2000/04/13

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赤城徳彦(自民党)質問 「インターネットと選挙活動について」

衆議院・政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会


○桜井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。

○赤城委員 おはようございます。
 今、国民の多くがパソコンを持ち、インターネットを利用して情報を収集したりしております。政党や政治家にとっても、これからますますインターネットを使った情報のやりとりということが大事になってくるかと思います。一方で、選挙においてどういうふうにインターネットを利用していくかという問題になりますと、いろいろ問題点も多いかと思います。

 これは韓国での例ですが、韓国ではコンピューター通信を使った選挙運動が認められております。ところが、インターネットの匿名性を利用して対立候補の人格攻撃を行うようなケースが後を絶たない、繰り返し相手候補を中傷した出馬予定者が逮捕される、こういうふうな事態も起こっております。

 インターネットと選挙のあり方というものについて、まず大臣から基本的な考えを伺います。

○保利国務大臣 パソコン等が普及をいたしまして、インターネットもひところでは考えられないような大変な普及をしておるわけでございます。

 選挙とインターネットとのかかわりについての御質問でございますけれども、公職選挙法で言っております文書図画というのは、文字もしくはこれにかわるべき符号あるいは象形を用いて、物体の上に多少とも永続的に記載された意識の表示をすることでございます。すなわち、およそ人の視覚に訴えるものは文書図画としてとらえておりまして、したがって、インターネットのホームページなど、コンピューターでのディスプレーに表示される画面は公職選挙法上の文書図画に当たるものと解しておるところでございます。

 コンピューターのディスプレーを公衆の面前に据えておくような場合は公職選挙法で言います掲示に相当いたしますし、また、不特定または多数の人の利用を期待してホームページを開設するということは頒布に該当するというふうに解しているところでございまして、現行の選挙制度上は、これは使い得ないというふうに解釈をいたしております。

○赤城委員 今、大臣から大変具体的なお答えをいただきました。現行の公職選挙法上ではインターネットのホームページを選挙運動のために使用することは一切禁止されている、こういうことだと思いますが、各国の例なども見ながら、これから選挙あるいは広く政治活動にとってインターネットとか新しい情報通信の手段をどのように活用し、また、それには光の面と影の面とあろうかと思いますから、どのように規制をするなり制御していくといいますか、利用していく、両面ありますが、そういうことを考えていかなければならないかと思っております。

 それでは、以下、具体的に聞いてまいりたいと思います。
 公職の候補者、立候補予定者や現職の議員、または第三者が、選挙運動期間以外の通常時においてインターネットのホームページを政治活動のために使用することは自由と考えますが、選挙期間中においてホームページを新たに開設したり書きかえたりすることはどうなのか。また、候補者等の氏名や氏名を類推される事項を表示しているホームページを新たに開設したり書きかえたりすることはどうか。さらに、選挙運動期間中に、候補者等の氏名を表示しているホームページを新たに開設したり書きかえたりせずに、通常時に掲載されたものをそのまま加工せず、放置していくということであればどうか。これらの点についてお答えをいただきたいと思います。

○片木政府参考人 お答えをいたします。
 公職の候補者が選挙運動期間中に政治活動のためにホームページを開設いたしましたり書きかえたりいたしますことにつきましては、選挙運動に該当しない限り特段の規制はないところでございますが、公職選挙法第百四十六条第一項というのがございまして、この中で、選挙運動期間中は、選挙運動用文書図画の頒布の禁止を免れる行為として、候補者等の氏名や政党の名称等を表示する文書図画を頒布することができないとされていることから、これに該当いたします行為につきましては制限されるものと考えております。

 次に、選挙運動にわたらない政治活動のためのホームページを選挙運動期間前に開設いたしましてそのまま選挙運動期間中に掲示するということにつきましては、特段の規制はないところでございます。

○赤城委員 ちょっと今の点よくわからなかったのですが、選挙期間の前に開設されたものをそのまま掲示するのは構わない、しかし新たに開設したり、書きかえたりする場合は、公職選挙法の百四十六条第一項、それに当たるかどうかということで判断が分かれるようですが、それがどういう場合に当たるのか、どういう場合に当たらないのかは、これは実態判断というように聞こえましたけれども、そこら辺の基準がなければそれを開設する側としては非常にやりにくいと思います。そこら辺を具体的にどういうふうに判断されるのか伺います。

○片木政府参考人 お答えいたします。
 ただいま申し上げました公職選挙法第百四十六条の規定でございますが、「何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二条」、これは文書図画の頒布でございます。「又は第百四十三条」、文書図画の掲示の規定でございます。「の禁止を免れる行為として、」先ほど申し上げました「公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。」とされているところでございます。

 この規定の趣旨でございますが、実際は選挙運動のために使用しながら、外形的には、今申し上げましたような、いろいろな名義をもちまして広告を装いまして免れる行為を規制するというのが本条の趣旨でございまして、その判定に当たりましては、時期、場所、方法等総合的に判断して、該当するかどうかを判断するということになるわけでございます。

 先生御指摘のように、具体の事案につきまして具体のケースで対応するということにさせていただいておるわけでございます。

○赤城委員 なかなか具体のケースで文書図画の頒布、掲示を免れるかどうか、そこら辺が非常に限界的なものもあると思います。

 ところで、同様のことですが、政党や政党支部その他政治活動を行う団体が、同じようにホームページを新たに開設、書きかえたりする場合はどうか。または、候補者等の氏名や氏名を類推される事項を表示しているホームページを新たに開設したり書きかえたりする場合、さらに、選挙運動期間中に候補者の氏名等を表示しているホームページを、通常時に掲載したものをそのまま加工せず放置しておく場合、いずれについても、政党や政党支部その他政治活動を行う団体がこういうことを行った場合にどうなるかということを重ねて伺います。

○片木政府参考人 政党その他の政治活動を行います団体が、選挙運動期間中に、政治活動のために候補者等の氏名または氏名類推事項が記載されていないホームページを開設いたしましたり書きかえたりすることは、選挙運動にわたらない限り、差し支えないものとなっております。しかしながら、公職選挙法第二百一条の十三第一項第二号におきましては、政党その他政治活動を行う団体は、選挙の期日の公示または告示の日から選挙当日までの間は、政治活動のため掲示または頒布する文書図画に、当該選挙区の特定の候補者の氏名または氏名類推事項を記載してはならないとされております。

 したがいまして、ホームページに特定の候補者の氏名または氏名類推事項が記載されているものにつきましては、選挙運動期間中に開設いたしましたり書きかえたりすることはできないということでございます。政党その他の政治活動を行う団体が、選挙運動にわたらない政治活動のためのホームページを選挙運動期間前に開設いたしまして、そのまま選挙運動期間中に掲示することにつきましては特段の規制はないところでございます。

○赤城委員 選挙運動期間前に選挙運動にわたらないものをそのまま掲示しておくことはよろしいと、また特定の候補者を類推されぬようなもの、またはその氏名を明らかにしないものであればまたよろしいということであると思いますが、それではちょっと具体的に、こういう場合はどうか伺います。

 選挙期間前に、ある政党が、何々党は党内が政策面でばらばらで、共通の結論は法案に反対することだけ、それに対して我が党は法案も出し、徹底的な審議も尽くし党内が一致している、こんなふうなホームページを出しました。これを選挙期間中そのまま掲示しておくということは公選法上どうなるでしょうか。

○片木政府参考人 お答えをいたします。
 公職選挙法、別の規定になりますが、第二百三十五条で、虚偽事項の公表罪というのがございます。行為の時期にかかわりませず、特定の候補者等の当選を得る目的で他の候補者等の身分、職業もしくは経歴等に関しまして虚偽の事項を公にすることを禁止いたしますとともに、特定の候補者等の当選を得させない目的で当該候補者等に関し虚偽の事項を公にしまたは事実をゆがめて公にすることを禁止いたしております。

 したがいまして、御指摘のホームページがこれに違反するかにつきましては、特定の候補者等の当選を得る目的、または当選を得させない目的でなされたものであるかどうか、かつその内容が虚偽の事項等に当たるかどうかということによるわけでございますが、いずれにいたしましても、個別の事案が公職選挙法の規定に抵触するかどうかは、行為の実態に即して判断されるべき問題というふうに考えております。

○赤城委員 今大変具体的な事案でお聞きしたので、その場合場合の判断であるということであってはちょっと困るのでありまして、それからもう一点は、その特定の候補者のことを言っているわけではありませんし、また虚偽のものを言っているわけではない。普通、政党がホームページを出すときに、我が党はいかにしっかりしたすばらしい政策をやっているか、それに対してほかの政党はいかに問題があるか、こういうことをよく掲示することがあり得ると思います。そういう、政党がほかの政党に対して、この政党はこうである、我が党はこうである、こういうものを掲示しているそのホームページはどうか、こういうふうに伺っているので、重ねてお答えください。

○片木政府参考人 御質問のケースにつきましては、あくまで個別の事案に即して判断すべき問題ではございますが、お聞きいたしております限りにおきましては、先生もおっしゃいますとおり、公選法の虚偽事項の公表罪になかなか当たらないということを前提といたしまして、先ほど申し上げました、政治活動を行う団体の政治活動のためのホームページであるということになりますと、先ほど三番目に申し上げました、選挙運動期間前に開設をいたしましてそのまま選挙運動期間中に掲示することについては特段の規制はないという結論かと思いますが、ちょっとくどいようでございますが、やはり具体の事例等に即して判断すべき問題だと考えております。

○赤城委員 それでは次に、ポスターについて伺いたいと思います。
 政治家個人や後援団体の政治活動用ポスターは、この四月十九日以降掲示することができなくなりますけれども、政党の政治活動用ポスターについてはどのような規制がかかるか、まず伺います。

○片木政府参考人 御指摘のように、衆議院議員選挙の候補者等または後援団体の政治活動用ポスターのうち、当該候補者等の氏名もしくは氏名類推事項または後援団体の名称が表示されたものにつきましては、公職選挙法第百四十三条第十六項及び第十九項の規定によりまして、来る四月十九日から選挙期日までの間は掲示することができないとされているところでございます。

 一方、政党の政治活動用ポスターにつきましては、候補者等または後援団体のポスターと同様の規制はございませんけれども、政党の政治活動にとどまらず、そのポスターが候補者等の政治活動にも使用されるというふうに認められますポスターにつきましては、候補者等の政治活動用ポスターに係る規制が適用されるものでございます。

 なお、御案内のとおり、昨年の公職選挙法の改正によりまして、公職選挙法第二百一条の十四第一項におきましては、衆議院議員や参議院議員の選挙等につきましては、当該選挙の期日の公示または告示の日の前に個人名の記載された政党の政治活動用ポスターを掲示した者は、当該個人が当該選挙において候補者となった場合には、候補者となった日のうちに、選挙区内にあるポスターを撤去しなければならないというふうにされたところでございます。

○赤城委員 政党の政治活動用ポスターについてですが、よく、政党の演説会告知用の政党ポスターというのがあります。これは、ポスター全体が政党のものであるということがわかれば、弁士の数が一人であったとしても問題ないと考えますが、どうか。弁士の数が二人とか三人であることが望ましいとか、弁士の肩書の色は同じ色でないといけないとか、そういうふうな規定はないと思いますけれども、どうでしょうか。

○片木政府参考人 政党名で掲示されるポスターでございましても、先ほど申し上げましたとおり、弁士が立候補予定者のみであるような場合には、先ほど申し上げましたと申し上げますのは、当該候補者等の政治活動のためにも使用されると解釈せざるを得ない場合には候補者の政治活動用ポスターとして規制されるという意味でございますが、弁士が立候補予定者のみであるような場合には、政党の政治活動にとどまらず、当該候補者等の政治活動のためにも使用されるものと解釈せざるを得ない場合があるというふうに考えております。

 また、当該候補者等に関する記載をする必然性が認められないもの、あるいは、御指摘ありましたとおり、当該候補者に関する記載のみ色を変える場合等、特定の候補者等を目立たせているものにつきましても、同様に、当該候補者等の政治活動のためにも使用されているというふうに解釈せざるを得ない場合があるものと考えておるところでございます。

○赤城委員 最後に、最近ポスターが電柱に掲示されているのがよく目につきます。美観の観点からも好ましくないと考えますが、公職選挙法上規制はないのでしょうか。

○片木政府参考人 お答えをいたします。
 公職選挙法上、選挙運動用ポスター及び確認団体の政治活動用ポスターにつきましては、橋梁、電柱、公営住宅等を除き、国または地方公共団体が所有、管理するもの及び不在者投票記載場所には掲示することができないとされております。

 また、これらのポスターを電柱等、他人の工作物に掲示しようとするときは、その工作物の管理者等の承諾を得なければならないこととされているところでございますが、個人の政治活動用ポスター、通常時の政党の政治活動用ポスターの掲示場所についての規制は設けられていないところでございます。

 なお、公職選挙法そのものではございませんが、屋外広告物法に基づきます屋外広告物条例による規制を受ける場合があることは御承知のとおりでございます。

○赤城委員 終わります。ありがとうございました。


2000/04/13

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