2003/11/25

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158 衆院・予算委員会 


2003年11月25日 (民主党ニュース)
山岡議員、道路利権の真相究明迫る

 衆議院予算委員会の25日の質疑で、民主党の山岡賢次議員が質問に立った。
 
 山岡議員は、道路公団問題を取り上げ、先の通常国会中に藤井前総裁を更迭しなかった理由、菅代表が行った公開質問状の取扱い、石原国交相と藤井前総裁の間で交わされた会談の内容およびイニシャル問題等について追及した。しかし、首相、石原大臣からは明確な答弁がなく、山岡議員は、事実確認のため藤井前総裁の参考人招致を求めた。
 
 また、山岡議員は「景気は回復基調にある」とした竹中経済財政担当相や日銀総裁の認識を批判し、早急な景気回復・雇用対策が必要だと指摘した。


平成十五年十一月二十五日(火曜日)

山岡委員 民主党の山岡賢次でございます。

 きょうは、景気の回復と雇用の安定、こういうことをメーンテーマにお聞きしたいのでございますが、民主党のしんがりでございますから、今まで、菅代表、岡田幹事長からの御質問が続いてまいりました、関連するものもつけ加えさせていただきたいと思います。

 早速でございますが、今道路公団のお話が出ておりましたけれども、前藤井総裁の幻の財務諸表の問題、大きく取り上げられてまいりました。答弁が何度も変わっている。二転三転している。藤井総裁の更迭を私どもは強く主張したのでございます。

 しかし、そのときには、例えば九月の二日には、扇前大臣が、あるいは国土交通省もあわせまして、一連の財務諸表については疑惑はない、藤井総裁が責任を負うことはない、こういうふうに発表して更迭を否定いたしました。小泉総理もそれを了承していたと報じられております。ところが、九月の二十二日になりますと、石原国土交通大臣が扇大臣にかわって就任をされるや否や、突然、総裁更迭に転ずるところと相なったのは御承知のとおりでございまして、小泉総理にお伺いをいたします。

 我が党が何度も藤井総裁の更迭を要求したときに、そのときにはなぜ更迭をしなかったのか、その理由をお伺いいたします。

小泉内閣総理大臣 物事には時期というものがあるんです。時期をよく判断する、これも大事であります。

山岡委員 それでは、扇大臣のときには更迭をしなかった、その理由と、今度は石原大臣になったら更迭する、時期は変わったんですが、理由も変わったんでしょうか。

石原国務大臣 まず、私がなぜ藤井総裁を解任に処したかということをお話しさせていただきたいと思いますが……(山岡委員「そんなこと聞いていないよ」と呼ぶ)これをお話ししませんと、なぜ扇大臣がという質問にお答えになりませんので、ちょっとお時間をちょうだいしてお話をさせていただきたいと思います。

 十月五日の日でございますけれども、五時間にわたっていろいろな御議論をさせていただきました。私の質問に対して、正面からお答えになることが大変少なかったという印象を持ちました。

 一つのエピソードをお話しさせていただきますと、二時間たったときに、では、大臣の言う、今二つと言いましたけれども、それは何ですかと。ずっと私が話していたことに対して、何にも聞かないで全く別のことを話している。こういう方にこの未曾有の道路公団の改革というものを任せるわけにはいかないなということを私は強く感じたわけであります。

 そして、その日に藤井総裁に対しまして辞表を提出願いたいと言ったら、そのときは御了解をいただいたわけでございますけれども、その翌日、よんどころない事情で辞表が出せなくなったというお電話をちょうだいし、過去の、五日の審議の経過を控えると、大臣に対しては申しわけないと伝えてくれ、こういう話があったわけであります。

 そこから質問にお答えすることになるわけですけれども、では、何で扇大臣のときは解任しないで私になったらかという質問だと思うんですけれども、扇大臣のときには、今山岡委員が御指摘されましたように、幻のいわゆる財務諸表の問題、なぜ幻かというと、根拠が脆弱であるから、そして扇大臣のイニシアチブによりまして財務諸表をつくった、そしてその財務諸表が社会的にも認められるものであるのかということを、公認会計士の方々、言葉をかえますと監査法人に確認してもらわなければならなかった、そういう問題が八月いっぱいかかったわけであります。

 九月になってどういう問題が今度出てきたかというと、料金の別納制度の問題が出てきたわけです。これは大変大きな不正があったというような報道によってなされた問題ですけれども、こういう問題。

 要するに、避けては通れない問題を扇大臣は解決に当たっていた、その結果、この時期というものが私が就任したときにずれ込んだと御理解をいただきたいと思います。

山岡委員 そうすると、扇大臣のときには解任をするようなものはなかった、財務諸表には問題はなかったと。ところが、石原大臣になったら解任するだけの理由の問題が出てきた、そういうことを言っているわけですか。もうちょっとはっきり言ってください。何が違ったんですか。

石原国務大臣 先ほども御答弁をさせていただきましたように、未曾有の改革を行う総裁として、私がお話を、五時間、私は初めてしたわけであります。そのとき、その人間性、あるいは私の質問に対しての答え等々を総合的に勘案して、この未曾有の改革を行う人物としてふさわしい、ふさわしくない、こういうものを総合的に判断をしたわけであります。

 扇大臣もそういう御答弁はされておりますし、扇大臣としては、どうしても避けては通れない、道路公団改革を行う上で避けては通れない問題を抱えていたわけです。道路公団という公団が抱えていて、この問題を、その総裁をかえることによってよりこの問題の解決に時間がかかってしまう。すなわち、さっき委員が御指摘になった幻の財務諸表の問題、そしてまた料金別納の問題、こういう問題が八月、九月と連続して起こり、公団がつくった財務諸表に対しての社会的な信頼性をどうやって確立していくかということを扇大臣は苦慮されて、といいますのも、会計事務所がこれに対してお墨つきを与える、検査をするということに対して、一般入札をしてもだれも応募してこなかった、そういうもろもろの問題を解決するとき、総裁を更迭するという時期としては不適切だと扇大臣が考えられたものだと私は理解しております。

山岡委員 そんなことは全くないんです。更迭する理由がないから、こういうふうに言ったわけですよ。だから、財務諸表の問題については扇大臣は、更迭する理由にならない、こういう判断で更迭をしないで、総理もそれを了承した。

 ところが、石原大臣が五時間話しても、いいかげんな話で煮え切らない、腹立ったからやめさせた、こういうことですか、あなたの言っていることは。そういう理由で総裁をやめさせるんですか。

石原国務大臣 道路公団法を読んでいただければわかりますように、不適格と考えられるときはその地位をかわっていただくことができるという条項がしっかりと書かれているわけですね。

 それは、いろいろな問題があったということは委員も御承知の上で、その上で公団自体が抱えている問題として解決をしなければならない、避けては通れない問題を処理していくことによって時間的経過があったということは事実だと思います。

山岡委員 もうそういう話を聞いていてもしようがないですから、結論を申し上げますと、いろいろな問題があった、そのとおりなんです。しかし、そのことについては、扇大臣のときには、これは責任はない、こういうふうにそのことを決断した。ただし、その後、あなたがかわっていろいろと話をしたら、非常に人間性にも問題があるからそのことを変えた、こういうふうにしか聞こえない。

 しかし、このことは後で、小長井良浩弁護士、これは藤井氏の代理人ですが、十月十八日の会見で、解任が選挙の道具に使われており、人事権の乱用だ、人権の侵害ですよ、こういうふうに言っているんですよ。このことについて、総理、どうお考えになりますか。

小泉内閣総理大臣 それは、人事権は国土交通大臣が持っているんですから、不適格だと思えば解任していいんでしょう。役人は解任してはいけないという身分保障がありますけれども、そういう中にも、規定があるんですから、不適格と判断した場合は解任していい。どうして解任しなきゃならないのかという点については、大臣としてもいろいろ立場があります。改革に必要だと思ったから解任したんでしょう。私はそれでいいと思いますよ。

山岡委員 大臣に解任権があるのは決まっていますけれども、しかし、お役人の皆様にも人権もそれこそあるわけで、理由をはっきり示さなければ、解任ということは大変な事態ですから。

 それじゃ、石原大臣、申し上げますけれども、こういう理由で解任したと後で文書で説明していただけますか。気に入らないからじゃないんでしょう。

石原国務大臣 この問題につきましては、聴聞の手続の中で明確にお示しをさせていただいておりますので、山岡委員に、委員長の許可を得れば、後日、その文書を配付させていただきたいと思います。

山岡委員 いいですか、委員長、後でもらって。
笹川委員長 許可します。
山岡委員 許可、いいですね、それは後でいただきますから。
笹川委員長 わかりました。

山岡委員 わかりましたと。まあ、新任委員長ですから。

 もう一つお伺いしたいんですが、この解任の日というのは、気に入らないからというような理由じゃない、立派な理由がある、こう言われましたが、なぜわざわざ十月の五日にしたんですか。十月の五日というのは、十分わかっているとおり、民主党と自由党が合併をするそれぞれ歴史的な日であったわけです。

 総理、笑っているけれども、本当に総理らしいやり方だな、こういうふうに思いますよ。やはり政治家というのはそれぞれお互いの立場を考えていくということでずっと今までやってきた。敵と味方と戦うのはそれはありますよ。しかし、わざわざ相手が一番重要なセレモニーをしているときに、なぜその日にぶつけたんですか。前の日だってできたじゃないですか。その前の日だってできたじゃないですか。いいですか、自民党の人たちから聞いたんですよ、幾ら何でもあれはないよな、山ちゃんと。
 どうですか、石原さん。

石原国務大臣 山岡委員がかつて自民党に所属され、その一番最初は私も同じ政策集団で一緒に研さんを励んだ仲でございますので、山ちゃんがどなたかはわかりませんけれども、物理的な理由でございます。

 これは私の公表されている日程を見ていただければわかりますように、ずっと予算委員会等々がその前の週はございました。土曜日は地方に応援に頼まれておりまして、私おりませんでした。そのような物理的な中で、五時間というまとまった時間をとれるということは、ウイークデーにはとれないという現実があったわけでございます。

 そして、自由党と民主党が合併するというのは歴史的なことでございますから、その歴史的なことがニュースの正面に来ているということは新聞を見ても明らかなわけだと私は考えております。

山岡委員 その明らかなところにわざわざその日を選ぶ、まあ、義理も人情もない政治になってきたのかもしれませんが、そういう自民党に変わってきたのかもしれませんが、まあ、こういう、弁護士さんの選挙目当てのやり方だとか、こういう日にちをぶつける、まさに、言うなれば、おやりになっていることは、いかにも、首を切る、こういうことをすれば、血を流して改革をやっているんだ、中身のない改革が中身のある本当にすごいものであるかの、こういうような印象を与えるのは実にうまい小泉総理です。

 また、そのときに、選挙の前に、中曽根元総理と宮澤元総理のその首も実は比例代表名簿からばっさりと切り落としている。民主党は若手がそろっている、自民党もこうやって若手にシフトしたんだ、そういうことをお考えになりながら多分やっているんだろうな、こういうことが平気にできる総理がやはり現代的な総理と言うのかなと。あなたはそうやって笑っているけれども、恥ずかしくて笑っているんじゃないですか。

 そこで、総理にお伺いいたします。
 菅代表から総理に公開質問状をお渡ししてあるはずでございます。どういうことか念のために読ませていただきます。

 小泉内閣の石原伸晃国土交通大臣は、十月五日の藤井治芳日本道路公団総裁との会談の席で、政治家のイニシアルを挙げて疑惑を指摘する話が総裁からあったということを、テレビ番組の中で明らかにしました。政官癒着こそが、税金のむだ遣いの最大の原因であります。

 小泉内閣として、国土交通省政官癒着疑惑について、事実関係の徹底した解明を行う必要があると考えますが、小泉総理の見解をお伺いしたい。なお、今週発売の週刊誌の中で、藤井総裁は、青木幹雄自由民主党参議院幹事長から地元の道路工事に関連した電話を受けたこと、並びに小泉総理の飯島秘書官から人事に絡んで電話を受けたことを述べたという記事が掲載されておりますが、事実関係はいかに。事実とすれば、どのような内容であったのかを明らかにされたい。

 以上、質問する。速やかに回答を願いたい。

 こういう文書がお渡しになっておられるのは御存じなのか、それに対する回答はないんですが、今ここで回答していただけますでしょうか。

石原国務大臣 ただいまの山岡委員が御指摘されましたこの質問状というものは、選挙期間中に、私、ちょうだいいたしました。そして、この質問状の冒頭が私のテレビでの政治家のイニシアル云々ということから始まっておりますので、私の方から御答弁をさせていただきたいと思っております。

 これは、具体的な話は何にもないんです。さっきの山ちゃんじゃないですけれども、ABCDのアルファベットを言って、私は、何でそんな話をするんだろう、私がこのアルファベットからだれを想像するんだろうということを意図されて発言したとしか思えなかったわけであります。ですから、エピソードとしてそういうお話をさせていただいたわけであります。

 また、週刊誌のことについて私がとやかくお話しするのは不適切かもしれませんけれども、いわゆる青木幹雄参議院議員に関する件については、高速道路建設にかかわる工事発注に関することと、週刊誌を読む限り、私は理解をさせていただきました。これは、日本道路公団の業務の執行上の問題であるということは言うまでもございませんので、国土交通省として、その経緯とかあるいは事実関係を日本道路公団からこうこうこういうことがあったという報告を受けている、それだけのこととしか掌握をしていないし、ただそれだけのことであると認識をしているわけであります。

 また、青木さんの次に言っております飯島秘書官でございますか、公団内の人事に関する記事というふうに私は一読して承知しております。しかし、道路公団の人事に関することであるとするならば、道路公団の総裁が判断する事柄であり、どういう人事があったかというようなこと、不正等々大きなものがないわけでございますので、国土交通省が公団の細かい人事まですべてを把握しているという事実はございません。

山岡委員 それでは、端的にお伺いいたします。
 週刊誌は三名というふうに書いてありますが、あなたの談話では五、六名のイニシアルが述べられた、こう言われております。実名を言われたのか、それはだれなのか、あるいはだれのことだと思いますか。

石原国務大臣 これがまさに先ほどの山ちゃんで、山ちゃんでだれを想像するのかということと全く同じだと私は考えておりますし、こんな問題は、五時間の討論の中では本論じゃないわけですよ。本論じゃないことを言って、何でこういうことをこの方が言うんだろうということを疑問として私が持ったのであって、私がそのイニシアルでだれを念頭に置いたかというようなことは、今記憶にございません。

山岡委員 石原大臣と藤井総裁の間の話では本論じゃないかもしれませんが、しかし、語られていることは、この今の政治の本質的な問題が語られているんです。今日の不景気はどこから来ているか。私どもはいつも言っていますが、政官業癒着の構造から、これが、国民の血税がそういう政官の方に流れてしまっている、地方や国民の方に流れていかない。そこが問題なんだということを国会で再三再四追及をし、そのたびごとに事件が起こり、または国会議員がやめていっている、これが現実じゃないですか。

 そういう名前が語られたということは極めて重要なことであって、あなたにとって重要なことじゃないかもしれないが、国会や国民にとっては極めて重要なんですよ。名前を言ってください、名前を。

石原国務大臣 山岡委員は物語をつくっていますよね。私はそんなことを申しておりません。私がこのイニシアルに対してだれを思わせるかということを意図して話をしたんですよ。ですから、これは本則ではないけれども、こんな話をしたから五時間話がかかったということを紹介したのであって、今、山岡委員の言われるような物語があるとするならば、具体的にあるとするならば示していただきたい。私も、あるならば、それは徹底的に厳正に調査いたします。

山岡委員 では、わかりました、示してあげますよ、示してあげますから。いいですか、あなたははしゃぎ過ぎたんですよ。テレビで出たり記者会見したり、選挙演説でぺらぺらぺらぺらと自慢げに、こんなことをやっているんだとさんざんしゃべってきたじゃないですか。今さら物語だなんて、よく言っていただきますよ。聞かない話で物語を述べない。

 いいですか、では、あなたは、十月十二日のテレビ出演や記者会見で、藤井氏は、だれだかわかるようなイニシアルで五、六人の政治家を挙げ、自分が建設省勤務時代のこととして、国有地の払い下げなどこんな疑惑があることを知っているぞ、道路関係議員は自分が面倒を見ているんだということを自慢げに話したと。あなたはそう言っているんですよ。これがうそなんですか。私は、不正があったら公にしてください、こう言ったら、死人が出る、こういうふうに言ったと。さらに、自分がすべてを話せば大変なことになるぞとおどしをかけてきたと。二十一日の記者会見では、何か土地の話はしたんですけれども、何とかの土地がどうのこうのというとか、こういうふうにあなたは極めて具体的に言っているじゃないですか。これは作文じゃないですよ。あなたの会見が全部載っているんですよ。インターネットで見たらどうですか。証拠があると、出せと言うのなら、これはどうなんですか。このことをあなた言ったのか言わないのか。

石原国務大臣 先ほどの質問は、イニシアルをだれだと思うかという質問だから、だれを思うか、そのときだれを思わせようと思ったのかということを私はそのとき思ったという話を御披露したという話を正直に御説明させていただいているわけでございます。

 今の点につきまして……(発言する者あり)私、答えているんですけれどもね。(山岡委員「どうぞ」と呼ぶ)いいですか。どうもありがとうございます。

 私がお話をさせていただいたのは、そういうイニシアルを出して国土交通大臣との話にそういうことを言うことは筋違いだ、もしそこに不正があるなら、総裁がみずから明らかにしなさいという話をしたという話を御披露させていただいたわけでございます。(発言する者あり)全然違わなくないじゃないですか。私はずっと言っている。

 こういう全く話の違うことを言う。そういう意味で、ニュージャパンの話とかされたわけですよ。ニュージャパンの話というのも、私は、はばかるから、広い意味で国絡みの土地の話が出たという趣旨でお話をさせていただいたということは、もう記者会見でもはっきり言っているわけであります。国有地という言葉が勝手にひとり歩きしているだけであります。

 この話は、もう私言っておりますし、その問題も私調べましたよ。仮にニュージャパンという話が出て、週刊誌に出ちゃいましたからね。まさかそんな話を総裁がべらべらしゃべるとは思わなかったから。そうしましたら、国土交通省がこの土地の絡みで民都機構から相談を受けたという事実はありましたけれども、値段が高かったんだそうです、その買ってくれという金額が。だから、一切これはやめろということを事務的に積み上げていったということも私は確認いたしたわけでございます。

山岡委員 あなたの言っていることをやると、これは一日やっていなきゃならなくなるんですけれどもね。

 もう一回言っておきますけれども、あなたは、だれだかわかるようなイニシアルで言った、こういうふうに言っているんですよ。これがうそだというのならまた話は別ですが、そういうふうに言っている。さらに、そのイニシアルが、私が言ったら非常に迷惑をかけると思います、こうまで言っているんですよね。だれだかわからずに迷惑をかけるんだと。まあ、それはいいです。もう時間、ほかに経済問題をやりたいわけですから、この辺でやめますけれども。

 いいですか、ここで委員長に申し上げますが、彼の話というのは、今ここでは、言っていないとか、明らかにもう全部残っているんです、そういう点においては。そして、その話はどんどんどんどんどういうわけか後退をしている。逆に今では居直っている。非常に不明確であるということが一つ。

 それからもう一つは、石原大臣が、本人が言っているんですが、最後にとうとう、疑惑があるなら藤井総裁がはっきりさせるべきだ、こうも言っているんですね。言っていますわね。藤井総裁にボールを投げている。これが二つ目。そういうふうに言っているんですから。

 三つ目は、藤井総裁自身も、代理人の言葉として、本人は墓場まで持っていくというのが基本的な考えだが、しかし自分の身を守るためやむを得ないこともある、必要ならはっきりさせたい、こう言っているんですよ。

 本人もはっきりさせたいと。あなたも本人から聞きたいと言っている。あなたの話も大分変わってきている。これでは、もう一回藤井総裁を、ここに来ていただいて、参考人として呼んでいただきたい。そして、予算委員会を改めて開き直していただきたい。委員長にお願いいたします。

笹川委員長 後刻理事会で協議いたします。
 質問を続行してください。

山岡委員 時間がなくなっちゃって恐縮なんですが、道路公団総裁、おいでですね、済みません。

 総裁にもちょっとお聞きしておきたいんでございますが、総裁は、就任したら、なかなかやはり歯切れのいいことを言っていらっしゃいます。十一月十六日の民放の報道番組で、公団内で話を聞いて必要なら調査をやるのも選択肢の一つと考えると、イニシアル問題を内部調査するという可能性を述べておりますし、また、明日から公団内部の関係者からヒアリングをしたい、それ以上の行動が必要ならその点で考える、こういうふうに公式に発言をされていらっしゃいますが、調査はされたのか、それともこれからするのか、お答えをいただきたいと思います。

近藤参考人 お答え申し上げます。
 私自身、公団内で知り得る情報があれば、しっかりと私自身把握をしたいと考えております。したがいまして、先週から、公団内の関係者、複数でございますが、話を聞き始めたところでございます。

山岡委員 もう一度お聞きしますが、では、正式に調査する、こういうことですね。

近藤参考人 お話を関係者から聞いた上で、その後の措置については、その措置が追加的に必要なのかどうかも含めまして、私、責任を持って判断をさせていただきたいと考えております。

山岡委員 なかなか立派な総裁ですよ。それが当たり前なんです。やはりきちっと正式にこの調査をして、それを公表していただく。そうしなければ、公団自身がこれから信用されませんから、あなたも運営を非常にやりにくい。ぜひ委員会に報告していただきたいと思います。よろしゅうございますか。――では、答弁はその後でいいです。もう一回、別なことを一緒に聞きながら、答弁をいただきたいと思います。

 またちょっと別件ですが、この話とは違いますが、総裁はその際に記者会見で、公団は会社更生法を適用する状態に限りなく近づきつつある、こういうふうにお述べになりましたね。そして、何とかキャッシュフローは回っているが、金利動向によっては極めて厳しい、民間企業と同じ尺度で債務を計算すると二〇〇二年で約二十八兆円、年間の高速料金収入は二兆円にすぎず、単純計算で返済完了まで十四年もかかる、金利が上がれば返済額はさらに膨らむため、金利の低いうちに返済を急ぐ考えだ、こういうふうに述べておられます。

 限りなく会社更生法に近づいていると。これでは民営化できませんよね、総裁。さっきの話と一緒にあわせて答えてください。

近藤参考人 お答えをいたします。
 先ほどの調査結果といいますか、私のヒアリングの結果の公表でございますが、要するに、私なりにしっかりと公団内で知り得る情報は把握をしたいということで、今関係者から話を聞いているわけでございます。その結果につきまして、さらに追加的な措置が必要なのかどうかにつきましては、私はその時点で判断をさせていただきます、そのように申し上げたわけでございます。

 それから、今の、限りなく会社更生法適用に近づいているのではないかというお話でございますが、これは、仮に公団が民間企業であったとすればと、そういう前提で私お話しさせていただきました。

 それで、先ほど引用された私の発言でございますが、そのようには私は発言しておりません。それは新聞の恐らく推測記事であろうかと思います。

 それで、なぜそのような発言を私がしたかということでございますが、基本的には、大変今厳しい財務状況にあるということを端的に表現をしたい、そう考えたからでございます。その理由といたしましては、先ほどの読み上げられました、推測記事ではございますが、確かに今、借入金、これは二十八兆あるわけでございます。総収入が、ラウンドナンバーではございますが、二兆でございます。金利支払いが、昨年度、一年間を通じてみますと、七千億円を超えた金利支払いをしているわけでございまして、ただ、御承知のとおり、現在、金利は非常に低い水準でございます。これが正常な金利に戻った場合にはなかなか厳しい状況になるなということでございます。

山岡委員 あなたは民間からなられたんですから民間的発想で見るのは当たり前で、逆に言うと、民間的発想というのは当たり前な発想で、官僚的発想とか政治家的発想の方が実は狂っているんです。だから、あなたは正しいんです。だから、あなたの目から見て、そういう、限りなく会社更生法に近づきつつあるということは、これは民営化をできない、こういうふうに言っているのと同じことで、ただ、そう言えないから言わないんでしょうけれども、お気持ちはよくわかります、そういうふうに受けとめております。

 また、近藤総裁は、二十日の記者会見で、この財務諸表について、信憑性に疑問が出ている、六月の発表した財務諸表は仮置きのもの、必要なら追加措置をとる、見直す可能性もある、こういうふうに述べておられますが、それもそのとおりですか。

近藤参考人 六月に一応発表しておりますあの財務諸表につきましては、その後、新日本監査法人がその計算方法の監査といいますか検証をしております。その結果が八月の末にたしか発表されているということでございますが、この内容につきまして、私、近くきちんとお話を伺う予定にしております。

 また、本年度、平成十四年度の決算につきましては、昨年以上に精度を上げた、民間並みの財務諸表をつくる努力を今している、そのように私は承知をしておりまして、その作業状況につきましても、近く私、関係者から、公団内の関係者からお話を聞く予定にしております。

山岡委員 総裁、御苦労さまでございました。
 ただ、せっかく民間からおなりになったんですから、本当にそのよさを……(発言する者あり)失礼しました、政治家から、しかし、その前は民間ですけれども、その初心を忘るべからず。最初の記者会見の元気と今とは若干トーンが落ちてきたような気がするんですが、どうか、そうなったら値打ちがないんですから、何のために小泉総理が民間から起用したかという意味もなくなる、多分。ですから、それは格好つけだけに終わらないで、小泉総理の格好つけだけで終わったんじゃ困るんです。やはりあなたが本当に中身のことをやっていただきたい、勇気を持ってやっていただきたい。そのことなら我々もこれはバックアップをしてまいりますから。
 御苦労さまでした。もういいですよ、帰って。

 では、景気の問題についてお伺いいたします。竹中大臣にお伺いをいたします。

 十一月二十日の会見ですか、ああ、そうじゃなくて、これは関係閣僚会議に出席されて月例経済報告の中身を報告されましたけれども、景気は、持ち直している、日本の景気は回復軌道に乗っている、こういう認識を示されました。

 また、日銀総裁、済みません、お待たせしました。こんな長くなるつもりはなかったんですけれども、十一月二十一日は、十一月の金融経済月報で「景気は、緩やかに回復しつつある」、マスコミによれば底離れ宣言だ、こういうふうに報告をされているわけですが、先に竹中大臣にお伺いをいたしますけれども、この詳しい中身はいいですから、レクチャーを受けに来たんじゃないですから。

 いいですか、このあなたが報告した中身については、今、一時的にそういういい数字が出てきた、こういうことを言わんとするのか。要するに、景気づけよう、元気づけよう、わかりやすく言えば、塩じい方式と言うんですけれども、そういうのを。中身はないが、元気な、いいことを言わにゃなんねえよななんて平気で財務大臣のときに言っていましたが、そういうために今言っているのか、それとも本当に上向いてきているのか、どっちなのか、そのことだけ言ってください、こうこうこうだからというのは余り要りませんから。

竹中国務大臣 基本的には、日本の景気はきちっと持ち直しの動きにあるという認識を持っておりまして、そのことを報告させていただいております。

 これは、昨年の最初から持ち直しの動きがあったんですが、昨年の後半はいろいろ、イラクの問題、その後のSARSの問題等々がありまして、踊り場的な状況にあった、それが、世界の経済全体がさらに持ち直しに向かう中で日本もそのはっきりとした動きが出てきた、そうした動きが、とりわけ企業の業績であるとか設備投資とか生産の中にあらわれているというふうに考えておりまして、こうした動きをさらにしっかりとしたものにぜひ持っていきたい、さらに地域や雇用に浸透させていきたい、そのように思って月例経済報告を行っております。(発言する者あり)

山岡委員 事実誤認だなんという今話がありますが、月例経済報告にすら、よく見ていけば、個人消費は横ばいで推移している、そして、手がたさがなんて書いてありますが、見られるというので、要するに横ばいだということで、手がたさが見られるのはだれが判断したのかさっぱりわからないことで、自分らで勝手に手がたさが見られると。どういう数字が手がたいのか。

 消費マインドは持ち直しの動きが、これも見られると。持ち直していると言えばいいじゃないですか、持ち直しているんなら。どういう数字かというと、見られると。これは感想ですよ。

 機械受注は足元ではやや弱含んでいるが基調としては持ち直している。ひどいですね、これは。企業収益の改善が続くものと見込まれる。見込んでいるだけですよ、これは。こんな、見込んでいたんじゃ、銀行は金も貸してくれないですよ。設備投資に先行投資が見られる。

 住宅着工は底がたく推移していることが期待される。
 倒産件数は緩やかに減少している。つまり、ほとんど変わらないということを言っているんですよね。

 雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移し、依然厳しいものの、持ち直しの動きが見られる。持ち直してなんかいないんですよ。五・四が五・一になったなんというのは数字のマジックで、実際の失業者数は減っていないんですから。求人しないだけですから、むだで、あきらめて。三百四十三万人もいるわけですから、こんなのはもう数字のマジック。

 こういう状況に書いてあるものを、平然と、景気は回復したと。あなたは反論をしたいでしょうから、別にしないでいいです、こう書いてあると私は言っているんですから。これをやっていたらもう水かけ論で切りがないので、あなたのレクチャーを聞いてもしようがないので、これだけのことをはっきりと書いてある、こういうふうに言っているんですよ。それは認めますね、書いてあるんですから。

 そこで、福井総裁、お時間がないところ済みません。
 あなたも、景気は回復している、こういうふうに歩調を合わせました。まさか、政府が言っているのにあれはうそだとは言えないから、しようがないんでしょうけれどもね。

 米国など海外景気の回復を背景にして輸出が増加、それから鉱工業生産が横ばいから増加に転じたことなどを挙げて、生産の増加が明確に確認できて、前向きの循環が実際に動き始めた、こういうふうに言って、景気は底離れをしたということのニュアンスで言っておりますが、同時にあなたは、回復のテンポは緩やかなものにとどまると。あなたの方が正直ですわね。良心の呵責にとがめられていると思いますね。

 そこで、今は確かに一時的に数字はよく出ている、こう言いたいのか、今後ともずっとよくなる、こういうことを言っているのか、お答えください、同じように。

福井参考人 お答え申し上げます。
 先週の金曜日、連休の直前に私ども確認いたしました経済の判断、今のお言葉のとおり、経済はようやく底離れをして緩やかな回復過程に入った。私どもの判断は、来年にかけてこの回復は続くということでございます。

 ただし、非常に力強い回復まで展望できるかといいますと、まだ企業も金融機関も、過去の過剰投資等の重荷を引きずりながら、この問題を克服しながら前進しなければなりませんので、足取りはそんなに力強いものにならないというふうに見ておいた方がよかろう、そういうふうな判断でございます。

山岡委員 総裁の方が正直だと言っているのは、確かに今、数字は少しよく出ているんですよ。しかし、それは何かといえば、国内的には、デジタル関連商品、薄型テレビだとかDVDレコーダーとかデジタルカメラとか、これが今たまたまヒットしているんです。また、九月時の決算は、去年の三月と比べると非常によく出たのは、株価の一時的な値上がりですよ。圧倒的に大きな要因は、北米や中国からの外需によるもの、こういうことなんですよ。だから、今、景気の数字がちょっとよく出ているんです。

 しかし、総裁、もうわかっているんだと思いますけれども、デジタル製品というのはもう値下げが始まっているんですよ、そういう点においては。これがみんな一斉に入ってきたら、例によって、電化製品というのはいつもそうなんです。最初のうちはぱっと勝つけれども、後でだあんと落ちて、みんなもうあっぷあっぷになっちゃう。しかし、参入しないわけにはいかない。こういうことを繰り返しているわけです。

 そして、株価も、あのときに比べて九月は二八%上がったんですけれども、例えば、あのときは一万二百十九円。そうでしたね、九月末は。きょうは、三時に聞いたら九千九百六十円、三時の時点では。ちなみに、小泉総理が就任したときは一万四千円弱。これでは、中身はもうどんどんと低下をしている。しかも、アメリカは大統領選挙を控えているわけですから、釈迦に説法かもしれませんが、これはもう国内内需を拡大していかなかったら選挙にならない。当然、ドル安・円高基調にシフトしてきていますね。だから株が下がってきているわけです。

 また、鉱工業がよくなっていると。それはそうなんですよ。中国はオリンピックと万博でバブルですから、今。これも今終わってきているわけですね。終わってきている。しかも、これからイラクの戦争では泥沼ですね。
 私が日銀総裁なら、とてもこんなことは言えませんわね。どうですか。

福井参考人 経済を取り巻く環境を見ますと、今おっしゃいましたとおり、さまざまな逆風が引き続き吹いている。その中を、やはり勇気を持って前進していかなければならない。我々の政策体系も、それに十分整合性がとれるような組み立て方で前進していきたい。

 必ずしも悲観的な材料ばかりではございませんで、国内的に見ましても、企業は、やはり血のにじむような努力をしてリストラの成果を上げ、収益を上げています。そして、その収益は、過去の借金も返しておりますが、同時に、今、デジタル関連とおっしゃいました、これを新しく需要を開発しながら、つまり、消費者の心を刺激しながらの新しい投資も始まっているわけで、こうしたところをしっかり支えていかなければいけない、それは可能だというふうに考えております。

山岡委員 いい面もある、そういうふうに言っておられますが、それじゃ、あなた、これからよくなるということに責任を持ちますか。持てないでしょうけれども、そこまで言うんなら。

福井参考人 先ほど申し上げましたとおり、日本銀行の政策決定会合で正式に確認した情勢判断でございます。緩やかに回復するであろう、ただし手放しの楽観はしていない、そういう判断については、日本銀行の責任を持って申し上げます。

山岡委員 手放しの楽観はしていないと言っているから、これはもう政府よりましで、それ以上言いたくありませんけれども、実際、日銀短観で大企業の製造業がワンポイントプラスをつけた、そういうことでしょう。

 それはそのとおりですよ。だから、そういうことをして、ああ、よくなったよくなった、こう言いたいんでしょうけれども、実際には、大企業の非製造業はマイナス一三ポイントですよ、御案内のとおり。さらに、中小企業、製造業はマイナス二三ポイントと非製造業はマイナス三一ポイントですよ。壊滅的な数字ですよ、実際は。これで景気がよくなったなんて言ったら、きょうは、みんな選挙をやって、自民党の皆さんも選挙をやってきたんでしょうけれども、地方の皆さんや中小企業や商店街の皆さんがもう本当に、政治家は景気がよくなったなんて言ったら殺されますよ。おれたちの命はどうなっているんだ、いいかげんにしてくれ、これが本音ですよ。これが実態ですよ。

 なぜかといえば、結局、これはこういうことなんですよ。なぜ、大企業の製造業のポイントがワンポイントになったか。それは、外需であったりあるいは本業でなったのならいいんですけれども、やはりそれはまだ一部なんですよ。実態は、結局は下請関連企業の工賃を一五%引き、二〇%引き、三〇%引き、四〇%引きですよ。当然、下請は、リストラ、リストラをしていかなきゃやっていけない。そういうことでみんなリストラをして、給与はベースダウン、そして、サービス残業だって、しちゃいけないと言われていたって、していかなきゃ生き残れないのが現実じゃないですか。みんな悲鳴を上げているんですよ、実際には。当然、奥さんのパートもないんです。だから、買い物にも行かなきゃ消費も起こらない。だから、これをもってよくなったなんて考えて政治をやっていたら、もう日本はつぶれてなくなる、そういうことを意味しているんですよ。

 だから、竹中大臣もあなたも政治家じゃないからこれ以上言いませんけれども、もうそういうことを考えたときには、結局はそういうところのマイナスがプラスに出たというだけのことじゃないですか、要するに。依然として何にも変わっていない。確かに、北米や中国の外需は少しよくなった、あるいはデジタル製品は売れるようになった、しかしそれは一過性だ、だから先行きはこのままじゃ大変厳しいですよ、こういうことを私は申し上げたいんです。

 そういうことで、実体経済というのがいかに厳しいか。小泉総理は、十一月一日に名古屋市内で街頭演説した際に、少なくとも三年間はまだ景気は本格的に回復しないと思っている、しかし、ようやく明るい兆しが見えてきたと言っておられるわけだ。そう言っておられますわね。そういうことですか、小泉総理。

小泉内閣総理大臣 そうですね、二〇〇六年に二%成長を目指しておりますので、それが続いていくということがやはり本格的な景気回復軌道に乗ったというふうに私は考えておりますので、それまで、今ようやく出てきた明るい兆しをより強いものにしていきたい、三年間で消費税を上げる環境にないということを申したわけであります。何とか二〇〇六年度に二%を上回る成長軌道に持っていきたいために、改革を進めていきたいと思っております。

山岡委員 思っているだけで、役所に命じております、命じるのが総理の仕事ですと。もう二年半たっているんですよ。具体的に出てくるものなんか何もないです、実際には。もう民間は生きていけませんよ。二年半食うや食わずで来て、これからあと三年ぐらい厳しいでしょう、痛みが伴います、言うのは簡単だが、これはもう生活していくのは、とてもじゃないけれどもやっていけない。

 今、悪い話ばかり言いたくないが、そういう考えで景気対策をやらないんだったらもう日本はつぶれちゃうから、もう少し言っておきますと、今大体ヘッジファンドというのは一番敏感なんですよ、そういうものに対して、商売や景気に対して。このヘッジファンドが強気の見方を修正し始めて、衆議院の選挙後、早くも売りに転じ出しましたよ。それは、選挙前はいろいろやるからみんな買いますが、もうこの後はだめだと。ヘッジファンドに見限られるということは大体だめなんですよ。そうは言いたくないけれども、あの人たちには。

 また、一時十四社まで減った時価百円割れの銘柄、今五十五社になっておるわけですよ。そして、再び信用リスクというのがどんどん増加してきた。

 来年卒業の大学の内定率、菅代表も言いましたが、六〇・二%。昨年と比べると三・九%減。一九九六年度の調査開始以来、最低の数字ですよ。せっかく大学を卒業しても就職できない、こんな世の中、これを続けるんですかと、学生から私、怒られていますよ。

 また、高校生になるともっとひどい。三四・五%の内定率。過去二番目の悪さ。女子に限ると三〇%しか内定しない。過去最低。そして、若年層は失業率九・四%と、もう非常に低いんです。

 だから、こういう状況が立て続けに来て、悲観的なことは言いたかないが、景気はよくなるんですよと気持ちいいことを言えば、それだけでみんな浮かれて、町へ行くと言いますよ、不景気な話はしないでくれ、気分悪くなるから、何か景気のいい話をしてくれと。気持ちはわかりますが、我々は政治をやっているわけですから、そういう点では、政府としてはそのことに対してどういう対策をやっていくのか、あとどのくらい待てば景気はよくなって生きていけるのか、いつも私は聞いているんですよ。

 総理、目の子でもいいから言ってください、みんなそういうことを希望しているんですから。どれだけ頑張れば、いつまで頑張れば生き返るのかと。

竹中国務大臣 委員のお話、実態として我々も、その地域、特に一部の産業等々について厳しいということはもちろん十分に認識をしているわけです。その上で、しかし、委員の話を聞いている限り、やはり単純な景気循環の話と構造の問題をかなり混同してお話ししておられるように私には思えます。

 これは、GDPそのものは、繰り返し言いますが、第二・四半期に三・五%、二・二%成長しているわけですから、これ以上景気をよくしてGDPを五%、六%ふやすことなんて、これはできないわけです、今の勢いでは。したがって、何かというと、今の二%、三%の成長でもそれなりにそれぞれにこの効果が浸透するような、そういう構造をつくらなければいけない。これはまさに構造問題です。そのための構造改革というのをやっているわけです。

 具体的には、地域の再生、地域再生本部をつくって、その中で、公的な部分のアウトソーシング、基幹産業の強化等々の今構造改革を進めている。そういう改革を進めることによって、具体的には「改革と展望」に示しているような形で、二〇〇六年には名目成長に十分な成果が出るような形に持っていきたい。私たちは、そのシナリオに基づいて、そのシナリオを示して、構造的な枠組みもつくって、今この政策を進めているわけです。

山岡委員 だから竹中大臣の話は聞きたくはないんです。ぺらぺらしゃべっているからまことしやかのように聞いている人もいるかもしれないけれども、中身が何にもない。それじゃ、大学に行ったって先生も勤まらない、残念ながら。私も慶応大学だけれども。アメリカへ早く行っていただきたい。余計なことをしゃべらないでほしい。

 中身の話をしますと、だから私たちは、御批判があるなら別なことをやっていただきたいんですけれども、十八兆円を地方にお渡ししよう。そして、地方は地方でそのことをビジネスとして使っていただこう。地方の商店が繁盛し、地方の中小企業が繁栄して、そして地方の職場が守られていく、失業もなくなっていく、雇用も確保できる、そういうものに使っていただこうじゃありませんか。これが、中央のひもつきや中央の金でやると、今何回も言っていますが、みんなそこに行かないうちに別なところに消えちゃう。言いたくはありませんが、政官業の方に行っちゃう。だから、それを国民の方にお渡ししましょうと我々は言っているんです。

 あなたたちは何を言うんですかと言っている。三位一体なんて名前だけで、中身が何にもわからない。地方の知事も困っている、一体どうなっているんだ、わかるのは名前だけだと。そして、我々が言っているのは、またこの中小企業は長期不況で非常に苦しんでいるんですから、これは各種業法というのを解放して、そしていろいろと役所のコントロールも解放して、そして商売が非常に自由にやれて、もうかるようにやれて、なおかつ、新しい職種をどんどんどんどんと民間がやれる、中小零細もやれる、一般の国民もやれる、そういう制度に変えよう、こういうことを何度も提案をして、自由党の時代には国会に法案まで出したんですけれども、これは実現しない。させないのなら、何をやるんだ、生き残れないじゃないですか、こういうことを我々は申し上げております。

 高速道路の無料化について随分けちをつけているようですけれども、高速道路を無料化すりゃ景気はよくなりますよ。高速道路がただになるだけじゃなくて、あらゆる商品の物流にコストがかからなくなるし、例えば、私の県でいけば、完熟イチゴを朝とって、そしてそのまま東京に持ってくりゃ高く売れるんですよ、イチゴというのはもたないんだから。しかし、高速道路代を出したら採算が合わない。これがただになれば大繁盛ですよ、イチゴは日本一なんですから、我がところは。

 だから、そういうことや、住宅や自動車のローンの利子減税制度を設けよう、こういうことも提案しているんです。そうすりゃ家が建ちますよ。ゼネコンの下請をやっている限り、日本の建築、土建業者さんの三分の二は倒産するんですよ。そのことを早く建築、土建業者さんは気がつかなきゃいけない。今の政治を一生懸命支持したって、これは、殺してくれ、殺してくれと言っているようなものですよ。わかっている人はわかっているんだ。だから、そういうふうに地域で家を建てるようにしていけば、ゼネコンは入れないんです。地場の工務店や大工さんや、そういう皆さんが入っていけるんです。

 その他、失業率を四%以下に下げるために、我々は、いろいろな、福祉部門の産業育成、良質な環境の整備、NPOの育成等、公的部門を含めた積極的雇用、福祉と、一個ずつやっていると長くなって、もう質疑時間が終了したようですからこれで終わらせていただきますが、私たちが政権をとれば直ちにやる。自民党に何の方策もない、何も答えられない。また先々やります、こう言っているんであったら、これはもう国民は生きていけなくなるわけですから、一日も早い政権交代をする以外に、この景気回復と雇用の安定と、日本が沈没しないようにする道はない、こういうことを申し上げて、終わらせていただきます。


2003/11/25

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