江田五月 活動日誌 2000年7月(21〜31) >>日程表

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7月21日(金) サミット首脳会議、クリントン演説、民主党中国

今日は、サミット首脳会議。正直言って、あまり関心を引いていませんね。年中行事になっており、無理して今年のテーマを設定している感があります。各国とも、お付き合いという態度がありあり。サミットが日本で、国内政治を動かす道具になってしまっていることを、各国とも見抜いているのではないでしょうか。

クリントン大統領が今日午前、「平和の礎(いしじ)」で演説。基地の整理縮小に引き続き取り組むと表明したと、歓迎されています。しかし私がテレビで聞く限り、彼は基地の整理縮小のことに触れる前に、“continue our commitments”とはっきり述べてフレーズを一区切りしており、米国の沖縄への関与は続けるとの態度を明らかにしています。そう考えると、20日に行われた「人間の鎖」の行動とは、趣旨を異にする態度表明であり、無条件の歓迎はちょっと甘いのではないかと思います。

午後2時から、民主党中国ブロックの会合。総選挙の反省などを、3時間半にわたって協議。その後、懇親会。各県とも苦労しながら、民主党の躍進のため血のにじむ努力を重ねています。山口2区の平岡秀夫さんは、全地方議員さんや小さな集落など、細かな挨拶まわりをされたとのこと。隠れた努力があるのですね。私は引き続きブロックの代表を務めることになりました。

7時から田原清正岡山市議の同期生の皆さんで、おいしい鮎を食べる会。お相伴させてもらいました。



7月22日(土) 大暑、サミット、中桐反省会

今日は大暑。あまりの暑さに、クーラーつけっ放しでした。
五月会だより」の原稿書きと揮毫。数年前のものを見ると、やはり年月の経過を感じます。しかしまだ、後進にバトンタッチとはいかないのがつらいところ。少なくとも、次の参院選と総選挙で、リベンジを果たさなければなりません。

今日はサミット首脳会議の2日目。IT革命もWTOも、首脳が一堂に会さなければならない課題だったのかなとの印象を拭えません。安室奈美恵とじゃびせん(三線)は、文句なく拍手ですが。

WTOの協議を年内に始めるのはいいことですが、問題はやはりテーマです。私は、貿易秩序に環境の観点をどう取り入れるかが、最大の課題だと思っています。

昨日の書き込み中、クリントン大統領の演説につき、英語のテキストを探しましたが、アメリカ大使館のプレスレリースにもまだ出ていません。新聞で見ると、朝日新聞が、はっきりとはしませんが批判的な論調で、私の印象もあながちピントはずれではなかったと思いました。

夕方から、邑久郡の皆さんと中桐伸五さんの反省懇親会。



7月23日(日) サミット雑感、全逓美作支部、ドイツビアホール

今日は、ちょっとゆっくり。サミットの最終日で、森首相の記者会見を見たりしていました。それにしても、失言を恐れるあまり、leader でなく、reader になってしまったようです。「繁栄」、「安寧」、「安心」というキーワードも、ずいぶん前から官僚の皆さんの中で練られていたこと。本当に首脳の皆さんで話し合われたかどうか、疑わしい限りです。ワーキングランチの80分間、「森議長」のリードで、話題は華道や書道のことばかり。ジュビリー2000は話題にもならなかったとか。とんでもないことです。800億円の真夏の世の夢。あきれているばかりではいけません。

昼から、全逓美作支部の結成レセプション。東支部と西支部が統合しました。ビールで出来上がり。知人の挨拶まわり。

岡山に帰って、3所帯でドイツ風ビアホールでしこたま飲みました。お客に岡山市内のお医者さまのグループらしい一団がいて、ドイツ語の歌で盛り上がりました。



7月24日(月) 宿酔、書道展、中坊さんと司法改革

今日は、さすがに昨日のアルコールが残っており、「おはよう730」に完全遅刻。喫茶店のモーニングだけいただきました。9時半からの事務局会議も、半ばもうろう。10時半、葛迫南桂先生の書道展。そのまま11時過ぎの新幹線で上京。車中爆睡。

3時半から約1時間半、中坊公平さんと司法制度改革について意見交換。今回の司法改革の眼目は、「法曹一元」と「陪審制」の導入に道を開くことだというのが、中坊さんの意見です。私も全く同感です。民主党案を高く評価していただきました。

日本の司法の歴史は、弁護士の必要をなくしようとする歴史だったとのご指摘。慧眼です。以下、中坊さんのお話の私なりの要約。

「立法は抽象的法規範を作ります。行政がこれを一律に執行します。しかし人間は個々人ですから、一律執行では個別のケースで都合の悪いことが出てきます。これを個別に取り上げ、司法(裁判)で是正するのです。個々人と裁判所との間を取り持つのが弁護士です。この司法の役割があって初めて、公共空間での3権と国民の関係が、『法の支配』の関係として完結するのです。この、法の適用とは逆方向の個別的調整装置が機能していないと、『法の横暴』になってしまいます。」

「だから弁護士は不可欠で、その公共的使命を自覚し、市民の中で活動しなければなりません。そして市民の中で鍛えられた弁護士の中から、この人という者を裁判官にすれば、より良く個別的調整ができるのです。だから『法曹一元』なのです。」

「官僚国家」から「民主主義の国」に変えるには、弁護士をもっともっと拡充しなければなりません。それは弁護士業界の権限拡大ではないかとの疑問は、的はずれです。業界利益で言えば、今のままが一番ハッピー。寡占状況で、売り手市場ですから。数が増えれば余計な競争を強いられ、面倒なお客も断れなくなります。そこを乗り越えなければ、弁護士も、市民から遊離した、敷居の高い存在から脱皮することはできません。



7月25日(火) 熊谷裕人さん、写真展、NC会議、法務省

今日は、まず岡山4区の熊谷裕人さんからヒアリング。あの橋本元首相と戦ったのですから、大変でした。

11時半、21世紀臨調のスタッフと司法制度改革の進め方について意見交換。1時、参議院憲法調査会のスタッフと海外視察について打ち合わせ。

小川町のオリンパスギャラリーで、あじさい会(日大写真学科女子卒業生の会)の写真展。岡山のしばたきよみさんが、出品しています。

3時半から、NC会議。菅さんの「今日の一言」で、彼は次のとおり説明しています(無断引用をお許し下さい)。

「選挙中に出した重点政策について復習的にネクスト・キャビネットで集中的に議論を始めた。本物の内閣では閣僚同士が長時間議論する機会は極めてまれで、ほとんどは事務次官会議を通った案件を承認するセレモニーであった。内閣がチームとして行政権を行使するには当然閣僚の間の議論が必要なはず。」

というわけで、今日は社会保障と地方分権とをほぼ2時間議論しました。

社会保障は、医療、介護、年金。いずれも政府与党は問題先送りで、国民の不安感は強く、今の不況の原因にもなっています。だからといって民主党の提案もなく、お手並み拝見ではいけません。しかし特に年金は難しいですね。私はもっぱら聞き役でした。地方分権は、「基礎自治体」と「広域自治体」の規模、権限配分(どちらが中心か)をめぐって、かなり意見の違いがあります。次回は、今日の続きと、公共事業と財政。

その後、私の提案で「盗聴法廃止法案」の参議院再提出を決定。(正式には、「刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案」と言いますが、何だか分からないでしょう。「盗聴法」も、正式には「通信傍受法」でさえなく、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」と言うのです。通称で許して下さい。)

7時から法務省で司法制度改革などにつき意見交換。



7月26日(水) 憲法調査会、東京湾横断道路、木村目黒区議

今日は、まず民主党の雪印問題対策本部、次いで「介護保険を良くするPT」。10時半から参議院憲法調査会の海外派遣の打ち合わせ。9月18日から26日まで、英、独、伊3か国の憲法状況の視察に行くことになりました。外務省と国会図書館から説明を受けました。

12時半からバスで行政監視委員会の視察に出発。まず、東京湾横断道路。海の日から通行料が大幅値下げで、普通車は片道4000円が3000円になりました。いったい何が起きたのでしょう。

房総半島の開発のため、1日2万5000台の通行量で計画。ところがバブルがはじけ、実際は1日1万台弱。しかも殆どが観光客。房総の観光業者が潤っただけのこと。そこで、通行料を下げて客を引っ張ろうというのですが、それでも値下げで増える通行量の予測は、1日1万2000台とのことですから、単純な掛け算で、収入は減少となります。しかし、その分京葉道路がすくから、こちらの通行量が増え、儲かるはずだとして、これを取り込んだ「千葉プール」を作り、全部込みの経理運営で辻褄を合わせようと言うもの。天下り先やゼネコン利益の確保は、抜け目なくやっているのでしょう。

次に、羽田空港の管制業務を視察。大変ですね。

夜はこれから、目黒区議の木村洋子さんが監査委員になったので、祝賀会へ。



7月27日(木) 社労士、新人とNC、姫路ストーカー、江田三郎、菱山さん

今日は、昨日の全国社会保険労務士政治連盟の堀谷会長らに続き、東京都社労士会の大槻会長らから、社労士の皆さんの司法制度改革についてのご要望を聞きました。聞かなければ分かりません。勉強です。次いで、中尾津山市長らから予算要望。

1時から2時間半、衆議院新当選者とNC会議との意見交換会。各ネクスト大臣からの概要説明の後、新人の参加者27名全員が、抱負と意見を述べました。ときどきNC側もコメントや反論。これまでの政治潮流と全く関係ない議論が続出。この皆さんの参加で、民主党の議論がぐっと若返ることを実感しました。面白いです。

5時、姫路のストーカー殺人について、竹村泰子さんと一緒に警察庁の調査結果報告を受けました。警察庁も、被害者側の言い分の方が真実らしいと認めているのに、現場の警察官の弁解を覆すことができません。歯がゆいことです。

6時半から、江田三郎没23年の偲ぶ会。父が最も苦しかった時代に行を共にした人々が、江田ファミリーで集まってくれる会で、今年は約30人。山岸章さんの勲1等受賞と石井紘基さんの当選の祝賀も兼ねました。阿部昭吾さんも昨年秋勲1等受賞です。

菱山郁朗さんが、大学の卒業論文「構造改革論の思想的意義と現実的課題」を、ワープロで打って持ってきてくれました。目次だけ見てもグラムシ、イタリア、レーニン、現代資本主義論争など、当時の若者の知的興味が伺われ、ぜひこのHPで、全文を紹介して欲しいと頼みました。



7月28日(金) 県政懇、分権?、所信表明、盗聴法、木内市議

今日は、朝8時から岡山県政懇談会。都内の超一流ホテルで素晴らしい朝食をいただき、県から国への重点要望事項を聞きます。以前はもっと質素だったのでは。

要望を大きく分けると、事業の採択、補助率の引き上げ、一律基準の設定の3種類かな。今年4月の「地方分権一括法」施行の前と後とで、要望の性格に何の変化もないように見えます。一括法は私も一応賛成しましたが、案の定です。そこで、どの程度変わったかを質問。石井知事は、丁寧には応えてくれましたが、分権未だ道遠しの印象です。橋本元首相が、地方が要請をまとめてくれないとだめだと牽制。国会議員の討論会ではないので、そこまで。

9時半、「民主党・新緑風会」の議員総会。今日は第149回国会の召集日です。10時本会議。続いて行財政改革特別委員会。いずれも形式的。11時、「民主党」の両院議員総会。鳩山代表から檄。中尾津山市長、空港道路の陳情に。1時の開会式はパス。衆参議員が参議院本会議場に集まるのですが、全員来るとパンクなのです。その後再度、議員総会。会派の役員選挙の段取り決定。熊谷幹事長代理と意見交換。

2時40分から本会議。森首相の所信表明演説。「新生」という言葉の羅列で、しかもやたらに項目ばかり多く、感心しません。徳目が多いのも気になります。「あっせん利得罪」についてはあいまいで、久世再生委員長のことも、言及なし。

終了後、「盗聴法廃止法案」提出の記者会見。夜、木内東村山市議の奥さんの通夜。木内さんは社民連の同志。先月の総選挙で当選した民主党公認の加藤公一さんの事務局長を務めてくれました。来年は都議選に挑戦かな。道中、岡山と電話連絡多数。



7月29日(土) 掛合町へ、竹下さん、樽井さん

今日は、竹下登元首相の葬儀です。島根県掛合町の町民体育館で、町、竹下家、自民党県連の合同葬。私は、鳩山代表の代わりに民主党代表として参列しました。

朝、チャーター便で、森首相、フォーレー米大使、海部元首相(保守党)、村山元首相(社民党)、神崎公明党代表、小沢自由党代表らと、羽田から出雲空港へ。チャーターバスで会場へ。大変に盛大な葬儀でした。

献花をしながら考えました。竹下さんには、個人的にはお世話になりました。私は昭和41年東大卒。横路さん、神崎さんも一緒です。それに大蔵省に進んだ同期の友人たちと、竹下さんを交えて楽しく飲んだことも何度かあります。いろんなところでご一緒し、楽しい会話を交わしました。それ以上の特別な関係はありませんでしたが、やはり思い出すと懐かしく、心からご冥福をお祈りします。

葬儀の場では、個人を称える言葉ばかりで、それは当然のことですが、やはりこの葬儀が竹下政治の終わりの儀式であることも、また当然だと思います。気配りとかの話でなく、土建政治、国対政治、派閥政治、数頼みの政治といった側面です。20世紀の最後の年と重なったことは、意味深いと思います。

車を飛ばしてやっと6時に津山市に駆けつけ、民主党第3区総支部の大会には間に合わず、残って待っていていてくれた人々と懇談。樽井良和さんからヒアリング。岡山市へ。花火大会には間に合わず、知人の家で会食。



7月30日(日) 民主党1区大会、同常任幹事会、久世氏辞任、知事選

今日は、朝8時半から知人の法律相談。10時から民主党岡山県第1区総支部の大会で来賓として挨拶。その後傍聴していたら、なんと1時半までかかりました。負けた選挙の総括ですから、厳しい言葉が飛び交うのも当たり前。次期の人事でも緊迫しました。もちろん私の責任です。申し訳ないことです。

昼から、知人のお見舞いと書道展2つ。

3時から、民主党岡山県連の常任幹事会。全国の政治状況を報告。臨時国会が始まり、明日から代表質問ですが、「そごう」救済と金融再編、中尾逮捕とあっせん利得罪に加えて、久世金融再生委員長問題が登場。結局辞任となりましたが、トカゲの尻尾切ではすみません。判っていながら任命した森首相の責任を、厳しく問わなければなりません。金融行政をどういうものだと思っているのでしょうか。

常幹は、活動報告の後、8月26日予定の県連大会議案書の検討。9月9日予定の本部代表選出大会の有権者集めの相談。秋の県知事選挙の検討。その他議題が盛りだくさんで、6時45分までかかりました。その後記者ブリーフ。

10月22日、岡山県知事選挙が行われます。石井現知事が立候補、民主党に推薦を求めてきました。民主党としては、対立候補の擁立は困難です。4年前に私が敗れているので、何か言うと個人的感情が入った意見のように取られそうで、嫌なのですが、今日は自分の意見を言いました。皆さんはどう思われますか。聞かせてください。

夜は、ドイツレストランで夕食。



7月31日(月) 駅前街宣、はたさん、98会、掲示板

今日は、恒例の「おはよう730」。岡山駅西口でした。9時半から事務局会議。ちょっと時間をとり、最近の政治状況や県内のことについて、報告と議論をしました。

11時半から、5区のはたともこさんから昼食付きヒアリング。選挙は初めての経験で、しかも超短期でしたから、大変だったと思います。いろんなぶつかり合いもありました。しかし、はたさんは元気いっぱい。再度挑戦の意欲に燃えています。

ガラス工芸展に顔を出して、2時過ぎの新幹線で上京。車中爆睡。

議員会館で、待ちかまえていた電話連絡や事務処理をすませ、6時半から「98会暑気払い」。98年参院選当選者のうち連続当選でない者(新人と私のような帰り新参)と、その後に補欠選挙などで会派に入った者とで作る、「民主党・新緑風会」の中の純粋親睦グループで、なぜか私が会長なのです。久しぶりの懇親会で、昨年の長野補選の羽田雄一郎さんと先日の三重補選の高橋千秋さんとの歓迎会を兼ねました。みな若くまじめで、「民主党はこれで良いのか」みたいな話がぼんぼん出ました。

ところで、私の掲示板に書き込んで下さる皆さんが増え、有り難うございます。私が返事を書くかどうかは、私の独断と偏見で選別させて貰いますので、お許し下さい。私個人の趣味の問題ですが、匿名や、挑発的な表現は、好みません。それと限られた生活時間内での優先順位の選択のこともあります。ご意見は、私なりにきちんと読んでいるつもりです。どこかで生かさせていただきます。


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