2005年8月25日 山陽新聞インタビュー

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わが党かく戦う   もう一度、年金議論を

民主党 江田五月県連代表


― 今回衆院選の位置付けは。
 「政権選択選挙だ。戦後六十年の日本の政治は、自民党以外に政権を担える政党をつくることがずっと課題として残っていた。民主党は三百ある小選挙区の大部分に候補者を立て、県内は五つすべてに擁立する。前回の衆院選がホップ、昨年の参院選がステップ、今回は政権交代へのジャンプの選挙にする」

― 争点は何か。
 「郵政法案に対する国民投票というのは小泉マジック。ごまかされてはいけない。年金改革と無駄遣いの根絶が政策的には最大の争点。年金改革は昨年の参院選で争点になり、国民は民主党の年金一元化案を選択した。ここでもう一度、年金の議論をしたい」

― 郵政改革は。
 「特殊法人が利用してきた郵貯資金の流れを止める。無駄な特殊法人をなくせば、郵政の金融部門のお金の規模を思い切って縮小でき、民間に資金が回るようになる」

― 郵政法案の否決によって衆院解散、総選挙に至ったが。
 「参院が良識の府としてチェック機能を果たしたのが今回の否決。衆院との二院制の原理からいえば、法案をあきらめる以外にない。衆院解散、総選挙は筋違いだ。ただ、小泉内閣を終わらせるという意味では、我々にはチャンスだ」

― 小泉内閣の「改革」に対する評価は。
 「自民党は『改革を止めるな』がスローガンのようだが、小泉内閣は何も改革を進めていない。郵政民営化ができれば、年金も雇用も全部解決するというが、今の複雑な社会で魔法使いのような政策手段はない。大でたらめだ」

― 無党派対策を含め、勝利に向けた戦略は。
 「郵政法案反対者への対立候補擁立などで小泉首相の劇場政治に無党派層の関心を奪われた。しかし、これは一時的なこと。面白いだけでいいわけがない。国民はおかしいと気付く。ただ、政治が嫌になり投票に行かない有権者が増える心配がある。政権選択の投票だと精いっぱい呼びかける」

― どのようにして反転攻勢をかけるのか。
 「マニフェスト(政権公約)を訴え、正攻法で頑張るしかない。食料自給率50%や高速道路無料化の実現、十二月までにイラクから自衛隊撤退などを盛り込んだ」

― 県内の五小選挙区での戦い方は。
 「前回の衆院選は自民党の候補者五人が政治家としてピークにあり、民主党は全員新人だったため、勝てなかったが、今回は岡山2、4区で自民前職が引退して新人対決になるなど、すべての選挙区で構図は変わった。小選挙区で勝つ可能性が十分にある県になった」

(山陽新聞 2005年8月25日朝刊掲載)


2005/08/25 2005 衆院選

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