江田五月 活動日誌 2001年11月(11〜15) >>日程表 ホーム総目次11月目次前へ次へ


11月11日(日) 弾劾裁判、六ヶ所へ、不透明

今日は、3時頃までパソコンに向かって、弾劾裁判の判決起案をしました。最後に判決を書いてから、25年近くも経っているのですから、ペースが上がるはずはありません。文章の細かなところが、きちんと落ち着かず、四苦八苦です。しかし、半世紀近く経っても、まだ細部が気になるようでは、いけませんね。

昼近くに起きて、又パソコンに向い、最後の仕上げ。昼過ぎに、一応の私の原案として、事務局にメールで送りました。文章の体裁などを整えて貰って、裁判員全員に検討して貰います。今月28日の判決言い渡しに、間に合わさなければなりません。

今日は、17時過ぎの便で三沢空港に飛び、一泊して、明日は六ヶ所の原子力施設を見学します。科学技術庁長官当時にまだ建設中のサイトを視察しましたが、この数年で大変貌だと思います。低レベル、高レベル、再処理と、すべて見られます。浜岡原発の緊急冷却系配管の破断事故は、重大です。この分野も、先行き大変です。

京都議定書合意は、もちろん、しないより良いのですが、日本の抵抗は各国の非難の的になったのではないでしょうか。これから国内の抵抗が予想されます。中国のWTO加盟も、もちろん大歓迎ですが、日本としては緊張感のある対応が必要。アメリカ経済もついに物価水準の下落。アフガン情勢はますます不透明。小泉首相周辺も、負けずに不透明。そんな中で、明日から衆・参で予算審議です。



11月12日(月) 核燃施設見学、浜岡事故、弾劾判決

今日は、エネルギー・環境問題研究会の見学です。民主党議員有志と電力会社社員有志の会で、議員は、峰崎直樹さん、土肥隆一さん、奥田建さんと私が参加。8時半ホテルを発ち、9時半過ぎから六ヶ所村の核燃料サイクル施設を見学しました。

まず、施設の概要を聞き、高レベル管理センターへ。慎重に管理されているフランスからの返還固化体の真上で、写真を撮りました。次ぎに、使用済み核燃料貯蔵プールへ。受入容量3000トン・Uのところ、現在386トン・Uを受入。さらに、工事の真っ最中の再処理工場中央制御室へ。2兆円の施設です。

次いで、低レベル埋設センターへ。93年に訪ねたときは、ここだけが稼働を開始していましたが、ずいぶん貯蔵量が増えました。最後は、ウラン濃縮工場。1500トンSWU/年の予定で、現在は1050トンSWU/年を生産しています。ここだけが、核不拡散の必要から写真禁止です。MOX燃料工場は、まだ計画中です。

近くに、原油備蓄基地、風力発電サイト、ITER(国際熱核融合実験炉)予定地がありますが、今日は遠くから眺めたのみ。

原子力事故は、重大な結果となります。しかし、現に存在するので、逃げられません。最大限安全対策に務め、情報公開を徹底し、あらゆる批判に耳を傾けることが必要です。

先週末の浜岡原発の事故は、緊急冷却系統からの漏水に加えて、炉心の制御棒系統からの漏水が、ほぼ同時に起きています。いずれも事故自体は小さいもののようですが、重大事故につながりかねず、しかもこの2つが同時に起きたことは、質的には最重大事故と言えます。徹底した原因究明と再発防止策が不可欠です。

15時過ぎの便で羽田へ。18時から約2時間、弾劾裁判所事務局と、判決を細部にわたって協議。やっと原案がほぼ出来ました。


11月13日(火) 最高裁、役員会、精神医療、民法、NC、ハンセン

今日は、午前中ゆっくりし、11時半に最高裁の担当者から、「裁判官の人事評価の在り方に関する研究会」の説明。法務委員会で質問した件です。個別の案件も扱うので、会議自体は非公開とするが、協議内容は書面で公開し、配付資料も原則公開。さらに明日の正午以降、最高裁のHPのトピックス欄にこれらを掲載。最高裁もだんだん情報公開に向かってきました。

12時から、常任役員会。補正予算は反対と決まったこと、菅幹事長の組織方針が示されたことなどが報告され、国会状況につき協議。13時から、司法と精神医療の連携に関するPTの役員会。NCへの中間報告を念頭に置いて、朝日座長のペーパーを中心に議論しました。14時から、松本龍選対委員長らに、岡山県連の候補者選考状況を説明。

14時半から、野党で参議院に提出する民法改正案につき、記者会見に同席しました。もう何度目になるでしょう。私も発議者になったこともありましたが、今回は質問者役です。野党案は、夫婦別姓選択制のほか、婚姻年齢と非嫡出子の相続分が含まれています。

15時から弾劾裁判所事務局と協議。法務省が司法試験ミスの説明。16時前から2時間強、NC会議。道路関係4公団は上下分離せず、分割・民営化(必要なら破綻処理)し、整備計画は一時凍結と決まりました。緊急雇用対策関連法案の提出を決め、PKO改革、官製談合防止法案、国内テロ対策、シックハウス法案などの協議をしました。岡崎トミ子さんが沖縄視察報告。

18時から1時間弱、ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会の役員会。16日に、中断していた厚生省と元患者らとの協議会の第4回会合が開かれます。今年も後わずか。政府が、控訴断念にふさわしい決断をするよう、期待しているのですが、まだまだ壁は厚く、一層の努力が必要です。



11月14日(水) 海事、予算委、本会議、合同会議、三浦さん、井上市長

今日は8時前から、海事振興連盟の総会。海運事業関係者と国会議員の会です。9時から昼休みを挟んで17時まで、予算委員会の総括質疑。全大臣が揃い、テレビ放映付きです。トップバッターは民主党の長谷川清さん。次いで内藤正光さんが、景気と雇用、ペイオフ、不良債権などを質しました。舛添要一さんの質疑は、議員初体験の感想から始めて、経済運営、テロ対策など多岐にわたる切れ味の良い質問で、聞かせました。私は、終始聞き役です。

12時から本会議。地方税法と租税特別措置法の改正案で、補正予算執行のためのものです。櫻井充さんがわさびの利いた質問をし、再質問にも立ちました。

12時45分から、国対・理事合同会議。13時から予算委員会再会。16時過ぎ、ルーマニアの国会議長さんご一行が傍聴に来られました。

17時に委員会が終わり、英国大使館へ直行。オックスフォード留学以来の友人で東大物性研教授の三浦登さんが主宰されるミレニアム・サイエンス・フォーラムという凝縮系科学を中心とする研究者の集まりで、宇宙飛行士の毛利衛さんのお話などがあり、その後のレセプションに駆けつけたのです。着くやいなや、三浦さんから挨拶をしろとご下命。お集まりの趣旨とは全く関係のない話になってしまいましたが、英語で挨拶しました。その後は、毛利さんたちとおしゃべり。

18時過ぎから、地元紙の取材。19時から、四日市市の井上哲夫市長と、久しぶりに鍋で旧交を温めました。司法研修所の同クラスで、参議院議員の経験もあります。



11月15日(木) 経団連、予算委、コポガバ、全療協、大和管財、国のかたち

今日は、8時から経団連との意見交換会。私はNC法務大臣として、コーポレートガバナンスについての考え方を説明しました。中座。

9時から17時まで予算委員会。小宮山洋子さんと若林秀樹さんの質疑です。田中外相に対する質疑が波紋を呼んでいますが、小宮山さんはイランのハラジ外相との会談内容につき、若林さんは就任から半年間の外相の外国要人との会談件数につき、それぞれ質問し、外相の資質に真正面から迫りました。

12時40分から、法務部門会議。13時から、コーポレートガバナンスPT。私から、経団連との意見交換につき報告し、修正協議の可能性につき言及。中座。

13時20分、「全療協結成50周年・『復権への日月』出版・記念集会」へ参加し、「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の会長として挨拶をしました。1951年にらい予防法闘争の中で誕生した全療協(当時の名前は全患協)は、文字通り筆舌に尽くしがたい苦難に満ちた闘いによって、私たちに、「人権」が人間にとっていかに重要かを教えてくれました。

14時、予算委員会へ。17時、採決。可決。その間、15時半から1時間、NC会議。サイバーテロ対策、盲導犬等利用円滑化法案、沖縄経済・観光緊急対策、官製談合防止法案、浜岡原発事故調査団報告などを了承しました。

17時45分、鈴木喜久子さん他の弁護士さんが来られ、1時間、大和都市管財の抵当証券などの被害について実状を聞き、今後の対策を協議しました。

19時から、国のかたち研究会の懇親会。盛り上がって、二次会へ。酩酊。


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