人間空母 弁護士を笑え! 戻る目次ホーム

テリブル・セヴンティーン

 ゴールデン・ウィークのあいだじゅう、17才の凶悪犯罪のニュース(複数)の嵐が吹き荒れました。実はわが家にも一人いるので‥‥おまけに予備軍までいるので‥‥まったくもって人ごとでありません。

 政治の世界はいまほかのことで忙しいようですが、それが一段落ついたら、少年法がどうとか修身がこうとかできっと騒々しくなることでしょう。日弁連はたぶん遅れぎみに‥‥なにしろ議論に時間がかかるところなので‥‥長〜いコメントを出すでしょう。私はこの問題の担当者でもエキスパートでもないのですが、それまで待っておれない気分ですし、公式見解が出ちゃった後ではモノも言いにくくなるので、今のうちに一存でちょっと言わせていただくことにいたしました。

 私たちがいま生きている社会の将来に、バクゼンと不安になっているのは、たぶん私だけではないと思います。私は山出しなので街の子どもたちのことはよくわかりませんが、少なくとも私の育った時代には、イジメやら疎外やら自己肥大やらがここまでひどい結果になる前に、子ども社会の中で軌道修正するシステムみたいなものがあったような気がするのですよ。子ども社会の中に、ですよ。今はそんなものはないのでしょうか?なくなったのだとしたら、どこでそういう性の悪いバグが出ちゃったのでしょうか?「昔の方がよかった」という気がするのは、ただ私の心が老化したからだけなのかもしれませんが、ただの気のせいじゃないように思えて、ものすごく不安なのですよ。

 考えてみると、私は親父が毎日働いている姿を見ながら育ちましたが、わが家の小悪魔たちは、夜とか休日とかに粗大ゴミ状態になっている父親しか目にしないのですから、大人に対する信頼が芽生えなくたってちっとも不思議じゃないのかもしれません。

 何をどうすればいいのか、私には見当もつきません。つきませんが、何かをどうかしなければいけない時期にきているのじゃないでしょうか。未成年者にも厳罰を?厳罰主義で犯罪が減ったためしはないでしょう。(歴史にこういう例があるとおっしゃる方には、それは九分九厘歴史家のダボラだと申し上げたい。)

 道徳教育?私の子ども時代には、道徳の授業なんてただ退屈なだけでしたけどね。その点については全子どもの意見が一致していました。今の子どもたちが当時の私たちよりしおらしいなんて、とてものことに思えませんがね。

 親や教師の毅然たる態度?のっけから信頼されてない大人がやみくもに高圧的に出たって、反発されるかカゲで馬鹿にされるのがオチでしょう。まことにとりとめのない、論理もなければ結論もない話で申しわけありませんが、これは弁護士会の声明じゃなくてただのコラムですので、それに免じてご勘弁下さい。

(2000/06/08)


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