河田英正の主張

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2002/07/24 住基ネットと民主主義

住基ネットがいよいよ稼働しようとしている。

これによって住民側に生まれる便利さは,全国どこにいても住民票がとれるということぐらいとのことである。いったい何人の人がこれの恩恵をうけるだろうか。

一方これを管理する行政側は,一元的に住民の情報を管理することができるようになり,まことに便利な効率的なものとなる。この情報が外部に漏れ,他のデーターベースなどと交差すれば,人のプライバシーの細部に渡って情報が管理される怖れがある。既存の情報さえ既に悪用されている深刻な例がいくらも報告されている。現在でも,多くの情報が不法に流出し,利用されている。

情報は集中しない方がいい。現実に情報を扱う地方自治体からも直接異議がだされている状況にある。

個人情報の分散による非効率さは,民主主義のコストである。民主主義は,この非効率さによって守られる。住基ネットによる効率化は民主主義の破壊につながる。実施された場合,番号を返上する現実的方法はないものか。


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