2000/03/17

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参院・予算委員会  《ドコモ問題に関する質問部分》

○江田五月君

 さて、ちょっと辛口になってまいりますが、午前中の角田委員の質問で私に大分振られているところがありますので、それをずっとやっていきたいと思いますが、角田委員が、近々、ドコモ株、石井康元さんですか、の未亡人の石井洋子さんが総理の秘書官であられる古川さんに民事訴訟を提起することになると聞いておるというお話がございましたが、つい先ほどファクスが届きまして、きょうの二時に提訴をする、三時から記者会見するという、そういう御連絡、これごらんになってもいいんですが、どういう感想を持たれますか。

○国務大臣(小渕恵三君) 私の秘書官がいわゆるこの株式取得につきまして、その石井さんから盗み取った、だまし取ったという大変なキャンペーンをされました。そのような事実はないということで刑事告訴をいたしまして、これから恐らくしっかりとしたものを、十分な捜査がなされるものだと思っております。

 実は、秘書官もそうですが、私もその石井さんはよく存じている方ですから、その石井さんの発言をもって週刊現代の泥棒あるいはだまし取ったという、そういう記事になっておることを考えると、本来言えばその記事に対して秘書官も、残念ですが、誣告罪といいますか、その事実関係をそうでないという意味であるいは民事訴訟を起こすべきだと考えたかもしれませんが、私は聞いてみて、それは長い間私の支持もしてくれた方ですから、そうしたことについて、この問題についてあえてその石井さんに対しての裁判を引き起こすようなことは差し控えておってもいいんじゃないかという感じをいたしておりましたから、私もそれはそれで結構だろうと言われました。しかし、今日、そういうふうに正式に御提起されれば、これまた当然その黒白といいますか、真実が争われることになると思います。

 したがって、今後、私の秘書官が提起しております刑事事件としてのこの告訴と、そのもとになった方の言い分といいますか民事訴訟と相ともに、最終的には裁判制度の中で御判断をいただければこれはいいと思いますが、心情といたしますと、これは長い間私の後援会の婦人部の一員として御苦労された方ですから、そういう形で相争うというようなことがない形で決着ができればと思いましたが、あえてそういうふうな手段になられるということであれば、これは整々と裁判制度の中で判断をしていくということになるのではないかと、依頼者から私は聞いておりませんが、そのように考えております。

○江田五月君 総理の秘書官が行った告訴というのは、これは名誉毀損という告訴ですよね。今、石井未亡人が提訴をしようという民事訴訟、これはこの「御連絡」という紙によると、NTTドコモ株の引き渡しの請求、つまり古川さん、あなたが持っているのはこちらへ引き渡しなさいよと、同時にNTTドコモに対する、これは会社に対する株主の地位の確認、自分の方が株主ですよという確認を求める。そういう話で、別にだまし取ったとか窃盗だとかそういう話じゃなくて、どっちが株主ですかという確認の話ですから、大分側面は違うんですが、いずれにしても小渕ファミリーの内紛でちょっとお気の毒にとは思いますが、何かおっしゃりたいですか。

○国務大臣(小渕恵三君) いや、関係ないわけないでしょう。だって、その私の秘書官が盗み取った、だまし取ったと言われることで、そうではないという趣旨で刑事告訴をいたしておるわけですから。

 そのよって来るところは、そのお方が自分の所有権を明らかにしたいという裁判を提起されておるんだろうと思いますから、秘書官としては、正式に手続を経て、そして頼まれてこれを取得したという事実関係を明らかにしなければ本人の名誉毀損も成り立たないわけですから、そういう意味では、関係は私はあるものと思いますが。

○江田五月君 私、言ったのは、側面が違いますよという話だけで。

 それで、いずれにしても、石井未亡人から古川さんへ株式の権利が正当に移ったかどうかについては、先ほども話のあった株主の名義の書きかえの承認を求める申請書と、それからその取締役会の議決の書面、これが出てくればそこのところは明らかになるわけで、これは総理、晴らされたらいかがですか、そこのところは。書面をお出しになったら。

○国務大臣(小渕恵三君) ですから、それは今告訴いたしまして、十分そのことも捜査の中で明らかになると思いますが、しばしば申し上げておりますように、本人は、もし必要とあれば、それを証明するものについて国政調査権のもとにおいて本院で要求されればそれはお出しすることについてはやぶさかでないと、こう申し上げておるわけでございまして、私が私の疑念を晴らすという意味で申し上げて出すべきものではないと思いますが、もしそういうことであれば、そのことはお伝えいたします。

○江田五月君 そうすると、これは既に資料要求を我が党がしておりまして、理事会での議論のときに、小渕総理、自民党総裁として、この点については前向きに対応するようにという、そういう指示をされますか。

○国務大臣(小渕恵三君) 私も、どういうものがどういうふうにあるのか存じませんけれども、江田委員は御専門家ですから、何と何が必要ということでありますればお伝えいたします。

○江田五月君 これは要求してありますよね。その要求してある書面ですので伝えてください。

 今はっきりさせてくれればお伝えしますと言われたんですから、もうはっきりしているわけですから、どうぞ、伝えますとおっしゃってください。

○国務大臣(小渕恵三君) 予算委員会における資料提出は委員会において御検討いただきたいと存じます。

○江田五月君 あなた、先ほど自民党総裁として、それはこういう書面が必要なんだと明確にすれば出すように伝えるという、そういう趣旨のように私は聞いたんですがね。

○国務大臣(小渕恵三君) ちょっと確かめてみないとわかりませんが、衆議院の予算委員会に資料要求が出ておると思いますので、それに対して衆議院側でも御議論いただいているんだろうと思います。参議院においても御議論いただければ本人として対処すると思います。

○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。

○国務大臣(小渕恵三君) 本人によく伝えます。

○江田五月君 本人というのは古川さんのことですか。
 先ほど私は、自民党総裁として、理事会の中で協議をするわけですから、その理事会の自民党所属の方に伝えてくれと、こう言ったつもりです。

○国務大臣(小渕恵三君) ということで江田委員がお考えになっておるとすれば、それは私はそういうふうに受けとめませんでしたので、改めて今申し上げました。本人にお伝えいたします。

○江田五月君 じゃ、再度お願いします。同じこと、自民党総裁として理事会の自民党メンバーにもそれに応ずるようにとお伝えください。(「要望として」と呼ぶ者あり)

○国務大臣(小渕恵三君) いや、要望としても、伝えるか伝えないか、そんな権限は私にはないと思います。

○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。

○江田五月君 これは大変遺憾に思います。
 後で会議録をよく精査をしていただければよろしいが、私は、総理は、江田委員は法律の専門家だからどういう書面があるかよく御存じだろうから、それをはっきりさせてくれれば要望のように伝えますと、こう答えたように伺いましたがね。(「後で速記を」と呼ぶ者あり)

 委員長、後でその点は明確に理事会で計らっていただくようにお願いをいたします。

○委員長(倉田寛之君) ただいまの江田五月君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたします。

○江田五月君 今急にドコモのことに入っちゃったんですが、これはまたちょっと後でやることにして、その前に警察問題をちょっと聞いておきたい。

(警察問題部分省略)

○江田五月君

 小渕総理、お聞きのように、法律でぴしっと決まっていることもちゃんと守らず、それを守らないことについて、ああ言えば上祐じゃないけれども、ああだこうだああだこうだとこうおっしゃって、そしていよいよ詰められたら、これは一般論でございましてという、そういう、何といいますかけじめのなさなんですよ。

 そこで、小渕総理、あなたに聞きます。
 古川秘書官は官吏服務紀律に違反していたんじゃありませんか。

○国務大臣(小渕恵三君) 古川秘書官が民間企業の役員を兼職していた事実については、二月十七日に秘書官本人から報告を受けました。本人は、同日、直ちに企業の役員を辞職する手続をとったと聞いております。

 本件の事実関係としては、古川秘書官が当該民間企業の設立当時、すなわち昭和五十四年三月、高校時代の知人から頼まれて取締役に就任いたしました。以降、秘書官は経営にもかかわらず、携わっておらず、無報酬であり、会社側からも取締役会、株主総会等の通知が一切なかったため、総理大臣秘書官に就任した際、民間企業の役員を辞職する手続をとったが、同社については役員を務めている認識がなくその手続を失念していたとのことでありました。

 古川秘書官から、今回の経緯については全く不注意であり、御迷惑をかけ、深く反省をしておる、直ちに同社の取締役を辞職する手続を講じた旨がありました。

 自分としては、古川秘書官に対し、服務紀律に反した行為であり大変遺憾である、今後みずからを厳しく律するよう心してほしい旨、厳重に注意いたしたところであります。

○江田五月君 総理、リクルート事件後の「官庁綱紀の粛正について」という閣議決定、これは御存じですね、あなた、官房長官だったんですから。

○国務大臣(小渕恵三君) 承知いたしております。

○江田五月君 その中に書いてあること、これは守るつもりあるんですか、ないんですか。

○国務大臣(小渕恵三君) それは遵守すべきものと考えております。

○江田五月君 もう時間がなくて、これ読み上げたいところなんですが、今のそんなことで、これでここへ書いてあるとおりになるんですか。

 服務紀律の確保をしっかりと図らなきゃだめなんだ、部下を十分監督しろとか、直ちに実情を調査し厳正な措置をとると。今のそれで厳正な措置ですか。官吏服務紀律には残念ながら懲戒の規定も何もないんです。任命権者が厳正な措置をとる以外にないんです。なぜ厳正な措置をとられないんですか。

○国務大臣(小渕恵三君) 今お話しの官吏服務紀律、明治二十年制定の勅令によりまして、上司の許可をとらなければ営利企業の役員になれないとの規定がありますが、この勅令に違反したときの罰則や処分の定めはありません。が、しかし、今お話しのように、紀律をしっかり守らなきゃならぬということにつきまして、本人もそうした形で承知をしておりませんでした。したがって、その点については重々注意をいたしまして、厳重注意をいたしたということでございます。

○江田五月君 総理、あなたが身内にそれほど甘い態度をとるから、全部身内に対して甘い態度になってしまう。そして、日本じゅうが今腐りつつある。これじゃ困る。本当に困る。

 ドコモに移ります。
 あなたは、古川さんとか石井さんとか、あるいはあなたのお兄さん、光平さんとか、この上毛通信の株、これをお持ちだということはいつ承知されましたか。

○国務大臣(小渕恵三君) たしか本院でこの問題をお取り上げいただきまして、よく調べるようにということでございましたので、そのときに承知をいたしました。

○江田五月君 だけれども、これはあなた方は全く否定するのかもしれませんが、石井さんは、総理というか、もちろん当時は総理じゃなかったわけですが、小渕さんから分けてもらったんだといって大変喜んでいたという話なんですよ。

○国務大臣(小渕恵三君) ですから、先ほど来、民事告訴をされたと言われることをよくぞ江田委員も御調査をされて御存じですが、そういうお考えがあるということと、私の秘書官が刑事告訴をいたしまして、すべてそのことについて告訴状に記されておりますので、私としてはその告訴状をそのままに理解し、そしてそれを認める、そうであろうということでございまして、必要であれば告訴状の今の時点についての内容はお話しいたしますが、私としては、秘書官がそのように告訴をし、しかも刑事的にこの問題について決着をし黒白をつけてもらいたいということについての発言を、これを私が長い間信頼して協力してもらった立場でございますので、そのようにいたしました。

 したがって、石井さんの御発言は、それは江田委員も民事告訴の状況を全部お調べになってお話ししているんだと思いますが、そこに話そのものが相違をされれば、先ほど申し上げましたように、結論的には、最終的に司法の判断をいただく以外にない、こういうことだと思います。

○江田五月君 あなたは自分が疑惑を持たれているということを否定されますが、疑惑というのは自分が持つんじゃないんですよ、人が持つんですよね。自分が疑惑を持ったらこれは大変なことで、人が疑惑を持つ。週刊誌にも書いてある。我々も、週刊誌は別としても、国会でもいろいろこれだけ議論をする。人に疑惑を持たれているという状態にあるという、そうは思われませんか。

○国務大臣(小渕恵三君) 週刊誌に疑惑疑惑と書いてありましたから、それは週刊誌はそういう疑惑を持っていたかもしれません。しかし、いやしくも国会で江田委員のように良識を持って総理大臣に対して責任を持って質問する以上は、いかなるものをもって疑惑ということについて適正にお話しいただきませんと、軽々に、私が週刊誌に書かれておるから全部そのことを疑惑を明らかにしろと言われてもできかねるわけです。

 御存じのように、ないと信じておりますから、ないものをないということを証明することは悪魔の証明であることでなかなか難しゅうございますから、あるとすればどういう点であるかということをお話しいただきたいと思います。

 それから、江田委員も二月十六日に外人記者クラブで御発言をされております。大変興味のあることで、私の手元に届きましたが、結果的にいろいろ外人記者から尋ねられて、この疑念、疑問だということについて、政治家が秘書が秘書がと逃げてきたということを言っておられますが、私は全然逃げているつもりはないです。本人が言われたことを信頼しておりますから、秘書がやったことだというようなことを言うつもりはさらさらありません。

 それから、最終的結論は、要するに疑惑疑惑と何と言っておったかといったら、そういう株を持っていることがスキャンダルだと思いますというのが江田さんが記者会見で申されたことでございまして、私は、そういう意味でどういう点が疑惑なのかということを明らかにしていただければ、その点について誠意を持ってお答えを申し上げたいと、こう思っております。

○江田五月君 これなんですが、(図表掲示)一応つくってきたんですが、もう時間がないので急ぎますけれども、小渕さんがだんだん偉くなっていく過程をこちらへ書いてあります。三十八年の当選、私の父と一緒なんですね、たまたま。そして郵政政務次官、その直後に上毛通信サービスという会社ができているんですね。そして、この上毛通信サービスが五社、他の四社と一緒になって、ここで中央移動通信という会社になっている、そのときにあなたは官房長官。そして、この平成二年に電気通信審議会の答申がある翌年にその基本的枠組みができている、そのときにあなたは自由民主党の電気通信問題調査会の会長。そして、いよいよ最後にドコモとこの中央移動通信とが合併、そのときはあなたはこの会長からあるいは外務大臣、この辺の要職をされているわけですよ。

 ずっとあなたがついている役職と、そしてこの会社が移っていく過程、最初は多分木の葉だったでしょう、その上毛通信サービスという株が。それがいつの間にか、ここで小判になって最後は金のしゃちほこになる。それに全部あなたの政治力が絡んでいるという、そういう疑惑なんです。

○国務大臣(小渕恵三君) いやしくも国会議員とされて尊敬する江田委員でございますけれども、しからばそれの因果関係というのをどう言うんですか。

 私の経歴を私は全然否定しませんが、それと今回の問題とどのように関係しているかということを立証していただきませんと説明のしようがないでしょう、これは本当に。

○江田五月君 最後に、平成三年に受託会社とそれからNTTの移動通信のドコモとは一体化させるということが書いてあるんですね。その一体化の中身は何であったかというのはその当時決まっていなかったんだけれども、最後は、営業譲渡などでなくて合併ということに決まる。そこが、この小判が金のしゃちほこに化ける、そのかぎなんですよ。そこは政治決定じゃありませんか。あなたは電気通信調査会会長ですから、かんでいるんじゃありませんか、そこに。

○国務大臣(小渕恵三君) 断言いたしますが、そんなことに関与しておるつもりはありません。

 もし必要とありますれば、それは、そのときの経緯はずっと恐らく郵政省で、合併から始まりましてその後の対応についてはあるんだろうと思いますが、明らかにされることがまた必要とありますれば、それはまたその筋から御答弁させていただきます。

○江田五月君 郵政省にいろいろ聞いても、古いことだからわからぬと言うんです。当時関与している人でなきゃわからない。それはあなたなんですよ。だから、あなたはみずからの疑惑を解明する責任があるんです。我々は、別に疑惑を持たれた総理大臣がいることがうれしいわけじゃないんですよ。ぜひあなたに解明してほしいんですよ、きっちりと。いいですか。

 あなたは人柄の小渕さんで、私も人柄の小渕を、どう言いますか好きな方ですけれども、だけれども、どうも人柄の小渕がどこか行っちゃったんじゃないか。(図表掲示)「君はオレを追い落とそうとしたじゃないか」というような加藤さんに、「世界一の借金王」、「隣の家に蔵が建つと自分に腹が立つ」、「死人に口なし」、「運が悪かった」、これで富国有徳ですか。ぱっとこうめくってみましょう。これは「亡国有得」となるんですよ、ここをこうめくれば、こういうふうに。

 こういうことなんで、これはやっぱりサミットの議長はあなたじゃ困るということで、私の質問を終わります。


2000/03/17

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