2000/03/17

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参院・予算委員会

予算委員会は、来年度予算の締めくくり総括質疑で、午後1時からほぼ1時間、小渕首相と保利国家公安委員長に質問。緊張しました。テーマは主として、ドコモ株と警察問題。

しかし、冒頭に故草地賢一君のことに触れ、彼の国内外でのボランティア活動と突然の死を紹介し、彼から託されたイリアンジャヤ独立派からの小渕首相宛の書簡を手渡しました。遺言を執行できた気持ちです。

次に、中坊公平さんのことに触れ、法曹一元について、よく意見に耳を傾けるようお願い。

警察は、新潟県警問題を扱った2月25日の持ち回り裁決に集中。政府は裁決書の提出を拒否。やはり小渕内閣は情報秘匿主義です。

ドコモ株は、平成2年の電通審答申と3年の基本的枠組み決定(郵政省とNTTの合意)が一番怪しい。この間の事情を一番よく知っているのは、郵政省ではなくて、小渕首相なのですから、やはり首相に事情を説明する責任があります。

小渕首相は、古川秘書官には株譲渡承認申請書を提出するよう伝えると言いながら、自民党理事に指示するよう要請してもこれは拒否。やはり情報秘匿主義です。


○江田五月君 いよいよ予算の審議も大詰めでございますが、きょうは冒頭、小渕総理に一つたってのお願いがございます。

 実は一通の手紙を受け取ってほしいのですが、これは去年の暮れ、二十五日ぐらいだったですか、私、友達から電話をもらいました。この友達というのは草地賢一君といいまして、高校時代からの友人で、私は昼の高校へ行っておりまして、彼は家庭の事情で夜の高校へ行きましたが、ずっと親友で、クリスチャンで、行動派の牧師で、もう外国へどんどん飛んでいくんです。一番困っているところへ飛んでいって、そこで支援活動をやってくる。

 そんなことがあって、姫路工業大学で国際ボランティア論か何かの教授を去年あたりからやり出したんですが、おい、おまえ、おれはパプアニューギニアに行ってきたんだ、例の地震の大津波でその最先端まで行って、そこで隣のイリアンジャヤから独立運動をやっている人の小渕総理あての手紙を預かってきているので、おまえはこれを届けろと、こう言うわけです。いや、イリアンジャヤはなかなか難しいし、こんな朝早くたたき起こして何だとか言って、大変僕は機嫌が悪かったんです。しかし、今は悔いておる。なぜかというと、多分パプアニューギニアで何かもらってきたんでしょうね。暮れ、正月に寝込みまして、一月二日についに敗血症で五十八歳で亡くなった。

 ということなので、これは私の友達の遺言なものですから、小渕総理にぜひお渡しをしたいんですが、委員長、ひとつお取り計らいをお願いいたします。(資料を手渡す)

 それで、質問ですが、それは英語で書いてありますから、後でゆっくり見ていただければいいんですが、宮澤大蔵大臣はすぐ読めるかもしれませんが。

 先ほど自衛官の大変献身的な殉死の話がございました。私もそういう努力を大変貴重なものだと思いますが、同時に、我々国民の中にそういうふうにして本当に自分の体を使い命を使って国際協力をしているような、そんな者もいるんですね。

 こういう人たちに対して、小渕総理、何か一言ございませんか。

○国務大臣(小渕恵三君) 江田委員の友人とは存じませんでしたが、阪神大震災でNGOの中心となって御活躍をされておった草地賢一さん、この方のことが新聞でも報道されておりまして、今お話をお聞きしますと、あたら五十八歳という若さでお亡くなりになって、まことに心から悲しみ、御冥福をお祈りいたしますが、民間人としてこうした世界の隅々にまで駆けめぐってボランティアの活動をみずから実践しておられる方に改めて心から敬意と感謝を申し上げたいと思っております。

 特に最近では阪神大震災でもこの方は御活躍されたようでございますけれども、身を粉にして世界の不幸な地域におきまして、この方は何か学校も建設されたというふうにお聞きをいたしておりますが、そうしたとうとい行動というものは、恐らく我が国民に対しましても、世界から見てお金だけの援助ではないかという批判も時々聞きますが、そうしたチェック、小切手外交ということではなくて、本当に身を粉にして御努力されておられる方々に改めて敬意を表したいと思います。

 願わくは、この御遺志を継いで多くの方々がこうしたNGOに献身されることがあればこの方の志も継がれていくものではないかと、このように私は考えております。

○江田五月君 私と悲しみをともにしていただきまして本当にありがとうございます。

 小切手外交と言われましたが、本当にこういう体を使った国際社会への貢献というものが必要なときが来ているんだと思います、その形はいろいろあるでしょうが。

 もう一つ余談の話ですが、中坊公平さんのことをちょっと伺っておきたい。

 内閣特別顧問就任について触れておきたいと思いますが、我々民主党の候補の応援団長のお一人であったといいますか、あると思いますが、その人をスカウトするなんてあんまりじゃないかという、そういう気持ちもどうも私にもありますが、一方で中坊さんの気持ちもよくわかる。何とか司法制度改革を実現したい、特に官僚司法になってしまった現在の裁判所のキャリアシステム、これをやめて、すぐれた弁護士等の中から裁判官を採用するという法曹一元制度を実現したいという中坊さんの気持ちだろうと思っておるんですが、総理はこの中坊さんの切なる気持ちにこたえて法曹一元、法曹一元というのはおわかりだと思いますが、実現されるかどうか、お覚悟を聞かせてください。

○国務大臣(小渕恵三君) これから実行しなければならない改革として、教育改革を初め経済構造改革その他万般にあるわけでございますが、やや忘れられておると言ってはいけません、江田委員を初めとして、恐らく大いにこの問題についてお考えを持っておられるんだろうと思いますが、私自身もそう深い認識があったわけではありません。しかし、司法改革のための審議会をつくりまして、中坊さんにもそのメンバーの一人としてお入りをいただいて、答申を実はお待ちをいたしておるわけでございまして、そういう意味で、司法、行政、立法、各般にわたる、戦後五十年余、半世紀を経て大いに改革をしなければならない課題であるということは、特に昨今、中坊公平氏の生の声をお聞きし、その熱情をお聞きするにつけましてそういう思いを深くいたしております。

 最近のメディアにつきましても、日本の裁判制度が非常に時間がかかっておる、今のサリンの事件なんかに対しましても、日本国民の意識は、遅々として進まないこうした状況についてのうつうつとした気持ちも私はないとは言えぬと思っております。

 最近では、テレビで見ましたら、ニューヨークの日本人の弁護士が日本人の企業を訴えておる、日本人の企業との裁判ざたになっている。なぜか。大変な高額の弁護士料だそうですが、それでも日本でいえば五年、十年かかる裁判が一カ月で結審をするということの方がこれは企業にとっても望ましいと。こういうようなことのテレビを見るにつけても、今の司法制度改革というものが必要なのかなという印象を深くいたしておったときに中坊先生からそのお気持ちを承りました。

 今、審議会の結論が出ておらない段階で総理大臣としてこのことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、そうした現在の状況の中で、日本の司法制度も改革をしていかなきゃならぬということにつきましての氏の強いお考えにつきましては大変理解を深くさせていただいておるところでございます。

○江田五月君 迅速な裁判というようなこともありますが、同時に、恐らく中坊さんが一番おっしゃりたいのは法曹一元だと思うんです。

 ちょっと一言、法曹一元というのは御存じですよね。

○国務大臣(小渕恵三君) 承知をいたしておるつもりでございますが、キャリアにおける裁判官の制度と同時に、弁護士を経験されたような方々もそうした立場で裁判に対して責任を持てるという一元化の問題だと理解しております。

○江田五月君 これからよく勉強していただきたいと思いますが、キャリアで養成する制度と同時にじゃないんで、キャリアの養成じゃなくて、違う裁判官の登用制ですから、よろしいですね。

○国務大臣(小渕恵三君) 結構です。

○江田五月君 結構ですとおっしゃっていただいた。

 さて、ちょっと辛口になってまいりますが、午前中の角田委員の質問で私に大分振られているところがありますので、それをずっとやっていきたいと思いますが、角田委員が、近々、ドコモ株、石井康元さんですか、の未亡人の石井洋子さんが総理の秘書官であられる古川さんに民事訴訟を提起することになると聞いておるというお話がございましたが、つい先ほどファクスが届きまして、きょうの二時に提訴をする、三時から記者会見するという、そういう御連絡、これごらんになってもいいんですが、どういう感想を持たれますか。

○国務大臣(小渕恵三君) 私の秘書官がいわゆるこの株式取得につきまして、その石井さんから盗み取った、だまし取ったという大変なキャンペーンをされました。そのような事実はないということで刑事告訴をいたしまして、これから恐らくしっかりとしたものを、十分な捜査がなされるものだと思っております。

 実は、秘書官もそうですが、私もその石井さんはよく存じている方ですから、その石井さんの発言をもって週刊現代の泥棒あるいはだまし取ったという、そういう記事になっておることを考えると、本来言えばその記事に対して秘書官も、残念ですが、誣告罪といいますか、その事実関係をそうでないという意味であるいは民事訴訟を起こすべきだと考えたかもしれませんが、私は聞いてみて、それは長い間私の支持もしてくれた方ですから、そうしたことについて、この問題についてあえてその石井さんに対しての裁判を引き起こすようなことは差し控えておってもいいんじゃないかという感じをいたしておりましたから、私もそれはそれで結構だろうと言われました。しかし、今日、そういうふうに正式に御提起されれば、これまた当然その黒白といいますか、真実が争われることになると思います。

 したがって、今後、私の秘書官が提起しております刑事事件としてのこの告訴と、そのもとになった方の言い分といいますか民事訴訟と相ともに、最終的には裁判制度の中で御判断をいただければこれはいいと思いますが、心情といたしますと、これは長い間私の後援会の婦人部の一員として御苦労された方ですから、そういう形で相争うというようなことがない形で決着ができればと思いましたが、あえてそういうふうな手段になられるということであれば、これは整々と裁判制度の中で判断をしていくということになるのではないかと、依頼者から私は聞いておりませんが、そのように考えております。

○江田五月君 総理の秘書官が行った告訴というのは、これは名誉毀損という告訴ですよね。今、石井未亡人が提訴をしようという民事訴訟、これはこの「御連絡」という紙によると、NTTドコモ株の引き渡しの請求、つまり古川さん、あなたが持っているのはこちらへ引き渡しなさいよと、同時にNTTドコモに対する、これは会社に対する株主の地位の確認、自分の方が株主ですよという確認を求める。そういう話で、別にだまし取ったとか窃盗だとかそういう話じゃなくて、どっちが株主ですかという確認の話ですから、大分側面は違うんですが、いずれにしても小渕ファミリーの内紛でちょっとお気の毒にとは思いますが、何かおっしゃりたいですか。

○国務大臣(小渕恵三君) いや、関係ないわけないでしょう。だって、その私の秘書官が盗み取った、だまし取ったと言われることで、そうではないという趣旨で刑事告訴をいたしておるわけですから。

 そのよって来るところは、そのお方が自分の所有権を明らかにしたいという裁判を提起されておるんだろうと思いますから、秘書官としては、正式に手続を経て、そして頼まれてこれを取得したという事実関係を明らかにしなければ本人の名誉毀損も成り立たないわけですから、そういう意味では、関係は私はあるものと思いますが。

○江田五月君 私、言ったのは、側面が違いますよという話だけで。

 それで、いずれにしても、石井未亡人から古川さんへ株式の権利が正当に移ったかどうかについては、先ほども話のあった株主の名義の書きかえの承認を求める申請書と、それからその取締役会の議決の書面、これが出てくればそこのところは明らかになるわけで、これは総理、晴らされたらいかがですか、そこのところは。書面をお出しになったら。

○国務大臣(小渕恵三君) ですから、それは今告訴いたしまして、十分そのことも捜査の中で明らかになると思いますが、しばしば申し上げておりますように、本人は、もし必要とあれば、それを証明するものについて国政調査権のもとにおいて本院で要求されればそれはお出しすることについてはやぶさかでないと、こう申し上げておるわけでございまして、私が私の疑念を晴らすという意味で申し上げて出すべきものではないと思いますが、もしそういうことであれば、そのことはお伝えいたします。

○江田五月君 そうすると、これは既に資料要求を我が党がしておりまして、理事会での議論のときに、小渕総理、自民党総裁として、この点については前向きに対応するようにという、そういう指示をされますか。

○国務大臣(小渕恵三君) 私も、どういうものがどういうふうにあるのか存じませんけれども、江田委員は御専門家ですから、何と何が必要ということでありますればお伝えいたします。

○江田五月君 これは要求してありますよね。その要求してある書面ですので伝えてください。

 今はっきりさせてくれればお伝えしますと言われたんですから、もうはっきりしているわけですから、どうぞ、伝えますとおっしゃってください。

○国務大臣(小渕恵三君) 予算委員会における資料提出は委員会において御検討いただきたいと存じます。

○江田五月君 あなた、先ほど自民党総裁として、それはこういう書面が必要なんだと明確にすれば出すように伝えるという、そういう趣旨のように私は聞いたんですがね。

○国務大臣(小渕恵三君) ちょっと確かめてみないとわかりませんが、衆議院の予算委員会に資料要求が出ておると思いますので、それに対して衆議院側でも御議論いただいているんだろうと思います。参議院においても御議論いただければ本人として対処すると思います。

○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。

○国務大臣(小渕恵三君) 本人によく伝えます。

○江田五月君 本人というのは古川さんのことですか。
 先ほど私は、自民党総裁として、理事会の中で協議をするわけですから、その理事会の自民党所属の方に伝えてくれと、こう言ったつもりです。

○国務大臣(小渕恵三君) ということで江田委員がお考えになっておるとすれば、それは私はそういうふうに受けとめませんでしたので、改めて今申し上げました。本人にお伝えいたします。

○江田五月君 じゃ、再度お願いします。同じこと、自民党総裁として理事会の自民党メンバーにもそれに応ずるようにとお伝えください。(「要望として」と呼ぶ者あり)

○国務大臣(小渕恵三君) いや、要望としても、伝えるか伝えないか、そんな権限は私にはないと思います。

○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。

○江田五月君 これは大変遺憾に思います。
 後で会議録をよく精査をしていただければよろしいが、私は、総理は、江田委員は法律の専門家だからどういう書面があるかよく御存じだろうから、それをはっきりさせてくれれば要望のように伝えますと、こう答えたように伺いましたがね。(「後で速記を」と呼ぶ者あり)

 委員長、後でその点は明確に理事会で計らっていただくようにお願いをいたします。

○委員長(倉田寛之君) ただいまの江田五月君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたします。

○江田五月君 今急にドコモのことに入っちゃったんですが、これはまたちょっと後でやることにして、その前に警察問題をちょっと聞いておきたい。

 私は余り人を追及するというのは好きでも得意でもないんですけれども、今回たまたま民主党の小渕総理株疑惑解明プロジェクトチームの座長と警察問題追及野党連絡協議会の座長というのを引き受ける羽目になりましたので、聞かせていただきます。

 警察問題、民主党は、二月二十五日のあの持ち回り決裁、これは警察法の第十一条と国家公安委員会規則の第二条に違反する違法なものだと、しかもその内容も、ずさんな事実調査に基づく身内に甘い、臭い物にふたをする、そういう処分だと考えております。

 国家公安委員長、改めて伺いますが、二月二十五日の持ち回り決裁はその内容も含めて本当に正しい判断だったと思われますか。もう一度。

○国務大臣(保利耕輔君) 一月二十八日に特別監察に参りました者が大変不適切なことをやったと、みずから名乗り出てきたということがございました。そこで、二十四日の夜、私は警察庁長官から報告を受けまして、できるだけ速やかに実情を調査せよと、そしてその上、もし真実であれば厳重な処分をしなければならないということを申し上げたのを覚えております。

 二十五日は、私は衆議院の予算委員会にずっとおりましたが、そこの中でもこの問題は関心を持って見ておりました。夕刻、田中長官とお目にかかりまして、田中長官の方から、二人の話が完全に符合して、それでこの不適正な、不適切な事実が判明したと、公安委員の先生方に御相談したところ、できるだけ早く厳正な処分をすべしというお話で意見が一致しておりますということでありました。あわせて、処分案として一定の減給の処分案を持ってまいりました。もう既に夕刻でございました。

 そこで、二十五日中には事を決めて、二十六日付でこの処分をしなければならないという状況にございましたので、私は委員御指摘の法律的な事項については十分承知をいたしておりますが、これは実際形の上で持ち回り決裁を行うこと、いわゆる持ち回り決裁でありますがすることについて私の責任で指示をし、かつあわせて先生方の、国家公安委員の皆様方の御同意を得られるならばそれでいいよと申したのであります。

 また、事実認定が甘いのではないかという御指摘もあろうかと思いますが、事実認定につきましてもそういうことかということで私が了解しまして、それでこの持ち回り決裁案を了承して持ち回りをさせた、その指示をした責任並びに状況判断をした責任は全く私にございます。

○江田五月君 委員長、あなたは二十五日の夕方の段階で、この特別監察というのはあなたが指示をされた特別監察、警察庁長官が行うわけですが、あなたが警察庁長官に指示をした特別監察ですね。そこだけ。

○国務大臣(保利耕輔君) そこは物の考え方でありますが、指示という形ではありません。そういうことをやるべきであるというアドバイスというふうに言っておいてよろしいんじゃないかと思うんです。それを受けて警察庁長官が特別監察チームを派遣をした、こういうふうにお考えをいただければと存じます。

○江田五月君 アドバイスといって、だって国家公安委員会というのは警察庁を掌握し管理し所轄しているわけですよね。ですから、やはりあなたのアドバイスでもいいですけれども、では二十五日の夕刻の段階で、あなたはこの新潟で行われた特別監察は自分の意に沿うものだと思いましたか沿わないものだと思いましたか、どうなんですか。

○国務大臣(保利耕輔君) まずもって、特別監察の指揮官たるものが現場を離れ、さらに県警本部長、監察を受ける側と食事をともにした、しかも事もあろうにマージャンをして夜を過ごしたということ、そのこと一つとってもこれは重大なことであるという認識を非常に強く持ちました。

 しかるがゆえに、実情をすぐ調べて、もし真実であるならば早く処分をすべしということを申しました。

○江田五月君 ですから、あなたは、自分のアドバイスした特別監察に該当していない、極めて不十分で、これはやはり何らかの形で処断をしなきゃいけない、こう思われたことはそれでいいんでしょう。

○国務大臣(保利耕輔君) この特別監察につきましては、先ほどから申しておりますとおり、実際の実行者は、これは個別具体的な監察行為でありますから、警察庁長官以下のところでおやりになったということでございます。

 それに対して国家公安委員会は、この特別監察が行われたやり方が非常にまずかった、あるいは、十二名の方はちゃんと監察行為をやっておるんですが、しかしその部隊長である局長がそういう不適切な行為をしたということから、私はこういう不適切な監察行為が行われたということについては長官どう思うかということを問いただしまして、長官に対する監督責任を私どもは問いました。これは国家公安委員会として問うたものであります。

○江田五月君 そのときにあなたは、局長が本部長、つまり監察する者とされる者とが一緒になって食事をした、そしてマージャンをした、その二つの事実を今言われました、その二つの事実はどこまで確定されていたんでしょうか。

○国務大臣(保利耕輔君) 事実関係については長官が聞いておりますし、また長官の部下が聞いておりますから、そちらから具体的に御答弁をさせますが、私は、そういう監督と申しますか、監察の責任者がとるべき行為からもう極めて逸脱をした行為をしておるということが極めてけしからぬ行為だということで、それだけをもってしても引責辞職をするということは当然であるということは考えました。

 細部につきましては警察庁長官から御答弁させます。

○江田五月君 警察庁、ちょっと待ってください。

 その細部は警察庁でいいんですが、基本的なところで。マージャンやっていると。まあ普通国民はかけマージャンだと思うんですよね。その二十五日の夕方の段階で、あなたは、あれがかけマージャンであったのか、かけマージャンでなかったのかということについては、どういう認識をお持ちですか。

○国務大臣(保利耕輔君) 私自身は、父親の遺言もありましてマージャンというのは一切やったことありませんし、数え方も並べ方も知らない男であります。ですから今、委員の御質問の意味がちょっとよくわからないのでありますけれども、かけというのは一体何なのか私はわかりませんが、何か図書券が行ったり来たりしたということは後の報告で承知をしております。

○江田五月君 図書券というのは後の報告とおっしゃいました。いつですか。

○政府参考人(田中節夫君) 図書券の問題でございますが、図書券は、最初に報告がありましたときには図書券の問題は出ておりませんでした。したがいまして、それがかけマージャンであるとか、かけマージャンでないとかということにつきましては最初の段階で報告はございません。

 たしか、今はっきり覚えておりませんけれども、二十六日の記者発表の後に、満貫賞として図書券を出したという話は聞いております。

○江田五月君  じゃ、長官、ちょっと伺いますが、あなたは二十四日までの調査でわからなかった事実が二十四日の夜でしたかね、局長から申告があったと。そこで二十五日に局長と本部長と二人の話を聞いて、二人の言い分が一致したのでこれは事実だと認定したと。共犯者二人の口裏が合ったから事実だと認定するというのはおよそ警察らしくない。

 さっきの答弁ですと、そうじゃない、もうちょっとほかの人にも聞いたとおっしゃいましたね。どういうことですか。

○政府参考人(田中節夫君) 私が二十五日に直接聞きましたのは、中田前局長と、それから私どもの幹部が直接小林前本部長から聞きました。そのほかに、当然ながら新潟県の警察の者あるいは関東管区警察局の者から状況を聞いておりますが、午前中の答弁でも申し上げましたように、一月二十八日時点でございますので、時間等につきましてはかなり記憶が違っておるところもございましたということでございます。

○江田五月君 聞かれたのは全部身内ですね。身内の話だけ聞いて、それで事実認定するんですか。

○政府参考人(田中節夫君) 当時の事案に関与する者ということでございますので、身内か身内でないかという御判断はいろいろあると思いますけれども、当時関係した者から事情を聞いたということでございます。

○江田五月君 旅館の関係者から聞かれましたか。

○政府参考人(田中節夫君) 旅館の関係者から私ども直接聞いたことはございませんけれども、少なくとも、それは新潟県警の者はそれなりの対応をしているというふうに思っております。

○江田五月君 いや、ここはもっともっと聞きたいところいっぱいあるんですが、ちょっと時間の方がもうどんどん過ぎていきますので。

 ただ、一言。二十五日の夕刻、処分を決めるときに、マージャンがかけていたのか、かけていなかったのかということの確定はされていないというのは、これはどういうことですか。

○政府参考人(田中節夫君) その時点でそのマージャンがかけマージャンであったのか、かけていないのかということは明確にはわかっていないわけでありますけれども、後刻調査いたしましたところ、かけマージャンではないということは明確になっております。

○江田五月君 私はそれも明確になっていると思わないんですが、まあおいておいて、かけかかけでないかということは処分の内容に違いが出てくるんじゃありませんか。

○政府参考人(田中節夫君) そういうことも含めまして、実は二十八日の国家公安委員会におきまして、私の処分あるいは国家公安委員会がなされました小林前本部長の処分につきまして、既に満貫賞といいますか、そういうものがあったという前提で御判断をいただきまして、そこでもかけマージャンではなかったということが改めて確認されまして、処分に変更はなしと、私の処分についても国家公安委員会は了というふうにされたというふうに考えております。

○江田五月君 身内に甘い。

 保利さん、このときに、警察庁長官からの説明、これは委員の皆さんは意見が一致しておると、しかし保利さんはそのときに議論があったと推測したとおっしゃいましたね。どうですか。

○国務大臣(保利耕輔君) 何人かお集まりのところで報告が警察庁の方から行っておりますから、多少のやりとりはあったであろう、こう推察をいたしております。

○江田五月君 今もそう推察されているんですか。

○国務大臣(保利耕輔君) それは、人が集まりまして報告を申し上げ、そして、ただ黙って受け取るということは私は余り常識的ではないと思いますから、どうなっていたのかというようなお話はあっただろうと思って、今もそう思っております。

○江田五月君 事実は違うようなんですがね。

 育英会のところへ四人の公安委員が来ていた、そこへ順次長官が説明をしただけで、言ってみれば順次意見の聴取はしたと。しかし、四人が集まっているところへ物を、その話題を投げて、みんなのやりとりがあったということではないというのが行政監視委員会での田中長官のお答えなんですが、いかがですか。

○国務大臣(保利耕輔君) それは、今も申し上げましたとおり、田中長官が委員にお話しになれば、少なくともその二人の間では論議はあったであろうと推測されましたので、そう申し上げたのであります。

 四人が集まっているかどうかという問題につきましては、田中長官から答弁させます。

○政府参考人(田中節夫君) 大臣から御答弁申し上げましたように、警察育英会の席上でお二人の方は御一緒におられましたので、私が詳しく説明いたしました。また、お一人の方、もう一人の方につきましては順次御説明をいたしました。

 大臣からやりとりがあったというようなお話は、これは私どもから事情を説明申し上げましたときに、先生の御意見はいかがでしょうかと当然聞きますと、当然にそこで、それは速やかに処分すべきであるとか、あるいは処分としてはどういうものがあるのかというようないろいろお話はございました。しかし、具体的なやりとりにつきましてはここで申し上げることは差し控えさせていただきます。

○江田五月君 警察庁長官と公安委員とのやりとりは、それは何といいますか会議じゃないんですよ。合議体なり会議体なりというのは、その会議体、合議体を構成するメンバーが意見を出し合って協議をしなきゃいけないので、そこで決まったことで監督される人とその公安委員とがやるんじゃ、裁く者と裁かれる者が協議しているだけの話じゃないですか。

 保利さん、会議体の会議というもの、会議を開いて議決するんだと警察法ではなっている。会議体の会議というものの意味、この重要性、これをどう認識されていますか。

○国務大臣(保利耕輔君) 通常でございますれば、警察法の規定並びに国家公安委員会の規則に基づいて会議を行うというのが通常であるということは私もはっきり認識をしております。その上で今回の件はやむを得ずそういう処置をとったということで御理解をいただきたいと存じます。

○江田五月君 通常かどうかの話じゃなくて、今私が聞いたのは、会議体なり合議体なりで物事を決めるというそういう組織のときに、会議をするということの重要性をどう認識されているかということ。

○国務大臣(保利耕輔君) 会議をすることの重要性をどう認識しているかということでございます。それは重要性はあると認識しております。

○江田五月君 会議でやることは非常に大切。意見を出し合って、意見を交換して、その中で意見が変わって、最後に合意が形成されるという、これは非常に大切だから会議体というそういう機構をつくっているんじゃないんですか。

○国務大臣(保利耕輔君) それは御指摘のとおりだと思います。

 ただ、この場合は、国家公安委員の全員の皆さん方の意見が一致しているということを私は認識してこの処置をとったということであります。

○江田五月君 まだよくわかっていらっしゃらないと思うんですね。意見が初めに一致しているんじゃないんですよ。皆それぞれ意見がある、それを出してみる、そしてやりとりをする、そして意見が一致する。初めから意見が一致していることはない。

 この持ち回り決裁、この決裁書類を私は十三日の行政監視委員会で資料請求したら、昨日警察庁から出せないと言ってきたんですが、なぜ出せないんですか。

○国務大臣(保利耕輔君) この件は、江田委員から御要請があったということは私もその委員会に出ておりましたから承知をいたしております。

 なお、この問題については、行政監視委員会の中で御論議をいただくというものと承知をいたしております。

○江田五月君 もちろんこの理事会で協議はするんですが、すっと出るものだったら別に国政調査権とか言わなくたっていいんで、出せないという答えをいただいてしまっているんですよ、既に。そして、それはもちろん出せないと言われたって理事会で出せということになれば出てくるわけですが、なぜ出せないという答えを最初に出すんですか。

○国務大臣(保利耕輔君) 決裁資料の保管者である警察庁から答弁をさせます。

○政府参考人(田中節夫君) 一般的に、懲戒処分にかかわります決裁文書につきましては、処分の結果のみならず、処分に至った経緯、あるいは被処分者及びその関係者に関する個人情報など、個人のプライバシーにかかわる情報が含まれるということで、従来から提出していないところでございます。

○江田五月君 官房長官はこうしたことについて結構市民感覚をお持ちのように拝察しておるんですが、いかがですか、これは。

○国務大臣(青木幹雄君) 本件につきましては江田委員の資料要求に対する委員会での問題でございまして、私は参議院行政監視委員会の理事会で協議をして御決定なさる問題だと理解をいたしておりまして、官房長官という立場で私から云々することは差し控えさせていただきたいと思います。

○江田五月君 もちろん理事会で議論しますが、その前に、既に出せないという答えが来ているということで、それでももちろん議論して出せと言えば出すことになるんでしょうが。

 総理、どうですか、こんな情報非公開でいいんですか。

○国務大臣(小渕恵三君) ただいま官房長官から御答弁させていただいた同じことでございます。

○江田五月君 小渕内閣全体がそういう不透明、情報非公開内閣だということが明らかになってしまった。

 公安委員長、臨時会議を開くことは全然お考えにならなかったですか。

○国務大臣(保利耕輔君) 基本的に委員の皆様方のお考えが一致しておりますから、臨時会議、臨時公安委員会を開くということは私は自分の責任でやりませんでした。それについてはいろいろ御批判もあろうかと思いますが、その件は私の責任であります。

○江田五月君 ちょっと法制局長官は……。

 何か法制局の方でこれでもいいんだと言われたというのがひとり歩きしているんですか、いかがですか。

○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。

 本件につきましては、警察庁から国家公安委員会の議決の方針に関する警察法の一般的な解釈の問題として御照会がございました。これに対しまして、当局におきまして、警察法の一般的解釈といたしまして、例えば委員等の間で既に実質的な合意が形成されており、かつ緊急を要するといったような場合においては、持ち回り方式により議決を行うこととしても法の趣旨に反するものではなく、そのような方式により議決を行うことが直ちに否定されるものではないと考えられるという趣旨の一般論を警察庁に伝えたものでございます。

 お尋ねの個別の事例の適法性の判断につきまして、当局といたしまして、前提となる事実関係の具体的な詳細、これにつきましては私どもは承知しておりませんので、これ自身についていろいろなことを具体的に判断するという立場にはないわけでございますけれども、国家公安委員会におきまして、その把握する事実関係に照らしましてそのような方式によることが法の趣旨に反するものではないというふうに御判断なさっているものというふうに承知しております。

○江田五月君 実質的合意というのもさっき言ったようにでたらめ、緊急性というのも、県議会に出しては困るというのもでたらめ。

 しかも、私は百歩、本当に百歩じゃない千歩ぐらい譲って、持ち回りも許されると仮にしても、臨時会議が開けないという要件ぐらいは要るんじゃないですか。どうですか、法制局長官。

○政府特別補佐人(津野修君) 具体的な事実関係が前提となりますので具体的な判断は差し控えたいと思いますけれども、国家公安委員会運営規則の中には、委員から臨時会議の招集の要求があったときには会議を開かなければいけないという規定がございます。そういうような要求もなかったということを勘案いたしますと、何といいますか、今回の処理につきましてはそれなりに妥当であった部分があるというふうに考えております。

○江田五月君 何を言ったかよくわかりませんね。

 小渕総理、お聞きのように、法律でぴしっと決まっていることもちゃんと守らず、それを守らないことについて、ああ言えば上祐じゃないけれども、ああだこうだああだこうだとこうおっしゃって、そしていよいよ詰められたら、これは一般論でございましてという、そういう、何といいますかけじめのなさなんですよ。

 そこで、小渕総理、あなたに聞きます。
 古川秘書官は官吏服務紀律に違反していたんじゃありませんか。

○国務大臣(小渕恵三君) 古川秘書官が民間企業の役員を兼職していた事実については、二月十七日に秘書官本人から報告を受けました。本人は、同日、直ちに企業の役員を辞職する手続をとったと聞いております。

 本件の事実関係としては、古川秘書官が当該民間企業の設立当時、すなわち昭和五十四年三月、高校時代の知人から頼まれて取締役に就任いたしました。以降、秘書官は経営にもかかわらず、携わっておらず、無報酬であり、会社側からも取締役会、株主総会等の通知が一切なかったため、総理大臣秘書官に就任した際、民間企業の役員を辞職する手続をとったが、同社については役員を務めている認識がなくその手続を失念していたとのことでありました。

 古川秘書官から、今回の経緯については全く不注意であり、御迷惑をかけ、深く反省をしておる、直ちに同社の取締役を辞職する手続を講じた旨がありました。

 自分としては、古川秘書官に対し、服務紀律に反した行為であり大変遺憾である、今後みずからを厳しく律するよう心してほしい旨、厳重に注意いたしたところであります。

○江田五月君 総理、リクルート事件後の「官庁綱紀の粛正について」という閣議決定、これは御存じですね、あなた、官房長官だったんですから。

○国務大臣(小渕恵三君) 承知いたしております。

○江田五月君 その中に書いてあること、これは守るつもりあるんですか、ないんですか。

○国務大臣(小渕恵三君) それは遵守すべきものと考えております。

○江田五月君 もう時間がなくて、これ読み上げたいところなんですが、今のそんなことで、これでここへ書いてあるとおりになるんですか。

 服務紀律の確保をしっかりと図らなきゃだめなんだ、部下を十分監督しろとか、直ちに実情を調査し厳正な措置をとると。今のそれで厳正な措置ですか。官吏服務紀律には残念ながら懲戒の規定も何もないんです。任命権者が厳正な措置をとる以外にないんです。なぜ厳正な措置をとられないんですか。

○国務大臣(小渕恵三君) 今お話しの官吏服務紀律、明治二十年制定の勅令によりまして、上司の許可をとらなければ営利企業の役員になれないとの規定がありますが、この勅令に違反したときの罰則や処分の定めはありません。が、しかし、今お話しのように、紀律をしっかり守らなきゃならぬということにつきまして、本人もそうした形で承知をしておりませんでした。したがって、その点については重々注意をいたしまして、厳重注意をいたしたということでございます。

○江田五月君 総理、あなたが身内にそれほど甘い態度をとるから、全部身内に対して甘い態度になってしまう。そして、日本じゅうが今腐りつつある。これじゃ困る。本当に困る。

 ドコモに移ります。
 あなたは、古川さんとか石井さんとか、あるいはあなたのお兄さん、光平さんとか、この上毛通信の株、これをお持ちだということはいつ承知されましたか。

○国務大臣(小渕恵三君) たしか本院でこの問題をお取り上げいただきまして、よく調べるようにということでございましたので、そのときに承知をいたしました。

○江田五月君 だけれども、これはあなた方は全く否定するのかもしれませんが、石井さんは、総理というか、もちろん当時は総理じゃなかったわけですが、小渕さんから分けてもらったんだといって大変喜んでいたという話なんですよ。

○国務大臣(小渕恵三君) ですから、先ほど来、民事告訴をされたと言われることをよくぞ江田委員も御調査をされて御存じですが、そういうお考えがあるということと、私の秘書官が刑事告訴をいたしまして、すべてそのことについて告訴状に記されておりますので、私としてはその告訴状をそのままに理解し、そしてそれを認める、そうであろうということでございまして、必要であれば告訴状の今の時点についての内容はお話しいたしますが、私としては、秘書官がそのように告訴をし、しかも刑事的にこの問題について決着をし黒白をつけてもらいたいということについての発言を、これを私が長い間信頼して協力してもらった立場でございますので、そのようにいたしました。

 したがって、石井さんの御発言は、それは江田委員も民事告訴の状況を全部お調べになってお話ししているんだと思いますが、そこに話そのものが相違をされれば、先ほど申し上げましたように、結論的には、最終的に司法の判断をいただく以外にない、こういうことだと思います。

○江田五月君 あなたは自分が疑惑を持たれているということを否定されますが、疑惑というのは自分が持つんじゃないんですよ、人が持つんですよね。自分が疑惑を持ったらこれは大変なことで、人が疑惑を持つ。週刊誌にも書いてある。我々も、週刊誌は別としても、国会でもいろいろこれだけ議論をする。人に疑惑を持たれているという状態にあるという、そうは思われませんか。

○国務大臣(小渕恵三君) 週刊誌に疑惑疑惑と書いてありましたから、それは週刊誌はそういう疑惑を持っていたかもしれません。しかし、いやしくも国会で江田委員のように良識を持って総理大臣に対して責任を持って質問する以上は、いかなるものをもって疑惑ということについて適正にお話しいただきませんと、軽々に、私が週刊誌に書かれておるから全部そのことを疑惑を明らかにしろと言われてもできかねるわけです。

 御存じのように、ないと信じておりますから、ないものをないということを証明することは悪魔の証明であることでなかなか難しゅうございますから、あるとすればどういう点であるかということをお話しいただきたいと思います。

 それから、江田委員も二月十六日に外人記者クラブで御発言をされております。大変興味のあることで、私の手元に届きましたが、結果的にいろいろ外人記者から尋ねられて、この疑念、疑問だということについて、政治家が秘書が秘書がと逃げてきたということを言っておられますが、私は全然逃げているつもりはないです。本人が言われたことを信頼しておりますから、秘書がやったことだというようなことを言うつもりはさらさらありません。

 それから、最終的結論は、要するに疑惑疑惑と何と言っておったかといったら、そういう株を持っていることがスキャンダルだと思いますというのが江田さんが記者会見で申されたことでございまして、私は、そういう意味でどういう点が疑惑なのかということを明らかにしていただければ、その点について誠意を持ってお答えを申し上げたいと、こう思っております。

○江田五月君 これなんですが、(図表掲示)一応つくってきたんですが、もう時間がないので急ぎますけれども、小渕さんがだんだん偉くなっていく過程をこちらへ書いてあります。三十八年の当選、私の父と一緒なんですね、たまたま。そして郵政政務次官、その直後に上毛通信サービスという会社ができているんですね。そして、この上毛通信サービスが五社、他の四社と一緒になって、ここで中央移動通信という会社になっている、そのときにあなたは官房長官。そして、この平成二年に電気通信審議会の答申がある翌年にその基本的枠組みができている、そのときにあなたは自由民主党の電気通信問題調査会の会長。そして、いよいよ最後にドコモとこの中央移動通信とが合併、そのときはあなたはこの会長からあるいは外務大臣、この辺の要職をされているわけですよ。

 ずっとあなたがついている役職と、そしてこの会社が移っていく過程、最初は多分木の葉だったでしょう、その上毛通信サービスという株が。それがいつの間にか、ここで小判になって最後は金のしゃちほこになる。それに全部あなたの政治力が絡んでいるという、そういう疑惑なんです。

○国務大臣(小渕恵三君) いやしくも国会議員とされて尊敬する江田委員でございますけれども、しからばそれの因果関係というのをどう言うんですか。

 私の経歴を私は全然否定しませんが、それと今回の問題とどのように関係しているかということを立証していただきませんと説明のしようがないでしょう、これは本当に。

○江田五月君 最後に、平成三年に受託会社とそれからNTTの移動通信のドコモとは一体化させるということが書いてあるんですね。その一体化の中身は何であったかというのはその当時決まっていなかったんだけれども、最後は、営業譲渡などでなくて合併ということに決まる。そこが、この小判が金のしゃちほこに化ける、そのかぎなんですよ。そこは政治決定じゃありませんか。あなたは電気通信調査会会長ですから、かんでいるんじゃありませんか、そこに。

○国務大臣(小渕恵三君) 断言いたしますが、そんなことに関与しておるつもりはありません。

 もし必要とありますれば、それは、そのときの経緯はずっと恐らく郵政省で、合併から始まりましてその後の対応についてはあるんだろうと思いますが、明らかにされることがまた必要とありますれば、それはまたその筋から御答弁させていただきます。

○江田五月君 郵政省にいろいろ聞いても、古いことだからわからぬと言うんです。当時関与している人でなきゃわからない。それはあなたなんですよ。だから、あなたはみずからの疑惑を解明する責任があるんです。我々は、別に疑惑を持たれた総理大臣がいることがうれしいわけじゃないんですよ。ぜひあなたに解明してほしいんですよ、きっちりと。いいですか。

 あなたは人柄の小渕さんで、私も人柄の小渕を、どう言いますか好きな方ですけれども、だけれども、どうも人柄の小渕がどこか行っちゃったんじゃないか。(図表掲示)「君はオレを追い落とそうとしたじゃないか」というような加藤さんに、「世界一の借金王」、「隣の家に蔵が建つと自分に腹が立つ」、「死人に口なし」、「運が悪かった」、これで富国有徳ですか。ぱっとこうめくってみましょう。これは「亡国有得」となるんですよ、ここをこうめくれば、こういうふうに。

 こういうことなんで、これはやっぱりサミットの議長はあなたじゃ困るということで、私の質問を終わります。


2000/03/17

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