2004年5月3日 戻るホーム憲法目次


憲法記念日にあたって(談話)

民主党代表  菅 直人


憲法記念日は、私たちが日本国憲法の重さを改めて深く噛みしめる時です。現行憲法は、半世紀以上の年月を経る中で、日本国民の間に根強く定着し、国民生活の社会的・政治的・精神的な共通の基盤となっています。戦後日本の平和と安全、繁栄と民主主義を創り出してきた日本国民の計り知れないエネルギーも、この憲法を一つの土台として生まれてきました。現行憲法の根本規範たる「国民主権」「基本的人権の尊重」及び「平和主義」の3つの精神は、21世紀の日本のみならず、世界にも広げていくべき普遍的原理として今後も大切にしていくべきだと思います。

時代の変化の中で、市民革命による憲法制定の歴史を持たない日本において、自分たちの手で新たな憲法を創り上げたいという気運が高まっています。私は、先の党大会において、現在の日本国憲法がいわば還暦を迎える2006年までに、新しい時代にふさわしい憲法の姿を示すよう指示しました。環境権やプライバシーの権利など「新しい権利」についても問題提起するとともに、安全保障のあり方、「公共の福祉」と財産権のあり方についてもタブーを設けず検討を進めるよう促しています。

自由闊達な国民的な憲法論議を経て、私たちの憲法が日本国民と世界の人々の平和と幸福につながるものとなることを心から念願し、本日の憲法記念日を祝すメッセージといたします。

以 上


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