1999年9月11日

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<党代表選>自自公連立政権への対決姿勢 鮮明に
共同記者会見で3候補が強調


 3候補は届け出後、都内のホテルで共同記者会見し、自自公連立政権への対決姿勢を鮮明に打ち出すとともに、政権獲得の道筋や党運営、政策などについての考えを明らかにした。

 まず3候補は壇上で握手を交わした後、抱負を5分間ずつ表明。

 鳩山由紀夫候補は、「自民党中心の『総保守』化現象は、国や国民を守る本来の保守ではなく、選挙の体質や自民党を守る『保身』の構造になっている。私は『自立』をキーワードのもとで、新しい日本を力強く発進させたい。その力は民主党にしかない」と述べた。

 菅直人候補は、「今、政治にもベンチャー精神を持つ若い人たちが出てくることが必要だ。民主党は創業者精神を持つ政党として新しいものを目指して行くべきだ。未来に対して全く無責任な小渕政権に対し、未来にきちんと責任を持って福祉や経済改革問題に取り組みたい」と訴えた。

 横路孝弘候補は、「雇用と年金のふたつの問題にしっかりとしたセーフティネットを作ることが民主党の役割だ。競争と効率ばかりを追及する冷たい政治に対して、『あたたかい政府』を作る。その旗を立てることが対抗軸の一つだ」と述べ、3候補がそれぞれ自自公体制への対決姿勢を示した。

 質疑応答での「支持率低落傾向をどう分析するか」との問いに対し、鳩山候補は「党内の激論を避けようとして、党の考え・姿が見えにくくなってしまった。厳しくとも意思決定をきちんと見せることが重要だ」、菅候補は「国会で民主党の主張が通りにくくなったことへの失望があったが、情報公開法や公務員倫理法などの成果もあげている」、横路候補は「1年4ヶ月で政策の積み上げは十分してきたが、地域の人たちに伝わっていない」とそれぞれ指摘した。

 また、他の野党との選挙協力の可能性については、3候補とも「国会内での個別の政策協議はともかく、まず民主党の実力をつけ、主体性をはっきりさせることが先決」と口を揃えた。

 また、選挙後の党運営については、「代表選挙は党内のけんかではないので、その後互いに協力し合うのは当然」(鳩山候補)「一致した挙党態勢と迅速な意思決定の『結束と迅速』をかねた体制をつくる」(菅候補)「党運営のルールがまだ完全ではないので、150名の議員のチームプレイができる体制で、総選挙に備えたい」(横路候補)と答え、党の結束を強調した。

 鳩山候補が選挙前から述べている「憲法9条改正」についても質問が相次いだ。鳩山候補が「自衛隊が軍隊であることは世界の常識。解釈ですり抜けるのではなく、憲法そのもので厳密に規定することで、運用に歯止めをかけることが目的。国権主義的改憲論に対し、リベラルの憲法論を打ち出す時期が来ている」と説明したのに対し、横路候補は「今、民主党に対して憲法改正を期待されているとは思わない。憲法は国の理想であり、戦争の世紀だった20世紀の反省に立って、21世紀に向かって掲げる大きな目標だ。9条の解釈をめぐって積み上げてきた諸原則は、改正すればすべて根底から崩れてしまう」と反論。菅候補は「戦争の放棄は大事な理念であり、尊重しなければならないが、一言一句変えてはいけないと考える必要はない」との姿勢を示した。

 次期衆院選への取り組みと政権獲得への道筋については、鳩山候補が「次期衆院選で150議席以上を獲得し2年後の参院選での勝利を経て衆院の解散に追い込み、その上での単独政権を目指す」との考えを示した。菅、横路両候補は「野党第1党の役割は政権交代の可能性を示すこと」「衆院選は常に政権交代のチャンスであり、次の選挙も同じ」として、次期衆院選で政権交代を目指すべきとの考えを示し、見解が分かれた。

 「依然として党内融和が進んでいないが」との質問に対しては、横路候補が「寄り合い所帯との批判はあたらない。積み上げてきた政策議論を国民に伝える党の体裁を整えることが大事」としたのに対し、鳩山候補は「寄り合い所帯という批判に耳を傾けねばならない。昔を懐かしむ状況が完全に消えてはいない。友愛精神と互いへの尊敬の気持ちを持ちながら、旧党派の垣根を取り払って徹底議論を」と呼びかけた。また菅候補は、「この1年半で党内の一体感は深まってきた。次の衆院選で共に汗をかいて、同じ釜の飯を食えば、党の融和は一気に進む」と期待感を示した。

(民主党ホームページ・トピックスより)  

3候補推薦人一覧


1999年 9月11日

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