2002/05/30

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江田五月の国会レポート 第17号

終盤国会は重要法案が目白押し 解散総選挙はあるか?
鈴木宗男議員強制捜査へ  瀋陽亡命事件は外交失格

政治 経済 永田町の今
有事法案には反対 真の緊急事態法制を
個人情報保護法案と人権擁護法案
BSEと中小企業 ― 予算委集中審議で質問
東ティモール独立式典に参加
岡山トピックス
 3大選挙へ臨戦体制
 偲ぶ会・国政報告会・サポーター

◆終盤国会は重要法案が目白押し 解散総選挙はあるか?

通常国会の会期は6月19日までですが、重要法案がことごとく成立の見通しが立たず、会期延長か、解散か、波乱含みの展開になりました。政府提出の有事法制3法案、個人情報保護法案、人権擁護法案、健康保険法改正案、心神喪失者医療観察法案(触法精神障害者法案)、郵政関連4法案などは、内容も問題だらけでお粗末の上に、議論もきわめて不十分。政治倫理関連のあっせん利得処罰法改正案と政治資金規正法改正実は、野党の方針は決まっていますが、与党の方針が定まらず、法案提出もできていません。

この異常事態の原因は、小泉内閣の不支持率が支持率を上回って、政権の求心力が急速に低下したことと、与党の司令塔が不在で、法案や政治課題の優先度が決まらないためです。

政権発足後1年以上過ぎて、小泉改革のメッキもはげました。「改革」の言葉だけが踊って、実質的な改革は何一つ実現していません。一方でテロ対策や有事法制では、アメリカヘの無条件の協力を軽率にすすめ、シビリアンコントロールとは正反対の、国民やメディアを規制する法案を、官僚の言いなりになって提出しています。

小泉内閣では改革は実現できません。一刻も早く民主党中心の政権をつくらなければ日本は本当に沈没してしまいます。もちろん民主党は、国民のみなさんの信頼が得られるよう、必死の努力をしなければなりません。平成の世直し運動へのみなさんのご参加を、強くお願いします。


◆鈴木宗男議員強制捜査へ  瀋陽亡命事件は外交失格

5月23日、東京地検特捜部は、鈴木宗男衆議院議員の自宅や議員会館の事務所などを、公設秘書の政治資金規正法違反容疑で、家宅捜索しました。捜査当局の強い決意の表れでしょう。与党は、相も変わらず、辞職勧告決議案を本会議で採決することすら拒否しています。何故そこまでかばうのか、市民常識では到底理解できません。

秘書の名義貸しや秘書給与の流用の根絶と、秘書の勤務実態のルール化を実行し、処罰対象に私設秘書や家族を含めたあっせん利得処罰法の改正と、公共事業受注企業からの一定期間の寄付の禁止などを定める政治資金規正法改正を、今国会で実現しなければなりません。


中国・瀋陽の日本総領事館での亡命事件は、さまざまな問題を浮かび上がらせました。中国の武装警官が、日本の在外公館の不可侵権を犯したというのですが、事実をよく調べてみると、日本側が不可侵権をしっかりと主張していないところに問題がありそうです。さらに深刻なのは、外務省の官僚主義、事なかれ主義です。現場で自分の立場をはっきり主張せず、上司にはきちんとやったと嘘の報告。これに基づき抗議をしたのでは、日本は「空威張り」しただけに終わります。そのうえ小泉首相は、そのことを民主党に指摘されると、「民主党は自虐的だ」などと居直る始末です。これでは、日中関係を混迷させるだけで、主権を論ずる資格はありません。


政治 経済 永田町の今

◆有事法制3法案には反対 真の緊急事態法制をつくろう

後半国会の最大の焦点は有事法制3法案。特に問題なのは、武力攻撃事態対処法案です。武力攻撃事態(外部から武力攻撃が発生した場合、おそれのある場合、武力攻撃が予測されるに至った事態)に対して、政府は閣議決定で対処基本方針を定め(国会の承認が必要)、内閣総理大臣が大臣及び地方公共団体の長に指示でき、地方公共団体の長が従わない場合は、大臣を通じて実施させることができ、国民には協力への努力義務があり、協力により受けた損失には財政上の措置を講ずる、などが主たる内容です。

最大の問題は、「武力攻撃のおそれ」や「予測されるに至った事態」で、特に周辺事態法との関連で、たとえば朝鮮半島や台湾海峡でアメリカが先制攻撃を仕掛けた場合、日本が自動的に参戦する仕組みになりかねないところです。民主党はすでに3月に、テロや大規模災害にも対応できる「緊急事態法制の基本方針」を発表しています。真の緊急事態法制の実現のために、私の役割も大きいと思います。頑張ります。


◆個人情報保護法案と人権擁護法案

後半国会で、有事法制とならんで大きな問題となっているのが、個人情報保護法案と人権擁護法案。青少年社会環境対策基本法秦(未提出)とともに、メディア規制3法案とも言われています。個人情報保護も人権擁護も非常に大切なことですが、政府提出の法案はいずれも、それを官僚が権力的に行うことに最大の問題があります。最近の防衛庁事件でも明らかなように、行政自身による個人情報保護違反(民間には罰則があるが、行政には罰則がない)や人権侵害はたくさんあります。有事法制もそうですが、小泉内閣の政策は、シビリアンコントロールとは正反対の、官僚が国民をコントロールする姿勢が目立ちます。小泉内閣の危険な本質です。

民主党はじめ野党は、これらの法案に反対です。さらに私は、市民が主役の社会をつくるために、日本にも本格的なオンブズマン制度を導入すべきだと思います。


◆BSEと中小企業 ― 予算委集中審議で質問

参議院予算委員会の集中審議で2回質問しました。3月18日は財政・金融・雇用問題26日は食品安全と医療問題で、私は主として中小企業問題とBSE(いわゆる狂牛病)問題を取り上げました。

中小企業問題では、岡山県と石川県の中小企業再建支授制度(専門家の助言で経営改善計画をつくり、融資などで支援する)を見習うべきこと、民主党提案で中小企業家同友会などが署名運動をしている金融アセスメント法案や、私が提唱した地域企業再生法の導入が必要と質問しました。

BSE問題では、全頭検査の徹底が重要。BSE感染牛の肉を市場に出さないことと同時に、全ての死亡牛も含めた検査によって、感染牛を積極的に発見し、感染ルートを解明して日本からBSEを根絶すべきだと強調。感染牛が全て飲んでいた高崎の業者製造の代用乳の徹底調査と、畜産農家の所得補償を主張しました。


◆東ティモール独立式典に参加

5月17日から22日まで、東ティモールに行ってきました。5月20日の独立式典に参加するためです。日本から出席した国会議員は、政府代表の杉浦正健外務副大臣と私の2人だけでしたが、メガワティ・インドネシア大統領や国連のアナン事務総長、クリントン米前大統領など多くの各国要人が出席したすばらしい式典でした。

ご承知のように、私にとって東ティモール問題はライフワークの一つです。1986年に国連非植民地化委員会で意見を述べて以来、国会内で超党派の議員連盟「東ティモール問題を考える議員懇談会」をつくって、16年間一貫して取り組んできました。議員でいる間に、独立式典に参加する時代が来るとは思えない厳しい状況だっただけに、夢のような一日でした。

式典の翌日は、ノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ新外相と会談。これからの日本との外交関係について意見交換しました。今後とも東ティモールと国際人権のために全力を尽くします。


岡山トピックス

◆3大選挙へ臨戦体制

4月21日の江田五月会拡大幹事会で、3大選挙へ向けた江田五月会の再構築の議論をしました。2年後の私自身の参議院選挙、来年の統一地方選挙、2年以内に必ずある衆議院総選挙。この3大選挙に対する臨戦体制を早急につくらなければなりません。なかでも、政権交代に直結する総選挙の準備が、岡山では最も遅れていますが、近々のうちに、大きく前進させることができると思います(現在行われている民主党本郡の衆議院候補者公募で、岡山関係で、複数の合格者が生まれる可能性があります)。

来年の統一地方選挙は、現在は民主党一次公認の県議候補4名、岡山市議候補2名ですが、これは増やします。私自身の参議院選挙も、1名区選挙ですから、まさに正念場。これから2年間、全力投球で政務・党務に邁進すると同時に、県内全地域に出かけていって、みなさんの意見をうかがいます。


◆偲ぶ会・国政報告会・サポーター

5月11日、岡山市内のホテルで「江田三郎さん・光子さんを偲ぶ会」を開いていただきました。阿部昭吾さん、楢崎弥之助さんをはじめ県外からの参加者も含め、150名ほどの参加で、すばらしい会になりました。本当にありがとうございました。

5月25目と26日こは、岡山市内6ヶ所で、久しぶりに国政報告会を開きました。森本・姫井両県議、羽場・田原両岡山市議と一緒の報告会でした。参加者は多いところ、少ないところ、さまざまでしたが、国会終了後は、全県で積極抑こ開催していきたいと思います。

5月31日締切りの民主党サポーター募集にもご協力いただきました。ありがとうございました。9月の民主党代表選挙に一票を投ずることができます。2次募集もありますので、ぜひご参加を。6月1日の高知バス旅行も10台で行けそうです。ご協力感謝します。


2002/05/30

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