2001/06/26

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日本の危機を黙って見過ごせない

大橋巨泉さんがロスから参院選出馬会見


 民主党は26日、数々のテレビ人気番組の企画、司会者として活躍した大橋巨泉さんを次期参議院選挙の比例代表候補として擁立することを決定した。菅直人幹事長が大橋さんが滞在中のロサンゼルスを訪れて会談し、最終的に立候補を合意。26日10時(現地時間25日18時)から、ロサンゼルスから大橋さんと菅幹事長、東京都内の会場で鳩山代表が出席して、両会場を専用回線で結び、同時記者会見を行った。またその内容は、インターネットで同時中継された。

 会見ではまずロサンゼルスから菅幹事長が「小泉政権誕生以来、週刊誌のコラムなどで厳しく的確な意見を発表されているのを拝見し、民主党を応援するつもりで出てほしいと電話で連絡を取らせていただいた。決意していただき、大変うれしい」と経過を説明。

 続いて、大橋さんが「長い間、自民党以外の政権でなければ日本は救えないと繰り返し述べてきた。自民党が参院選で圧勝すれば、日本は沈没する。それを黙って見過ごすわけにはいかない。現在の状況は極めて危険だ。小泉フィーバーに草木もなびく日本人の付和雷同体質は恐ろしい。一石を投じるための石になりたい」と出馬の動機を話した。

 また、「小泉首相は信用できない」という大橋さんは理由のひとつとして、靖国神社公式参拝をすると表明していることをあげ、「国のために若い命を散らした人たちと、彼らを戦場に送り込んだ者たちの区別もつかない」「構造改革なくして景気回復なしという姿勢には賛成だ。構造改革から始めるのは正しい。しかし、それなら、靖国神社についても、『A級戦犯分祀なくして公式参拝なし』と言うべきだ」と、戦後ドイツ人が自らナチスの罪を裁いたことを例に挙げ、小泉首相のあいまいな姿勢を痛烈に批判、「化けの皮を必ずはいでみせる」と断言した。

 大橋さんは90年に日本での仕事からのセミリタイア宣言をして、これまで主に海外に居住しながら、土産物店を経営。週刊現代や朝日新聞に連載コラムを掲載してきた。そのことについては、「議員になれば、セミリタイアの生活を6年間諦めなければならないが、国の進む方向を正すために、力を尽くしたい。著書の『巨泉−人生の選択』で後半生の優先順位として書いた『1に健康、2にパートナー』は変わらないが、3の趣味をしばらくの間『奉仕』に代える」と述べた。

 中継を通じての鳩山代表との対談では、「あなたは育ちが良くて、すぐ相手の良いところを認めてしまうが、それではいけない。ぼくが理想とするのはイギリスやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの2大政党制だ。国民が腐敗しそうな政党を下ろし、第2党を選ぶことができる。日本でも同様のことを実現するには、自民党が多少いいことをしても目をつぶって、誉めてはいけない。敵を認める美学はわかるが、あなたは大学教授ではなく党首なのだから、相手の悪いところをびじばしと批判すべきだ」と注文を付け、鳩山代表も苦笑い。

 鳩山代表は、「小泉首相、自民党の欠点は過去を曖昧にしてきたこと。靖国問題もその象徴だ。森政権の総括もなく、構造改革ができるとは思えない。過去の批判を厳しくやってこなかったことに日本の民主主義の稚拙さがある」と応じた。

 また政策について、大橋さんは「民主党の政策に100%賛成しているわけではない。特に痛みを伴う構造改革といいながら、言葉だけが先行している。年金生活者や病弱な人たちにどのような痛みを我慢してもらうのかなど、きちんと具体的に説明するべきだ」と提言した。

 大橋さんは選挙期間中の7月中旬は仕事の予定がすでにあることなどから帰国できないが、菅幹事長はこのことについて、「大橋巨泉という名前を利用するだけなら立候補などはお願いしない。大橋さん単なるタレント候補とは違い、長い間同じ主張を続けてきた方。有権者の皆さんは理解してくれると思うし、補完することはわれわれ民主党がやっていく。さまざまな方法を工夫したい」と説明した。

 最後に大橋さんは「一年生でもぜんぜんひるんだりしない。当選したら必ず一対一で小泉首相に質問をしたい」と当選した場合の抱負を述べ、会見を終えた。

 鳩山代表はこのあと記者からの「民主党はタレント候補の擁立に慎重な姿勢だったはずだが」との質問に答えて、「大橋さんや(すでに擁立した)幸田(シャーミン)さんさんはたいへんな信念の持ち主。政治に対する強い関心を持っている。人気取りのような形でタレントの名前を利用して、本人の政治的能力如何にかかわらず利用することは民主党は断じてしない。歴史認識、構造改革のスタンスの話も含めて、大変鋭い感覚を持っている大橋さんだからこそ擁立した。けっしてタレントだから擁立したのではない」と説明し、いわゆるタレント候補扱いされることをきっぱりと否定した。

(民主党ニュース)


2001/06/26

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