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2月24日(月) 外国人PT視察(大泉町)、町長、西小、ブラジル人学校、NPO

今日は、民主党の「在日外国人に係る諸問題に関するPT」の視察で、8時過ぎの新幹線で熊谷へ。さらにワゴン車タクシーで大泉町へ。ここは、日本中で一番、定住外国人の比率が高い町で、1月末現在で人口42,573人のうち、6,208人、率にして14.5%が外国人です。そのうち最も多いのはブラジル人で、4,746人います。三洋電機や富士重工があり、その下請企業が、労働力として日系ブラジル人のUターンに取り組んだことによる現象ですが、日本中で国際化が進んでおり、これからの日本が直面する問題の解決のため、ここでの経験が大いに参考になるはずです。

一行は、PT座長の私、事務局長のツルネン・マルテイさん、メンバーの小川敏夫さんと今野東さん、前座長で法務ネクスト大臣の千葉景子さん、スタッフの皆さんです。雇用、医療、年金などの社会保障、労働環境や定住環境など、問題は山積していますが、今日は特に教育に焦点を当てました。

9時半前から1時間半、町役場で、町長の長谷川洋さんらから説明を聞き、質疑応答。ブラジル人のお得意のサンバ・フェスティバルは、警備や経費が大変なので、ブラジル人側の希望で中断とか。町の調査によれば、学齢期の南米系児童は622人おり、そのうち公立学校へは297人、ブラジル系教育施設へは128人、帰国などで転出したとみられるものが160人、託児所が11人で、何の教育の機会も与えられていないと思われる児童が26人もいます。しかも、ブラジルの学校は2部授業で、休み時間のケアは無く、非行化が懸念されます。

11時からは、外国人生徒が一番多い西小学校で、日本語教室を見学し、校長先生らと懇談。外国籍の児童は80人余ですが、そのうち日本語教育が特に必要な30人強を、加配の教諭2人と指導助手1人で、4、5人ずつに分けて教えています。教授法も手探りで、大変のようです。

12時から、ピタゴラス学校というブラジル人学校へ。ブラジル資本の有限会社で経営しますが、教室は狭く詰め込みで、先生1人あたりの児童数も多く、教育環境は悪いと思いました。児童たちに聞いてみると、将来日本に定住したいものとブラジルに帰りたいものは、ほぼ半分ずつ。まだ将来の選択は決まっていません。しかし、国連子ども総会でも「子ども最優先」が決議されています。子どもたちに多様な選択肢が開かれるよう、今の教育環境を大幅に改善する必要があります。日本側の都合で日本に連れてこられた子どもたちなのですから。

13時半から、NPO大泉国際教育技術普及センターの皆さんと、ブラジル風の昼食を食べながら意見交換。理事長の高野祥子さんには、一日中大変お世話になりました。現実を知悉しておられる皆さんが、今のままでは非行予備軍が大量に出て来そうだと、ことごとく教育のことを心配しておられます。外国人犯罪は、全犯罪件数の1割強だから、人口比率どおりですが、交通犯罪は3割強で、交通法規無視は際立っているようです。

氷雨の中、15時半過ぎの新幹線で帰京。今日の成果を、政策立案に生かさなければなりません。


大泉町の長谷川町長と 日本語学級

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