1994/02/22

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衆院・予算委員会

129回---03号 1994/02/22

○中山(太)委員 もう一つは、このAWACSを購入するということも一つの方法かもわかりませんが、宇宙偵察衛星ですね、偵察衛星を日本は上げることができるようになったんじゃないか。つまり、この間、科技庁の宇宙開発事業団で国産ロケットHUの打ち上げに成功した。今まではアメリカのライセンスにひっかかってなかなか思うように日本の独自ですることはできなかった。しかし、この間の成功以来、放送衛星初め、あるいは通産省の資源探査衛星も含めて、我々は衛星を自力で上げることができるようになった。

 これは、宇宙開発委員長でいらっしゃいますから科学技術庁長官、この安全保障のための、安全のための衛星を上げるということは、科学技術庁長官の宇宙開発委員長としてはどういうふうにお考えになります。

○江田国務大臣 HUロケットの成功で、三万六千キロの静止軌道に二トンのものを打ち上げることができる能力を日本が一〇〇%自前で持つようになったわけでございまして、その偵察衛星というもの、安全保障目的の衛星というのがどの程度のものであるのか、私ども研究をしておりませんからわかりませんが、常識的に考えれば、技術的には二トンの重さの範囲内であろうと思われます。

 したがって、技術的にはこれは可能性があるということになると思いますが、しかし、これはもう外交、科学技術に造詣深い中山委員でございますから釈迦に説法ですが、我が国の宇宙開発事業というのは、宇宙開発事業団法、あるいはその法の直前の衆議院の本会議の決議でございますね、ここで平和目的ということに限定をされておりまして、そのこと自体は大変大切なことで、平和目的でここまで宇宙活動の技術開発をやってきたからこそ日本がこれからいろいろな可能性を持つことができると思うわけですね。

 したがって、その偵察衛星、安全保障目的だとしても、これが平和目的というもののらち外に出るのか、あるいはその範囲にとどまるのかというところが一つポイントでございまして、平和目的というのは一体何であるかという国会の議論がいろいろございまして、政府の統一見解というものも出されておりまして、そのあたりのところは検討を要する。ただ、具体的に今偵察衛星を打ち上げる計画というものは承知をしておりませんから、そういうものがまた現実化するような事態のときに十分検討さしていただきたいと思っているわけでございます。

1994/02/22

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