1966/02/18

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51 衆議院・農林水産委員会


○倉成委員長代理 江田三郎君。

○江田委員 ちょっとさっきの松井さんの質問に関連してお尋ねをするのですが、先ほど松井さんが熱帯農業の試験研究のことについて触れられたのは、要するに、日本の食糧の不足をカバーするだけの目的でやっているのではないかという質問があったのですが、大臣の答弁は何かわけのわからぬようなことを言われたのですが、ここで熱帯というのは、具体的にはどこをさしているのですか。

○坂田国務大臣 やはり大体東南アジアを主として考えておりますけれども、別に深く区域をなにしようというのでもありません。それから経済問題は、それは関連してむずかしい場合があっても、これはあまり考えていかない、結局技術本位で研究をしていこう、こういうことでございます。つまり、それはどうかと申しますと、経済とか政治とか、そういう問題から全然離れまして、技術中心に考えていきたい、こういうことです。もっとも関連したことはありましょう。それはあると思うが、やむを得ず起こることでもありましょうけれども、技術中心、こういうことでございます。

○江田委員 そこで、東南アジア中心というふうに言われたのですが、沖繩はどう考えられるか、この際、沖繩を対象に入れて考えておられるのですか。

○坂田国務大臣 もちろん、これはそういう技術中心でございますから、いまも申しましたように、区域をどこからどこということでなしに、大体熱帯農業、こういう気持ちでおりまするから、もちろん沖繩なんかも入り得ると思います。

○江田委員 だからあなたの答えは、やはり東南アジアということが出てきて、沖繩と私が言えば、それも含むんだ、こう言われるのですけれども、実際沖繩の農業というものを見た場合、甘蔗にしたところで、あるいはパイナップルにしても、きわめてお粗末な農業です。しかも甘蕉をやったところで、家畜が全然いない。これは農業とは言えぬわけです。沖繩に対して社会保障その他の面においてわれわれも積極的な協力をしなければならぬ。いま植民地がどうとかいうむずかしい問題は一切触れませんけれども、そういう中で沖繩農業をどうするかということは、これは東南アジアよりもまっ先に取り上げなければならぬ問題じゃないかと思います。だから、そういう中でどれだけ沖繩のことを考えておるのか。かりに沖繩のことを考えておるのなら、あそこには大学もありますけれども、いろいろなことがありますが、具体的にはどういうことをしようとするのか、少なくとも大蔵省から新しい予算をとられた以上は、相当具体的なものを持って折衝されておると思うのです。その内容をちょっと知らしておいてください。

○坂田国務大臣 技術会議の事務局長をいま呼んでありますので、近いうちに参りますから、なにしますが、沖繩の問題は特別になにというのじゃありませんで、現在沖繩の問題については、御存じのとおり、総理府で扱っております。私もこの前沖繩に行ってまいりまして、甘蔗の問題、パイナップルの問題等、島もずっとある程度回ってまいったのでございますが、ほんとうに主食にしたって一〇%程度でございます。食べ物のほうは輸入だけでございます。そういう関係で、畜産のほうもこれは相当進み得る素地を持っておりますが、それはまだ十分ではないといういろいろな点は、江田さんと私も同感でございます。したがって、そういう点は、政策としてあるいは経済政策としていろいろ問題はあろうと思いますが、私どもの今度のこの熱帯のほうは全く技術研究ということでございます。向こうで米をつくるときはどうか、何はどうか、こういうふうに技術研究ということでございます。いままでもいろいろ日本のほうから技術の人々がインドのほうまでも出かけておるわけでございます。御存じのとおり、いろいろやってはおります。現在日本の技術者も熱帯についての知識が全然ないことはない。相当持っておりますので、向こうでも相当効果をあげておると思います。沖繩も重要である。しかし、もっとそれらの問題に深く検討を加えておく必要がある、こういうことでございます。

 それからなお、それは技術協力という問題だけでなしに、その範囲をずっと広げることによって、日本の技術陣営の技術をうんと進め得るであろう、こういうことも二面的には期待しておるわけでございます。ただ、それを当初予算要求におきまして、国立とかいうことにせずに、特殊法人にいたしましたのは、そこへ行ってきた、あるいはそこに使いする、あるいは派遣された人々が、帰ってきてからさっぱり連絡がなくて困るといったような、いろいろ問題があろうと思いまするので、これはいわゆる特殊法人にいたしまして、そうしてその点はある程度融通のつく方法で見ていこう、こういう考え方でございました。しかし、四十一年度は特殊法人の設立は認められませんでしたので、農林水産技術会議事務局の中にこれについての事務体制を整備することといたしております。

○江田委員 いま大臣のお答えを聞きましても、沖繩農業がこのまま捨ておけないんだということは十分に認識しておるようであります。したがって、私どもは、当然今度の新しい仕事の中に相当沖繩にウエートを置いたことを考えておられると思っておるわけです。だから、あの構想の中で、沖繩についてはどういうことをしようかという具体的なお答えだけ伺えばそれでけっこうです。

○久宗政府委員 前の御質問の経緯を存じ上げないのでございますが、いまの御質問と関連いたしまして、沖繩は、熱帯及び亜熱帯の技術を対象にいたしておりますので、関係地区にはもちろん含まれるわけでございますが、沖繩自体の試験研究の組織につきましては、御存じのとおり、総理府のほうで総括してやっておりまして、それとの関連におきまして処理をいたしたいということで、熱帯農業研究と直接関連いたしまして施設を設けるとか、あるいは人を出すとかいうようなことは考えておらないわけでございます。

○江田委員 あといろいろ言いたいことがありますが、関連ですから、それだけ聞いておけばけっこうです。


1966/02/18

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