1998/09/10

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参院・金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 参考人質疑

   参考人
株式会社日本長期信用銀行取締役頭取  大野木克信君
株式会社日本リース代表取締役社長    岡本 弘昭君
日本ランディック株式会社代表取締役社長 木村榮二郎君
エヌイーディー株式会社前代表取締役社長 中島 省吾君

○金融問題及び経済活性化に関する調査
 (日本長期信用銀行等の不良債権問題に関する件)


○江田五月君 民主党・新緑風会の江田五月です。参考人の皆さん、きょうは大変御苦労さまでございます。

 自民党のお二人の方の質疑でもあれほど厳しいんですよね。これは本当に今やっぱり国民みんなが許せないという思いを持っているんですよ。ですから、与党の方でもどうしてもああいう質問になってくるんですね。
 
 私は、もうかれこれ二十年近く、毎週月曜日の朝に、私の選挙区は岡山ですけれども、岡山の駅前で街頭演説をして、それから東京へ出てくるんです。この月曜日も街頭演説したんですけれども、車の上でやっていましたら、下で私のスタッフに対して初老の紳士が何か一生懸命どなっているんですよ。街頭演説をうるさいと言ってどなっているのかと思って、申しわけないなと思って下へおりたら違うんですよ。長銀を死刑にしろと一生懸命どなっているんです。私は死刑廃止論者だと言ったら、じゃ無期懲役にしろと。いや、本当にこれは笑い事じゃないので、庶民の怒り、国民の疑問、そういうものが今皆さんに向けられているということなんです。
 
 大野木参考人、あなた自身の報酬やあるいはこれからおやめになるときの退職金のことや、あるいはこれまでの役員の方の退職金のことを今お話しになりましたね。与党の方からの鋭い質問があったんですが、それならば、自民党に対する政治献金もひとつ返してくれ、そのくらいのことをおっしゃったらどうかと思いますが、おっしゃいましたか。
 
○参考人(大野木克信君) 従来、政治資金規正法の範囲の中で応分のことをさせていただいていたわけでございますが、少なくとも、こういう情勢でございますので、今年度につきましては御遠慮申し上げるということを今考えております。

○江田五月君 また何か債権者と債務者といいますか、こちらとあちら、何か混同して、御遠慮申し上げるという話はないと思うんですがね。ちょっと嫌みな質問をして申しわけありませんが、つまり自民党の皆さんが幾ら鋭い質問をしてもそういう関係があるんですよ、国民はそこを忘れていないんですよということを申し上げたわけです。

 私はきょうの質疑のあり方について一言ぜひ遺憾の意を表明しておきたいと思うんです。いろいろあったんですけれども、今は皆さんもう合併を前提にしてお話をしておられるようですが、だけれども、本当に住友信託と合併できるのかどうかというのも、これも実は大変な問題だと思っておるんです。高橋社長にぜひ参考人で来ていただきたかったんですが、そしてまた同時に今の皆さんのそのお答えの表情、口調、そこまで含めて国民の皆さんにぜひ逐一テレビで見ていただきたかったんですが、そういう国民の知る権利というものをテレビの放映という形で実現できなかったというのは、私どもも含めてこれは力不足で反省をしておりますが、ぜひ今後この点は委員長におかれても努力をしていただきたいと思っております。
 
 さて、今私ども民主党・新緑風会も、何か最近の政府・与党の長銀に公的資金を新たに注入していくんだと、これを容認したとか合意したとか黙認したとかいろんな報道がされておりますが、そんなことは全くないんです。政府がみずからの責任で長銀に再度公的資金を投入すること、これは政府がおやりになると言っているんですから、どうするのか知りませんが、それが可能であるのかどうか、あるいはそのことによって本当にこの危機が打開できるのかどうか、私たちはそのことも疑問に思っておりますが、決して容認とか黙認とかはしていない。
 
 むしろ、これは反対であって許せないと思っておるので、昨日も私どもの緊急金融経済対策本部事務局長の伊藤英成さんの名前で長銀についての資本注入については反対である、容認、黙認したりするものではないという談話を出しておりますので、このことはここでまず明確に申し上げておきたい。
 
 そうではなくて、私たちは、大変申しわけないけれども、長銀は実質破綻状態にある、そのような長銀に十三兆の枠の中から公的資金を投入することはあってはならない、そのやり方は問題の抜本的処理を先送りするものでしかないと考えていまして、そうではなくて野党三会派提出の金融四法案をベースにしたスキームの中で、長銀問題を抜本的に処理することが我が国の金融システムの再生のために最もよい方法だと考えておるんですが、前置きはちょっとそのくらいにしまして、大野木頭取に伺います。
 
 宮澤大蔵大臣は国会答弁の中で、公的資金の投入がなければ長銀は破綻するんだ、こう言われておるんです。まあ言葉はいいですが、例えば八月二十七日の衆議院の金融特で、「ここで長銀から公的資金の導入の申請があって、それをしなければ恐らく長銀というのはそこで破綻をいたさざるを得ないと思います、」、そういう言い方をされておられますが、これは大野木さんはどういうふうにお考えになりますか。

○参考人(大野木克信君) お答えいたします。
 今回の合理化策をいたしますと一応自己資本が予定どおりでございますと千五百七十億ぐらいになるということでございまして、これはある意味ではかなりの過少資本という形になります。この資本金、このレベルで今後三月に向けて業務運営していくということは、精いっぱい努力をしたいと思っておりますけれども、やはり確かに運営は苦しい運営をしなくてはいけないことになるのではないかと、その辺のことをおっしゃったのかなというふうな感がいたしております。

○江田五月君 もう少しはっきりとお答えをここはいただきたい。なかなか答えづらいところだろうとは思いますけれども。

 数字がいろいろあるんですけれども、数字の見方あるいは置き方。皆さん方からすれば、銀行が実際まだ生きている、動いている。動いているときの数字とそれからもうとまってしまったときの数字とはおのずと数字の置き方が違うから、だから、例えば株式にしても原価法と低価法がある。生きているときにもうとまってしまったときの計算の仕方の数字を置かれても困りますよと。だから、生きているときの数字を置けばこうなるんですよというそういうおっしゃり方で一生懸命数字を挙げてここまであるから大丈夫だとおっしゃるんですが、しかし、宮澤大蔵大臣は資本注入をしないと破綻するんだと言っているわけですよ。

 それは、経営が苦しくなるということをそういう言い方でおっしゃったんだと思うということなんですか。それともそうじゃなくて、もうそこまで来てしまったらマーケットは見捨てる、そして、そうするととまった状態になる、そのときにとまった状態の数字を置いたらこれはもう債務超過になってしまう、そのことを宮澤さんは言っているんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。

○参考人(大野木克信君) 今回の結果、やっぱりゴーイングコンサーンとしてかなり過少資本になるということだと思います。この過少資本で乗り切れるかどうかということがポイントだと思います。我々としては、やはりそこに公的資金を注入していただいて、そして合併にこぎつけていきたいということでお願いしているということでございます。
 そういう状況にあるということで御理解いただければと思います。

○江田五月君 あなたにとっては銀行の破綻という言葉はどういう意味にとらえられますか。

○参考人(大野木克信君) 今の資本の状況からいきますと、やはり破綻という、これはもう本当に仮定の話ですからお答えしにくいわけですけれども、やはり銀行としての支払い機能といったものができなくなる状況を破綻というということだろうと思います。
 そんなことでよろしゅうございますか。

○江田五月君 いや、よろしいかよろしくないかと私に聞かれても困るんだけれども。
 まあ認定破綻とかあるいは申請破綻とかあるいは資金繰り破綻とか、債務超過になる、債務超過のおそれがある、あるいは債務超過になっていなくても資金繰りができなくて支払い停止になる、いろんな場合があるんでしょうが、破綻というのはもうそんなに漠然とした言葉じゃないんですね。どうも経営がなかなか苦しいとかいう話じゃなくて、そう漠然とした言葉じゃない。そのはっきりした言葉を宮澤大蔵大臣はおっしゃっているんですよ。

 そうじゃないんだと言うんだったら、なぜ一体大蔵大臣に抗議とかなんとかされないんですか。

○参考人(大野木克信君) 私どもとしては、やっぱり破綻ということはこれはもう絶対に避けなくてはいけないことでございますし、そのためにいろんな意味で努力をしているということでございます。そういう意味で、私どもの懸命な努力といったものをぜひ御理解いただければということで、御勘弁いただければと思います。

○江田五月君 いや、苦しい気持ちはよくわかります。わかりますけれども、資本注入というのは国民の金なんですよ。どこか、だれかに民間ベースでお金を融通してもらうという話じゃないんですよ。したがって、国民に明確にそこは説明をしなきゃいけない、国民の納得を得なきゃいけない。

 今の金融安定化法で十三兆用意してある、そのお金から資本注入をするという、これは破綻した金融機関にはできないんですよ。そして、宮澤さんはもう資本注入しなきゃ破綻すると言っているんです。それで、あなた方はこれから資本注入の申請をされるんですよね。

 これ、違法な申請をされるという認識はあるのかないのか。

○参考人(大野木克信君) お答えいたします。
 私ども、今度の公的資本の申請でございますけれども、やはり基本的には、破綻ということではなくて、「審査基準」の健全銀行に対する審査基準の二の一と申しますか、「申請金融機関等が内外の金融市場において資金の調達をすることが極めて困難な状況に至ることとなる等により、我が国における金融の機能に著しい障害が生ずるおそれがある場合」、このことでございます。先ほど来資本が過少になっていろいろと業務の運営に苦労していると申しましたのは、このところを言いたかったということです。

○江田五月君 そういうものを読んでいただいても、もうよくわかっているんです。それはどうでもいい。どうでもいいと言うといけませんけれども。そういうことじゃないんですよ。

 あなた、三月に千七百六十六億資本注入を受けましたね。そのときにお出しになった「経営の健全性の確保のための計画」、いわゆる健全化計画、これはもちろん頭取ですからお読みになってお出しになったんでしょうね。

○参考人(大野木克信君) もちろん読みまして提出いたしました。

○江田五月君 読まれて、これはこのとおりだとお思いになりましたか。それとも、いや上手に書いているなということですか、どうですか。

○参考人(大野木克信君) 提出した時点では、まさに私ども、何と申しますか、真実を語り、それについての厳正な御審査を受けたということでございます。

○江田五月君 私どもは、それは上手にいいところだけをとらえたらここまでなるほど言えるのかなということかと思いますが、随分いいことばかり書いていまして、何かもうトップクラスの銀行だと。しかし、今考えてみると、もうこのときから実態はこんなものではなかったんじゃないか、そして金融危機管理審査委員会の審査も実におざなりだったんじゃないか。そういうこともこれからちゃんと追及をしていかなきゃならぬと思っておるんですが、書かれていることと当時の実態とのこの落差、これを考えれば、今あなたがおっしゃっていること、今の長銀の実態とこれも相当開きがある、こう断ぜざるを得ないんです。国民は皆そのことを見ているし、マーケットも見ているんだと思いますよ、それははっきりと。

 一つ二つ具体的なことをお伺いしたいですが、合併をされると、合併で住友信託の方は非分類の債権といいますか健全な債権しか引き受けないというようなことを言っているとか、そのあたりもこれから詰めなきゃいけませんが、金融債、これは住友信託の方は引き受けることになるんですか、ならないんですか。

○参考人(大野木克信君) 金融債業務につきましては、いわゆる合転法というのが、合併転換促進法でございましょうか、あの法律に基づきまして当分の間ということでございますが、これは事実上かなり長期間にわたって金融債発行業務は承継できるというふうに考えております。

○江田五月君 合併ということで住友信託が金融債発行業務あるいは既に出してある金融債も引き受けてその償還をしていくとか、そういう業務をやっていくと。しかし、住友信託は合併等と、こう常に言っていまして、全部そういうものも含めて合併で引き受けるかどうかということは、実は余りはっきり言っていないんじゃないかという気もするんです。

 いずれにしてもその金融債ですが、これは預金保険法によって保険の中で保障されているという認識ですか、そうではないんですか。

○参考人(大野木克信君) 厳密な預金保険法の対象、私詳しくは、言葉が正確じゃないかもしれませんけれども、千万円までは保護する、こういうのがございましたと思います。それじゃなくて、預金法の改正で附則がございまして、たしか二〇〇一年までのペイオフというものについての特則みたいなものがあったと思うのでございます、そこの対象ではないかというふうに考えておりますが。

○江田五月君 もう一つ、金融債については保険料はお払いになっていますか、なっていないんですか。

○参考人(大野木克信君) 金融債については払っておりません。

○江田五月君 保険料を払っていないものが保険でカバーされるというのは常識だと思いますか。

○参考人(大野木克信君) お答え申し上げます。
 あくまでこれは二〇〇一年までの特則で、千万円を超えるものまでもカバーするとか、そういうものの範疇ではないかと理解しておりますが。

○江田五月君 保険でカバーされるものは、保険料を払っていてそれでカバーされる。それで足りないところはどうするこうするという手当てはするんですけれども、あなたが今おっしゃっている預金保険法の附則十六条というのは資金援助というものであって、これは金融機関が破綻して、そして破綻金融機関と救済金融機関が合併する、そういうときに足らざるところをそれこそ国民のお金で資金援助をして何とか救済していこう、そういう規定で、そこでは確かに金融債もカバーされると。しかし、それはそういうケースを想定しているんですね。

 ところが、あなた方がお出しになったこの新聞の広告、ここにあるんですけれどもごらんになりますか。いいですか委員長、ちょっと見せて。(資料を示す)

○委員長(坂野重信君) どうぞ。

○江田五月君 これはコピーなんですけれども、ことしの六月二十三日にある新聞の朝刊で、「そしてワリチョー、年〇・六〇三%。」と非常に宣伝をされておるわけです。そこに「金融債も預金と同様に全額保護される仕組みができています。」と書いてあるんです。これは御存じですか。

○参考人(大野木克信君) 事後的にちょっと聞きましてチェックいたしました。

○江田五月君 合併の発表をされたのは六月二十六日ですか、この新聞広告が出ているのは二十三日なんですね。破綻して合併するというようなことになるときには確かに預金保険法附則の十六条、これが働くでしょうけれども、このときはまだそんなことを考えて、いたんですかね、ひょっとしたら。

○参考人(大野木克信君) たしか合併の発表時点でも申し上げたかと思いますが、二十六日に合併を検討するということで合意したと。その発表の一週間ぐらい前に正式に合併検討についての申し込みはいたしました。

○江田五月君 私が問題にしているのは、そうじゃなくて、金融債も預金と同様に全額保護される仕組みができていると、国民の皆さんにこういう広告をして、そしてワリチョー応募を求めておる。しかし、その仕組みというのはどういう仕組みだと。保険料を払ってちゃんと保護されるような、全然そういう仕組みじゃないんですよ。

 国民のお金もあなた方の経営の中で使っていくお金も、頭の中で一緒になっているんじゃないですか。

○参考人(大野木克信君) 確かに今の点は、預金保険法の附則の仕組みについての記載をしたつもりだったというふうに聞いておりますけれども、やはり不適切であったと思いまして、すぐその広告は取りやめにいたしました。申しわけございませんでした。

○江田五月君 不適切というよりも、もっと根本的な何か頭の切りかえをしていただかなきゃならぬという問題だと私は思うんです。

 さらに、日本ランディックは長銀からの債務が今年の三月から七月にかけて随分ふえていますね。(パネルを示す)三月が八百二十九億円から七月には一千六十三億、二百三十四億もふえている。これは、日本ランディック、木村さん、どうしてですか。

○参考人(木村榮二郎君) お答え申し上げます。
 私、先ほど申し上げましたように、我が社の資金でございますが、他行約四十行、農林系統の単位の共済を入れますと八十行になるわけでございますが、借り入れておりまして、そういう他のお取引金融機関からの、相当こういう、我が業界は不動産業界ということもありますし、また長銀の信用力の問題もございまして、返済の御要請を非常に強く受けまして、そのあたりの資金を長銀に依頼いたしまして貸し出しを受けたものでございます。
 以上でございます。

○江田五月君 そういうことなんですね。
 大野木さん、既に八百二十九億も貸している日本ランディックに、これはどうなんですか、どんどん追い貸ししていけばそのうち日本ランディックが立ち直ると思ってわずか四カ月で二百三十四億も追い貸しをしたということなんですかね。

○参考人(大野木克信君) その時点でランディックに今御指摘のございました融資をしない場合には、やはりランディックの資金繰り倒産といったものが予想されたものでございますので、やはりそういう意味で支援したということでございます。

○江田五月君 いや、これはここ一つだけなんで、私はほかにもいっぱいそういうことがあるんだと思うんですが、この一つを例にとってみても、けさの朝日新聞だと、頭取代行ですか、鈴木恒男さんが登場しておられて、そこでも、他の金融機関が融資を引き揚げたり、担保を積み増すなどして、資金調達が困難になったからだと。

 つまり、どういうことかというと、日本ランディックがいっぱいいろんな銀行から、あるいは銀行だけじゃないでしょう、さまざまな金融機関からお金を借りていらっしゃる、今何行かおっしゃいましたね。そういうほかの金融機関の債務を長銀が肩がわりしているんですね。そういうことになるんでしょう。どんどん幾らでも長銀はほかの金融機関の債務を肩がわりして自分のところで全部抱えて、そして債権放棄、そして国民の税金をつぎ込む。それはわかっていらっしゃったんですか、どうなんですか。

○参考人(大野木克信君) やはりその時点におきましては、ランディックから資金繰りが非常に苦しいということで、やはりメーンバンクとしてここは助けなくちゃいけないということで融資をしたということでございます。

○江田五月君 いやいや、それは通り一遍の説明はそうなんですよ。だけれども、今申し上げた意味はわかりますか。ほかの銀行がいっぱいあって、それが日本ランディックに貸し込んでいる。それを全部長銀が引き受けて、全部かどうか、まだまだいっぱいあるのかもしれません、引き受けておいて、そして債権放棄をして、そこへ公的資金を入れると。そういうことを全部あなた方が仕組んでおられるとしたら、これは特別背任か何か。どう思われますか。

○参考人(大野木克信君) 申しわけございませんけれども、やはりこの四月、五月、この時点では、一応三月以降ランディックの自力の立ち直りといったものを期待して、ただ他行からの引き揚げもあったことは事実でございますから、その辺を銀行として見たということでございます。

○江田五月君 これそれだけじゃないんですよ、やはりそういう、いっぱいほかにもあるはずなんですよ。

 きょうは、我々参議院の方の金融特別委員会の冒頭で参考人の皆さんに来ていただいてこういう質問をしているんですけれども、皆さんもう少し、どうでしょうね、それは銀行経営のことですから、普通に進んでいるときは余り何もかにも全部明らかにというわけになかなかいかないところあるでしょう。しかし、今公的資金を注入してくれと。これは申請はもちろんされるんでしょうね。そのことは聞かなくても当然だと思いますけれども、そういう公的資金をこれから注入をしてくださいと、そういうときに、今のような通り一遍の説明で国民のお金を入れてくださいというのをなぜ一体言えるか。

 私は、やっぱりここは相当皆さんに説明をして、説明をしていただけばいただくほど、これはやっぱり無理だと、今の安定化法のもとでも違法な注入になる、そういうことが明らかになっていくと思いますけれども、今後私どもの方で小委員会もつくって、次に質問します簗瀬さんが小委員長で調査をしてまいりますが、皆さん方もさらに出てきていただかなければならないし、それからさらにまたさまざまな資料などもちゃんと出していただかなきゃならぬ。銀行業務の特殊性ゆえ勘弁してくださいということは許せる話ではないと思いますが、そういうことをお約束願えますか。お約束いただけますか。

○参考人(大野木克信君) 確かに公的資金の投入ということは、まことに、国民の皆様方の御負担をお願いすることでございます。江田先生のおっしゃられたことに対しましては、できる限り御協力させていただきたいと思っております。

○江田五月君 先ほども聞いていまして、例えば日本リースにしても、取引先が何万もある、関係銀行が百幾つかあると。そして、それを破綻させるよりも債権放棄で救済していく方が長銀にとってもロスが少ないと。長銀にとってロスが少ないという話と国民の金を入れるという話は違うんですよ。しかも皆さん、じゃ、日本リースがそういう破綻をしたら、まさか日本リースが破綻したらシステミックリスクになってしまうなどということをおっしゃるんじゃないと思いますが、本当にこれは国民は怒りを持って今見ているわけで、そういうことを肝に銘じていただきたい。

 次の簗瀬議員の質問にかわります。(拍手)


1998/09/10

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