1994/10/27

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衆院・内閣委員会

○江田委員 修正案について伺います。

 もともとこの行政改革委員会設置法案原案は、細川内閣で提出をいたしました。当時、我々細川内閣の与党、まあ関係するお役所の皆さんの納得を得るため、もちろん各党の意見の一致を見るためもございますが、大変に苦労に苦労を重ね、この原案を提出をさせていただいた。

 そうしますと、いろいろ修正の話があるというので、大変実は心配いたしました。私の耳に届いてくるのは、規制緩和その他の行政改革の監視に任務を特化をして、情報公開の方は外す。そして、これはまた別個にやるのだ。別個にやったりすると、これはそっちだけまた置いてきぼりになるのじゃないかなどと大変心配をいたしましたが、この提出者の皆さんの大変な御努力でしょう、情報公開について法律の制定というものをきっちり掲げて、制度の整備について調査審議をする。私ども一日も早くこの法案はぜひ成立をさせてもらいたいと願っていたわけですが、いささかおくれてしまいました。しかし、この情報公開の方については、二年という限定でおくれを取り戻すということですから、結果オーライかなと思っております。

 その意味で、修正案については、これは積極的に評価をし、賛成をしたいと思っておるわけですが、一、二、ちょっと確認をさせていただきたいのですが、修正案の「情報を公開するための法律の制定その他の制度の整備」、これは「その他の」の「の」の字ですね。「の」の字に何か意味はおありですか。提出者、宇佐美さん、お願いします。

○宇佐美議員 お答え申し上げます。
 江田先生を含め、各党の皆さんの御審議をいただきましてここまでこぎつけられたわけです。

 御質問のお答えですけれども、江田先生御専門ということでよく御存じかと思います。釈迦に説法になるわけですが、御説明申し上げますけれども、「その他制度の整備」という規定にいたしますと、法律の制定と制度の整備が並立関係になるわけです。修正の我々の趣旨としましては、「制度の整備」の中に法律の制定が含まれていることを明確にしようとするものでありますので、広く制度の整備を委員会の中で御審議していただいて、どのような形で制度の整備を図るべきかは委員会の判断にゆだねようとするものでございます。

○江田委員 以前の原案の方は、「情報の公開に係る制度に関する事項を調査審議する。」、これも、「情報の公開に係る制度」といえば当然法律の制定も入っていると普通は考えますが、その部分を、特に法律の制定をお取り出しになった。

 「の」の字がなければ、法律の制定というものはしっかりあって、その他それに付随するさまざまな制度の整備をするのだということになって、「の」の字があると、制度の整備の中に法律の制定というものもある、いろいろ考えたけれども、結局法律の制定は断念をすることになったということもあり得るという気がするので、「の」の字がない方がむしろ法律の制定というものはしっかりと打ち立てられるという気はいたしますが、しかし、そこはいろいろな調整があったのでしょう。

 それはそれで歩といたしますが、提出者の皆さんは、法律の制定というものについてはしっかりと調査審議をしていただいて、その方向での意見具申をいただくのだ、こういう気持ちをにじませた修正と考えてよろしいですね。まず宇佐美さん、もう答えだけください。

○宇佐美議員 まさに、江田委員がおっしゃるとおり、情報の公開の法律が一刻も早くできるように、その願いを込めてつくったものでございます。

○江田委員 加藤さん、山元さん、いかがですか。

○山元議員 ただいま宇佐美議員がお答えしたとおりでございます。

○加藤(卓)議員 過去のいろいろな討議は、私、参加しないままきょうここへあれしておりますが、そのように承知しております。

○江田委員 若干与党内に足並みの乱れがあるようではございますが、どうぞひとつ、足並みを乱れさせないように、こんなことで私どもは、与党が足並みを乱していただいて喜ぶわけではありませんので、ひとつその点はしっかりと情報公開法の制定に向けて頑張っていただきたいと思います。

 さて、情報公開の法制度といいますと、私は思い出すのですが、いろいろなこれまでの取り組みがございました。その結果、八九年、参議院が与野党逆転をいたしました。

 当時、連合参議院と言っておりますが、この皆さんが参議院に登場し、この皆さんが中心になって参議院で野党、当時の野党の方で、社会党、公明党、民社党、そして連合参議院の皆さんと、さらに日本新党、私は当時社民連と言っておりましたが、これも含めて参議院の方から議員立法の努力をいたしました。そして、法案をまとめ、もちろん参議院法制局の皆さんのお力添えもいただき、去年の六月に議員立法を提出したのです。しかし、これがいろいろな事情で流れてしまっておるわけですが、やっとここまで来て情報公開法の制定に一つの道筋がついてきた。これは大変うれしいことですが、しかし、まだまだわからないと思いますね。

 この後、例えばこの委員会がどういう審議をされるのか、二年後にどういう意見具申が出てくるのか、これはまだまだ我々予断を許さないと思っておるのですが、この前に提出をした議員立法については、今の提出者の中では山元先生御自身はかかわっておられなかったかと思いますけれども、社会党はかかわられておるわけで、当時、やっとここまで来たというので我々乾杯をした、あの当時の気持ちが今も沸々と燃えたぎつておるかどうかという点について伺わせてください。

○山元議員 お答えをさせていただきます。
 従来、社会党といたしましては、この情報公開に関する法制の確立を随分と主張してまいりました。平成五年には、我が党と、今江田先生もおっしゃいました公明党、民社党、社民連、そして日本新党、民主改革連合、皆さん一緒になりまして法案を取りまとめました。この法案取りまとめに際しましては、江田先生にも随分と御尽力をいただきました。第百二十六国会に行政情報の公開に関する法律案として提案することができました。また、細川政権の当時には情報公開に関するプロジェクトを設置いたしました。公明党の貝沼先生を座長として、江田先生ともども私どももこの法制定に向けて努力してまいりました。このような努力が今回の行政改革委員会設置法として実を結ぼうとしていることだというふうに思っております。

 現時点では、行政改革委員会の調査審議内容に私がコメントする段階ではありませんけれども、これらの今までの経過を含めて、委員会においても法制の確立に向け精力的に御論議をいただいて、積極的な御意見を賜りますように私どもは期待しているところでございます。

○江田委員 せっかくあそこまで案をつくったのですから、情報公開法制定に向けての道筋が敷かれましたが、これがもし途中で立ち消えになるようなことがあれば、私どもはあの持っておる案を出してちゃんと立法するのだよという決意ありということを、ここでひとつ山元さん、おっしゃっていただけますか。

○山元議員 おっしゃられますように、私ども長い間ともに一緒に汗を流してきたものですから、それがしっかりと実を結ぶように私どももこれからしっかりと、見張っていくというのはおかしいですけれども、努力をしてまいりたいというふうに考えています。

○江田委員 宇佐美さんの決意はいかがですか。

○宇佐美議員 当時、私まだまだ勉強不足の中ですけれども、皆さんの御努力というものを承っております。

 我々としましても、絶対に情報の公開をするんだ、行政の情報の公開をするんだという気持ちで燃えておりますので、その点について各党の皆さんがまとめたという法案も勉強を今している最中ですから、もし何らかの不測の事態が起きたときには、一緒になって、江田委員とも一緒になって提案ができればなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○江田委員 最後に加藤提出者にも同じことを伺いまして、質問を終わります。

○加藤(卓)議員 宇佐美議員、山元議員同様、江田委員の考え方をぜひひとつ尊重していきたい、こう思っております。

○江田委員 終わります。

○田中委員長 これにて原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。

1994/10/27

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