1988/11 五月会だより No.43 ホーム主張目次たより目次前へ次へ


空前の構造汚職に発展 
〈 江田・楢崎対談 〉 『巨悪は眠らせない』

いま、国民の関心はリクルート問題に集まっている。国会と司法の双方で真相究明が進められているリクルートコスモス社の松原弘・前社長室長が、贈賄容疑で東京地検に逮捕・起訴されたことで事件は新局面に発展、十一月十日には自民党は税制改革法案を単独で強行採決。そこで、江田五月代表と楢崎顧問に「リクルート問題の本質−見通し」などについて、対談してもらった。

リクルート疑惑は空前の構造汚職

江田 先生は予算委員会などでリクルート疑惑はロッキード事件以上の構造汚職だと追求されているわけですが…。

楢崎 リクルート疑惑は政界・官界・財界・マスコミまで巻き込んだ、空前の構造汚職です。ロッキード事件の場合は、航空機の機種の決定だけでしたが、今回は江副氏の公職就任・リクルートコスモスの土地買占め、「総合情報ネットワーク事業」の構築などさまざまな思惑がからんでいるわけですね。

江田 そこで株の形で「濡れ手に粟」の政治献金…。特に二次中曽根内閣の官僚がズラリ。内閣のかなめの藤波官房長官までとは! まさにリクルート内閣だったのですね。

疑惑の人が消費税を提案、

楢崎 その通り。確実に儲かる株を自分の金も使わずに特権的に入手し、莫大な売却益を得た。しかも税会は払わない。今まさに消費税という名の大型間接税を導入して国民に税負担を強いようとしている竹下首相、宮沢蔵相、安倍幹事長たちが、自分たちはのうのうと不公平税制で甘い汁を吸っていた。

江田 そういえば政府の税制調査会の第三部会の部会長代理は公文俊平東大教授、特別委員は江副氏でしたね。税制六法案の提出者は竹下首相と宮沢蔵相。まさに疑惑の人だらけ。

 先生は独自のルートで調べた株の譲渡リストを出されたわけですが、それに対して名前のでている国会議員は皆一様に「法には触れない」「秘書のやったこと」と弁明していますね。

自ら責任を明らかに

楢崎 同じ国会に身を置くものとして私自身、慙愧に耐えない思いです。国会では、昭和六十年に「政治倫理綱領」「行為規範」を議決し、国会法も改正しています。「政治倫理に反する事実があると疑惑をもたれた場合には、みずから真撃な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」と決議もしました。疑惑をもたれた政治家自身が責任の所在を明らかにする義務があるのです。

江田 ズバリお聞きします。リクルートコスモスの松原社長室長はなぜ先生に賄賂を贈ろうとしたのか…。

楢崎 最初はなぜ私だけが無理矢理に金を握らされようとしたのかわからなかったのですが、だんだんとわかってきました。私の要求する資料によって、リクルートの考える新しい事業計画がくつがえってしまう。スーパーコンピューターの時間貸しとデジタル回線のリセールですね。これはリクルートにとって政命傷になりかねない。

 私の調査資料は全部検察に渡してあります。やがてはっきりしてくるでしょうけれども、これは解明されたらひどく醜悪なものです。

ビデオはぎりぎりの自己防衛

江田 刑事訴訟法の二三九条に「公務員は犯罪があると思った場合告発をしなければならない」となっています。今度の場合でも本人が反省してくれれば、あえて告発することもなかったけれども、あれだけしつこくやられれば国会議員も公務員ですから、告発せざるをえません。

 りクリート側では「楢崎にハメられた」といっていますが…。

楢崎 私に対する接触が余りにも異常なので、これは私を陥れようとするワナではないかと悩みました。密室のことでしょう。しかも、現金ですから、置いて帰ったと言い張られたら、身の潔白を証明する手段がありません。友人の記者に相談をしたら、疑問の余地の無い証拠を残すべきだといわれました。あのビデオの隠し撮りは私にとってはぎりぎりの自己防衛だったわけです。

真相究明の壁 三〇〇議席

江田 私もそう思います。そこで今後の見通しですが、検察庁の捜査は松原逮捕により急転回ですが、車の両輪のもう一つである国会の動きはなかなかむづかしいですね。これまでも、国政調査権を駆使して、ゴルフでいえばカップ1センチ手前までは追い詰めることができたのに、最後のところでどうしても駄目な場合が多かった。真相究明には証人喚問や資料提出が必要ですが、これを自民党の圧倒的多数という壁がはばむからです。

楢崎 それと、公務員の守秘義務と会社の企業秘密の擁護。野党も、自分のところに累が及ぶのを恐れてか、及び腰ですが、庶民に負担増を求めている竹下首相や宮沢蔵相が、自らは税金のかからない大金を懐に入れてしゃあしゃあとしているのです。こんな「税制改革」を国民が許すでしょうか。

巨悪を眠らせるな

江田 同感ですね。リクルート疑惑を徹底的に解明することが、政府の「税制改革」の庶民泣かせという本質を明らかにすることになるのです。だからリクルート先議と言っているのであって、野党も自らを浄化する覚悟が必要ですね。何しろ自民党にとってはこれを解明されることが一番つらいのです。

 国会法五十一条で、歳入法案の審議には国民の声を直接聞くという意味で、公聴会が義務づけられていますが、自民党はこれを逆手にとって、公聴会さえやれば、あとは実質審議なしで強行採決してもよいと解釈。そこで、税制特別委員会の公聴会日程の決定を強行した。あとは消費税導入を強行しようとするのは目に見えています。その阻止の為にも、もっと世論のバックアップが必要ですね。

楢崎 ぜひ応援していただきたい。それが又、故伊藤検察総長の「うしろで高イビキをかいている双巨悪を眠らせない」という言葉どおり、検査庁が捜査を進めることにもつながるのです。私も政治生命をかけて取り組んでいきます。

江田 政治不信に加えて司法不信が重なったら、民主主義は壊滅です。国民の疑惑解明の期待に一日も早く応えたいですね。本日はどうもありがとうございました。


子供たちの未来に江田提言 文教委員会で大活躍

家庭は男女で作るもの 文相に家庭科教習を促す

 十月二十一日の衆議院文教委員会において江田五月議員は一般質問に立ち、教科書の広域採択制度への疑問と家庭科の男女共修の実施などについて政府の見解を求めました。

 江田議員は、家庭や生活は男女にとって同じ比重で大切なものであり、男性も「家庭経済」や「家計簿」などの知識が必要な時代でもある、と強調。これに答える形で中島文部大臣も「学校教育は生涯学習の一環であるという認識から共修の必要性を認めうる」と、積極的な姿勢を示しました。さらに、昭和六十九年度からの高校での全面実施に向けて六十六年度からは中学でも準備を進めるべきだ、という江田議員の意見に添う方向を明らかにした。

インフルエンザ・ワクチンの学枚での接種に見直しを

 インフルエンザの集団接種は事故が起きやすく、その責任体制にも問題があると岡山市の実例をあげて質問。学校の授業カット、先生の責任の範囲、事故の処理など、学校を接種の現場にすることによる問題点の所在を当局に認識させました。

 この問題は、子供の生命をどう守るかという大事な内答を含むものとしてマスコミの注目を浴びました。(10/22山陽新聞。)


ことしも二人の東チモールの友がやってくる

 十月八、九日、岡山で「東チモールに自由を!全国協議会」が開催された。

 講師は、現代総研の貴島正道氏、参議院議員山田耕三郎氏、ジーン・イングリス女史、江田五月氏ら五名。

 七十数名の参加者に東チモールの人権侵害の実状報告、国際的な動き、日本政府の対インドネシア援助のありかたなど二時間以上にわたって説明し、参加者に東チモール人の救済を訴えた。

 江田議員が、この問題を岡山の人々に知らせて三年目、市民運動のグループもでき頑張っている。東チモールの友は今年も二人来て直接訴える。ぜひご参加を。(須崎・記)



どうぞよろしく 江田五月の東京秘書です

 皆様、はじめまして、そして御無沙汰しております。十月一日より東京事務所で秘書として働いております。岡山大学在学中に最初の衆議院選挙をお手伝いした時は、皆様に大変お世話になりました。

 東京事務所で一発奮起し、皆様の期待に応えたいとハリキッテいます。『東京の洋一』(姓が同じ為)をどうぞよろしくお願い申し上げます。江田洋一(二十八歳)

 利狂徒。これは何と読むのでしょうか。そうです、リクリートですね。

 利権すなわち金儲けに狂った人々。日本が、リクルートに汚染されてしまいました。行政のトップや政治家がうまい話にとぴついて、政治を私物化してしてしまう。その汚染が野党にまで及んでいたとしたら、事態はきわめて深刻です。

社会党の上田卓三代議士は疑いを掛けられること自体が不徳のいたすところと、早々と議員を辞職。こうなるといよいよ現総理、前総理、大蔵大臣、幹事長以下多数の幹部が疑惑を持たれている自民党の情無い姿がうきぼりになってきました。

このごに及んで「株を買うのは単なる『経済行為』だ。金儲けをしてどこが悪い」と開き直っている渡辺総務会長が次の次の総理総裁を狙うニューリーダーだというのですから、自民党に明日はありません。

にもかかわらず、自民党がこんなに駄目なら政権を野党に移そうという声が大きくならないのは残念です。いや、国民にとっても不幸だと言わざるを得ません。野党側に政権の受け皿が出来ていないことがその大きな原因であると思われます。

来年の参議院選での野党共闘すら実現できない現状では国民にますます失望を与えかねません。連合による幅広い支持の上に立った政策立案能力が求められています。野党こそ正念場です。連合の要を担う社民連の一つの顔であり、リクルート疑惑の核心に迫っている楢崎弥之助代議士が岡山にやって来ます。どんな話が聞けるのか、江田五月のシンポジウム&パーティが楽しみです。(Y)


編集後記

 時が過ぎていくのはなんと早いことか。昭和六十三年版最後の五月会だよりとなりました。
 昨年から「新党をつくろう」「新しい政治勢力を結集しよう」と訴えつづけました。しかし、各党のエゴイズムぱかり目につき苦労の連続。
 政治の夜明けを見つめる位置にいれば、おのずと小さな違いには目をつむり、大きな流れを大切にするはず。とひとり憤慨。次号は新年号。乞う、ご期待。〈ノブ〉


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