2006年3月7日

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自壊民主党 インタビュー 江田五月氏 民主党参院議員会長

代表の進退 ご本人が判断

 ―― 今回のメール問題の反省点は何か。
 
「政治家の言葉が軽くなり、はったりの民主党と思われてしまった。野党の追及が国民にはったりと聞こえるようになったら、野党はもたない。(党メール問題検証チームで)経緯をすべて調査し、明らかにすべきだ。参院民主党はいまだに、問題のメールを見せてもらっていない。党内で誰と誰が間違った思い込みを共有し、なぜ、思い込みから脱することができなかったのか。そこを検証しないと、民主党の今の欠陥をえぐり出すことにならない。(メールを仲介した元記者の)名前を公表した方がいい。法的措置もあり得る。もし、証拠がある程度あるのであれば、政党の活動という業務などを偽計によって妨害したということで、偽計業務妨害に当たるのではないか。被害者である民主党が告訴すればいい」

 ―― 菅直人・元代表が国会対策委員長への就任要請を断ったのは、なぜか。
 
「私は菅グループの幹部だが、菅氏から相談は受けなかった。ただ、後で菅氏は『(就任要請の)話はなかったことにした方がいいと伝えたのに、前原代表側がしゃべってしまった』と言っていた。菅氏は(前原氏の)中国脅威論などに疑問を持っているのに、『国対委員長として助けてくれ』と言われても無理だ。(就任要請があった時は)鳩山幹事長が辞めることがほぼ確定的と思われていた。そんな状況で引き受けられない」

 ―― 全国幹事長会議で前原代表の辞任論が出たことをどう思うか。
 
「やむを得ない。今のこの事態で、前原代表に責任無し、と思わないのは、健全な判断だ。けじめの内容、時期についてはいろいろあると思うが、賢明な前原氏だから、けじめを付けられると思う。(代表の進退は)ご本人の判断だ。(政策決定は)皆で一緒にやることが大切だ。父の(江田三郎の)言葉で『もともと地上に道はない。みんなが歩けば道になる』がある。今、『前原が歩けば、みんなが歩いてくるから道になる』と言っても、そう簡単にはいかない」


 えだ・さつき 参院岡山選挙区。科学技術庁長官、党副代表。東大卒。64歳。当選3回(衆4回)。

(聞き手 河島光平)
読売新聞 2006年3月7日朝刊掲載 


2006年3月7日

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