2012年6月21日

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ナーイフ・サウジアラビア皇太子薨去を受けた弔問出張

平成2 4 年 6 月 21 日

政府特派大使  江田五月

1 6月16日のナーイフ・ サウジアラビア皇太子兼副首相兼内務大臣薨去を受け,私は, 皇太子殿下のサウジアラビア御訪問に政府特派大使として同行した 。現地時間20日夕刻,皇太子殿下は,サルマン新皇太子( 故ナーイフ皇太子の同腹の王弟)をはじめ主要な王族に対して, 天皇陛下の弔意を伝えられ、弔意を表明された。 私からも同皇太子に対し直接に, 日本国政府及び国民の心からの弔意を表明した。

2 (1)皇太子殿下とサルマン皇太子との懇談は, 皇太子殿下のサウジ御訪問やサルマン殿下の訪日時の思い出を交え ながら, 心のこもった和やかなやりとりが交わされる良い会談であった。

(2)この弔問は,皇太子殿下の他,フィリップ・ ベルギー皇太子, 在サウジアラビア外交団とともに行われるアレンジで、 サルマン皇太子が多忙を極めること等からと思われる。しかし, 殿下はサルマン殿下とアフマド新内務大臣( サルマン皇太子と同腹の王弟)に挟まれる正に最上席に案内され, サルマン皇太子も会場に入場した際に真っ先に皇太子殿下に語りか け,また,他の弔問者が弔問を済ませ退席する中でも, 暫しアフマド内務大臣と懇談し, 再度サルマン皇太子と言葉を交わされ,更に御退席時には, サルマン皇太子の子息による王宮出口までの見送りを受けるなど、 サウジアラビア側の皇太子殿下に対する格別な配慮が見受けられた 。これは, これまでの皇太子殿下御自身及び我が国皇室による御親交の御努力 の積み重ねの現れであり、改めて敬意を表する。

(3)今回の弔問は, 東日本大震災による我が国のエネルギー事情等から, 石油の安定供給が一層重要になり,また, イランの核問題を巡る情勢が不透明な中で, 世界最大の産油国であるサウジアラビアに対して, 我が国の友情の念を直接伝えたものであり, 我が国が同国を重視している姿勢を改めて示すことができた意義は 極めて大きい。

3. 昨年10月のスルタン元皇太子の薨去からわずか約8ヶ月後の皇太 子薨去に際し、 サウジアラビア王室と国民の悲しみは深いと思われる。 今回の弔問は, サルマン皇太子とかねてより御親交を深くされる皇太子殿下が、 遠路より駆け直接に御弔意を表されたものであり, 我が国皇室とサウジアラビア王室間の御友情はさらに深まり、 両皇室・王室間の御関係は一層強固なものとなるとともに, これにより今後の日サウジ関係の一層の発展にも大きく資すること となったと考える。


2012年6月21日

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