1958/02/18

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28 参議院・農林水産委員会


○江田三郎君 君さっきからなわ延びの問題は、これは慎重にやらなければならぬということをおっしゃったのですが、先ほどの答弁、それから今の答弁でも、作報の統計調査部の方の数字と税務署の反収の数字との違いというのは、一方は実測でやっているのだし、片一方は台帳面積でやっているのだから、違いがあるのだと、こういう説明なのですね、そうすると、これは明らかになわ延びというものが一般的にあるのだということを認めた議論になっているのですよ。しかし、なわ延びというものは、これは統計調査部の方にお聞きしたいのですが、どこにでもあるのですか。耕地整理をやった所もあるし、山の方の田がありますし、いろいろの田がありますね、どこにでもそういうなわ延びがあるのかどうか。さらに課税農家というものが一割になるのか、一割五分になるのか知りませんけれども、大体において大経営の所でなければならぬ。大経営の所なんというものは、耕地整理は相当進んでおる所だろうと思うのです。そういうようなことから考えると、なわ延びがかりにあるといたしましても、これは一つの偏在した条件だと思うのです。一般的な条件じゃないと思う、統計調査の方はどう見ているか知らぬが。それと、今のような統計調査の方と税務署との違いは、なわ延びがあるのだということで、なわ延びを一般的に認めたということになる、そうするというと、河合さんが御心配するように、どこにでも税務署はなわ延びを持ってくるのだといったことを心配せざるを得ないようなことになる。今の答弁に関連して、変に思ったのでお聞きするわけです。

○説明員(藤巻吉生君) お話のように、なわ延びというもの、つまり台帳面積と実面積との違いというものは、県によりましても郡によりましても町村あるいは個々の農家によりまして、非常に違っておりまして、非常に多い所、非常に少い所、むしろ台帳面積の方が多い所もございます。さような実情でございます。

○江田三郎君 だから、それに関連して今の金子さんのおっしゃっているところを、もう少し、納得できませんから、説明して下さい。

○説明員(金子一平君) 言葉が少し足りなかったかもしれないと思いますが、農林省から今お話のございましたように、地区々々によって違っていると思います。一律に、私の方で見ております反当収量が農林省の作報よりも多いということにきまっておるわけじゃございませんので、まあ多い所につきましては、そういう傾向があるのじゃないかということを申し上げたわけであります。

○江田三郎君 それは金子さん、あなたの思いつきの答弁ですよ。大体多いですよ、どこでも。それを合理化するのに、あなた、たまたまなわ延びというようなことを言ったんでね、あまり適切な答弁じゃないですよ。それはやっぱりさっきから出ておるように、税務署の方は何でも税金取らなきゃならぬ。上からノルマもきておるから、それでなれぬ手付でやったということの方がほんとうなんで、もう少し実収の把握については、他の農業団体その他と協調されるということに持っていかれる方が僕は妥当だと思うのです。まああまりしつこう言いませんがね。

○仲原善一君 農民課税について、もう一点だけお伺いしておきたいと思いますが、これは最近こういう傾向が出てきております。と申しますのは、中小企業で、法人化して税金を少くする。この例にならって、農家が、家族を法人の構成員にして、農業法人というのを作っている傾向があります。親族も一緒になって、農業法人になる。そうしますと、税金が、たとえば二十世紀などを作っているところでは、半分以下くらいになるという実態がありましてそういうのがあっちこっちぼちぼちできかかっておりますが、こういう農業法人の考え方について、国税庁はどういう見解を持っておられるのか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。と申しますのは、この農業協同組合の情成員に、こういう法人がなれるかどうかというような問題もあって、将来の農村の組織といいますか、そういうものにも非常に重大な関係のある問題でありまするし、実態としては、そういうものがぼちぼちできているというようでありますので、茅の法人化について国税庁の意見と申しますか、そういうものをちょっと拝聴しておきたいと思います。

○説明員(金子一平君) ただいま私の手元には、まだあまり材料が参っておりません。柑橘類の関係で数社四国にできたというような話を聞いたのでありますが、それは農地法の関係で、果して法人経営が認められるかどうかという問題が、課税の問題の一つ前にあるように伺っております。まだその点の解決がどういうふうになるかによりまして、私どもの方の考え方もまた変って参りますので、最終的に結論を出しておりません。


1958/02/18

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