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敵前逃亡

10月11日、日弁連の人権擁護大会が福島県郡山市で開かれて、住基ネットを痛烈に批判する宣言が採択されました。

その前日10日には、この問題についてのシンポジウムが行われ……5時間半の長丁場にもかかわらず、500人以上の参加者がほとんど途中エスケープもしなければ居眠りもしない、という実に充実したシンポでした……報告者やパネリストがよってたかって住基ネットをさんざんにこきおろしました。

実は、このシンポには、初めの予定では、総務省の担当者も参加することになっていたのですが、直前になってドタキャンをくらってしまったのでした。

なんでも担当者氏は、はじめは「桜○よ○こさんを論破してみせる」とたいそうな意気込みだったのですが、土壇場になって、「住基ネットの悪口をいう宣言がハナから予定されている場に出て行って道化役をやりたくない」と言ってオリてしまったということです。

しかし、これは逃げ口上にしてもデキが悪い。この種の大会で、宣言案がシンポの前から用意されていることは常識ですし、日弁連が住基ネットに反対していることは周知の事実ですからね。こう言っちゃなんですが、パネリストの顔ぶれを見て「相手が悪い」と思ったかなんかして、臆病風に吹かれたとしか思えません。

それにしても、総務省側のこの態度は、実にけったくそ悪い。かりにも、日本の行政のあり方を根本的に変える、画期的な(しかしきわめて人気が悪い)プロジェクトを推進しようとしている、当のご本人じゃありませんか。それが反対派の巣窟に招待されたんですよ。どんな相手が手ぐすねひいていようとも、「人と出会えば人を斬り、鬼と出会えば鬼を斬る」くらいの覚悟で乗り込んで、反対論をかたっぱしから論破するくらいの気概がなくてどうしますか。

国家戦略をリードしているのが、実はこういうケツの穴の小さい小役人だということが、今の日本国民の最大の不幸でしょう。

P.S.
「いやだ」という住民については住基ネット参加を強制しない、という方針をとっている横浜市では、別に組織的な返上運動があったわけでもないのに、市民の4分の1にあたる80万人が参加拒絶の意思表示をしたということです。住基ネットがどんなに不人気か、この数字を見れば一目瞭然でしょう。

(2002/10/23)


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