河田英正の主張

戻る目次


2002/02/16 国のかたち

国民の意思を最も適格に反映させることのできる選挙制度のなかで,しがらみのない選挙によって選出された議員によって構成される国会。その国会で多数を占めるグループから選出された首相が内閣を組閣し,政党と癒着しない行政が誠実に執行される。その過程を司法が監視する。今の憲法が描いている議院内閣制の制度であり,民主主義の実現方法の一つである。

民主主義は,全ての問題を解決するオールマイティカードではない。しかし,きちんとこの制度が機能しているなかで,閉塞的な経済環境となり,構造改革が進まず国民に負担が強いられるのであれば,それは受任しなければならない苦痛として納得できる。しかし,現在はこの制度のあらゆるところで理念からかけはなれた機能しかしていない。その原因は,長期にわたる国会における自民党の支配状況が続いてきたことにある。行政と癒着し,利権構造を国民生活の中に根深く定着することによってその支配をより強めてきた。

言いたかったことは,まずは民主党が政権交代可能なもう一つの政党としてしっかりと育っていって欲しいということである。風通しの良い行政と国会の関係ができれば民主主義はよみがえると思う。国のかたちを制度として大きく替える必要はない。巨泉さんの感覚は非常に大切で共鳴することが多かった。やはり2大政党制を考えていたと思うが,その実現のために我慢して頑張って欲しかった。NGO問題など民主主義とは何かを考えさせられることの多い今国会の議論である。少々の考えの違いを乗り越えて民主党のがんばりを応援したい。


河田英正の主張

戻る目次