし

今日は、9時50分法務理事会、10時から昼食休憩を挟んで3時20分まで法務委員会。理事として、掛かりっきりでした。

既に修正合意は出来ていますが、手続きの細目に調整の必要な部分が残っており、理事会では、与野党の筆頭理事間での協議に委ねることになりました。民主党独自の修正案を、何とか正式に提出できないかと思ったのですが、議事法上むつかしく、断念し、修正案は与党と民主党との間でまとめたものだけを提出することにしました。民主党案については、質疑と討論の中で触れることにします。

質問は、小川敏夫さんと竹村泰子さん。30分ずつでしたが、改正案の問題点を精一杯突きました。5年後に、これらの点に注意しながら国会報告してもらい、検討し見直しができるようにするためです。そのための修正なのですから。

質疑を終わり、私が自民党保守党、民主党新緑風会、公明党、自由党の各会派を代表して修正案を提出。共産は原案にも修正案にも反対、自民は両方に賛成、社民は両方に反対の討論の後、民主は小川さんが修正案賛成の討論をしました。採決に移り、共産、社民と中村敦夫さんの反対はありましたが、賛成多数で修正案が可決されました。次いで私が上記各会派を代表して附帯決議を提出し、同じ賛成者でこれも議決されました。この後、人権教育啓発推進法案の趣旨説明を聞き、閉会となりました。

この後直ちに理事懇談会を開き、28日の委員会の時間設定を決定。竹村さんが40分質問します。

少年法改正案は、27日の参議院本会議で修正案のとおり可決の上、衆議院に回付され、28日の衆議院本会議で可決成立の運びとなりました。与党案の内容で成立となったのは、残念です。しかし、5年後の見直しの時までが、重要です。少年保護の実務にたずさわるみなさんにぜひお願いします。今回の改正でも、例えば原則逆送は、家裁調査官の調査を前提とし、裁判所の個別ケースごとの判断が基本であることが確認されています。検察官立会いも、裁判所の裁量で決定され、検察官側から求めるものではありません。14、15歳の少年の逆送は、きわめて限定されてしかるべきです。実務の現場で保護主義を堅持し、どんなに頑張っているか、それでも起きる不都合にどんなものがあるか、今回の改正によって起きる事態を、最大限私たちに知らせてください。引きこもっている時ではありません。

来週の予定の調整をして、6時前の新幹線で帰岡。夕食は太平楽でふなめし。季節到来、お勧めします。



11月25日(土) 黄葉、西信男君、ベアテさん、懇親会、ウィメンズセンター

今日は、2時間かけて新見市へ。西信男君の実家での葬儀に参列しました。道中、岡山道を走ると、いたるところ松枯れの哀れな姿が目立ちます。高速道路が影響あるのかどうか。立ち枯れを放置すると、マツノザイセンチュウが繁殖するので、伐採しなければならないのに、そのままになっています。しかし、ひょっとしたら松がなくなったせいでしょうか、潅木が育ち、黄葉がみごとでした。

西君の葬儀には、本当に大勢の皆さんが駆けつけてくれ、有難うございました。若松君の弔辞は、泣かせました。西君が私の事務所に秘書面接に来たときの事を思い出します。風呂敷包みを抱え、江田五月とはどんなやつか面接してやろうという面構えで、現れました。採用してしばらくして、わが家で一緒に食事をしていた時のことです。「議員、いけませんよ」と、お説教をするのです。「食事は、3角食いでなくっちゃ」。つまり、ご飯とおかずと味噌汁と、3つを順番よく口に運べと言うのです。いかにも教師を目指した若者らしいでしょう。私は、ついからかいたくなって、「じゃあ、フランス料理の時はどうする。スープを飲み終わるまで、魚料理は出てこないぞ。」「今日は一本取られました。今度復しゅうします」と西君。思い出になってしまいました。

2時、ベアテ・シロタ・ゴードンさんのお話を聞く会。私も呼びかけ人の一人です。750人以上の人が集まり、大盛況でした。岡山の女性パワーは、たいしたものです。

知人の見舞い。転んで手を突いたら、粉砕骨折。還暦になると、気をつけなきゃ。

6時から、ベアテさんを囲む会。主催者の懇親会です。何もお手伝いできなかったのに、参加させていただき、皆さんに参議院憲法調査会の5月の企画について、裏話を紹介しました。ベアテさんも覚えてくれていました。中座。

7時半ごろ、「ウィメンズセンター岡山」の10周年懇親会。元気印の女性が30人ほど。男性も数人。男女共同参画社会基本法を、参議院総務委員会で審議し、前文を付ける修正をした時の苦労話を披露しました。



11月26日(日) 鴨方町式典、焼肉パーティー、外国人弁論大会、加藤さん

今日は9時半から鴨方町の合併45周年記念式典。昭和30年に旧鴨方町と旧六條院町が合併して、今の鴨方町になったのです。天文台や手延べ素麺で有名ですが、誇るべきものは、他にもたくさんあります。ちなみに、田主町長の奥さんが私の高校同期生です。

祝辞が全部で10人。私は6番目で、前の人に全部言われてしまいました。そこで、控室に懸かっていた額の言葉を取り上げました。「自治之能力、即是護国之精神」というもので、犬養木堂翁の書です。言葉の意味を詮索すればいろいろありますが、古いものですからいいでしょう。自治が何より大切と強調しました。

昼は、瑞歩ちゃんのおじいちゃんのお宅で、中国人、アメリカ人、チェコ人等を呼んで、ささやかなホームパーティー。ちょっと遅い小春日和。紅葉した木々の下での焼肉を楽しみました。

2時過ぎ、「外国人による日本語弁論大会」。大学婦人協会の皆さんの主催で、17回になります。16人の若者が参加。6人の話を聞きました。韓国からの留学性が、着物で登場。日本人は理、中国人は義、韓国人は情だと言うのです。大親友の間でも、日本人は「消しゴム借りていい?」と断る。韓国人は断りなしに使っても平気。中国人は、友達が困っていれば、とにかく助ける。なるほど、そこまで理解し合わなければ、真の国際理解は生まれないなと、勉強させられました。他の参加者も皆、立派でした。

どこへ行っても、「加藤紘一さんにはがっかりした。民主党頑張ってね。」と言われます。自民党の中では、鴨方町で某議員が呟いたように、「加藤さんは鼻高々すぎたよ。」で通るのでしょうが、国民の中では、見方は全然違います。党内政治で良しとするのか、国民と共に新しい政治の流れを作るのか。21世紀は目前です。

最終新幹線で、上京。



11月27日(月) 人権教育、憲法、加藤周一さん、本会議、鳩山パーティー

今日は午前中、明日の法務委員会の準備です。理事として、附帯決議の取りまとめや進行の細目打ち合わせなど、仕事が山ほど有ります。他会派の皆さんの了解を取り付けるため、廊下を走り回ります。人権教育啓発推進法案の附帯決議は、私たちの案に自民党がばっさり手を入れ、明日委員会の現場で折衝です。

12時50分、憲法調査会幹事会。1時から、加藤周一さんと内田健三さんを参考人にお願いして、憲法調査会。

加藤さんのお話。「軍事力の保持を正当化する理由は4つ有ります。(1)侵略への備え。脅威の存在が前提ですが、脅威は外交交渉などによる国際情勢の変化で無くなるのであり、軍事力では無くなりません。(2)国際社会の要請。国連の決議が前提になりますが、それでうまく解決した例は稀で、間違いもたくさんあります。(3)抑止力。『もし平和を望むなら、戦争の準備をせよ』というのは、昔から言われたことですが、常に幻想に終わりました。言論抑止のために使われただけです。(4)人道的介入。勝手なときだけこの理屈を付け、一貫性がなく、いつも狙いは別にあります。以上、正当化の論拠は不十分で、第9条は、歴史の先取りなのです。」

「法と現実の間に差異があるのは当たり前。人殺しがあるから刑法はいらないと言うのは、おかしいでしょう。現実を法(理想)に合わせる努力が大切なのです。」

「日本は、この憲法が出来る前、アジアに対してひどいことをしています。そのけじめをつけないまま、第9条の歯止めまではずすと、アジア諸国の猛反発を受け、それは日本のためになりません。現実論からも、第9条堅持は大切です。」

憲法制定時の南原繁さんの問題提起につき、「国連は大切で、国連軍が出来たとき日本が参加することは賛成です。それは将来の理想です。」

4時、議員総会。4時半、本会議。少年法改正が修正議決され、衆議院に回付されました。予算関連法案(地方交付税法と決算剰余金特例法)は、民主党は反対ですが、可決成立。。未成年者飲酒、喫煙禁止法改正は、罰則強化、酒税法改正は、禁止法違反者の免許取消で、全会一致で可決成立。中小企業信用保険法等改正は、無担保融資限度額を5000万円から8000万円に引き上げるもので、議論はありましたが、民主党も賛成で可決成立。

6時半から鳩山由紀夫さんのパーティー。大盛況でした。



11月28日(火) 人権教育法案、部落差別、常幹、役員会、NPO税制、農業共済等

今日は、9時50分法務理事会。10時から12時20分まで、法務委員会で、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律案」の質疑と採決をしました。民主党案も提出しているのですが、数には逆らえず、与党案が衆議院を通過してきており、竹村泰子さんが40分、この質疑をしました。法務大臣が、司法制度改革審議会の中間報告を首相に届けるのに立ち会うため、竹村さんの質疑中に中座するというので、質疑順序を入れ替えたり、細かな調整をしました。附帯決議の協議を質疑中に行い、まとまったものを党に持ち帰って了解を取り付けたりと、理事は結構忙しく走り回ります。

共産党の質疑は、法案に真っ向から反対。既に部落差別はなくなったという立場で、差別事象を取り上げて糾弾するのは怪しからんという論調です。糾弾に行き過ぎもあるでしょうが、結婚でも就職でも、差別は厳然として残っています。「部落」は、日本社会が歴史の中で作り上げた日本特有の差別構造です。人権問題を論ずるとき、部落差別に目を閉じるのでは、「総論賛成、各論反対」になってしまいます。質議を終わり、共産党だけが反対、他はすべて賛成で可決。私から附帯決議を提案し、賛成多数で議決しました。明日の本会議で可決成立の運びです。

10時からの常任幹事会に、遅れて出席しすぐに中座。1月の党大会の持ち方や参議院公認候補の決定などです。12時からの常任役員会に、遅れて出席。国会の最終段階になって、衆議院から法案が次々と送付されてきます。しかも、政府に自信がないため、与党の議員立法の形を取って出されるものもあります。「マンション維持管理適正化法案」は賛成、「原子力発電立地振興特措法案」は反対。しかしいずれもこの時期に送付されても、まともな質疑は出来ません。無理に成立させるのでは、参議院無用論に拍車をかけることになります。無理はしないことを決めました。

2時半から約2時間、NPO促進税制につき、民主党案の法制化のため、衆議院法制局と協議。いろいろむつかしい問題点を指摘され、議論しましたが、めどはついてきました。今週中には骨子が固まるでしょう。

6時から農業共済関係の予算要求に上京された皆さんとの懇親会。中山間地直接支払い制度に注目していることなどを話しました。7時過ぎ、北海道選挙区で公認の決まった小川勝也さんのパーティー。8時前、中野寛成さんの懇親会。

人権教育および人権啓発の推進に関する法律案に対する附帯決議



11月29日(水) 参院選、議会110年式典、本会議(人権、警察等)、憲法、勉強会

今日は、9時半から議員総会。約1時間、佐藤敬夫選対委員長から、参院選方針の報告を聞き、意見交換をしました。11時から「議会開設110年記念式典」。天皇、皇后両陛下をお呼びした儀式です。こういう時には、参議院の本会議場を使います。天皇の座席は、衆議院にはありません。House of Commonsには国王は入れないという、英国の考え方ですが、民主主義の基本でもあります。しかし、日本の参議院は、主権者である国民に選挙された機関ですから、英国流で行くなら、参議院でも天皇が来るのはおかしいのかも知れません。おかしいと言えば、国歌として「君が代」が吹奏されたことです。初めてのことでしょう。

11時45分、国対・理事合同会議。12時過ぎからの110年祝賀会は欠席。1時、緊急常任役員会。マンション法と原発法について、自民党が数にものを言わせて30日に委員会の質疑採決を強行しようという動きがあります。民主党としては、質疑時間も満足にとれないやり方は、参議院の自殺行為なので、絶対認めないという強い態度で臨むことを決めました。

2時、議員総会。2時半、本会議。人権教育啓発法案は、共産党だけの反対で可決成立。警察法改正案は、(1)国家公安委員会独自の監察機能がない、(2)独自の事務局がない、(3)国民の苦情窓口が狭い、(4)情報公開が不十分だと、浅尾慶一郎君が反対討論。しかし賛成多数で可決成立。農地法改正案、IT基本法案も同様です。国会法改正案などで、委員会再編をすることになりました。

3時15分から、憲法調査の海外視察団の勉強会。アメリカ大統領選挙のこれからの展開の話は、まだまだ奥が深く、面白かったですが、ややこしくて再録できません。ただ、国民の意向が、「ゴアさん、もうそろそろいいんじゃあない」となってくると、徹底的にとは行かなくなるのでしょう。3時45分、参議院憲法調査会の民主党委員の打合会。これまでの経過と今後の進め方につき、私から報告、了承されました。

6時、前原誠司さんのパーティー。6時20分、上杉光弘裁判官弾劾裁判所裁判長の招宴。7時、大学時代からの親友、大高英昭君の依頼で、10数人の勉強会で酒の肴になりました。加藤事件と最近の政局が話の中心ですが、経済や教育、政治と金についても議論。しっかりしろとの叱責も受け、楽しい会でした。



11月30日(木) 司法、法務委、慰安婦、憲法、役員会、原発、有害情報、死刑、本会議、NPO

今日は、8時から法務部会。法務省と最高裁の来年度予算要求の説明を聞き、質疑。民事法律扶助の予算要求額が、26億3千万円と増額しているのはいいことですが、少年保護関係はもっと思い切って要求すべきです。

9時から司法制度改革PT。司法制度改革審議会の「中間報告」の説明を聞き、質疑。法曹一元は、「給源の多様化・多元化」という表現、陪審制も「訴訟手続きへの新たな参加制度」という表現になって、いずれもぼやけています。法科大学校は、学校教育法に根拠を置くものとなっており、文部科学省の所管で、私たちの構想とは違います。これからが大切です。

9時40分から法務理事会。10時から法務委員会。請願は全会一致でないと採択しないため、法務、司法関係の人的物的充実を求める2種類だけしか、採択できませんでした。請願審査はいつも、会期末に短時間で済ましてしまうのを、何とか改めたいのですが…。結局、民主党が提出した夫婦別姓などを内容とする民法改正案は、法務委員会に付託されませんでした。

10時10分から、総務委員会で民主党提出の「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」の趣旨説明。従軍慰安婦のことで、委員会に付託されたのです。本岡昭次さんが10分程度の力作を朗読、竹村泰子さんと私が発議者として陪席しました。「アジア平和国民基金」の関係と運動が分かれており、難問です。

10時半、最高裁の家庭局長が挨拶に見えたので、「これから5年間が大切。少年保護の精神を堅持して、家裁関係者は頑張って欲しい」と、心からお願いしました。

11時半、ヤング・デモクラッツ(民主党ファンの学生たち)が30人ほど、衆議院の憲法調査会を傍聴した後、司法改革につき私に意見を聞きたいというので、20分ばかり話しました。途中で、山花郁夫さんにバトンタッチ。

12時から常任役員会。昨夜からのマンション法案と原発法案の動きをめぐって緊張しています。昨夜11時半、議院運営委員会の採決で、つまり数の力で、与党は両法案を委員会に付託することを決定。民主党は猛反発。しかし自民党は、今日の委員会で数の力で審議採決を強行するというのです。委員長解任決議などを連発しても、明日の午後12時まで引っ張るのは無理。そこで修正を求めたところ、自民党は応じ、まとまったのが午前3時過ぎ。ところが朝になり、民主党内が、「ばらまきはだめ」で、修正でも反対となり、修正協議に当たった当事者は面目丸つぶれ。さあどうする。

結局、「原発立地地域振興特措法案」は、修正でも民主党は反対することになりました。本会議では数の力で可決されます。そうすると衆議院に回付が必要ですが、明日が会期末なので、与党としては、今日、参議院本会議で議決しなければ元の木阿弥になります。そんなわけで明日に予定されていた本会議が、今日となりました。あおりを食って、「マンション管理適正化法案」も、3年後見直しの附則修正が入り、一緒に同じコースを辿って成立の運びとなりました。国会というところは、かくのごとく、一寸先のことはわかりません。

12時半、参議院憲法調査会運営検討委員会。来年からの進め方を協議し、(1)総論、(2)国民主権、統治構造、(3)基本的人権、(4)平和主義、安全保障の4テーマにつき検討を進める、通常国会では(2)から入っていき、ある程度深める、といった進め方にしました。

1時半、水島広子さんが「子ども有害情報からの子どもの保護に関する法律案」の相談。衆議院法制局との協議で、骨子がまとまってきました。子どもを主人公と考え、その保護責任者である親や地域社会が、子どもにとって有害な情報を子どもに触れさせないことが出来るよう、工夫をこらそうという制度設計で、良くできていると思います。子ども自身が主人公として、メディア・リテラシーを向上させることが出来るよう、何か知恵はないかと、アドバイスしました。

2時半、急遽法務省へ。午前中に行われた死刑執行に抗議しに、松尾事務次官に会いに行ったのです。死刑の是非もありますが、最後の法務委員会の終わるのを待って、国会開会中に執行するのは、ちょっと酷すぎます。国会は何の議論もできないのですから。

2時45分から議員総会。3時15分から本会議。「市町村合併特例法案」、「ヒトクローン法案」、「船舶検査法案」、「健保法、医療法改正案」、原発とマンション、NHKの決算を、可決。健保等については、小宮山洋子さんが堂々の反対討論。

7時過ぎ、「NPO・NGO支援税制を作る決起集会」で、民主党を代表して挨拶。民主党が一番律儀に、附帯決議どうり2年の期限内に間に合わせようと、税制支援策をまとめ、まもなく法案骨子が出来ることを報告し、公聴会を開いてご意見を伺うので、是非来て下さいと訴えました。

8時過ぎ、予算部会懇親会。盛り上がりました。今日はいささかくたびれました。


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