1958/02/13

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28 参議院・大蔵委員会


○委員長(河野謙三君) それでは引き続いて質疑を行います。
 なお、本日はただいま説明に当られました村上監理官のほかに、説明員として日本専売公社生産部長の西山君、同じく専売公社の生産課長の榎園君が出席しておられますから、御了承いただきます。

○江田三郎君 大臣はきょう見えますか。

○委員長(河野謙三君) 見えません。

○江田三郎君 そうすると、これはちょっと大臣に聞かんければならぬと思うんですけれども、事務当局に聞いてみたところで意味がないと思うんですが、ちょっと申し上げたいことは、第一にこの専売法の一部改正についてはもう委員の皆さんが御承知のように、前の国会で政府が出して、一ぺんも審議をしないで廃案になったわけです。その後本委員会に正規に懇談会、名前は懇談会ですけれども、各派の代表が参加されたいわば小委員会のようなものでして、そこできまったことは、当時の中心になられました杉山委員の方から本委員会へ正規に御報告をされて、議事録へも載っているわけです。その内容についてはもちろん政府側の方も十分御承知のはずなんでありますが、今度提案をされたものは、懇談会で何回も慎重に審議をしてきめた内容とは相当違うわけです。そこで、一体そういう各派から集まって正規に小委員会、あるいは懇談会といいますか、そういうものでやったものとなぜ違ったものをお出しにならなければならないか、これはもちろん法律案は国会で審議をするわけですが、国会であらかじめ前回からのいきさつがあって、ずっと審議を続けて一つの方向が出たものと違ったものを政府の方で出されるというのは、これは一体政府の方が国会に対して挑戦をしておられるのかどうか。挑戦ということになりますと、これはわれわれとしましても重大に考えなければならぬ。ただ参議院における本委員会の問題ではなくて、全体の法案の審議と関係があるわけであります。また大蔵関係だけについて言いましても、われわれとしても、衆参両院のわが党所属の大蔵委員に連絡をとって、一つの態度をきめていかなければならぬ。あるいは挑戦というようなことは言い過ぎであって、小委員会に参加した者、あるいは委員会に対して政府が、お前たちの方が間違っているのだというので反省をお求めになってきておるのか。それならそれで、われわれの方が反省しなければならぬのか、政府の方が反省しなければならぬのか、これまた軽々しい問題ではないわけであります。

 ともかくも、そういういきさつを考えました場合に、この際政府の責任者から、なぜこういうような経過をとってこられたかということを私ははっきりお聞きしなければ、なかなか事務当局を相手に条文の個々の問題についてお尋ねをするというわけにはいかない。そこできょうは残念なことに大臣が見えておりませんから、私は大臣が見えてから、このことをはっきり政府の態度を聞かしてもらって、それから一つ態度をきめていきたいと思います。いろいろこの内容についてはただすべき問題がありますけれども、そういう基本問題がありますから、きょうは答弁は要りません。きょうはあなた方立たぬでもよろしい。私は政府の最高の責任者の答弁を求め、それから次の質問をやりますから、これだけを申し上げるだけで、きょうは答弁はなくてもよろしい。

○委員長(河野謙三君) 大臣は本日衆議院の大蔵委員会の方へ御出席のようでありまして、当委員会としてかねて大臣に出席を本日は求めておりませんでしたので、江田さんの御意見ごもっともと思いますから、次回までに政府当局とよく打ち合せしまして、できるだけ次回には大臣に出席を求めるように善処しますからどうぞ……。

○政府委員(村上孝太郎君) ただいま江田先生からおしかりを受けましたけれども、まず第一に、昨年夏私も数回呼ばれまして、いろいろ御教示を賜わったのでございますが、その懇談会の一番結論と申しますか、紙に御意見をまとめられたものを私拝見いたしたのでございますが、それが一体どういう意味を持つのか、それに異なった提案をいたすのが国会に対してはなはだ失礼なことに当るのかどうかということにつきましては、私としましては各般の手を尽して、自民党の方々にもその他の方々にも御相談を申し上げたわけでございます。まあこの席に杉山委員がいらっしゃいますから、杉山委員から参議院側としてどういうお気持で懇談会のいろいろな意見をお示し下さったのか、お聞き願いたいと思いまするけれども、私の方としましては、あの結論は、いろいろ審議をして、参議院側の御意向としてはこういうことの方がいいと思うがどうかというふうな、そういうお教えをいただいたというふうに解しておりまして、それと違った表現を持った法案を出すということが、たとえば国会に挑戦するとか、あるいは反省を求めるとかいうふうな大それた考えは少しも持っておりませんので、その点は一つ御了承を願いたいと思うのであります。


1958/02/13

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