2003年7月17日

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156 参議院・外交防衛委員会−(3)

イラク復興支援特別措置法案について
質問者=小池晃(共産)、山口那津男(公明)


平成十五年七月十七日(木曜日)

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今度の法案の審議の中で、小泉総理を中心に、どう考えてもこれはおかしい、首をかしげざるを得ないような、そういう答弁が続いています。
 私たちは、本法案はこれは米軍のイラク占領を支援するという内容で憲法違反であり廃案にするべきだというふうに考えておりますけれども、これ、たとえ本法案に賛成をするという立場であっても、この自衛隊員を戦場に送るという重大な法案の審議に当たっては、やはり慎重で正確な議論を行っていくということは、これは私は与野党を超えて共通の認識であるべきだというふうに思うわけです。そういう点で、これまでの審議でなされた、どう考えてもちょっと納得いかない、首をかしげざるを得ないような、そういう国会、政府答弁についてただしたいというふうに思っているんですが。
 まず最初に取り上げたいのは、小泉総理の例のフセイン大統領が見付からないからフセイン大統領はいなかったと言えるのかと、例のあの発言であります。最初にこの発言があったのは六月十一日の党首討論のときでした。我が党の志位和夫委員長が、なぜイラクが大量破壊兵器を保有していると断定したのかと、その根拠を問いただしたときにこう答えたわけです。この際は、だれもがもうこれは答えられないので支離滅裂な言い訳を言ったというふうに国民は受け取ったと思いますし、マスコミもそう書いておりました。しかし、その後、総理は二度にわたって、何か昨日もオーストラリアの首相の歓迎会でも同じことを言ったというふうに報道されている。だから、思わず言ったんじゃなくて確信犯的に言っているとすれば、これは極めて重大だと私は思うんです。
 そこで、官房長官にお伺いをしたいと思うんですが、小泉総理が発行している、官邸で発行しているメールマガジンがございます。これ、戦争開始一週間前の三月十三日付けではこう書いてあるんです。この問題は「全世界対大量破壊兵器を持っているイラク」と断定をしているわけですね、の問題だと書いています。戦争開始日の二十日付けではこう書いてある。「問題は、大量破壊兵器を保有するイラクの脅威に私たちがどう対峙するかです。」と、これも断定している。そして、戦争開始から一週間たった二十七日付けでも「この問題の核心は、イラクが自ら保有する大量破壊兵器、生物兵器、化学兵器を廃棄しようとしないこと、」、疑いという言い方ではなくて、いずれも断定をされている。
 官房長官、確認の意味で、これはまああくまで確認としてお聞きしますが、総理はイラク戦争の開戦前後にはイラクが大量破壊兵器を保有していると断言していたと、これは事実としてお認めになりますね。
○国務大臣(福田康夫君) イラクには多くの大量破壊兵器に関する疑惑があると、そしてまた関連安保理決議違反をしておるということにつきましては、これはもう安保理決議もございましたし、それから国連の査察団による何回もした報告にも明らかになっております。これは国際社会の一致した認識であると、こう思います。
 総理のメールマガジン、御指摘の、それで発言していますけれども、そういうような国際社会の一致した認識を分かりやすい形で端的に表現したと、こういうように考えております。
 フセイン大統領が見付からないのに云々という話ございましたけれども、それは一つのこれもイラクの大量破壊兵器の捜査を実施している今最中でございましてね、そしてあの広大なイラクにおいて現在発見されていないということでありますけれども、そのことがイラクに大量破壊兵器は存在していなかったということにはならないという趣旨を述べているんであります。
○小池晃君 分かりやすい形で端的にというふうにおっしゃったんですが、疑惑があるということと保有しているということは、これ全然違うわけですよ。これ、メールマガジンは何か大分読者減ったとはいえ、百八十万人流れているわけですね。そういうメールマガジンで三回連続ですよ。これ、明らかに表現として疑惑とは言っていないんです。断定されています、総理は。
 もう一度言いますよ。「大量破壊兵器を持っているイラク」、これ三月十三日付けです。それから二十日付けは、「大量破壊兵器を保有するイラクの脅威」と言っているんです。それから二十七日付けでは、イラクが自ら保有する大量破壊兵器を廃棄しようとしないと言っている。あの疑惑という言葉は一度も使っておられないんだ。こういうふうに断定したその根拠、これ分かりやすい表現だなんという、そういうごまかし利きませんよ。これ説明すべきだと思います。
○国務大臣(福田康夫君) イラクが自己申告した生産量などの報告もあるわけですね。そういうものが、そういうものが行方不明であるといったような、そういうUNMOVICの報告もあったわけでございまして、そういうような、あの当時の状況から考えて持っているものだというふうに、イラクがそういうものを持っているものだというような、そういう何というんですか、疑惑と申しますか、そういう認識と申しますか、そういうものはあったんだろうと思いますよ。ですから、そういうことを端的に表現をしたと、こういうことであります。
 当時の状況から考えれば、そういう表現が仮にあったとしても絶対的に間違いであるというわけではなかったんだろうというふうに思います。
○小池晃君 疑惑の段階であったにもかかわらず断定したことが誤りでないというのは重大じゃないですか。これ、疑惑なら疑惑というふうにはっきり言うべきですよ。それを断定する言い方を国民に向けて三回行ったわけですから、これ極めて重大じゃないですか。
 それ疑惑であったんですね、じゃ、その時点は。じゃ、疑惑であったにもかかわらず断定したと。これ極めて責任重大じゃないですか。
○国務大臣(福田康夫君) これ、そうおっしゃるけれども、見付からなきゃ、それは事実は確認できないんですよ。そうでしょう。見付かれば、話は簡単な話なんですよ。
○小池晃君 いや、それはすり替えですよ。私は、保有していると。なかったというふうに私一言も言っていなんです。保有しているというふうに断定しているわけです。保有していると断定するのであれば、それにふさわしい客観的な根拠があるべきでしょう。それがないのに断定したということであれば重大じゃないですか。
 それでは、官房長官、お聞きしますが、ここで保有しているというふうに断定するからにはそれだけの客観的な根拠があったはずですよ。それは一体何だったんですか。その時点での大量破壊兵器の保有を断定する客観的な根拠は何だったんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国連の報告でもいろいろあります。例えば、この問題の核心は、イラクが自ら保有する大量破壊兵器、生物兵器、化学兵器を廃棄しようとしないことと、こういう記述もあるんですよ。それは、所有しているということを前提にした報告だというふうに私どもは思います。
 我々としては、やはり日本国政府が調べるというわけではない、国際機関において調査をするわけですね。そして、その国際機関が報告を発表するということでありますから、我々政府として判断する場合に、それを信用するというほかに方法はあるわけでないんですね。ですから、そういうような、そのときの状況を見て、総理の発言、メールマガジンにおける発言があるとしても、これは不思議ではないというふうに思います。
○小池晃君 委員長、委員会成立していないようですから、ちょっと止めていただけますか。
○委員長(松村龍二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(松村龍二君) 速記を起こしてください。
 質問お願いします。
○小池晃君 大量破壊兵器をイラクが保有しているということを断定したという根拠になる資料は何なのかということにお答えいただいていないんですが、それがあるのであれば、何というふうに示していただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 今、それを証明する、私、資料持っておりません。ですから、お答えできません。
○小池晃君 私は、小泉総理のメールマガジンで核兵器の保有を断定している根拠を聞きますというふうに通告してあるはずです。お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 小泉総理がメールマガジンで、「全世界対大量破壊兵器を持っているイラク」と、こういう表現使っておりますけれども、その前段でもって、「このイラクの大量破壊兵器が世界の平和に対する重大な脅威になっている」と、こういうような言い方をしておりますし、その上でのそういう発言でありますし、またほかのメールマガジンでも、「問題は、大量破壊兵器を保有するイラクの脅威に私たちがどう対峙するか」と、こういう言い方もしているんですね。そしてまた、「国連の決議を無視し、大量破壊兵器の破棄をしてこなかった」という「フセイン政権がこれらの兵器を廃棄する意思がない」ということを言っているんですよ。
 ですから、そういうのを見れば何が問題点なのかということはおのずから明らかだというふうに思うんです。
○小池晃君 今、官房長官が挙げられたくだりは、すべて大量破壊兵器の保有を、疑惑とは言っていませんよ、すべて保有しているという表現になっていますよ。ですから、私は聞いているんです。
 疑惑の段階だという、疑惑があるというふうに書かれているのであれば、それは今の御説明も成り立つかもしれません。しかし、今の御説明、今、官房長官が読まれたメールマガジンのくだりは、すべて大量破壊兵器の保有を断定しているわけであります。ですから、断定しているのであれば、それにふさわしい客観的な根拠を示すべきだと申し上げているんです。
○国務大臣(福田康夫君) それはちょっと違うんじゃないですかね。
 それは、大量破壊兵器の脅威と、重大な脅威ということを言って、それがあるかないかと。なきゃ、こんな問題にならないんですよね、そもそもが。そうじゃないですか。ですから、それはあるんだという前提でそういうUNMOVICなどの査察も行われ、国連の、国際機関の報告も行われている。また、安保理決議もそれを認めたんじゃないですか。すべての安保理加盟国、国連の決議ですよ。
○小池晃君 いや、全く答弁になっていないですよ。私が言っていることに全然答えていないんです。
 大量破壊兵器の保有を、疑惑でなくて保有しているというふうに書いた根拠は一切示せないわけですよ、結局。そんなこと言っていませんから、どこでも、国際社会でも国連でも。そういうふうに断定していたのは、言わばアメリカ、イギリスだけであります。結局、アメリカなんかの言いなりだったということなんだ。しかも、アメリカもその断定を今否定し始めているわけですね。
 ブッシュ大統領は六月二十一日のラジオ演説で、大量破壊兵器を保有という従来の言い方を、大量破壊兵器計画があったという言い方に変えております。
 それから、ラムズフェルド国防長官は九日の上院軍事委員会公聴会でこう言っているんです。開戦前にイラクの大量破壊兵器についての新たな証拠は持っていなかった、我々は同時多発テロの経験というプリズムを通して、新たな観点から既にある証拠を見たんだと。要するに、新しい証拠が劇的に出てきたわけじゃないんだと、今まで持っていたものをその同時多発テロという色眼鏡を通して見たらこういうふうに見えてきたと、そういう話なんです。
 外務大臣、ブッシュ大統領、ラムズフェルド国防長官、このような発言をされているという事実は間違いございませんね。
○国務大臣(川口順子君) ブッシュ大統領は、まず、六月の二十一日のラジオ演説で、サダム・フセインの歴史を知る者はすべて、彼が化学兵器及び生物兵器を保有し、彼が過去に化学兵器を使用したことについて合意している、多数の国の情報機関がサダム・フセインが違法な兵器を保有していると結論付けたとおっしゃり、それから引き続いて、我々は、いかに長期間掛かろうとも、サダム・フセインの兵器計画の真の範囲を明らかにする決意であるというふうに言っていらっしゃるということでして、その保有及びその計画、両方について触れていると思います。
 それから、ラムズフェルド国防長官ですけれども、これは九日の上院の軍事委員会公聴会で証言をして、そして、連合は、コアリションですね、は、イラクによる大量破壊兵器計画の劇的な新証拠を発見したからイラクへの行動に出たわけではない、行動に出たのは、先ほど委員がおっしゃった九月、九・一一というプリズムを通じ、既存の証拠を新しい視点で見たからであるというふうに言ったということです。
 ただ、同時に、ラムズフェルド国防長官は、フセインが武装解除していれば戦争は避けられていただろうと、しかし、彼は欺瞞を続け、査察団を妨害し続けた、論理的な結論は、フセインが大量破壊兵器を保持し続けたかったからであり、今後更に十二年間も国際社会を欺き続けられると信じたからであるというものであるというふうに言っているということです。
○小池晃君 アメリカも大量破壊兵器の保有という断定、表現を変え始めているわけであります。アメリカでもイギリスでも、もちろん日本でも、大量破壊兵器の存在を口実とした戦争への大義への疑問が大きく広がってきています。アメリカ政府すら、この保有の断定ということについて証拠なかったということを認めてきている。
 こういうときに、日本の総理大臣は国民に対してどう答えているかというと、なぜ大量破壊兵器の保有を断定したのかという疑問に対して、フセイン大統領が見付からないからフセイン大統領はいなかったと言えるのかという、完全なすり替えであります。
 官房長官は、これは分かりやすい例示だというふうに当委員会で十日におっしゃいました。フセイン大統領が見付からないからフセイン大統領はいなかったと言えるのかという、こういう説明は分かりやすい例示だというふうにおっしゃっていますね。これは本当にそう思っていらっしゃるんですか。私は例示としても完全に的外れだというふうに思いますが、この説明が適切なものだったというのが官房長官の見解ですか。
○国務大臣(福田康夫君) 例え話というのはぴったりということじゃないことは往々にしてありますよね。しかし、分かりやすいことは分かりやすいですよ。昨日のオーストラリアのハワード首相も、それは面白い話だというので、私もそれ使わせてもらえないかなというふうに言ったくらいですから、分かりやすいですよ。
 ただ、今の段階で、じゃ大量破壊兵器が全くないと断言できるんですか。
○小池晃君 私は、イラクが大量破壊兵器を保有していなかったと断定など一言もしていません。フセインが今見付からないからフセインがそもそもいなかったと言えるのかと、これは言えませんよ。これは、現在見付からない、一生懸命捜しても見付からないということは、それはそもそもなかったということにはなりませんよというだけの話でしょう。それは当たり前なんですよ。だから、我々も、私ももちろんイラクが大量破壊兵器を持っていなかったなどと断定するつもりはありません。
 問題は、何の証拠もなしに保有を断定し、そのことを理由に戦争を行ったわけでしょう。それで支持したわけでしょう、日本は。そのことの責任なんですよ。だから、総理の発言はそのことに対する説明には全くなっていないじゃないですか。そこを私は指摘をしているんです。そういう点を踏まえても適切だとなおおっしゃるんですか。
○国務大臣(福田康夫君) こういうやり取りというのは意義があるのかどうか分かりませんけれども。
 今、大量破壊兵器も捜しているんですよ、あるかないかね。これ、捜すの大変だと思います、実際問題言って。本気であの大量破壊兵器、持っているものを隠そうと思えば、あの広大なる砂漠にばらまいちゃったら、もう見付けるの大変でしょう。砂あらしで一日で消えちゃうですよ。そのうちにまた現れてくるかもしれぬけれども。そういうことを本気でやったならば、これを見付けるのはもう容易なことじゃないと思いますよね。しかし、それに比べたらフセイン大統領を見付けるのは、これ、もし生きているという、存在しているということを前提にすれば、これはその方がよっぽど見付けやすいんじゃないかなというように私は思います。これはもう、何というんですか、私の想像の中の話ですからね。
 そのぐらい、ですから、例えとしては、フセイン大統領ですら見付かっていないと。ましてや、隠そうと思った大量破壊兵器をこの砂漠の中で見付けるなんて、これは大変なことだろうという例えでもあろうかと思います。
○小池晃君 ですから、それでは説明、私の質問に答えになっていないと言っているんです。
 私は、これは経過で言いますと、党首討論でも志位委員長は、なぜ保有を断定したのですかと、そういう質問をしたんですよ。それに対して、フセインが今見付からないからフセインがそもそもいなかったと言えるのかと答えたんですから、これでは断定したことの説明にはなっていないではないですかと言っているんです。そのことには今も一言も触れていらっしゃらない。
 そもそも、フセインが今見付からない、だからフセインがそもそもいなかったなんという人は、これは世界じゅうだれもいないと思いますよ。フセインというのはいたんだし、声だってこの間、何か出てきたじゃないですか。CIAはこれは本人だというようなことを言っているわけですよ。
 しかし、大量破壊兵器はどうかというと、これは違いますよ。大量破壊兵器は開戦前から今に至るまで存在が確認されたということはないわけですよ。だから、なかったと断言はできないですけれども、全くなかったという可能性は排除できないじゃないですか。官房長官、聞いていてくださいよ。全くなかったという可能性を排除できないでしょう。そもそもが、フセインはそもそもいなかったということは、これはあり得ないけれども、大量破壊兵器は結局なかったという可能性だって否定できないじゃないですか。そのことはどうですか。その可能性だってあるでしょう。これだけ捜して、最終的にはなかったという可能性は、これは否定できないんじゃないですか。
○国務大臣(福田康夫君) 残念ながら、それはあったんでしょう。イラク自身が自己申告、かつて、あったんです。それが開戦時にあったかどうかは分かりません、分かりません。そのあるという疑念が強かったから、結局、開戦になったんじゃないですか。
○小池晃君 いや、私の質問に答えていないんですよ。私は、今お聞きしたのは、なかったという可能性も否定できないじゃないかと。そういうことはどうなんですか。結局、捜したけれどもなかったという可能性は私は一〇〇%排除できないと思いますよ。その点について官房長官はどのようにお考えですか。
○国務大臣(福田康夫君) 一四四一国連決議もありますね。何もなきゃ国連であんなに大騒ぎして、全世界が大騒ぎしてということではないでしょう。それは、ある可能性は極めて強かった、若しくはあったということなんじゃないでしょうか。
○小池晃君 なかったという可能性を否定できないというのであれば、あったという、これは根拠、あったと断定したという根拠を示すべきですよ、あるという断定した根拠を。結局、そこに戻ってくるんですよ。そこのところをあいまいにしたまま議論されているわけですよ。あったというふうに断言しておいて、その後、こういう形でごまかして、そして、なかったという可能性もあるじゃないかと言ったらば、いや、ある可能性が高いんだというふうにまた戻っていくわけです。だったら、しっかりとした、国民が納得し得る、日本政府としてはこれこれこういう根拠を基にイラクの大量破壊兵器についてあるというふうに考えましたという根拠を示すべきですよ。それを一切示さないじゃないですか。いかがなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) それは国際社会がそういうように認めたことなんですよ。我が国だけでどうこうできる話ではないでしょう。余りむちゃなことを言わないでください。
○小池晃君 国際社会が認めたというふうに簡単におっしゃるけれども、一体、国際社会のどの機関がどこで正式にイラクの大量破壊兵器の保有を断定をしたんですか。そういう事実はないはずです。
 しかも、大量破壊兵器の保有については、そもそも最初から偽造だったという疑いが今急速に出てきているわけであります。これは御承知のとおりです。
 英国政府の昨年九月の報告書には、四十五分でイラクが生物化学兵器を配備できると、これは全く根拠のない記述だったと。そして、二月の報告書は学生の論文を盗用したことが問題化しているわけです。そして、アメリカの国防情報局は、昨年秋の段階で化学兵器が存在する信頼できる情報はないと、そういう報告を出している。そして、十一日にはCIA長官が自らの情報の誤りも認めている。これは結局、アメリカ、イギリスは、大量破壊兵器についての情報を自分に都合のいいように操作をして世界を欺いてイラク戦争へ突き進んだんじゃないかと、こういう疑問が今沸き起こってきているわけですよ。
 官房長官、こういうときに、こういうときに小泉総理はあんな、フセイン大統領見付からないからフセイン大統領はいなかったと言えるのかと、こんな説明で国民の疑惑に答えることができるのかと私はそう聞いているんですよ。こんな言い方で国民の疑問、解消されると官房長官はお考えですか。そこはいかがなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) ちょっと、いつ総理が発言したのか見てお答えします。
○小池晃君 いつ総理って、ちょっと待って。
○国務大臣(福田康夫君) いつの発言かね。
○小池晃君 いつ総理って、これ党首討論でやり、そしてテレビ中継されているときの連合審査会でやり、そして参議院の予算委員会でやったんですよ、総理は。ちょっと時間稼ぎしないでください。
 私が言っているのは、総理のあのような説明では、大量破壊兵器の疑惑というのは最初からなかったんじゃないかという国民の疑惑には、私は説明にはなってないんじゃないかと、そういうふうにお聞きしているんですよ。官房長官として率直な御見解を示していただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 率直に申し上げて、あの発言を総理がされたころ、もう一か月以上前でしょう、恐らく。そのころ大量破壊兵器はなかったんじゃなかろうかといったような、そういう国際世論はなかったと思いますよ。今でもそれは全くないというような、そういう世論というのはないんだろうと思いますね。
 いずれにしても、あるかないかという議論を今の段階で幾らしたって余り利益はないと思いますよ。それよりも、しっかりと捜査、査察をすべきだと、こういうことじゃないでしょうか。そして、その事実を見て判断をすればいいことだと思います。
○小池晃君 私は、あるかないかという議論をしているんじゃないんです。あるというふうに断言したことの根拠を聞いているんです。その責任を問うているんです。そのことについて全く説明がないわけですよ。そして、あのような形でフセイン大統領が見付からないからフセイン大統領はいなかったと言えるのかと、こんなでたらめな答弁で国民が納得するかと。
 しかも、官房長官はあの時点はとおっしゃいましたが、あのとき党首討論で一回だけであれば私もこんなにしつこく追及はしないです。その後二回、国会でやっているんです。そして、更に昨日、オーストラリアの首相に対して歓迎会でも言っているんです。だから私は言っているんです。そんな、こんなでたらめな答弁、私は断じて許せない。
 官房長官、答えてください。あのような言い方で国民の疑問に答えることができると考えているんですか。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほども申し上げましたけれども、総理は、断言と言っていいのかどうか、そういう、例えば全世界対大量破壊兵器を持っているイラクと、こういうように言っていますが、その前に、これはさっきも言ったことですけれども、イラクの大量破壊兵器は世界の平和に対する重大な脅威になっているというような表現とか、また別のメールマガジンで、大量破壊兵器を保有するイラクの脅威にどう対峙するか、また国連の決議を無視して大量破壊兵器の破棄をしてこなかった、フセイン政権がこれらの兵器を廃棄する意思がないことが明らかになったといったような表現でもって、力点はそういうところにあるんですよ。
 ですから、その後で言っている、大量破壊兵器を持っているイラク、これは断定しているじゃないかと、これはやっぱり言葉じりをとらえた表現というふうに言うしかないですね。
○小池晃君 なぜ、そのような前置きがあったから断言しなかったと言えるんですか。今の御説明では全く、断言してないという説得的な説明にはなっていないと思いますよ。だって表現としては、今お読みになったもの、すべて断言しているわけじゃないですか。
 疑惑という言い方をしているのであれば私もこういう言い方はいたしません。しかし、メールマガジンの中で疑惑という言い方は一切していないわけです。そして、すべて、保有していると、今言ったの全部、だって断言しているじゃないですか。大量破壊兵器を持っているイラク、大量破壊兵器を保有するイラク、こういうのを普通は断言と言うんです。
 ですから、こういうふうに言った、こういうふうに言ったことを根拠を示しなさいと、示してくださいと言っているんです。
○国務大臣(福田康夫君) 総理は、小泉総理は、断言とは言っていません。断言するとは言っていません。だからちょっと、あなたの表現もちょっときつ過ぎるんですよ。もう少し全体を見て総合的に判断してください。
○小池晃君 私は一切、断言するというふうに、小泉総理が断言するというふうにメールマガジンで言ったというふうには私は申し上げておりません。こういうふうに、保有するというふうに言っているのは、普通は日本語ではこれは断言と言うんです。疑惑ではありません、これは。だから、こういう言い方をした根拠は何かと。結局答えられないということだと私は思う。
 もう一ついい加減な答弁。九日の連合審査会で我が党の緒方議員の質問に対して、あのときテレビ中継までされていたんですが、総理、こう言っているんですね。「現に四十数か国も軍隊派遣してイラクに行っている」というふうに言ったわけです。これは明確にこう言っています。
 外務大臣は、いつもならば、これは事実関係というと指名もしないのに外務大臣出てくること多いんですが、このときは事実関係なのに、事実関係なのに、このときはテレビ放映までされているのに訂正されなかったんですね。
 ということは、これは四十数か国、現に四十数か国、軍隊派遣しているというのは間違いのない答弁だったということなんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) それ、総理のそのときの答弁、具体的に私、今ちょっと記憶ははっきりいたしておりませんので、今そういうことを総理が言われたかどうかということについてははっきり申し上げられませんけれども、私がそのときに出ませんでしたのは、何回か今まで出て共産党の方に指名していないといって怒られたものですから御遠慮申し上げたということです。
○小池晃君 間違った答弁したら、ちゃんと訂正してほしいんですよ。
 これは重大な問題ですよ、事実関係としても。これ、テレビ見ていたんですから、NHKテレビで中継されていたんですよ。そういうときに、現に四十数か国も軍隊を派遣してなんというのが、これ流れていいんですか。
 これ、事実関係お伺いしますよ。四十数か国、現に軍隊派遣されているんですか。
○国務大臣(川口順子君) 既に派遣を行った国、これは十六か国、アメリカ、イギリスを含んで十六か国です。それから、派遣を決定した国、これは十八か国でございます。
 したがいまして、足しますと三十四か国ということになると思います。
○小池晃君 現に派遣しているのはアメリカ、イギリスのほか十四か国であります。合わせて十六か国。予定も含めても四十数か国なんという数字は全く出てこないわけですね。インドは派兵を中止をしているわけであります。これ、明らかな誤りだというふうに思うんです。
 さらに、軍隊を送っている国のうち、いわゆる国連安保理決議一四八三で言う、安全で安定した状態の回復、このための支援活動をやっている軍隊を送っている国というのは何か国なんですか。
○国務大臣(川口順子君) これはすべての国についてあなたが派遣をしている根拠は何ですかという形で把握をしているわけではありませんので漏れている部分があるかと思いますけれども、私どもが把握をしている範囲では、派遣をしているか、あるいは派遣決定済みの国々のうち、十一か国が一四八三に基づいて貢献を行うということを明言しているということであります。
 明言をしていないところでもそう考えているところがないという可能性を排除することはできませんし、それから、いずれにいたしましても、各国が軍隊を派遣をしている、あるいは派遣をすると決定をした、その場合に、その判断の根拠というのはそれぞれが主体的に判断をして実施をすると、そういうことであります。
○小池晃君 一四八三に基づくといっても、それが安全、安定確保の活動なのか、あるいは人道復興支援なのかというのはありますよ。韓国とかサウジアラビアとかアラブ首長国連邦なんかは、これ人道支援だと思うんです。安全で安定した状態の回復のための活動、いわゆる占領軍支援を行っているという国は私はもっともっと少ないということだと思うんです。先ほどから議論があるように、インドは派兵、撤回したと。私は、憲法九条を持つ日本こそこういうものは撤回すべきだというふうにここでも申し上げたいんですが。
 問題は、安全及び安定を回復する活動の中身であります。
 今回の法案の最大の目的というのは、これは自衛隊をイラクに派遣をし、米英占領軍への協力を行うということだと思います。これは法案では、自衛隊が人道復興支援活動と安全確保支援活動を行うというふうにしている。
 安全確保支援活動について、法案の第三条の二では、国連加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するというふうにしているわけですが、このイラクの国内における安全及び安定を回復する活動というのは具体的には、具体的には実際今イラクで行われている活動の中でどういう活動をこれは指すのか、これをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) イラクの国内において安全及び安定を回復する活動というのは二つあると考えています。一つは犯罪等の防止によってイラク国民の生命、身体の安全、ひいては社会全体の安全を確保するということです。もう一つは、イラク国民の生活を安定させることによって社会秩序を回復するための活動、これを指すというふうに考えております。
○小池晃君 それじゃ全くちょっと分かんないんですよ。具体的なイメージを持てないと実際にこれ、この活動を支援するというのであればもっと明確に示すべきだと、もっと具体的に国民に対して説明する私は責任があると思うんです。
 具体的にお聞きしますが、米英占領軍がこの間行ってきた掃討作戦、半島攻撃作戦、続いて砂漠のサソリ作戦、砂漠のガラガラヘビ作戦、現在はツタの蛇作戦だと。昨日の中央軍のプレスリリースによればソーダマウンテン作戦というのもやっているようであります。こうした掃討作戦ですね、一連の。これは法案に言う国連加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動と、法案で言っている、法案で言っている国連加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動に該当するわけですか、いかがですか。これは法案の中身だから内閣なんですか、いかがでしょう、官房長官、あるいは防衛庁長官でも結構です。
○国務大臣(福田康夫君) じゃ、原則的なことを申し上げますけれども。
○小池晃君 原則はさっき聞いたから。
○国務大臣(福田康夫君) 個別の作戦については私は承知しておりませんからね、原則的な話。それでは防衛庁長官から答弁……。
○国務大臣(石破茂君) もう一度申し上げますけれども、本法案に基づいて我が国の支援の対象となりますイラクにおける安全及び安定を回復する活動とは具体的にはということで外務大臣から答弁がございましたが、犯罪の抑止等によってイラク国民の生命、身体の安全、ひいては社会全体の安全を確保するとともに、イラク国民の生活を安定させることによって社会秩序を回復する、こういうことでございます。ですから、ガラガラヘビであろうが、ツタの蛇であろうが、サソリであろうが、それがこの二つの要件と申しますか、それが明確に峻別できるわけではありませんが、そうであれば、これはイラクにおける安全及び安定を回復する活動ということになるのであります。
 我が国がやってはいけないのは、午前中からずっと御答弁を申し上げておりますとおり、国際的な武力紛争の一環として行われるような、そういうことを我が国はやってはいけないということなのでありまして、アメリカが何をやっているか、それが我が国の活動がどう評価されるかということを総合的に勘案することになります。
○小池晃君 その安全、安定のための活動であれば、それに当てはまるのであれば、ここで言う安全、安定を回復する活動だという御答弁だと。
 ということはですね、こういうふうにアメリカは説明しているんですよね。ラムズフェルド国防長官とマイヤーズ統合参謀本部の司令官は、これ六月三十日の記者会見でガラガラヘビについてこう説明しています。ガラガラヘビ作戦は親衛部隊を破壊し、拘束することによって安全で安定的な環境を確立することを目的として開始されたというふうに当事者がおっしゃっているわけですね。当事者が安全で安定的な環境を確立することを目的としてやっている作戦だと言っているんだから、これ少なくともガラガラヘビ作戦については、じゃ明白ですね。
 で、もう一度聞くと、要するに安全及び安定を回復する活動にガラガラヘビ作戦が当てはまるのであれば、これが法の第三条二に言う国連加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動に該当するということであれば、すなわちガラガラヘビ作戦は取りあえずこの第三条の二の国連加盟国が行う安全及び安定を回復する活動になると、その一つだということでよろしいですね。
○国務大臣(石破茂君) それは否定をされるものではありません。
○小池晃君 これ、ほかのことでお聞きをしたいんですが、そうすると、このガラガラヘビ作戦というのは安全及び安定を回復する活動だということ、それから先ほど私申し上げたこの一番新しく出てきている、今、オペレーション・アイビー・サーペント、ツタの蛇作戦やっているわけですが、それを支えるソーダマウンテン作戦というのもやっているんですが、これもこう言っているんです。アメリカ中央軍の昨日付けのニュースリリースでは、安全な環境をイラクにおいて創出するために行っていると。
 ということは、これもやはりこの安全、安定を回復する活動ということの一つになりますね。
○国務大臣(石破茂君) 全面的に否定をされるものではありません。
○小池晃君 そうすると、こういうのはどうなんでしょうか。
 六月十八日にアメリカの第四歩兵師団のオディエルノ司令官はバグダッドで記者会見やっています。これも国防総省のホームページで公開をされておるわけなんですが、これによりますと、こう言っているんですね。攻撃を打破し、この地域の安全と安定を回復するために旧政権メンバーの捕縛、捜索と攻撃任務、巡回と武装解除のための襲撃、敵の部隊を打ち破る任務を行っていると。ここでも司令官はこの地域の安全と安定を回復するために行うと言っているんですが、こうした活動も、もちろん国連加盟国が行うイラク国内における安全及び安定を回復する活動ということになるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは全面的に否定をされるものではありません。
 それは、先ほど来何か持って回った答弁をしているなというふうにお思いだと思いますが、そのことが、相手がだれであるのか、組織的、計画的、国際性云々かんぬんということを勘案をいたしまして、ガラガラヘビであろうが、サソリであろうが、ツタの蛇であろうが、相手が何者であるかということによってそれが国際的な武力紛争の一環としてとらえられるかとらえられないか、そういうようなことの判断とはまた別なのでございます。そのことが安定を確保するような活動なのかと言われれば全面的に否定できないと申し上げましたのは、そういう意味で申し上げておるところでございます。
○小池晃君 しかし、ガラガラヘビとかツタの蛇というのは野盗対策じゃないんですよ。野盗ですよ、野党じゃないですよ。野盗対策じゃないんですよ、これは。これはフセイン残党の掃討作戦でしょう。ということは、今の御説明でいけばこれは安全、安定回復活動に合致するということでよろしいんじゃないですか。
○国務大臣(石破茂君) それは一致をする場合があります。ただ、それがすべてぴったり重なるかどうかということは、それぞれのガラガラヘビであろうが、ツタの蛇であろうが、サソリであろうが、その作戦というものの詳細を私は存じ上げておるわけではございません。一〇〇%一致するということかどうかは分かりません。
 要するに、その内容、範囲、対象、目的などにつきまして、当該活動を行う国、つまりこの場合にはアメリカでございますが、説明を受けました上で我が国として主体的に判断をし、関連安保理決議を踏まえて、問題なのはこのような活動を我が国が支援をするための措置を行うことが是か非かということなのでございます。私どもがそれに対する支援を行うことがこの法案に沿ったものであるのか、その根底にある憲法の趣旨にかなったものであるのかということは、そういうことをすべて踏まえまして我が国が主体的に判断をすることになるわけでございます。
○小池晃君 ほかの実例についても聞きたいんですが、アメリカ中央軍の六月十八日のニュースリリースでは、こう言っているんです。
 米軍はCPAの前で行ったイラク人のデモに対して発砲し、イラク人が二人死亡したとされていると。このデモは、中央軍の発表によれば、仕事が不足していることへの抗議のために行ったデモだったということなんですね。これは中央軍のニュースです。これは、要するに大変失業者が増えていて抗議行動が起こっていると。これに対して発砲していると。デモの鎮圧のために発砲をした。
 こうしたこともこの国連が行う、国連加盟国が行うイラク国内における安全及び安定を回復する活動ということになってくるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これも先ほど来お答えをしているように、白なのか黒なのか、どっちだと、こういうふうに言われますと、それがどういうものであったのかを正確に把握をしておりません以上、白だとか黒だとかいうお答えは申し訳ございませんがいたしかねます。それは安定化に資する活動と言える場合もあるというふうな答弁しか申し上げられないのは、それがどういうことであるか正確に把握をしておらないがゆえでございます。
○小池晃君 ブッシュ政権に影響がある外交問題評議会、ここが出している米軍への抵抗という報告書があります。六月三十日に出ている。ここではこう言っているんですね。イラクのレジスタンスは日増しに組織化され拡大している多くの兆候を示しているというふうに言っています。この報告書の中では、だれが米軍を攻撃するのかという設問に対してこう言っているんですね。多くはバース党などのサダム親衛防衛隊員、他国からのイスラム部隊、第三のタイプは貧乏で米軍を攻撃することでもうけようという素朴なイラク人だと。そして、バスラ周辺で起こった暴動のように、攻撃者はしばしばイラクにおける連合軍の存在と行動に怒った普通のイラク人を含んでいるように見えるというふうに外交問題評議会の報告書は書いているんです。今、こういう状況が生まれているんだろうと思うんです。普通のイラク人がアメリカ占領軍に対する抗議、抵抗を強めていると。
 詳細に細かく把握しなければ分からないという部分はもちろんあるでしょう。しかし、一般論として言って、こういうものは、こうした行動を鎮圧するというような活動もこのイラクにおける安全と安定を回復する活動の中にこれ含まれるカテゴリーになるのかどうか、これはお答えいただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 全面的に否定はされません。ただ、外国が、先生がおっしゃるように外国の議会がこう言っている、あるいはメディアがこう言っている、あるいはそういうようなグループのリーダーがこう言っている、いろんなことはございます。しかしながら、我々は、国連決議一四八三、あるいはただいま御審議いただいております法律、それに従いまして現地で行動をするわけでございます、仮にお認めをいただいたとするならば。だとすれば、その判断は我が国が主体的に行うことになるわけでございます。それは我が国の法律に適合したものなのかどうなのか、そういうことは主体的に我々が判断することでございまして、現地において、私どもはそういう現場に遭遇をいたしておりません。実際に現地に行きましてどういう状況なのかということを見なければ判断はできないものでございます。
○小池晃君 我が国の判断という問題でちょっとごまかしていらっしゃると思うんですが、私が聞いているのは純粋に法律の解釈の問題で、第三条の二で言っている、ここで言っている国際連合の加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動に合致するのかどうか。それを支援するのかどうかとか、そういう議論をしているんじゃないんです。この第三条の二の定義にかかわる問題としてお聞きをしているんです。
 そういう点でいえば、今私がるる申し上げてきたような、これは盗賊に対する行動ではないですよ。一定の国又は国に準ずる集団に対する掃討作戦という一連のもの、あるいは占領軍に対する抗議行動、これは物取りのためにやっているわけじゃないですよね。こういうもの、こういったものに対する鎮圧活動というのは、この法で言っている、第三条の二の安全及び安定を回復する活動に合致するものであると。すべてがそうだとは言いませんが、そういうカテゴリーの中に含まれるということはお認めになりますね。
○国務大臣(石破茂君) ですから、私も別にすり替えているつもりはございませんで、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動とは何なのか、その活動の相手方が、先生御指摘のように野盗ではなく、強盗でもなく、そういうような組織的な集団であったとしたらどうなのだということだろうと思います。仮に相手がそのような組織的な集団であったとしても、それが全くイラクの国内における安全及び安定を回復する活動ではないというふうに全面的に否定をされるということにはならないということを申し上げているわけでございます。
○小池晃君 更にお聞きをしたいんですけれども、自衛隊の支援する活動の中身についてであります。
 外務省、防衛庁、それから陸上自衛隊の幕僚監部の実務者十名が訪米をして、六月三十日から七月二日まで国防総省、国務省、米軍の幹部と会談した、そういう報道がありますけれども、これは事実でしょうか。外務省及び防衛庁にお聞きします。
○国務大臣(川口順子君) そういう会談を持ったということは事実です。
○国務大臣(石破茂君) 意見交換を行ったということは事実でございます。
○小池晃君 報道によれば、日本が想定していたC130による輸送と給水については、それだけでは不十分だということで、武器弾薬について大型輸送ヘリによるイラク国内拠点間の空輸、陸上輸送が要請されたといいますが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(石破茂君) いろいろな意見交換は行っております。その中で、いろいろなニーズあるいは我々の能力についての意見の交換もいたしております。ただ、具体的な輸送ヘリでありますとか空輸でありますとか、そういうようなことにつきましては、お答えはアメリカ側との関係もございますので差し控えさせていただきたいと思います。
 それは調整の過程において、ディスカッションの中で、当然いろんなニーズがございましょう、我々が持っているいろんな能力もございましょう、その中で意見交換は行われております。具体的なことにつきましては申し上げることをお許しをいただきたいと存じます。
○小池晃君 十三日の新聞報道では、防衛庁は米軍向けの武器弾薬の空輸を行うというふうにされていますが、そういう方針決めたと報道されていますけれども、こうした米軍からの要請に基づくということになるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そのような事実はございません。意見交換を現在行っておることでございまして、それは法案をお認めをいただかない段階において確定的、断定的なことが決められないのは当然のことでございます。
○小池晃君 イラク国内拠点間の空輸、大型ヘリによる空輸、これは行わないということなんですか。武器弾薬の空輸というのは行わないということなんですか。その点について、完全に否定されるんであれば否定していただきたい。
○国務大臣(石破茂君) 完全に否定はいたしません。
○小池晃君 完全に否定しないということであります。
 武器弾薬の輸送というのは周辺事態法でも一応除外されていました。テロ特措法のときも、最後の修正で陸上輸送は除外しました。はっきり言えば、兵たん支援は、我々は水であろうと食糧であろうと武器であろうとこれは戦争の一部だというふうに思っております、程度の違いでしかないと。しかし、武器弾薬の空輸ということも否定しない。これは本当に幾ら何でも戦争と一体のものだということになってくるだろうと。
 しかも、バグダッド国際空港ではC130に地対空ミサイルが撃たれたという報道もある中で、いよいよこの米軍支援、これが相手側からすれば攻撃対象となってくるのではないか、非常に危険な事態になるのではないかということを大変危惧するわけでありますが、イラクの現状をどう見るかということであります。一層混沌としている。
 ブッシュ大統領が五月一日に大規模な戦闘を終結したと宣言してからの被害について、これはラムズフェルド国防長官が十三日に発表していますが、それによれば米兵の死者は少なくとも七十九名、負傷者は四百名以上だと。それから、七月十日にはアメリカ中央軍のトミー・フランクス前司令官がイラクにおける米軍への攻撃は一日十回から二十五回に上るというふうに報告されています。十四日には二か所でロケットによる攻撃が行われた。それから、十六日にも爆発が起こって米兵一名が死亡した。米兵の死者はついに湾岸戦争時に並んだわけであります。
 先ほども議論ありましたが、政府は今の事態について、イラクでの米兵への襲撃というのは、これは非常に増加しているというふうに認識されているのかどうか、この点についてお答え願いたいと思います。官房長官でしょうか。よろしくお願いします。
○国務大臣(川口順子君) イラクにおける米軍の亡くなった方の数ですけれども、五月と六月が三十七、二十八、七月が十六日現在で十八ということになっているわけです。それで、七月は、特に昨日、割に多かったわけですけれども、これは十六日、十七日がそれぞれバース党関連の記念日に当たっているというようなことも一因としてあったかというふうに思います。
 いずれにしても、いろいろな状況はその日その日でございますけれども、また地域的にもばらつきがあるということであります。全体として引き続き十分に注意をしなければいけない状況が続いていると思いますが、基本的な判断、戦闘が基本的に終了しているということは変えていない、治安確保は現在の当面の課題となっているというふうに考えています。
○小池晃君 ちょっと、官房長官のさっきの答弁とちょっと違うような気がするんですけれども、官房長官は、予想に、期待に反して余り良くなっていないとおっしゃいました。
 私は、率直に見て、今、資料もお配りしました。これ、アメリカ中央軍のプレスリリースだけから、これは全部事故は除きました。銃撃等の、交通事故などはすべて除きました。除いて見てみると、私は、これはどう見てもアメリカ兵に対する攻撃というのは急増していると。見てください、官房長官、これ、六月の後半から急増しているわけですよ、六月下旬以降七月に掛けて。銃撃や手りゅう弾による攻撃が連日のようにやられているんです。与党代表団の現地調査というのはこれは実質二十三日までですから、与党の皆さん行った後ぐらいから、これは本当に立て続けに私は米兵に対する襲撃事件、激増していると。
 官房長官、今の現状について、アメリカ兵に対する攻撃は急激に増えてきているんだという認識をお持ちかどうか、官房長官、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど私が期待に反してという表現を使いました。これは私は、もっと治安が早急に改善されるという期待を持っていたものですからそういう表現になったわけでありまして、状況は変わっていないということなんだろうと思います、全般的に見ましてね。
 ただ、地域的に限られているのかどうか、地域性があるのかどうか。一般情勢報告としてはそういうように見ておりますけれども、その辺よく精査しなければいけない、そういう問題だと思います。
 それから、ちょっと余計かもしれませんけれども、米軍はたくさん死者も出ている、イギリスも一回六人ということがございましたけれども、主としてというか、もうほとんど米軍に限られているわけですね。その辺が、どういうことでそうなのか、それだけまた危険な地域に米軍がいるのかといったような推測もできるわけでありますけれども、実は治安維持についてはほかの国も従事しているようでございます。例えばイタリア、デンマーク、リトアニア、ポーランドというのは治安確保というような観点でイラク国内で作業しているというように報告を受けておりますけれども、しかし、今、そういう国々で死者が出たというそういう報道はない、こういうこともございますので、そういうことも含めて、いろいろ考えていかなければいけないと思っております。
○小池晃君 それは、アメリカ十四万行っていてイギリス一万ですから差が出るのは当然なんですよ。
 私がお聞きしているのは、これ見てくださいよ。これを見て、増えていないとは言えないでしょう、さすがに。私は、最初のころは結構事故が多いんですよ、プレスリリースを見ても、中央軍の。ただ、最近になってきて、やはり銃撃あるいは待ち伏せ攻撃、手りゅう弾、ロケット推進式りゅう弾、こうした攻撃が最近になってやはり増えてきていると。そして、ラムズフェルド国防長官もこう言っているわけじゃないですか、テレビのインタビューで。これから夏に掛けてフセイン支持勢力にとっての記念日が続くので、これから攻撃は増えるだろうというふうに、官房長官、アメリカ当局もこれから増えるというふうに言っているわけですよ。
 私、これ見てください、地域によってという、そんな問題じゃないと思いますよ。全体として米兵に対する襲撃、多発傾向にあると。これは当然そういう認識でないと私は困ると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 米軍が襲撃を受けているというこういう事実は、これはそのとおりだと思います。これが今後どうなるかということであります。こういうような状況を踏まえて、米軍としてもどういう対応措置をするかというそういう観点でラムズフェルド国防長官も発言をしたんだというふうに思っております。
○小池晃君 先ほど議論したように、安全、安定を回復する活動というのは、単にフセイン政権の残党狩りということではなくて、抵抗闘争に対する、占領軍の抵抗闘争に対する鎮圧のようなものも含まれてきている。停戦合意なされていないイラクで占領軍が反米デモなどを武力で鎮圧するということをやっているわけです。こういう中で日本の自衛隊がこれ支援に行く、米軍支援を行うということになると、私はこれ、普通のイラクの人々からも自衛隊、抵抗を受ける危険性あるというふうに思うんです。
 例えば、こんなことを言われています。朝雲の今年の六月五日付けで、防衛研究所の小塚郁也さんというんでしょうか、主任研究官はこう言っているんです。たとえ輸送支援を行うにしても、輸送支援だとしても、こう言っているんですね、現地で護衛任務を他国の歩兵部隊などに要請することは実際のところできないだろうと。そうすると、輸送部隊に加えて、護衛の陸自普通科部隊と装甲車などの装備品も送り込まなければならなくなる。普通科部隊は戦闘部隊であり、現地では治安維持部隊と一体化して見られるおそれがある。ねらわれる可能性も高まる。住民からは自衛隊も占領軍と同様に見られて、宿営地の性格なども従来のPKOと違ってくる。最悪の場合は自爆テロの目標にさえなり得る。これ官房長官、防衛研究所の主任研究官の発言です。大変ねらわれる危険が高まるのではないかというこの指摘は私は十分にうなずけるものだと思うんですが、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 安全に十分な配慮をするということは当然でございます。ですから、そういう懸念というものを持ち続けながら、防衛庁も実際のその行動計画を作っていかなければいけないと思っております。
 しかし、先ほどちょっと申し上げましたように、米英以外の治安維持活動をしている国々もあるわけでございまして、そういう国々からは死亡という報告がまだない。また、これから派遣を決定して派遣しようというそういう国々もございますけれども、その中でも安定化部隊ですが、治安維持、治安維持というような方面の仕事をしようという国が一、二、三、四、私が持っている分でも四か国あると、こういうことでございますから、それはやっぱり、先ほど申しましたように米軍は本当に危険な最前線に立っているんだということだと思います。そしてまた、そういうおかげと言っては言葉は適当かもしれませんけれども、ほかの国々が安定した仕事ができると、こういう部分もあるんじゃないでしょうか。
○小池晃君 イラクの国民の抵抗、これからどんどんどんどん高まる可能性があると思うんです。その中で自衛隊が占領軍と一体だというふうに見られればどうなるか。
 これは、朝雲のインタビューではさっきの防衛研究所の方はこう言っているんです。先に行った国がそれぞれ安全で容易な仕事といったいいとこ取りしてしまって、後から行った日本が条件の悪い仕事を押し付けられるといったことも十分にあり得ると、こんなことまで言われているんですね。自衛隊は米英占領軍と同じ占領軍だと見なされる、かつ米英軍と違って実戦経験もない。なおかつ条件の悪い仕事がもしかしたら回されるのかもしれない。こういう中で、私は自衛隊は非常にねらわれやすくなる、攻撃対象になってくるという危険というのはこれは極めて高いんじゃないか。
 非戦闘地域で活動、そんなこと言うけれども、私はこれ、非戦闘地域か戦闘地域、区分けなんか本当にできないと思うんですよ。そういう中で、結局自衛隊員が行ったら自衛隊員がねらわれる。自衛隊員が行ったところがこれは一番戦闘地域ということにどんどんどんどんなっていくということになるんじゃないかと。私は大変そういう危険を感じるんですが、官房長官はそういう危険は感じられませんか。
○国務大臣(福田康夫君) そういうことはないようにということでこの法案は作っておるわけでございまして、この法案を忠実に実行に移すということが大事だと思っております。
○小池晃君 私が言ったのは、そういうことがないようにという仕組みというのが正に成り立たないのではないですかと言っているんです。正にそういったところがねらわれるということになるじゃないかと。私が聞いているのは、自衛隊員が非常に全体の部隊の中でもうねらわれる、ねらわれやすい存在になる危険性は私は否定できないと思いますが、官房長官、どうですか。そういう危険は感じていらっしゃいませんか。
○国務大臣(福田康夫君) もしそういう懸念があるんであれば、その懸念の原因を排除しながら工夫をしていくということになると思います。
○小池晃君 私が聞いているのは、その前のところなんです。懸念を、危険を感じないのかというふうに言っているんですが、一切答えない。
 さらに、危険にさらされるだけじゃないわけです。もしそういった場面になって攻撃に遭遇したらどうなるか。そうすると、これは自衛隊が安全確保支援活動を行っている際に何者からか攻撃を受けた場合、対応として二つあるわけですよね。一つは、いわゆる活動を休止し、回避し、そして中断するということですよ。それからもう一つは、正当防衛、緊急避難の場合において、範囲において武器を使うと。このいずれかの対応していくということに、あるいは二つ、両方かもしれません。そういうことになる。これは間違いないですね、防衛庁長官。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりです。
○小池晃君 そうすると、例えば自衛隊が占領軍の支援をしているときに、相手、国又は国に準ずる者、例えばフセインの残党、これ攻撃してきたら武器を取って応戦することもあり得るということですね。
○国務大臣(石破茂君) それは、応戦という言葉が何を指すのか、ここの定義にもよりますが、十七条の範囲において武器を使うことはあり得ることでございます。しかし、それは、累次答弁を申し上げておりますように、正当防衛、緊急避難を危害許容要件として正当業務行為としてこれを行うということになっているわけでございまして、応戦をして、それが戦闘行為に発展をするということはないようにこの法律は組み立てられております。
○小池晃君 正当防衛、緊急避難だと言うんですが、フセイン残党による、今、組織的、計画的な国及び国、国又は国に準ずる組織による攻撃が頻発しているわけですよ。地対空ミサイルまで撃たれたという報道もあるわけですね。NBCテレビでラムズフェルド国防長官はイラクはまだ戦争中だというふうに言っています。治安が悪いという水準じゃないと思うんです、まだ法的にもこれ戦争中ですわね、継続しているわけですね。防衛庁長官うなずかれました。
 そういう中で自衛隊が、これは正当防衛なんだというふうに言ったとして武器を使用したとしても、これはどう見たって攻撃を仕掛けてきている国及び国に準じる組織と交戦していると実態としては、見た目は全く変わらないと思うんですが、これいかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 法的には戦争中だと申し上げましたのは、これはどこかでも答弁を申し上げたことがあるかと思いますが、要は、停戦条約とかあるいは降伏文書の調印とか、そういうことが行われていないという意味で申し上げておるわけでございます。それは、主要な戦闘は終了したがというふうに言っている、そういう意味なのでございます。
 見た目はそう見えるだろうがというふうにおっしゃいますが、それは、正当防衛、緊急避難として、自己又は自己とともに所在する者ですとか自己の管理の下に入った者ですとか、そういう者を守るために使える限度というものはあるわけですよ、必要にして合理的な範囲というものはですね。それを応戦というふうには言わないし、ましてやそれは戦闘行為とは言わない。それは、外見から見たところで、自分を守るために必要なものを使っておるというものと応戦をしてできるだけ勢力を盛り返すというものとは本質的に異なるものでございます。
○小池晃君 いやいや、どう異なるんですか。例えば、具体的に言いますよ。自衛隊が米軍のために軍事物質を輸送しているというふうにします。そこにイラクの国に準じる組織から組織的に襲撃があったとします。自衛隊は正当防衛と称する武器使用を、これは部隊の指揮官の判断で部隊全員が行うと。それに対して相手がまた攻撃してくるといったら、また正当防衛だということで武器使用を行うと。これ、こういうことがあり得るわけですよね、今度のこの仕組みでいけば。これも正当防衛だと、違うんだというふうにどうして言えるんですか。
 全くこれは、例えば、その横に、じゃ米兵がいたとします。米兵も同じように反撃をしたとします。これは、米兵がやったらばこれは武力行使だ、自衛隊員がやったら武器使用なんだ、正当防衛なんだと。どこにその違いがあるんですか。外見的には全く同じということもあり得るということではないですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、一つ、そういうシチュエーションは極めて想像しにくい話でございまして……
○小池晃君 駄目ですよ、そんなの……
○国務大臣(石破茂君) いやいや、委員、それはですね、自衛隊と米軍が一緒に物を運んでいて、ともに応戦するというようなことは、実際問題そういうような軍事オペレーションというのは非常に考えにくいことでございます。
 それを前提に置いて申し上げますが、要は、十七条にあります、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、生命又は身体を防衛するためにやむを得ない必要があると認められる相当の理由がある場合にと、こういうふうに法律はなっているわけですね。この範囲で使える武器の使用というものと武力の行使というふうに評価されるものは、それは本質的に違うものです。見た目もそれは明らかに違うはずです。武力の行使というのは、国際的な武力紛争の一環として人を殺傷し又は物を破壊する行為ですから。武器の使用というのは、ここにございますように、自分の身を守るために必要な範囲において行うものですから、それは態様は違います。
 それは、こちらの方が守勢であればどこかで攻勢に転じ、相手を、せん滅という言い方が正しいかどうかは知りませんが、勝ったか負けたかの世界がそれは武力の行使でございましょう。そしてまた、武器の使用の場合に、あくまで自分の身を守る、あるいは現場に所在する者あるいは管理の下にいる者、そういう者を守るために必要な範囲においてということですから、それは元々本質的に違うものです。
○小池晃君 もう私には今の説明は全く理解できませんね。
 今の、防衛庁長官、今のような説明が国際的に通用するというふうにお考えですか。要するに、自衛隊が行っている武器使用は、これはあくまでも、相手がですよ、外国ですよ、場所は。そして相手は、外国の盗賊、山賊ではないですよ、国又は国に準ずる組織ですよ。組織的、計画的な攻撃があった場合にですよ。それに対して、外国の地で自衛隊が武器を使用していて、今のような理屈で、それは正当防衛なんだ、正当防衛の範囲の武器使用で、応戦ではない、武力行使ではないんだということが国際的な理解を得られるというふうにお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) 委員のお説に従いますと、それはもう憲法九条というものの意味がなくなってしまいます。それはもう国際的に理解されるかどうなのかということも必要です。しかし、同時に我々は、日本の憲法九条、その中で日本の国は武力の行使を行わないということになっておるわけです。それがまた、我が国が専守防衛であり平和国家である、海外において武力の行使は行わないということを担保をすることも必要です。そのためにこの法律にはそういうことを書いてあるわけです。
 もちろん、国際的に理解を得ることは必要ですが、国内的にそういう整理をきちんといたしませんと、それは武器の使用だか武力の行使だか、何が何だか分からないじゃないかと、そんなことを現場においてやるわけにはまいりません。それは政府としても、これは武器の使用、これは武力の行使、きちんきちんと分けたふうにやっていくことは当然のことでございます。
○小池晃君 全く今のでは国際的な理解なんというのは得られないだろうというふうに思います。
 憲法九条があるから、だからそういう下でこんなことができないわけですよ。だから、今みたいなでたらめな説明になるんです。憲法九条の下で、外国にまで行って、そして事実上の武力行使を行うような、そういうことをやろうとするから今みたいなでたらめな説明になるんですよ。
 しかも、総理はこんなことを言っているんです。襲われたら戦うというのは、これは人間本来の活動だと。やっぱり自分の身は防がなきゃならない、自分の命は守らなきゃならないという場合に、殺されるかもしれないといったら相手殺す。
 官房長官、もう最後に聞きますけれども、日本国憲法というのはこういう考え方を根本から否定した憲法なんじゃないですか。憲法前文で何と言っているか。「人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚する」、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」、これが日本国憲法ですよ。それに対して、殺されたら相手殺すんだ、これが人間本来の活動だ、こんな発言をテレビの前で国民に向かって総理行ったわけですよ。私は、日本国憲法というのは、このような殺し合いの原理によって支配される世界を否定したものだというふうに思います。総理の答弁は全くこういう憲法を踏みにじる発言だと私思いますが、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 憲法のことですかね。緊急避難、自己防衛、そういう話を総理はされたんじゃないですか。そこでは憲法の話ということではなかったと私は思いますよ。突然襲われて、そして自己を守る、自己防衛、それは当然の権利だというように思っていますので、刑法上もそれは許されていることであります。
○小池晃君 もう質問しませんけれども、これは正当防衛の話じゃないですよ、総理が言っているのは。殺されるかもしれないと思ったら、言ったら、相手殺すかもしれないと言ったんですよ。これがどうして正当防衛なんですか。
 私は、本当に国際法違反のイラク攻撃を正当化するこの法案については、もう正に憲法違反そのものだと、廃案以外に道はないというふうに申し上げて、私、質問終わります。

○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 今日は、官房長官がこれから記者会見の御予定があると伺っておりますので、許された時間の範囲内で、まず、官房長官にお聞きすべきことを先に聞かさせていただきたいと思います。
 本法案をめぐってこれまでの議論を聞いておりますと、自衛隊がどういう活動をすべきか否かという点に議論が集中しているように思われます。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 しかし、本法というのは自衛隊の活動だけを決めているわけではありません。本法一条、二条、目的や基本原則のところには、政府はイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に努める、資する、こういうことが規定をされているわけであります。
 ですから、私は、このイラクの国家の再建、そして国際社会の平和と安定、こういう大きな目標の中で我が国がどういう支援をなすべきか。これは自衛隊のみならず様々な部門の支援も含めて活動が予定されているわけでありますから、こういった大きな展望の上でそれぞれ復興過程にはプロセスというものがある、ある時期、初期の段階ではここを重視する、そして次はどうする、そして最終はこうだというような段階的な支援の在り方ということも考えなければならないと思います。
 これからのイラク復興に向けて、我が国の取組を大きく展望して、この支援の在り方をどう位置付けるか、これをまず官房長官に伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 委員の御発言のとおり、この法案というのは、自衛隊を海外に出すことを目的とするというようなとらえ方をされる方がいらっしゃるので大変迷惑をいたしておりますけれども、そういうことじゃ決してない。あくまでもイラクの独立、そして国際社会で平和と安定を求める勢力になってほしいという、そういう思いを持って協力をするということが目的なんでありまして、そのために我が国が何かお手伝いすることがないのかどうかということでもっていろいろ考えた結果、この法案に記載しておりますとおり、自衛隊とか、またその他の自衛隊以外の国家公務員、地方公務員、またいろいろな分野で活躍される専門の知識をお持ちの方々にも参加をしていただこうという、そういう枠組みでございますので、そのところを間違いますと議論もかみ合わないということになります。
 これまでも我が国はイラクに対して人道復興支援を八千六百万ドルという金額のものをいたしてまいりましたけれども、このような支援を引き続き行っていきます。また、現地のニーズを踏まえまして、この法案に基づいて、これからの人道復興支援、安全確保支援のための自衛隊及びイラク復興支援職員を現地派遣すると、こういうことを考えております。
 我が国は、何よりもイラク国民のイラク国民によるイラク国民のための政府が構築されること、これが何よりも重要であると考えておることは先ほどの、申し上げたとおりでございますが、そのような観点から、十三日、今月十三日のイラク統治評議会の発足をこれは歓迎いたしております。憲法の制定などをめぐりまして、今後の動向、決して楽観視はいたしておりませんけれども、我が国は、このような政治プロセスが早期に推進されまして、新たなイラク正統政府が樹立されますことを期待いたしております。
 また、十月に開催予定のイラク復興支援国会合、これが国際協調によりまして成功することを願っておりますが、そのために我が国も力を尽くしたいと思っておりますし、また国際社会でイラク国民によるイラク再建の努力を支えることが重要であるということを考えているわけでございます。
○山口那津男君 この問題に関して、各政党がイラク現地に調査団を出しまして様々な観点から調査をされてこられました。これは、もうそれぞれがいろんな困難な状況の中で努力をされたということは大きく私は評価をしたいと思います。しかし、また政党はそれぞれの物の見方というものがありますので、えてして、それを裏付けるための調査、これは限られた時間、いろんな制約の中でやるわけでありますから、すべてあまねく調査をし尽くすということは難しいだろうと思います。そうした意味で、十全の調査というものはなかなかできなかったと、こういううらみがあるわけであります。
 そこで、私は、これから日本がこのイラクの支援を、今、官房長官おっしゃったような大きな観点から支援していく、短期間では済まないことだと思います。でありますから、国会として、この参議院あるいは衆議院として現地を調査をする、そして今後の議論に資すると、こういうことを検討すべきであるということを御提案したいと思っております。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 さて、そこで、午前中の質疑の中で外務大臣に、イラク人から成る統治評議会をどう評価されますかと、こういう御質問がありました。今、官房長官からもこれについての言及がちょっとあったところでありますが、このイラク人で構成された政治判断をする組織ができたということは、これは一つの画期だろうと思っております。しかし、これがいずれイラクの統治機構にどう結び付いていくかということはまだ予断を許さない。特に、イラクを構成する様々な宗教や部族の違いをすべてうまく調和的に反映したものではないと、こういう批判もある中での発足でありますから、これから憲法の制定あるいは民主的な選挙へ至るまでの過程というのは予断を許さないものもあると思います。
 そうした意味で、この統治評議会の果たす役割、意義について、官房長官としてどのように評価をされるかを改めて伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 我が国は、先ほど申しましたように、このイラク統治評議会の発足、これは歓迎をいたしております。これが順調に進展していくこと、これが大変大事なんだろうというふうに思っておりますが、イラクの統治評議会やイラクの各政治勢力の今後の動向と、こういうものは決して楽観視することはできないということは先ほど申し上げたわけでございますが、我が国も安保理決議一四八三に基づく政治プロセスが早期に推進されるということを期待をいたしております。
 また、今後、イラク国民のイラク国民によるイラク国民のための政府が構築されまして、隣国と友好裏に共存するイラクが再建されることが何より重要であるというふうに考えております。
○山口那津男君 そうしますと、単にこの評議会の行く末を観察するということではなくて、我が国が支援をする過程でこれが最終目的にうまくつながるように言わば育てるというか、こういう面も関与するというか、そういう取組というのは日本として考えていいだろうと思っております。
 それはそれとして、次に、本法で支援をするに当たって、その内容でありますけれども、大きく分けて人道復興支援とそれから安全確保支援と二つの支援の枠を作ったわけでありますけれども、これは人道復興支援だけでいいではないかと、こういう主張もあるわけですね。しかし、その大きな目的に向けて何ゆえ安全確保支援も我が国がやらなければならないのか、やるべきなのかというところを是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国連決議一四八三は、イラクの国民に対して医療その他の人道支援とか、それからイラクの復興支援を行うこと、またイラクの国内における安全及び安定を回復するために貢献するということを各国に要請をいたしておるわけであります。この決議に基づきます各国の具体的な貢献の役割、内容、役割の内容ですね、活動内容につきましては、これは各国が主体的に判断することでございます。
 我が国政府は、その治安の確保は統治機構の再構築、また諸外国、国際機関による支援を行うに当たりまして不可欠なものであるというように考えておりまして、その考えに基づきまして我が国としても最も貢献できる分野について検討した結果、人道復興支援活動を加えました。今後、国連加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動に対する支援活動を行うということが、これが適切なものというように判断をしたわけでございます。
○山口那津男君 そこで、この安全確保を含めた復興プロセス、このプロセスへの国連の関与を考えた場合に、従来ではPKO活動というのが一つの在り方だったと思いますが、今回このPKO活動は行われておりません。したがって、我が国のPKO協力法の適用もできないわけであります。しかし、その支援の活動実態を見てみますと、これは文民と軍事組織の複合的な活動が行われるわけでありまして、その点では国連のPKO活動と類似している側面もあると私は思います。しかし、このたびのイラクの場合は、そのPKO活動とどのように違う点があって本法を作るに至ったのか、この辺を分かりやすく説明していただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど申しました決議一四八三、ここでもって国連加盟国に人道復興支援等のその実施を要請しておることを踏まえまして、現在、国際社会において、関係国及び国際機関によってイラクの復興それから安定の確保に向けて種々努力は行われておるわけでございます。そういうような現状もございまして、国連の場においてイラクにPKOの展開を求めるという動きは現在のところはございません。近い将来、イラクにPKO活動をするという、そういうこともない見通しでございます。
 そういう状況におきまして、我が国としては、国家の再建に向けたイラク国民の努力を支援する国際社会の取組に対して我が国としてふさわしい貢献を行っていくべきであるというように考えまして、国連PKOへの参加を主眼としたPKO法に基づく協力としてではなくて、人道復興支援活動や、そしてこのような活動としてPKO法では規定されていない安全確保支援活動を、これを主体的かつ積極的に行う仕組みを構築するためにこの法律を提案をいたしておるわけであります。
 要するに、この安全確保支援活動ですね、これがPKO法では規定されていないと、こういうこともあるわけでございます。
○山口那津男君 本法は四年間の時限規定を設けました。
 この復興過程を見た場合に、インフラが破壊されている、あるいは治安がすこぶる悪い、また過酷な自然の状況もある、そうした中でこの初期の段階で自衛隊を使う必然性は私はあると思います。特に、治安の混乱に対して自力で守る力があるということ、そして厳しい環境の中で自己完結的に活動を継続することができると、ここが特にこの自衛隊を派遣する大きな理由だろうと思っております。
 しかし、これが後々、治安が安定し、またインフラも徐々に整っていくとすれば、おのずとやっぱり自衛隊の活動というのには時間的な限界といいますか、期間というのがおのずと予想されると思うんですね。本法は四年の期間を置きましたけれども、これは、そういう活動の言わば時間的限界というものもおのずからあるんだということを予想したものであるかどうかという点をお聞きしたいと思います。
 それで、この四年と置いたのは、何も四年間に限るという趣旨では毛頭ないと思いますが、何ゆえ四年という期間を一応置いたのかということも含めて、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) まず前提として、この法案は特別措置法であるということであります。そしてまた、この法案の有効期間について、イラクの復興にはある程度の期間は掛かるだろうという、そういう見通しでございます。
 そしてまた、我が国による国際協力の観点から余り短い期間は適当でないということ、また現行のテロ対策特措法と同様の二年、二年というように限定するのでは短過ぎるというように考えたわけでございます。他方、余りに長い有効期間を設定するということは、特別措置法という観点からも適当ではないのではないかというように考えました。
 ただし、現時点では、我が国の対応は四年で終了するか否か、四年を超える場合、どの程度の期間に及ぶのかといった点は、これは不明でございます。これは状況を見て判断するべきことでありまして、そういうことから、念のために、別に法律で定めるところによりまして四年以内の延長を認めるという文言を、これを規定いたしております。
○山口那津男君 これまで自衛隊を含めての海外の支援の活動というのは、様々な法律を個別に作ってまいりました。例えば、PKO協力法も一つ、国際緊急援助隊法もその一つ、そしてまたこのたびの法案と、それから昨年作りましたテロ特措法であります。
 このテロ特措法とこのイラク支援のための特措法、これは特別措置法というタイプであるわけですね、恒久法ではありません。そして、これを二つ重ねた、この法案を比べてみますと、共通する規定の仕方、類似する点というのは多々あるわけであります。しかしまた、何ゆえ特別措置かといえば、やっぱり緊急性とか国連決議の事態の個別性とか、そんなことを考慮してあることもまた事実だろうと思います。
 しかし、これから一応の経験を踏まえた上で、私はその都度個別の特別措置法を作るというよりも、その一般的なもの、共通するもの、これをまず規定をし、そして個々に決めてきたものであっても、それをそのときに応じてもう少し簡潔にこれを特定をしてやれると、そういう一般的な法律を考えていいだろう、検討していいだろうと、このように思っているわけですね。
 その中で一つ大きな問題点といたしまして、自衛隊が活動する場合、これは自衛隊法の基本でありますけれども、シビリアンコントロールの観点から国会の事前承認ということを原則としていると私は思います。しかし、特別措置法はこの二つのタイプ、いずれも事前の承認というものは規定しませんでした。
 これは、特別措置なるがゆえに、しかも事態、場所、活動もある程度接近した時期に内容もかなり分かっている、そういう点で法案の審議そのものが私は国会の事前承認に類似する部分もあるだろう、そういう点で実質的なシビリアンコントロールの意味は果たしている、そうもとらえることができる、したがって国会の事前承認ということは厳格に求める必要はないと、こうも考えてきたわけです。しかし、一般法をこれから検討するとした場合には、やはりこの国会の事前承認ということは私は必要な原則だろうと思っております。
 この点について、基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国際貢献、国際協力と申しますか、そのための一般法の整備につきましては、国際平和協力懇談会報告書、いわゆる明石レポートにおいても提言されておりまして、今後、国民的な議論を踏まえながら、その中では、憲法前文及び憲法九条との整合性を図りながら、将来の課題としてどのような要素を盛り込んでいくかということが適当なのかということを含めて検討すべき問題であると考えております。
 また、シビリアンコントロールの確保という観点の御指摘ございましたけれども、これ、その点についても国会の関与がどうあるべきかということについても検討をしていかなければいけない、その際には。そういうように考えております。
○山口那津男君 この点の、何ゆえ特措法で事前の国会承認を設けなかったかという理由がいろいろと語られる場合があるんですが、これは多分に運用上の不都合の点を指摘するものがほとんどでありまして、私はこれはシビリアンコントロールの観点から、どうあるべきかということはもっと掘り下げて検討する必要があると思います。特に、自衛隊の活動において、一般法はほとんどすべてこの国会の事前承認ということを原則にしているということも踏まえて今後の一般法の在り方について深い議論が必要だと、こう思っておりますので、是非御検討いただきたいと思います。
 さて、じゃ、官房長官、御都合があるでしょうから、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
 次に、外務大臣にお聞きしたいと思います。
 自衛隊が海外で支援のために中長期的に滞在をするという場合には、地位協定を結ぶべきか否かという問題点があると思います。
 従来、PKO活動による長期滞在の場合は国連との関係で考えられてきました。しかし、また、過去の経験から、ザイールに自衛隊の部隊を一定期間派遣したことがありました。これは国連の活動そのものではありません。我が国の独自の派遣であったわけであります。そして、今後、イラクであり得る自衛隊の中長期的な活動に対しても、また周辺国からの支援の在り方に対しても、私は自衛隊員の安定的な地位を確保するためにも基本的に地位協定を結んでいくべきだろうと思うのであります。
 この過去の活動と対比しながら、地位協定の是非についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この法案に基づきまして外国の領域に自衛隊を派遣する場合には、おっしゃったように、これは任務が円滑に行われるということを確保するために、受入先との関係で自衛隊員の法的な地位を確保する必要があると考えています。
 それで、それでは具体的にどのような内容あるいはどのような形式でそれを行うかということですけれども、これについては、その受入先の意向ですとか、あるいは期間の長さですとか、そういったことにもよりますので、一概にこの形式とかこういう内容ということを申し上げることはできないと思います。今後、どこに送るか、派遣先を決めていく、そういった過程で、この点についても併せて検討をしていきたいというふうに考えます。
 それで、おっしゃった今までのザイール等の関係ですけれども、今まで国際平和協力法に基づいて派遣をされる場合には、そのときの自衛隊の法的な地位、これは国連と受入国との間で締結をされた地位協定によって確保されているわけです。それで、我が国が派遣をした場合とおっしゃったその例ですけれども、ザイールの例があります。これは、ルワンダ難民救援活動への参加ということで、受入れ国はザイールであった。この場合は口上書を交換をしたという形でやっております。ということですので、地位協定という形式でない形でこれは法的な地位の適切な確保ということを今までやってきました。
 それで、今後については、先ほど申しましたように検討をしてまいりますけれども、いずれにしても法的な地位を適切な形で確保するように努めてまいりたいと思います。
○山口那津男君 我が国は、日米安保条約に伴う日米地位協定に基づいて、米軍を受け入れる立場での経験というものを持っているわけであります。これはいろんな評価が可能だと思いますが、この経験に照らして、我が国の自衛隊員が心配することなく外地で活動できるような、そういう地位協定の内容を是非御検討いただきたいと思います。
 さてそこで、本法に基づいてイラクで自衛隊が支援活動をする場合には、二条三項一号に「イラクにおいて施政を行う機関の同意」というものが定められております。これは受入れの同意と考えられるわけでありますが、これ以外にイラク側と何らかの地位協定を結ぶ必要があると、このようにも考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃったように、まず、受入れの同意ということで、当局、具体的にはCPAですけれども、そこから同意を得るということが必要であると思っています。
 その同意に加えて、さらに自衛隊員の法的な地位を確保するということに当たっても、当局、具体的にはCPAですけれども、そことの間で恐らく調整をするということになると思いますが、地位に関しての何らかの同意ということを考えております。具体的にどのような内容とか形式とかいうことについては、先ほど申しましたように、これは今後協議をする必要がありまして、今の時点で確かなことを申し上げることはできないわけです。
 それから、イラク統治評議会というのが今回発足をしたわけですけれども、そこでどのような権限があるかということを、そことどうかということについては、その評議会がどのような権限を持っているかということについて今まだ詳細に分かっておりませんので、そういうことを確認をしたいというふうに考えております。
○山口那津男君 そのイラク統治評議会の同意ということも、私は、その地位に関する合意とは別にして、この「施政を行う機関の同意」という中に、その統治評議会というイラク側の合議機関の同意というものも取り付けるべきだと私は思います。なぜならば、先ほど申し上げましたように、これからのイラクの国家の再建に当たって、この合議機関というものが一定の役割を果たすわけであります。したがいまして、イラク人側の合意を取り付けながら我が国が活動していくということは、イラクの一般の人たちに日本の支援の在り方を理解してもらう上でも重要なことだと思っております。
 この点、念のためもう一度、統治評議会の同意、あるいは地位協定に類する同意の在り方について、外務大臣のお考えをもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) イラクの統治評議会がどのような権限を持っているかということについて、CPAのホームページ、これで見ますと、四つ書いてございまして、一つは、各省庁の大臣を指名する、そして二番目に、統治評議会のメンバーはイラクを国際的に代表できる、三番目に、予算を承認する、四番目に、憲法プロセスの発足を支援するというふうに書いてございます。これが具体的に何を意味するのかということについてはよく分からないので、現在、詳細を確認中であるということであります。
 そして、したがいまして、それの確認ができておりませんので、今の時点でこことの間でどのような、自衛隊員の法的な地位の確定、確保についてどのような関係を持つかということについては今はっきりしたことは申し上げられないわけですけれども、いずれにしても、イラクにイラク人によって施政を行う機関が発足をして、そして権限が恐らく段階的にCPAからそこに移されていくということになると思います。そういう場合には、その機関がどのような権限を持つかということをきちんと見極めて、そして適切な方法で自衛隊員が法的な地位を確保するということを考えていくということでございます。
○山口那津男君 この統治評議会というのは、フセイン政権時代の戦争犯罪について特別な法廷を設けると、こういうことを決定しているわけですね、既に。この地位協定をめぐっての問題の一つは、例えば刑事犯罪の関係者になった場合に、逮捕するとかあるいは訴追されるとか、こういうことをどこが行うかという点で非常に問題になる場合が多いわけであります。
 そうすると、この統治評議会がそういう特別法廷を作るというようなことをもう既に決定しているわけでありますから、これとの関係で、これから外国の軍人あるいは自衛隊員の起こした刑事犯罪についてどういう刑事的な意思決定をするかということも関心を持たなければならないだろうと思います。そういう点で、私の提案を是非御理解いただいて、特に、このイラク側の民主的な政治過程というものが進展するに従って、その段階段階に応じた合意の取り方というものを是非御検討いただきたいと、こう思います。
 さて、続いて、日本はイラクに対して、かつて昭和五十年代を中心に建設、土木の関係でかなりインフラ整備に大きな役割を果たしてまいりました。しかしながら、一九八四年辺りから、ちょうどフセイン政権が発足して支配を確立していく時代に当たるわけでありますが、ほとんど仕事ができなかったわけで、その後、今日に至っているわけであります。この間を失われた二十年と言う人もいるわけでありますけれども、イラン・イラク戦争、あるいは湾岸戦争、あるいはその後の経済制裁の下で関与できなかったということは事実であります。
 しかし、このインフラ整備に日本が過去大きな役割を果たしたということを考えますと、イラクの国家の再建に当たってやっぱり日本のできることというのは、技術の面でも、また経験の面でも非常に役立つところはあると思うんですね。ですから、この点は是非これから積極的に考えていただきたいと思います。
 それとともに、先ほどの統治評議会も含めて、イラク側との協議の体制を作りながら、合意を作り出しながら、イラク側の意向に沿ったものを作っていくと、同時にもちろんCPAの了解も得ながらということですが、この点で努力すべきであろうと思っていますが、基本的な姿勢を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この点については、今、山口委員がおっしゃったとおりだと思います。
 過去、日本はイラクとの間で、特にイラクのインフラ形成については日本の企業を中心として大きな役割を果たしてきています。そして、前に茂木副大臣が調査に行きましたときの感想としても、イラクの今の問題というのは、八〇年代から戦争が多かったわけで、そのころからそういった日本の行ったインフラ整備についてのメンテナンスも十分でないという問題もありますということでございました。
 我が国の考え方として、切れ目ないオールジャパンのイラク復興への関与ということを言っております。それで、オールジャパンという意味は、もちろんNGOも含みますし、それから過去の蓄積がある日本の企業ということも含んでいます。それから、イラクのサイドについても、おっしゃったように、統治評議会を中心として、イラク人が何を希望しているかということについてきちんと情報を把握し、情報交換をしていくということも大事だと思っています。もちろんCPAも大事ですけれども。そういうことを行いながら、日本としてオールジャパンで切れ目なくイラク復興の支援に貢献をしていきたいと考えています。
○山口那津男君 このイラクに対する国際社会の支援というのは、その根拠を求めれば、これは国連決議の一四八三に基づくだろうと思うんであります。本法では決議の六七八や六八七、一四四一も引用はしておりますが、これは支援の根拠として書かれたものではないと思います。
 この点、念のため、支援の根拠は私は一四八三のみで足りると考えておりますが、外務大臣、どう考えますか。
○国務大臣(川口順子君) 支援の根拠という意味ではそういうことだと思います。
○山口那津男君 そこで、アメリカやイギリスの武力行使に当時反対をしながら、この一四八三の決議が行われた後に支援を決めた国々というのはどういう国があるか。これは安保理メンバー国がどうか、あるいはそれ以外の国々も含めて合計でどれぐらいの国々があるかということをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) まず、イギリス、アメリカ等の武力行使に反対、あるいは消極的な立場を表明しながら、現在イラクに支援を行っている国ということで挙げますと、スウェーデン、オーストリア、スイスなど多数ございます。そして、この中にはフランス、ロシア、中国といった国も含まれています。
 これらの個別個別の事情というのはよく分かりませんけれども、これについては一四八三が極めて大きな役割を果たしているというふうに考えています。
○山口那津男君 では、今挙げた国々の中で、軍隊を出して支援をすると、現にやっている、あるいはそれを決定する、した、決定済みである、そういう国々はどれぐらいありますか。
○国務大臣(川口順子君) 軍隊を出す、派遣をもって支援を行っている国という意味では、サウジアラビア、ヨルダンの軍関係者がイラク国内で野戦病院を設置をするための活動を行っているということを聞いています。それから、ノルウェーが施設部隊の派遣を決定をして、先遣隊を派遣しているというふうに承知をいたしております。
 それから、先ほどちょっと言い落としましたけれども、ベルギー、これは三月二十日にベルギーの首相が武力行使には消極的で、先ほどの質問との関連ですが、武力行使に消極的であるという立場を表明しましたけれども、軍用機を派遣して人道支援を実施をしたというふうに承知をしています。
○山口那津男君 今、武力行使に反対ないしは消極的であったにもかかわらず、その後、国連決議に基づいて軍隊を出して支援している国々も相当数あるというお答えでありました。そして、その支援の内容も、外国の軍隊を支援するというばかりではなくて、イラク国民に対する人道的な支援も行っている軍隊もあるだろうというふうに私は思います。
 そうした意味で、今本当にイラクに求められていることは、この戦争が正当であったかどうかという議論はさておいて、この全会一致でなされた国連決議に基づいてイラクにふさわしい支援を様々な能力を駆使して行うということがやはり国際社会に求められているものであろうと思います。我が国は、その線に沿って、是非迅速な、効果的な支援をこれからやるべきであるということを申し添えたいと思います。
 さてそこで、我が国は外国の領域で武力行使は原則的に認められておりません。そのような能力も現に持ってはおりません。防衛力というのは、この日本の防衛力は専守防衛のために作られた、そういう基本的な構造を持っておりまして、これを容易に作り替えるということは、資金の面でも人的な面でも、また法律の面でも非常に難しいだろうと思います。このことをもう少し国民に分かりやすく私は説明をする必要があるだろうと思うんですね。
 まず、自衛隊の組織や装備の面からこれを説明するとどういうことになるでしょうか。
○政府参考人(守屋武昌君) お答えいたします。
 我が国は、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢であります専守防衛を我が国の防衛の基本的な方針としていると、これは先生の御指摘のとおりでございます。
 これがどういうことかと申しますと、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使すると。それから、その態様も自衛のための必要最小限度にとどまると。それから、日ごろ保持する防衛力も自衛のための必要最小限度のものに限られるとしているところでございます。
 かかる方針に関して、我が国が保持する防衛力、すなわち自衛隊の組織と装備の面から申し上げれば、自衛隊は、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のために用いられる兵器、例えばICBM、長距離戦略爆撃機あるいは攻撃型空母は保有しておりませんし、かかる装備を運用するための組織も有していないと、こういうことでございます。
○山口那津男君 それでは、憲法や法令という規範の面からこれがどのように裏付けられているか、個々の法令を引用するというよりも、基本的な規範面の考え方、これを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(守屋武昌君) これは、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使するということでございますが、自衛隊が海外においてその種々の活動を行う場合にも、憲法の下で当該活動が適切なものとなるよう法律で規定されているところでございます。
 具体的には、国際平和協力法に基づく国際平和協力業務や、テロ対策特措法及び周辺事態安全確保法に基づく活動につきましては、我が国の活動が憲法が禁止する武力による威嚇又は武力の行使に当たることがないよう、それから他国の武力の行使と一体化しないよう、それぞれの法律により、いわゆる参加五原則を遵守することや、現に戦闘行為が行われておらず、かつそこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められるとの要件を満たす地域において活動が行われること、それから、万一近傍において戦闘行為が行われるに至った場合等においては、活動の一時休止等の措置を取るということなどの仕組みが設けられているものでございます。
○山口那津男君 それでは、外務大臣に伺いますが、これらの日本の専守防衛の基本的な在り方に対して、アメリカあるいは中国、韓国など諸外国がどのように見ているか、この態度をどう認識されているかということを伺いたいと思うんです。
 端的に言えば、この日本の取ってきた政策、現状を容認しているのか、それとも変化を望んでいるのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今おっしゃったようなアメリカ、中国、韓国といった国は、もう長い間我が国の安全保障についての考え方については非常によく理解をして、関係を持ってきていますので非常によく理解をしていると思います。
 それで、容認をしているかあるいは変えたいと思っているかという御質問に対しては、これらの国々の中で我が国に対してそれを変えてほしいと思っている国はないというふうに考えます。
○山口那津男君 それと関連して、集団的自衛権について様々な議論が最近とみに盛んになってきております。そして、その核心は、国際法上保有しているけれども憲法上行使は認められないという政府の見解に対する批判が最近強くなっているわけであります。さあこれをどう考えていくべきかということについて、幾つか法制局にお尋ねしたいと思います。
 まず、異なる国内法体系を主権国家というのはそれぞれ持っているわけであります。そして、その主権国家が合意や慣習によって国際法を形成してきていると思います。そうでありますから、この国際法と憲法を始めとする国内法、両者が抵触するようなことは当然あり得るわけでありまして、通常、憲法が優位するという考え方が取られていると思っております。
 その憲法の下で我が国が国連に加盟する以上、この二つの法秩序を矛盾なく論理的に説明する必要が出てまいります。政府見解はその当然の帰結といってよいと私は思っているわけであります。この国際法上と国内法上という二元的な法秩序が厳然と存在するわけでありますから、この両者の区別とその関係というものは常に意識しながら考えていく必要があると思います。
 時折、持っているけれども使えないのはおかしいと、こういう論調があるわけでありますが、これはその両者を意識的にか無意識的にか混同している言い分と私には思われます。
 一般に、この権利あるいは任務が法律上存在するけれども、持っているけれども実際の行使あるいはその実施はしない、そういう立法例は国際法上も国内法上も私は多々あるだろうと思っております。その例を挙げていただきたいと思います。法制局お願いいたします。
○政府特別補佐人(秋山收君) まず、集団的自衛権の問題でありますけれども、るる答弁してまいりましたように、我が国が国際法上主権国家として集団的自衛権を有することはもちろんでございますが、国家が国際法上どのような権利を有するか、すなわち国際法上何を適法に成し得るかということと、このような国際法上の権利の行使を国内法においてどのように制約をするかどうかということとは別の問題でありまして、一般に国家が国際法上の権利を行使するか否かは各国の判断に、これは権利の問題でございます、判断にゆだねられており、主権者である国民の意思により制定された憲法その他の国内法によって国際法上与えられた特定の権利の行使を制限したとしましても、これは国際法上の義務を国内法において履行しない場合とは違いまして、国際法と国内法との間の矛盾抵触の問題が生ずるわけではございません。逆に義務を履行しないということになりますと、条約と法律、あるいは条約と憲法の優位関係、抵触の問題が生ずるわけでございますが、権利の制約については基本的にはそういう問題が生じないと考えております。したがいまして、法的に特段の問題が生ずるものではないと。
 このように国際法上保有している権利を国内法で行使しないこととしている例につきましては、正に我が憲法第九条第二項で、例えば交戦権につきましての、国際法上基本的には容認されていると考えられますが、我が国においては九条二項の規定によりこれを認めないとしているところであります。また、同じく同じ条文で、国際法上は各国の保有する軍隊の規模などについて基本的には制約がないものと考えられますが、我が国は九条二項で自衛のための必要最小限度を超える実力の保持は認められないと解釈しているところでございます。
 それ以外の例といたしまして、例えば海洋法に関する国際連合条約三条で、いずれの国も、途中省略いたしますが、基線から測定して十二海里を超えない範囲でその領海の幅を決める権利を有すると規定しておりますが、シンガポール等幾つかの国ではこれを伝統的な三海里に限定しているというようなことが外務省からいただいた資料に掲載してあるところでございます。このようなものが権利を、国際法上の権利を国内法で行使を制約している例として挙げられると存じます。
○山口那津男君 国連憲章、これは個別的自衛権、集団的自衛権を文言上区別しております。それから、保有と行使を区別しているかどうか、これは必ずしもはっきりしないわけでありますが、少なくとも「固有の権利を害するものではない。」と言いながら、その次に、「この自衛権の行使に当つて」と、わざわざ行使という言葉を使っております。英語の表現ではエクササイズという言葉になるわけであります。
 そして、日米安保条約、この旧安保条約はこれを引用いたしまして、国連憲章は「すべての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認している。」と。次に、「これらの権利の行使として、」というふうに、保有するということと行使をするということを旧安保条約は区別して文言を使っているということであります。
 さらに、今の日米安保条約、これは「両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、」と、この権利を有するということは明記しているわけでありますが、行使という言葉はあえて使っておりません。これは我が国が憲法を制定し、国連加盟をして以後の我が国の考え方を踏まえた条約の規定だと私は理解をしておりまして、我が国としては、この国連憲章においても、そして我が国の結んだ条約においてもやはり行使と保有ということは意識をしながら規定をしてきていると、こう理解できるわけでありまして、今後の議論についてもこの行使と保有ということはやはり分けながら考えていくということはあり得てしかるべきと思っております。
 そこで、法制局にもう一度伺いますが、日米安保条約との関係で、在日米軍に対する攻撃に対して我が国が対応する、武力をもって対応する、そういう場合を集団的自衛権の行使として説明しようという論者がいるわけでありますが、私はこのような場合に原則的には個別的自衛権ですべて対応できるのではないかと、こう思っているわけであります。強いて集団的自衛権を持ち出さなければ果たして自衛の実を上げられないものなのかどうか、この点についてどうお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(秋山收君) お尋ねは在日米軍基地が外国から攻撃を受けた場合にということであろうと思いますが、一般に、我が国の領土、領空又は領海を侵犯することなくしてそのような攻撃が行われることはあり得ないのでございます。その攻撃が我が国に対する武力攻撃にほかならないということになります。
 したがいまして、我が国は、これを排除するために他に適当な手段がなく、その行使の対応が必要最小限度のものにとどまる限り、憲法第九条の下におきましても否定されておりません自衛のための実力行使として、在日米軍基地に対するこの攻撃を排除することができる。すなわちこのような場合には、いわゆる個別的自衛権、憲法の下で認められている個別的自衛権によって対処することができると考えております。
○山口那津男君 今御答弁がありましたように、我が国の領域、領土、領空、領海、この中にある在日米軍に対して攻撃が加えられた場合には、我が国の領域を侵すことなしにはできないわけでありますから、我が国に対する個別的自衛権、我が国に対する攻撃と見て、個別的自衛権で対応するということで私は十分対処できると思います。
 問題は、この領域外の公海上などで事が起きた場合にどうするかという点については議論を深めなければならないと思っておりますが、今日はいたしません。
 さて、もう一つある議論として、武力行使と一体化する行為はできない、これも法理論上当然の考え方だろうと思います。それと集団的自衛権を行使しないという政府の考え方、これを混同して議論される場合があるわけでありますが、私はそれぞれの禁止というのは別な根拠から出ているものだと、こう思います。時に一致する場合もあるかと思いますが、この点の異同についてもう少し分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○政府特別補佐人(秋山收君) お尋ねの他国の武力行使との一体化の考え方でございますが、これは、仮に自らは直接武力の行使をしていないとしても、ほかの者が行う、ほかの国が行う武力の行使への関与の密接性などから、我が国も武力の行使をしているという法的評価を受ける場合があり得るとするものであります。
 それで、すなわちこの考え方と申しますものは、他国の行う武力の行使に対し我が国が協力支援を行う場合に、どの範囲の活動であれば憲法の禁ずる武力の行使に当たるという評価を受けないかということを判断する場合の基準でありまして、自国が武力攻撃を受けていないにもかかわらず他国に対する武力攻撃を排除する権利であります集団的自衛権の行使とは同じ概念ではございません。
 それで、他国の武力の行使と一体化するような協力支援の活動が我が国の集団的自衛権の行使に当たるかどうかという問題は、その支援等の対象となる他国の武力の行使が自衛権の行使としてなされているかどうかによることになると考えられます。すなわち、他国が自衛、その国の自衛権の行使として武力の行使を行っております場合に、これと一体化するような形で協力支援を行う場合に我が国が集団的自衛権の行使に当たると評価されることがあり得ると、そういう関係であろうと考えます。
○山口那津男君 今までのような議論をしておりますと、傍聴人の方も眠くなってしまう、つまり神学論争と言われるゆえんであります。私は、この集団的自衛権の議論はもうちょっと違う観点でも議論する必要があると思うのであります。
 外務大臣に伺いますが、この日本が集団的自衛権を行使しないという見解を長年取ってきた、このことは我が国の国益に果たして寄与してきたんでしょうか。それとも国益を損なってきた面があるのでしょうか。この点はどう御判断されますでしょうか。
 特に、外務大臣は通産省での仕事の御経験もおありかと思いますが、そうした経験も踏まえて、どのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) とても難しい、お答えするには難しい御質問だと思いますけれども、その国益を、私は総じて国益に沿っているというふうに申し上げていいと思っています。もし国益に反するようなことであれば、それは当然にその過去ウン十年の間に、五十年の間に我が国としてはそういうことを当然変えたであろう。そういう判断をしなかったわけですから、それはその国益に合っているというふうに全体として考えたということであろうかと思います。
 もちろん、個人個人、いろいろのお立場はあるし、いろいろな考え方はあると思います。
○山口那津男君 この点については、私はやっぱり政治家の議論というのはもっともっとなされるべきだろうと思っております。
 ちなみに、政治家の御出身でいらっしゃる防衛庁長官はどのようにお考えになられるでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 出身といいますか、今でも政治家のつもりで一応おります。
 これは、集団的自衛権の行使は必要最小限を超えるので、憲法上、失礼、日本国として行使できないという政府の立場に変わりはございません。
 委員御指摘の国益にかなっているかどうかということは、少なくとも今日に至りますまで日本国は、集団的自衛権が行使できない、しない以前にできないということで明確に国益を損なってきたということはなかったと思っております。我が国の平和と独立が集団的自衛権が行使できないということによって損なわれてきたということは、今日に至りますまでそれはなかったと思います。
 それが、今後、ポスト冷戦あるいはポスト・セプテンバー・イレブンと言われる時代にあってどうなのかという議論は、委員御指摘のように、政治の場においていろんな観点からなされるべきものと思っておりますが、冒頭申し上げましたように、政府の立場は変わりはございません。
○山口那津男君 先ほど外務大臣から、専守防衛の基本的な構造に対して諸外国は変化を望んでいないと基本的に認識していると、このような御答弁でありました。
 この集団的自衛権を行使しないという我が国の基本姿勢、これは五十年にも及ぶ長い一貫した態度だったと思っております。この考え方に対して、今日これを変更しなければならないというような内外の変化というものが起きているとお考えでしょうか、この点どうでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 政府のこの点に、集団的自衛権についての考え方はあるわけでございまして、それはすなわち、過去五十年余にわたる国会での議論の積み重ねがあるので、その解釈の変更については十分に慎重でなければならないというふうに言っているわけです。
 それで、他方で、これについては世の中の変化も踏まえつつ幅広い議論が行われることは重要であり、集団的自衛権の問題について様々な角度から研究してもいいのではないかというふうに政府としては申し上げているわけです。
 それで、このことは、いろいろな現実問題として私は世界に変化が起こってきているということは、五十年の歴史の中であるというふうに思います。したがって、日本国内でも様々な意見があり、そしてその研究をしてもいいのではないかという政府の考え方になっているわけですけれども、ですから、変化はあるけれども、じゃ、それを変更するほどに大きな変化かといえば、政府としては今そういうふうには申し上げていないと、そういうことだと思います。
○山口那津男君 さて、大量破壊兵器の問題について伺いたいと思うんですが、本委員会でも、捜したけれども出てこない、だから持っていなかったんではないかと、こういう議論が盛んになされるわけであります。しかし、私はちょっと見方を変える必要があると思うんです。
 かつて、フセイン時代のイラクは、化学兵器を例に取れば、これを製造、保有して現実に使っていた、そして国連の査察団が入ってからもこれを持っていることが確認されている、そして査察団の下で廃棄処分が一部なされている、こういう経過をたどっているわけですね。そして今、その残っていたはずのものがどこへ行っちゃったか分からない、これが現状なんですよ。
 そうしますと、これから国際社会が目指すべきは、捜すこともさることながら、今後、イラクにこれを製造、保有、使用させないということが私は大事なことだろうと思います。捜索活動を続けている間、この使用あるいは横流しが行われないという結果を得られれば、それはそれで一つの好ましい結果だと私は思うわけであります。その観点をまず持つことが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 大事な観点だと思います。
○山口那津男君 そこで、今申し上げましたように、作った、使った、持っていた、これがもう確認されているわけですね。イラクは自ら、化学兵器を例に取れば、化学兵器爆弾をこれこれ持っていますと、そしてUNSCOMという査察機関がこれを廃棄等にかかわったわけでありますが、しかしなお行方不明のものがあると、こういうふうに数まで確認されているわけですね。
 いったん中断をいたしました。そして、その後活動したUNMOVICという機関の報告によっても、やはり三百個から三百五十個のR400という爆弾が未発見であり行方不明であると、こういうことも明確に指摘されているわけですね。そのほかにも、マスタード、サリン、タブンあるいはVX、そういう物質についても、その都度、あったものが今行方不明であるという趣旨の報告がなされているわけであります。
 つまり、フセイン時代のイラク政府そのものがこの製造、保有というものを認めてきているわけでありますね。それが行方不明になっているんでありますから、普通であれば、まだどこかに残っていると考えるのが普通だろうと思います。ですから、ないことを前提に、見付からないからないんじゃないかと言っている主張というのは、私にはどうしても理解できないんですね。
 そして、通常、じゃ、それをだれがどう証明するかということを考えた場合には、やはりその大量破壊兵器に最も近い人、最も事実をよく知る人が証明する責任を負うべきだと考えます。そうしますと、本当に廃棄をしたとするんであれば、この廃棄に携わった人がいるはずなんですね。これは単に人が簡単にできるものではありません。廃棄するための装置というものを作らなければならない大掛かりな作業なんです。ですから、実際にこれをやったというんであれば、必ずそれにかかわった人がいるわけであります。しかし、そういう人になかなかアクセスできないというのがこれまでの国際社会の現実だったんではないでしょうか。
 ですから、存在しないことを、これから国際社会がないことを証明するというのは極めて困難、論理的に不可能なことでありまして、あるものをなくしたという側が証明する、なくしたプロセスを証明する、これが本来の在り方だと思うんですね。この点では、実質的に証明責任はイラク側にあると、こう思うのでありますが、外務大臣、どう御認識されますか。
○国務大臣(川口順子君) 一言一句たがわず同じ意見でございます。
○山口那津男君 そこで、イラクがこの国際機関の査察に対してどう対応してきたかといえば、これは査察を様々妨害をしてまいりました。特に一九九八年に、この前身であるUNSCOMの査察団を追い出しまして一時中断したわけですね。そして、何年かの空白の後、また査察が再開されたということがあります。それから、先ほど、製造や廃棄に携わったと思われる科学者に対するインタビューを何度も試みました。しかし、これは長らく拒否をしてきた。国際社会の圧力が強まったときに、イラク政府側の人間が立会いの上、わずかな人だけのインタビューを認めたと、こういうことでありまして、非協力的な姿勢であることは間違いありません。
 戦争が終わった後、製造に携わった科学者が何人か身柄を拘束されました。しかし、これは作ったときの科学者でありまして、廃棄したときの人たちというのは別にいるわけですね。ここがまだはっきりしていないわけであります。
 私は、こういう廃棄に携わったという人物を次々と捜し出して、この人たちに、自由な環境で証言ができる、そういう場を作り出して、是非インタビューを試みるべきであると、こう思うんですね。
 こんなイラクの態度からすれば、アメリカやイギリスに対して化学兵器や大量破壊兵器を使わなかったのは持っていないからだと、こう主張する人も中にはいるわけでありますけれども、これはおかしなことだと思います。こういう流れからしたら、もし少しでも使えば、持っていたことを直ちに国際社会に証明する、自白するようなものでありまして、それこそ国際社会から袋だたきに遭うはずでありますから、仮に持っていたとしても使えなかったというのが正しい見方だろうと思います。
 さて、もう一つ指摘したいことがあります。
 化学兵器禁止条約というのが結ばれているわけでありますが、これは一九九三年にパリで作成されまして、一九九七年に発効をいたしております。そして、この化学兵器禁止条約はイラクはいまだに加盟をいたしておりません。そして、第一次の査察グループを追い出したのは一九九八年でありますから、この条約が発効した以後ということになるわけですね。したがいまして、イラクはこの条約に加盟していない。それは加盟することが不都合であるということを、そういう意思を示していると、こう見ざるを得ないわけであります。
 そして、現実的な国際社会への対応の上でイラクに同情的な余地があるかどうかという点で見ますと、かつて戦争をやった隣のイラン、ここはもう既に加盟をしているわけです。そして、イスラエル、ここも、加盟までは至りませんけれども、署名は既にしているわけでありますね。
 そういう点から考えて、現在既に百五十か国を超える国々が加盟するこの化学兵器禁止条約、これに入ろうとしない、しなかった。この事実もまた半面、化学兵器、大量破壊兵器の保有を裏付ける一つの間接的な事実だと思うわけでありますが、この点どうお考えでしょうか。
○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 イラクが化学兵器禁止条約になぜ未加入であったのかということについて、具体的にこうであるということをはっきり承知しているわけではございませんけれども、化学兵器禁止条約に入りますと、保有する化学兵器の検証を伴いながら廃棄するということを義務付けられるわけでございます。また、化学兵器の生産にも使用し得る化学物質についても申告し、査察を受け入れるという義務を負うことになります。イラクとしてはこのような義務を受ける準備ができていなかったのではないかと推測しております。
 今後につきましては、我が国といたしましては、イラクにおいて国際社会によって承認された新しい政府ができた暁には、イラクが締約国となっていない化学兵器禁止条約等の国際的枠組みに取り組んでいくことが極めて重要であると考えております。
○山口那津男君 この化学兵器禁止条約というのは比較的新しい条約でありますから、今後の運用の仕方についてはまだいろいろと議論の余地はあるかもしれません。しかし、発効から五年たったということで、これの運用状況を検討して検証制度をより効果的にするための勧告というのが今年ハーグで行われた会議で確認をされているわけであります。
 我が国は、この条約に基づいて度重なる査察を受け入れてきました。つまり、査察を受けた経験が豊富であります。また、中国では遺棄化学兵器、第二次大戦中の遺棄化学兵器を廃棄処分するために、かなり大きな協力を今、お金も人も費やして行っているわけであります。
 こういう我が国の経験に照らして、今後、イラクで国家再建に当たりまして、是非ともこの化学兵器禁止条約に加盟をさせて、そして国際社会のきちんとした査察を受けさせると。そこに至ることが初めてこの大量破壊兵器の化学兵器に関する解決につながるものだと私は展望しております。この点についても御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 我が国といたしましては、昨年十月の化学兵器禁止機関締約国会議、本年四月末から五月にかけて行われました化学兵器禁止条約運用検討会議などの機会をとらえまして、我が国として、非締約国に対して化学兵器禁止条約の締約促進を呼び掛けてまいりました。今後とも、このような努力を是非続けていきたいと思っております。
○山口那津男君 ちなみに、この化学兵器禁止条約に加盟していないもう一つの重要な国があります。それは北朝鮮であります。この点も考え合わせて、これからの日本の政策の在り方を検討していただきたいと思います。
 さて、時間も残り少なくなりました。我が国が行うべき人道支援の在り方の一つとして、地雷除去支援というのを、これは我が党も私自身も推進をしてまいったわけであります。
 今回、イラクにおいてこの地雷除去支援を行っている国があるわけですね。先ほど挙げられた例の中の軍隊も一部これを行っているわけであります。このイラクの現実を考えた上で、将来、日本がイラクにおいて地雷除去支援を考えてもよいのではないか。これは何も自衛隊がやるべきだという趣旨ではありません。民間のNGOや、あるいは日本の優れた機材を用いてこれを支援することは十分に私は可能だと思っておりますが、この点について、やるべきだと思いますが、お考えいかがですか。
○政府参考人(安藤裕康君) 我が国は従来から、普遍的かつ実効的な対人地雷の禁止、地雷回避教育、地雷除去及び犠牲者の支援と、こういったような分野で非常に精力的に取り組んできておりまして、アフガニスタンあるいはカンボジア等で実績を上げてきております。
 そこで、イラクでございますけれども、現在、イランとの国境地帯や北部地域等を中心に、合計で約一千万個の地雷が埋設されているというふうに言われております。
 したがいまして、我が国といたしましては、今申し上げたような過去の実績にもかんがみまして、今後、現地における実情あるいは需要、それから国際機関等の取組状況、そういったようなことを総合的に勘案しながら、いかなる貢献が可能か、検討してまいりたいというふうに思っております。
○山口那津男君 また、イラク国内では、報道にもありますように、一般市民に至るまで、様々な小型武器というものを保有している実態があるようであります。これを野放しにしていては、いつまでもやっぱり治安の安定というものは確立できないと懸念も持っているわけであります。
 イラクでこの小型武器をどうするかはひとまずおいて、我が国がこの小型武器規制に対して国際社会でどう取り組んできたか。最近、猪口軍縮大使が議長を務めて、この小型武器の規制についての国際会議で活躍をしたという実態もあっただろうと思います。この小型武器の規制に関する国際社会での日本の取組について、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 我が国は、小型武器問題は、紛争終了後の人道支援、復興支援の前提として解決すべきである問題と考えまして、この問題で国際社会を文字どおりリードしてまいりました。
 この問題が提起されました一九九九年以来、ほぼ毎年、国連総会に小型武器決議を提出し、二〇〇一年の国連小型武器会議、今年の七月に開かれました国連小型武器中間会合の開催に導いてまいりました。特に、本年の七月七日から十一日まで開かれました国連小型武器中間会合では、我が国が議長を務め、具体的には猪口邦子軍縮代表部大使が議長を務めましたが、これは我が国がこの分野で従来貢献してきたことの成果であるというふうに考えております。
○山口那津男君 この地雷除去支援についても、小型武器の規制についても、いずれもやっぱり日本が国際的に人道支援をしていく上で重要な柱の一つだと私は思います。
 かつてこの地雷除去支援に関して、経協局が担当したり、あるいは軍縮部門が担当したり、ばらばらにやっていたものをもっと政策的に、統合的に考える必要があるのではないかと私は御提案したことがあります。それを契機に通常兵器室という新たな部門ができまして、ここで現在スタッフが活躍中であります。
 ここが地雷除去支援も小型武器の規制も行っているわけでありますが、しかし、いかにも人数が少な過ぎる。例えば、トップの室長さんは外国出張でそれぞれ追われている、その間、政策面で責任を持って担当できる人が十分にはいないと、これが実態でありまして、私はもっとこの部門は人的な面でも強化をする必要がある。それからまた、予算を直接預かっていないものですから、政策決定してもそれを効果的に使うという決定まで十分にできない。ODAを利用しましょう、あるいは違う予算を利用しましょう、ばらばらになってしまいます。
 私は、そういう意味でも、この政策を全体的に考えるところと予算を執行するところはもうちょっと近づけて、トータルで組織化を図るべきだと、こう思うんでありますが、この体制の強化について、外務大臣の是非前向きな御決意をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員に御質問いただきましたような小型武器、地雷といった問題は、我が国として国際社会において貢献をしていくべき重要な分野、分野であると私は思っております。
 委員の御示唆もいただいて、今おっしゃっていただいたような体制、通常兵器室というのを作りました。作りましたが、おっしゃっていただいたような定員の状況であるということも残念ながら事実でございます。
 今後、まだ外務省をめぐる定員の状況というのは非常に厳しいものがございますけれども、体制面も含めて、通常兵器分野での外務省としての取組、これを是非強化をしたいというふうに思っております。いろいろな方の御理解をいただき、そして御支援をいただければ大変幸いに存じます。
○山口那津男君 外務省改革が叫ばれて、いろんな作業が行われている過程だと思っております。私はその定員の総枠を広げろと言っているわけではありません。この重要度あるいは今後の政策の在り方をよく見た上で、強化を図る、あるいは少し緩やかにする、いろんなやり方は可能だろうと思います。
 是非、この外務省改革の一環として、今御指摘をした問題について大きな結果を出していただきたいと、こう御希望いたしまして、質問を終わります。


2003/07/17

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